
「俺式PPC」の桜井氏に聞く、リスティング広告運用者が生き残るために必要な視点とは
公式のサポートページもなかった時代から、今では広告運用に関する情報が簡単にWeb上で手に入るようになりました。
今回は、広告運用の情報が少ない時代からノウハウを公開するブログ「俺式PPC」(現在は俺式 桜井茶人の備忘録)を運営されている、株式会社バルワードの桜井茶人さんにお話を伺いました。
広告運用を始めたきっかけから、自動化の流れの中で、広告運用者が持つべき視点や考え方までお聞きしました。
桜井茶人(さくらい さと)
1981年、東京生まれ。
大学を卒業後、自動車教習所に集客担当として入社。
集客のための戦略の立案、チラシ・ポスター・ホームページなど集客全般を担当。全国1,400社以上の自動車教習所業界にて、全国ベスト5に入る実績を残し、社歴50年の中で最年少にて経営幹部となる。
2011年に独立し、個人事業主ダブルキューブとして活動。
2013年に株式会社バルワードの設立。
リスティング広告の運用では、影武者として下請けのようなスタイルでも活動している。
世界から注目されるwebイベントで講演をされた方や、某マーケティング協会の理事などからリスティング広告運用の右腕として、パートナー企業となり活動中。
Index
リスティング広告で自動車教習所の売上を4倍に

うちの広告運用コンサルタントも、桜井さんのブログを熱心に見て広告運用の情報をもらっていたといています。


ようやくパソコンが一般に普及したくらいの頃で、パートさんがホームページビルダーでサイトを作っているような状況でした。


当時はリスティング広告を代理店に任せていたのですが、自分で運用してみたら問い合わせが4倍ぐらいになって、すごく成果が出たんです。
その時に外注していたコンサルタントの方に、「教えてあげるから自分でやってみたら」といわれたのが、リスティング広告を始めたきっかけですね。


30歳を目前に、貯金70万円で独立してやったこと

最初は、経験のある自動車教習所のコンサルをやっていたのですが、当時は結構保守的な業界で話が進まなくって。でも僕、独立した時に貯金が70万円くらいしかなかったんですよ。




だから自分の資金で参入できて、Web上でビジネスが成り立って、生活できるくらい稼げるものを計算して・・・当時はそれがキーホルダーの通販だったんです。
あと、お金を稼ぐといっても僕は営業ができなかったので、Webのみで集客で成り立つ方法を考えました。



「俺式PPC」ブログで広告運用者向けに情報発信を開始





でも、設定の方法とかを教えてくれるブログは他にもあったんですよね。
自分が記事を書いても、他の記事に埋もれてしまうことがあったので、自分のブログは読み手を広告運用者に絞った、もっと尖ったものにしようと思って。
将来的に、情報合戦になるということはわかっていたんですよ。
それで他のサイトではあまり出てこないような、自分が実際にやった運用の数字など生々しい情報を出しました。やった施策も細かく書いたので、それで目立ったんじゃないかな。


1年に1回くらいしかい更新しない時期もあったんですが、今でもそのブログから人が来てくれますね。

1ヵ月更新の契約が7年以上途切れない理由
解約も出ないから、空きがないんですよね。独立した時からの広告主様もたくさんいます。




リスティング広告以外のマーケティングのコンサルもするし、必要なら新人の研修もします。新規をどんどん取るより、既存の広告主様にリソースを割いて継続してもらう方がお互いに良い結果が得られると思うんです。
もちろん、1人でできる事には限界がありますし、僕にも得意不得意があります。
だから、大きなことがやりたくなったら同じベクトルを持つ会社と組んでやるようにしています。それも自分の実績になりますからね。

「リスティング広告はもう終わり」なのか?

