
ビジネスのこれからを左右する「KPI」
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そもそもKPIとは何か
KPIとは、一言でいえば「事業評価指標」のことです。
企業にはそれぞれ、最終的に目指すべきゴール(年間や月間の売上目標など)であるKGIがあるかと思いますが、それを達成するためプロセスを評価する指標がKPIとなっています。
テレアポで例えると、「1ヶ月の受注件数10件」がKGI、それを達成するための「テレアポ件数1日100件」や「ロープレ1日1時間」などがKPIになります。
ゴールを達成するためにすべきことはひとつではないですが、個人や企業のステージによって、何に注力すべきかということは絞られてきます。
そうした、「今もっとも注力すべきこと」がKPIになります。
そのため、KGIがまったく同じ企業が2つあったとしても、それぞれでKPIは異なってくるのです。
KPIを設定するメリット
KPIを設定することには大きなメリットがあります。
①目標と進捗の可視化
明確なゴールと基準を決めることで、自分の現在地を把握し、今何が足りていないのかがわかります。そのため、軌道修正や行動の改善がしやすくなるのです。
KPIは定量化できるように設定するため、人によって判断基準がバラバラということが起きないことも大きなメリットです。
前述したテレアポの例でも、「テレアポ件数1日100件」や「ロープレ1日1時間」といった基準値を決めていないければ、あと何をどのくらいやればいいのかが曖昧になってしまいます。
そのため、その先のKGI達成という目標に対しての進捗度もわからなくなります。
最終的なゴールに対する現在地を認識するからこそ、今現在行なっている施策の妥当性の判断や見直しをすることができるのです。
②やるべきことの洗い出しができる
KPIが決まったら、次はそれを達成するために必要なことは何かを考えます。
「テレアポ件数1日100件」を達成するには、リストをつくったり話の流れを決めたり、もしくは1時間あたりにかける件数を決めたり、といつまでに何をするのかが明確になってきます。
そしてやるべきことが決まったら、それらに優先順位をつけ、実行に移していきます。
③PDCAサイクルが回り改善スピードが上がる
計画を立てて実行し、課題が見つかればそれを修正して再び実行する。
PDCAサイクルを回すことは、ビジネスを成功させる行動の基本中の基本です。
後ほど詳しく説明しますが、KPIのPDCAは
・KPIを達成するためにはどうすればよいのか
・設定しているKPI自体に間違いはないのか
という2つの視点で回していく必要があります。
特に、「設定しているKPI自体に間違いはないのか」を意識できていない企業はとても多いです。
しかしこれができていないと、「KPIは達成したけどKGIは未達」ということが起こります。
今の自分たちにとって一番すべきことがわからないまま進み、目標も達成できていないのですから、事業が衰退し、会社が倒産してしまう可能性も高くなっていきます。
こうした事態を避けるためにも、この2点に着目して定期的に振り返りを行って改善をしていく必要があります。
そうすれば、目標達成はぐっと近づきます。
設定するKPIはステージによって異なる
KGIは一つであっても、KPIとして設定できそうなものは一つではありません。
もう一度テレアポで例えてみましょう。
KGIが「1ヶ月の受注件数10件」の場合、「テレアポ件数1日100件」や「ロープレ1日1時間」などがKPIとして考えられます。
営業トークが得意なAくんと、営業トークが苦手なBくんに「テレアポ件数1日100件」という同じKPIを設定した場合、結果はどうなるでしょうか?
Aくんは営業トークが得意なので、KGIを達成する可能性は高いです。
しかしBくんは、営業トークがうまくならないまま電話をかけ続けているので、どこを直せばよいのかがわからず、10件受注できずに終わってしまうかもしれません。
あるいはKPI自体も未達に終わってしまうことも考えられます。
KPIが未達に終わった場合、多くの方は「KPIを達成するためにはどうすればよいのか」という視点で改善プランを練ります。
しかしここにもう一つ、「設定しているKPI自体に間違いはないのか」という視点も重要になってきます。
Bくんの一番の課題は、「テレアポを1日に100件できなかった」ことではなく、「営業トーク力が低い」ことです。
そのため、「ロープレ1日1時間」をKPIとした方が、KGI達成に近づきます。
企業単位でも同じです。
しかし、企業という大きな組織の中で、各個人に異なるKPIを設定し、PDCAサイクルを回していくことはなかなか難しいです。
全員が違う指標で動いているので、企業全体として何を追っていくかが非常に見えずらいです。
大切なことなので何度も言いますが、KPIは一度設定したら終わりではなく、振り返って改善をしていくこととセットでなければ意味がありません。
慣れないうちは、全員で一つのKPIを追い、それを改善してまた実行するということを優先してください。
これができるようになってきたら、個人毎のKPIを追う方式に変えていくのがよいと思います。
KPI設定・実行のためのコツ
KPIは最低限以下の基準を満たしている必要がありますので、KPIを作成する際、また作成した際には以下のチェック項目と照らし合わせてみてください。
①KGIとのずれはないか?
必ず、KGI達成のためには何が必要かという観点から考え始めてKPIを考えるようにしましょう。
②定量化できているか、具体的か?
曖昧なものや、感情で判断するものになると、正確な評価ができません。
必ず数字で変化が追えるものにしてください。
③現実的か?
「明日までに売上100倍アップ」など、現実的に厳しいものにするとその後の施策なども決めることができません。「このようにしていけば達成できる」という道筋が見えるかの確認も忘れずに行ってください。
実際に弊社でもKPIを導入しています。
クライアントの売上を上げるための改善施策数や成果の報告数など定量化できるものを設定し、達成できたかどうかを週単位で追っています。
上記の項目を満たしたKPIであるため、たとえある週が未達に終わった場合でも
どのKPIが何件未達なのかがわかり、その後の改善につなげていくことができています。
まとめ
①KPIは、「今もっとも注力すべきこと」で、マーケティング活動(施策など)が「目標に向かって適切に進んでいるのか」を判断するための指標。
②KPIのPDCAは以下の2つの視点で回していく。
・KPIを達成するためにはどうすればよいのか
・設定しているKPI自体に間違いはないのか
本当に実行すべきKPIにたどり着くまでには、何度も改善が必要です。
しかし、実行してみてはじめて、そのKPIが正しいのかどうかが分かり、別のKPIを設定するという次の段階に進むことができるのです。
こうしてうまくKPIを実行している企業は、「頑張っている方向」と「頑張っていること」が一致しているため、努力したら努力した分だけ成長していきます。
反対に、「頑張ってても成長できない」企業はKPIがずれてしまっている可能性が高いです。
ズレたまま進んでしまうと、努力が成果につながらず、ビジネス自体が傾いてしまうかもしれません。
そのくらいKPIは、ビジネスにおいて重要な指標なのです。
KPIをうまく実行していけば、その先には成長と発展が待っていますので、この機会にぜひKPIを見直してみてください。
「KPI」などの業界用語の使い方、間違ってはいませんか?↓

株式会社リスティングプラス コンサルタント
「生産性と消費者をつなぐ仕事」に興味を持ち、広告業界、特にWeb集客に携わりたいとの思いでリスティングプラスに入社。現在は広告事業部にて主にリスティング広告の運用を担当。担当アカウントは単品通販、不動産、セミナー集客などの幅広いジャンルに渡る。飼っているネコを溺愛している
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