【初心者向け】失敗しないAmazon広告の運用方法とその手順

  • 2018.12.6
  • 2023.10.2
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EC事業者であれば必ず出店を検討するのが、世界の巨大プラットフォームAmazonですよね。
もしあなたがAmazonに商品を出品し、売上を伸ばしていきたいと思うのであれば、Amazon広告の出稿は一番最初に検討すべきです。

しかし、様々なAmazon広告アカウントを見る中で効果的な運用ができていない会社も少なくはありません。

・実施しようと検討したが難しくて諦めた
・広告出稿してみたがうまくいかなかった
・調べても情報が出てこなくて挫折した

今回は、上記のように運用方法がわからない、もしくは試したけどうまくいかなかったという初心者向けに失敗しないAmazon広告の運用方法とコツをお伝えします。

Amazon広告の運用の流れ

Amazon広告が他広告プラットフォームと異なる点は「商品を探している」ではなく「商品を買いたい」という最も購買意欲の高い層が集まっていることです。

よくリスティング広告と似ていると言われますが、全く異なります。
悩みを解消する商品ジャンルがわかった上で、「どの商品を購入しようか」と検討しているため、運用方法は異なります。

そのため自社の商標やブランド名で検索したユーザーをしっかり獲得することを最優先に考えて運用を行っていきます。

下記順番に運用を行っていきます。

①商品詳細ページを充実させる
②商標・ブランド名の検索から獲得できるようにする
③見込みの高いアクセスから掲載面を増やしていく

Amazon広告を実施する上で最も重要になるのが商品詳細ページです。
ページを見たユーザーを購入につなげる、いわばランディングページです。魅力が伝わらなければ結論、運用改善はまだまだ先の話です。

最初にどのような商品詳細ページにする必要があるかご紹介します。

Amazon広告を始める前に商品詳細ページを充実させる

実際にAmazon広告で効果的に運用するには、商品詳細ページをしっかり作り込む必要があります。

多くの方は、ただ出品だけして広告を配信してしまっています。
これではせっかく集客できても結果につながりにくいです。実際にあなたも商品を購入する際にレビューや商品画像が少ないと、購入するのを諦めることがあると思います。

まずは、下記項目をチェックしていきましょう。

①商品画像を7枚設定しているか
②商品レビュー数が10以上あるか
③タイトル、文字数は充実しているか

①商品画像は7枚設定する

合計7枚の画像を設定することができます。商品写真は1枚が必須です。残り6枚で必要なメッセージを伝える必要があります。

たまに広告で使用しているランディングページを切り貼りだけしているケースがありますが、サイズを整えたほうが親切であり、売上に影響するので重要な設定です。

ちなみにですが画像をクリックして、ズームして詳細確認してもらうには長辺が1,600ピクセル以上必要になります。

詳しくは下記ヘルプをご確認ください。
参考:商品画像の要件 – Amazonセラーセントラル

②商品レビュー数が10以上あるか

厳密に◯件必須というわけではありませんが、レビュー数の少ない商品では消費者としても購入に繋がりにくいです。
そのため、すでに購入者がいる場合はレビュー依頼を行って少なくとも10件は集めるようにしましょう。

参考:レビューをリクエストする – Amazonセラーセントラル

③タイトル、文字数は充実しているか

楽天等でも出店されている方はすでに実施しているかもしれませんが、タイトルや説明文には検索で引っかかりそうなワードを入れることが鉄則です。

タイトル:200文字以内
説明文:1,000文字以上

商品名の他に機能、特徴、セールスポイント、権威なども追加するようにしましょう。

例)リスマガサプリ/腸活ダイエットサプリ/オリゴ等/ラクトフェリン/20種類の乳酸菌/30日分/耐酸性カプセル

以上です。Amazon広告運用ノウハウはたくさんありますが、前提として商品ページが整っていないとその後の購入にも繋がりません。上記は、最低限必要な作業になりますので必ず実施しましょう。

最も購入に近い商標・ブランド名から構築する

前述した通りAmazon広告は「どの商品を購入しようか」を検討しているユーザーになるので、商標やブランド名が検索された際に一番上に表示するほうが効果的に購入につなげることができます。

そのためAmazon広告でも様々な広告配信手法がありますが、商標やブランド名で検索された際に網羅できるように設計していきます。

Amazon広告の種類は、大きく分けると3種類で、スポンサープロダクト広告、スポンサーブランド広告、スポンサーディスプレイ広告があります。

■スポンサープロダクト広告
スポンサードプロダクト広告はキーワードを指定して、検索ワードに合致した時に広告を出す配信方法となります。
主にリスティングの検索広告と同じ形となっており、ユーザーが商品の広告をクリックした際課金される形の広告です。

■スポンサーブランド広告
スポンサーブランド広告とは、Amazonで検索をした際、下記検索結果の上部(下図ピンク枠)に自社のアイコン及び最大3商品を表示させる事ができる広告です。
配信するためには、「Amazonブランド登録」に登録している必要があります。