もう指名検索くらいでしか取れないと思っている人もいると思うのですが。
ただ、昔はテクニックで乗り切れたものが通用しなくなってきたとは思います。


ただ運用をちゃんとやろうとしたら、マーケティングやビジネスの全体を見ることは絶対に必要になってくるじゃないですか。
僕の場合、商品のことや市場のことを1ヵ月くらいかけて理解します。
これをやっていないと、広告文や運用に出ます。どうしても印象が薄いものにしかならないからです。
実際にその商品はどんな素材で作られていて、どんな工夫があってとか、そのサービスを使ったらどんな気持ちになるのかとか、どこまで理解できているかが、一線で活躍できる人とそうでない人の違いじゃないでしょうか。
そう考えると、広告運用の技術って属人的にならざるを得ないですね。

「広告運用の自動化」で消える人と、消えない人の違い

「自動化に仕事を取られる」というような意見については・・・
僕は機械化や自動化が増えるのは、大工さんの工具が新しくなったり性能が良くなったりするのと同じだと思っています。
どんなに工具が良くなっても、結局大工さんの腕が良くないと良い建物は立たないですよね。結局は大工さんの技量が必要なんです。
今でも自動化は結構進んでいますが、今は自動でも手動でもどちらでも成果が出ると思ってます。


広告業界にいる人って、「相手のリテラシーも高い」と信じている所がありますよね。
でも実際にはリテラシーが低い人も多い。いくら広告が自動化しても、できない人は多いでしょう。だから、リスティング広告を使ったマーケティングの仕事が、無くなることはありませんよ。
また、リスティング広告が関われるところは管理画面のみではなくマーケティング全般になるので、今とスタイルは変わる可能性は高いですが必ず残ります。

広告運用を依頼する会社が本当に求めていること


要するに、広告運用者の方で「広告費の予算はいくらで検索で何件取れて、ディスプレイはCPA高いですが何件取れていて全体的にはCPAは目標の中に収まっています、だからOK」というところで思考が止まっている人が多いんです。
大事なのは広告主様のビジネスをどう成功させるかということのはずです。
そう考えたらCPAも全体で目標内に収まっているから良しではなくて、検索とディスプレイで分けて、それぞれどう改善していくかという考えになるし、それが広告主様の考えて欲しいことでしょう。広告主様は決して「広告を運用して欲しい」と思って依頼しているわけではないから。



YouTubeチャンネルを始めた理由

そうなったら、「僕はそう考えて、早くからやってたんです」って言えるから(笑)
成功したら実績になるし、別に失敗しても財産といえると思いますしね。
あと、やっぱり自分のやってきたことを通して、情報発信の価値をすごく感じているということがありますね。


ただ僕は今、新規で案件を取っていないので、直接仕事にというよりも、社会を良くしたいという思いが強いですね。
以前知り合いに、「あなたが広告運用をうちの社員20人に教えてくれたら、そのノウハウを100社に提供できる」と言われて、そうだなと思って。



インタビューを終えて
「俺式PPC」(現在は俺式 桜井茶人の備忘録)は、リスティング広告の情報がまだ少なかったころから、設定方法だけではない、実践的なノウハウを公開してきたブログです。
現在は、そのころから比べると情報も手に入りやすくなっているし、自動化も進んでいます。
しかしそれでも広告運用がうまくいかないケースが多いことを考えると、単純に競争相手が多くなったという理由以外に、「運用をマーケティング全体の視点から考えられているか」が重要なポイントなのだと、今回桜井さんのお話を聞いて思いました。
確かにリスティング広告はもう、広告を出せば売れるような時期をとっくに過ぎて、レッドオーシャンになっています。
予算や施策など与えられる範囲の中でしか動けない広告運用者、設定や運用など表面的な作業しかできない運用者は、今後、自動化の流れの中で成果を出せなくなり仕事を失っていくでしょう。
しかしそうではなく、広告主様に寄り添いビジネス全体の成功を目指すパートナーになれるなら、リスティング広告で成果を出し続けることはこれから先もずっと可能なのだと、逆に希望が持てるインタビューでした。
桜井さんが発信する広告運用やWebマーケティングの情報を受け取りたい方は、ぜひこちらのリンクからチェックしてください。
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