【特別対談2】これからの時代にオウンドメディアをやるべき理由とメリットとは

株式会社リスティングプラス代表・長橋慎吾が、株式会社ファベルカンパニー代表の古澤暢央さん、株式会社ホットリンクの飯高悠太さんにインタビューする特別対談の2回目です。
第1回では、検索アルゴリズムの現在と未来について、またオウンドメディアを成功させるために必要な要素についてお話しいただきました。

■古澤 暢央株式会社Faber Company 代表取締役北海道札幌市出身。アフィリエイトをきっかけに、SEM(検索エンジンマーケティング)の現場で研究・実践を重ねる。培ったノ...

 
第2回ではオウンドメディア制作の大変さ、それでもオウンドメディアを持つ事で得られるメリットや成果についてお聞きしています。
今回もコンテンツマーケティングの最前線で使われている考え方、お2人の経験があるからこそ話せる内容がたくさん飛び出しました。

■古澤 暢央
株式会社Faber Company 代表取締役

北海道札幌市出身。アフィリエイトをきっかけに、SEM(検索エンジンマーケティング)の現場で研究・実践を重ねる。培ったノウハウを広くクライアントに提供していくことを目的として、2005年10月に株式会社Faber Companyを設立。
販売するコンテンツマーケティング・オウンドメディア・SEO対策分析ツール「MIERUCA」(ミエルカ)は1,000社以上に導入されている。
趣味はキックボクシング。

 

■飯髙 悠太
株式会社ホットリンク 執行役員CMO

デジタルマーケティング領域で複数社渡り歩いたのち、株式会社ベーシックにて「ferret」を42万会員・月間500万PVのメディアへと育て上げる。新しいコンテンツを世に出したいという思いから、2019年1月よりビッグデータを活用したマーケティング支援を手がける株式会社ホットリンクにて現職。
2019年8月29日「僕らはSNSでモノを買う」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を出版。

 
■インタビュアー 長橋 真吾 (株式会社リスティングプラス代表)

オウンドメディア制作を外注してもうまくいかない理由

コンテンツマーケティングの一環としてオウンドメディアを作る時に、専門家に頼む会社と自分でクラウドソーシングでライターを探してやろうとする会社があると思います。

 

これはちょっと失礼な質問かもしれませんが、お2人みたいな専門家に制作を依頼する場合と、クラウドソーシングで見つけたライターさんに書いてもらって作る場合と何が違うんでしょうか。

リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
いや、僕たちもいままで数多くのライターを探して依頼してきましたけど、年々クラウドソーシングのレベルは上がっていると思いますよ。ただ、能力や経験を見て、必要な費用を払う必要はあります。

 

能力をきちんと査定しないとけないので、良いライターを見つける難易度は変わらず高いとは思いますね。

確かに、ライターの能力を判断するって難しいですよね。明確な判断基準がないですし。
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
そうですね。専門会社だとノウハウがあるのでできますが、ライターを雇ったことがない企業がクラウドソーシングで良いライターを見つけるのは相当難しいと思います。