■スポンサーディスプレイ広告
ターゲティング戦略(商品ターゲティングまたはオーディエンス)を選択し、リーチしたいオーディエンス内容を選択して配信を行う形のものです。
こちらもリスティングのディスプレイ広告と同じ形となっており、違いはAmazon内にリーチできるかどうかになります。

実際にAmazon広告を行っていく際には、もっとも費用対効果の高いスポンサープロダクト広告から実施をしていきましょう。

Amazon内の検索結果に対して表示する広告のため、Google広告やYahoo!広告などの検索連動型広告に近いイメージです。

各広告メニューの詳細は下記をご参照ください。

スポンサープロダクト×オートターゲティングで商標・ブランド名で購入を促す

スポンサープロダクト広告には、オートターゲティングとマニュアルターゲティングの2種類のターゲティング方法があります。

オートターゲティングは、Amazonのシステムが自動でターゲティングを行う広告の運用方法。 マニュアルターゲティングは、キーワードや商品を指定して広告を運用する方法になります。

初めてAmazon広告を運用する場合は、オートターゲティングを使っていきましょう。
理由は、Amazon側が自動で類似商品や関連するキーワードから検索したユーザーに、広告を配信してくれるからです。

つまり細かい設定をしなくても適切なターゲットに適切なメッセージを行えるからこそ、費用対効果も高いのです。

次に3種類の入札戦略を説明します。

■動的な入札 – ダウンのみ:
Amazonは、広告が販売につながる可能性が低い場合に入札額を随時引き下げます。

■動的な入札 – アップとダウン:
Amazonは、広告が販売につながる可能性が高い場合に随時入札額を上げます(最大100%)。
販売につながる可能性が低い場合には、入札額を下げます。

■固定額入札:
Amazonは、正確な入札額と、出品者様が指定した手動での調整額を使用し、販売の可能性に基づいた入札額の変更はしません。

最初は獲得が取れるキーワードの選定も兼ねているため、動的入札-アップとダウンを選択しましょう。
費用対効果を見るためにダウンのみを設定する方もいますが、これだと機会損失が増えてしまいます。

基本的には入札を上げて表示機会を増やし、見込み客の購買を促す運用方法になるので積極的に入札することが運用の肝です。

オートターゲティングの目的としては、購入数を増やしSEO検索でも上位に表示させることと購入につながったキーワードを分析する目的がメインです。
細かい設定を最初からするのではなく、簡易的な設定で配信開始を進めていきましょう。

購入につながったキーワードをマニュアルターゲティングで配信

オートターゲティングは全自動配信になりますが、実際に購入につながったキーワードなどを確認することができます。このキーワードをマニュアルターゲティングで配信を行っていきます。リスティング広告での購入につながった検索クエリを追加する作業と同じ要領です。

ROASの高いキーワードがあれば、そのキーワードの入札価格を高めていき積極的に広告を配信することで見込み客をさらに集めることができます。
ブランド名(商品名)が多くなることがありますが、競合他社や関連商品から購入につながったりすることがあります。
さらにリスティング広告と同様にマッチタイプの選定をすることができます。

種類は、部分一致、フレーズ一致、完全一致です。
ただし一点注意が必要です。Google広告やYahoo!広告は完全一致でも表記ゆれが含まれますが、Amazon広告では含まれません。

そのため、除外をする場合は表記ゆれも含めた設定をする必要があります。
※表記ゆれ(ひょうきゆれ)とは、同音・同義の語句について異なる文字表記が付されることです。

例)「クレンジング」を除外した場合

Google広告やYahoo!広告の場合

Amazon広告の場合

「くれんじんぐ」「クレンジング」「cleansing」「クレンジング洗顔」などを除外

「クレンジング」のみ除外

このように関連するものは除外対象となりますが、Amazon広告の場合は設定したキーワードのみ除外となってしまうため、一つ一つ分けて設定します。
一括入稿などもないため、キャンペーン単位で設定を行っていきましょう。

スポンサープロダクト広告にて、オートターゲティング及びマニュアルターゲティングをまずは実践した上で、次のステップに進んでいきましょう。
費用対効果の最も高く、失敗しにくいため、ここでAmazon広告の土壌を整えることが大切です。

スポンサープロダクト広告で結果が出ない場合は、商品詳細ページの作り込みに問題ないかと確認していきましょう。

スポンサーブランド広告で掲載面を増やしてさらに購入数を増やす

前述したスポンサープロダクト広告にて、商標・ブランド名などでの獲得ができたら次はその掲載面を増やして更に件数を伸ばしていきましょう。

スポンサーブランド広告は、スポンサープロダクトと同じように検索結果によって表示される配信です。そのためどちらも設定することでより表示する範囲が広がります。

スポンサープロダクト広告では、商品名×商品写真でしか訴求をすることができません。
しかしスポンサーブランド広告では、見出しと画像(ロゴ含め)などを追加することができ検索ユーザーに対してさらに訴求することができます。