なるほど。自分でやろうとすると、そもそも良いライターに依頼するのが難しいんですね。
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
かといって、丸投げで外注にオウンドメディアを制作してもらうのも、なかなか上手くいかないです。
「全部プロに任せよう」というのも良くないということでしょうか。それはどうしてですか。
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
やっぱりそのビジネスの内容を一番理解しているのは、経営者であり社員なんですよね。外注だと、その人たちが持っている知識や知恵を、なかなかうまく吸い上げられないんです。
確かに、優秀なライターがリサーチしても、経営者や実際に働く人と同等の知識は得られませんね。
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
それに外注した場合、制作する側は複数の案件を担当するが普通なので、どうしても使える時間が限られます。さらに、費用が少ないとかけられる時間も少なくなる。
だから「月10万とか20万とかでなんとかならないの?」って言われることもあるんだけど。
(笑)
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
「いや社長、それは無理ですよ」って。だから難易度高いですよ、丸投げで良いオウンドメディアを作るのも。
なるほど。ではやっぱり、社内に体制を作れないとオウンドメディアで成功するのは難しいですね。
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
そうですね。でも企業で実施する場合、スタッフを入れたとしてその人が退職しないか?という問題もあるじゃないですか。
確かにありますね…
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
オウンドメディアを作って、上手くいっていると思ったら、9ヶ月目くらいで「社長、ちょっとお話が…」って言われて、「え…まさか…?」ってなるじゃないですか(笑)担当者が辞めてしまったら、またゼロからやり直しになりますよね
中小企業では起こりがちかもしれませんね。
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
だから内製化するだけではだめで、社長がしっかりコミットして、普段から担当者ときちんと意思疎通しておかないと難しいと思います。
なるほど。こう考えると、オウンドメディアの制作や運営ってかなり難しいですね。
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
そうなんです。だからお仕事を頂くためには、僕の立場だと「やりましょう!」って言わないといけないけど、実態としては上手くいく所といかない所があります。
だから「うまくいかない」と感じたら僕はおすすめしないですね。「やめておきましょう」と言います。

  

オウンドメディアの魅力とメリットとは

それだけ難しい領域なんですね。
オウンドメディア制作に取り組むなら、経営者は1年2年という長期間を想定して、費用もかける覚悟で取り組む必要がありそうです。

 

では、それだけの時間や労力をかけてもやるべき、オウンドメディアの魅力や価値はどこにあるんでしょうか。

リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
あ、それは飯髙さんに聞いてみたいですね。
飯髙さん
飯髙さん
(笑)
飯髙さんは前職でWebマーケティングメディア「ferret」を成長させられました。
実際にメディアが大きく成長した時、どんなメリットを感じられましたか。
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
飯髙さん
飯髙さん
やっぱり、メディアのおかげで広告宣伝費をかけなくても会社が知られるというメリットは大きいですよね。カンファレンスでメディアパスを出してもらえたり、最前列で電源なども用意してもらえたり、それはメディアで記事を書く可能性があるからです。

 

あとは僕たちの場合、「株式会社ベーシック」という会社名よりも「ferret」というメディア名の方が有名になったんです。
比較サイトやマーケティングプラットフォームなどの他のサービスも「ferretがやってるなら導入するよ」ということもありました。

「ferret」が会社の信頼を高めたんですね。それは広告では得られないメリットですね。
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
飯髙さん
飯髙さん
そうですね。オウンドメディアの場合、直接獲得できるCVは決して多くないかもしれないけど、広告やSEOなどの他の施策も含めて、全体に良い影響を与えることができるんです。

 

広告ならいくらで・SEOならいくらで獲得できてるとか、部分を見て考えたら、オウンドメディアは悪いに決まっています。
でもそうじゃなくて、オウンドメディアなどのコンテンツマーケティングはユーザーの行動フロー全部に影響するんです。直接CVだけじゃない、違うところに付加価値をつけているんです。

確かに、オウンドメディアなら、ユーザーが知りたがっていてもランディングページでは伝えられない、商品のメリットや事例などもコンテンツとして伝えられますよね。
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
そうですよね。SEOで言うと、ユーザーがオウンドメディアに触れる時って、情報収集の始めとか中継ぎが多いんです。まず、自分の悩みを検索したりするわけです。

 

例えばレンタルサーバーを探している時に、ワードプレスに使いやすいサーバーが良いなと思っていて、「サーバー ワードプレス」とかで検索してあるオウンドメディアの情報を見つけたとします。
すごくわかりやすい内容で「なるほど」と思ってもそこではCVしないですよね。でも頭には残るんです。

最初はただの情報収集だから、CVはしないですよね。
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
そうです。それで情報収集を続ける中で、広告からランディングページを見て「これあの会社のだ」と思って、またどこかで同じオウンドメディアの記事を目にして…その繰り返しなんですよ。
それで徐々に会社のサイトを直接検索するようになったり、会社概要とかを見るようになって、CVに近づいてくるんですよね。
情報収集や比較検討の段階から、自社の商品・サービスをユーザーの目に入れることができるんですね。
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
だからオウンドメディアやコンテンツは、情報収集の中でその会社に好意を持ったり、信頼を増すっていう役割を果たすんですよね。そのあたりはユーザー行動を計測できるツールを入れると動きがわかります。