商品情報以外のメッセージを伝えながら、同時に商品への購入を促すことができるのが一番のメリットです。
下記がスマホの場合です。掲載面も大きいため見込み顧客のクリックを集めやすくなります。

実際にスポンサーブランド広告を実施する場合は、ブランド登録を行う必要があります。
Amazon に出品している場合でも出稿できますが、小口出品の場合には出稿できません。

ターゲティングは、スポンサープロダクト広告と同様にマニュアルターゲティングとオートターゲティングの2種類から選択することができます。

最初は、商標検索に対してスポンサーブランド広告を実施しましょう。
理由はやはり商標検索からの獲得をより増やすことがROAS改善に最も繋がるからです。

マニュアルターゲティング:商品名の検索キーワードを設定
マニュアルターゲティング:ASIN(商品識別番号)を指定

この2つを実施することで商品名が検索された際に、スポンサープロダクト広告とスポンサーブランド広告が表示されるようになり、より販促に繋がります。

 

Amazon広告の運用は効率化と情報整理が重要

商標・ブランド名での2つの広告メニューについて紹介しました。
これらをまず日々の運用調整の中で、改善を進めていきましょう。

Amazon広告での改善において最初におくべきKPIはROASです。このROASを最大化するために日々の運用ルーティンで下記を行っていきます。

①オートターゲティングが適切な入札額で配信されているか

実際に配信してみると想定よりも配信されていないケースが多くあります。その場合は推奨された入札額の上限に設定をしていきましょう。

実際に配信してみた結果、下記のような推奨入札額が表示されたとします。

¥70-¥219と表示され、推奨は中間の¥109と表示されています。この際にそのまま適用のボタンを押すと¥109で設定されますが、一番上限の¥219で設定をしていきましょう。

基本的に高い入札から徐々に下げていき、ROASの見合う入札額に調整することがAmazon広告での必勝法です。ただし入札額が大幅に変わる場合は、変更前後は毎日必ず露出が極端に増えてROASが悪化していないかチェックをしていきましょう。

②スポンサーブランド広告のテキストテスト

スポンサーブランド広告の場合は、見出しでの訴求テストを行うことができます。このコピー内容によってはクリック率の改善ができるため、定期的に入れ替えて検証していきましょう。

現在Amazon広告ではABテスト等はできないため、上書きで更新し期間で比較する設定になります。

③管理画面での確認ではなくレポートで数字を把握する

Amazon広告は広告管理画面上では、期間比較する際に過去90日間までしか見ることができません。

こちらはレポート機能を使っても同様です。つまり昨対との比較ができなくなるため、せっかくの行った施策の成果も良し悪しが判断しづらくなっています。

Amazon広告での管理画面以外のツールを利用して、過去のデータも遡れるようにしていきましょう。理想としてはATOMやDatabeatなどの有償ツールを使うことが便利ですが、簡易的であれば毎月レポートをダウンロードして、エクセルやGoogleスプレッドシートを使って管理するのも良いと思います。

レポート自体は定期ダウンロードの設定をすることができるので、こちらを設定してダウンロード忘れを防ぎましょう。

下記はレポート設定例です。

※キャンペーン別のデイリーレポートをダウンロードしたい場合
単位:キャンペーン
期間:先月度 データ
単位:毎日

このように設定すれば少なくともレポートのローデータ自体は取得できるため、今は管理する必要がなかったとしても必要になったタイミングでデータを使えますので、設定を行っていきましょう。

以上が基本的なAmazon広告の運用方法です。商標・ブランド名に絞ってまずは費用対効果の合う配信からまずは進めていきましょう。

まとめ

Amazon広告を実施するからには最初はROASを重視して運用することで次の施策に進んでいくことができます。

ただし冒頭にお伝えしたように商品詳細ページを充実することが購入率に影響します。

そのため大前提は、商品詳細ページを充実させることです。その上で確度の高い商標やブランド名での広告に対してスポンサープロダクト広告、スポンサーブランド広告を実践していきましょう。

購入者が増えることにより、カスタマーレビュー件数の増加が見込めます。
結果としてAmazon内の商品として評価が高くなり、広告以外での売れ行きが増えるため全体の費用対効果も売上も右肩上がりになっていきます。

実際に運用をしていく中で他の広告メニューを実践することをオススメします。
下記記事内で動画も含めてわかりやすく解説していますので、よろしければご参考ください。

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名川 聡

デジタルアスリート株式会社 D2C戦略部 部長
音楽活動のために上京したが、SEO関連の仕事でアルバイトをする中で、インターネットビジネスに興味が湧き、2012年12月にデジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に入社。
リスティング広告の集客代行から商材のクリエイティブまで 様々な業務を行っている。
50万~1000万円以上の案件を幅広く運用。 約5年間のリスティング広告運用代行及びコンサルティングを経験。
現在はEC商材において、記事制作から広告運用まで幅広い最新広告手法を使いながら、実績作りや新しい媒体開拓を行っている。

プライベートでも、自家製の梅干しや味噌を作るほど健康ジプシーであり、Web集客同様に自身の健康においても常にPDCAを回している。

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