 

ユーザーが最初に触れるのがオウンドメディアになるケースが多いので、そこで他の会社が良いコンテンツでユーザーに接触しているなら、すでに奪い取られている可能性もありますね。

  

オウンドメディアの費用対効果を予測する方法

オウンドメディアやコンテンツは、直接CVではない他のところに価値をつけることができるということでしたが、効果を測るのに目安になる数字や考え方はないでしょうか。
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
まずは、リスティング広告で集めるアクセスとは単純に比較しないということを理解する必要がありますね。

 

リスティング広告で集めたお客さんの価値と、オウンドメディアで獲得したお客さんの価値を考えると、直接コンバージョンにおいてだいたい5分の1から10分の1くらいになっちゃうんですよ。
情報収集段階で接するオウンドメディアからのお客さんに今すぐ客は少ないですから。

 

それを「ぜんぜんコンバージョンしない!」っていう人もいるんだけど、それはオウンドメディアを通して一度でもユーザーに認識してもらったという価値を含めない考え方ですよね。だから、単純にリスティング広告のCV率やCPAと比べないっていうのがまず重要です。

ここまでのお話を聞いたら納得できると思います。
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
その上で、コンテンツを作ったらどれくらいの効果が出るのかを試算して欲しいと言われるんですが、1つの考え方として、リスティング広告で反応が取れているキーワードとそのボリュームから概算を出すことはできますね。
それはオウンドメディアをやる人がぜひ知りたい所だと思います。どんな計算で出せばいいんでしょうか?
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
例えば、リスティング広告で反応の高いキーワードをターゲットとした場合、その検索ボリュームが月間1,000回だったとします。その1,000回に対して、検索結果1位、2位、3位の記事があったとして、クリック率は1位から1つ下がるごとに7割位になっていくんですよね。
1位のクリック率がだいたい25%位というデータがあるので、そこから7割減だから2位18%。3位12%・・・と考えていきます。

 

ここでSEOの専門家と共に、コンテンツを投入して何位が獲得できそうかを考えて、3位くらいにはいけそうとなったら、
月間検索ボリューム1,000×3位のクリック率0.12=120となります。

 

これがGoogleのクリック数で、Yahoo!も同じだとして240クリック。リスティング広告と同じCVRは難しいので控えめに0.5%と考えると、月間のクリック数240×CVR0.005=1.2

 

つまり、このキーワードのコンテンツから月間1~2件のCVがあると考えられます。実際にはロングテールキーワードも含めてもっと来ることが多いですが。

 

※注意:前述のとおりコンテンツ施策が進むほどリスティング広告で反応の低いキーワードが相対的に増えてゆくので歩留まりはさらに下げて考える。

そう考えると、実際の記事やコンテンツの価値が推測できますね。
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
そうですね。そこでBtoBの場合とかだと、問い合わせ1本あたりの価値を考えて計算して「5万円くらいの価値はあるな」となったら、コンテンツの価値が試算できますね。毎月5万円の問い合わせを1件持ってきてくれる記事だということです。
BtoBの場合との事ですが、BtoCの場合だとオウンドメディアで成功するのは難しいですか?
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
古澤さん
古澤さん
BtoCのオウンドメディアで成功している企業さんもたくさんあるんですが、大企業が多いという傾向はあります。やっぱり中小企業さんだと、よほど商品が高額とかでないと試算をした時に計算が合わないんですよね。

  

知名度のないBtoC企業がソーシャルで成功できた理由

飯髙さんはいかがですか?ソーシャル系はまた違うんでしょうか。
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
飯髙さん
飯髙さん
ソーシャル系は、企業の大きい小さい関係ないですね。商品がよければSNSはめちゃくちゃ相性良いので。
そうなんですね。何か事例を教えていただくことはできますか?
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
飯髙さん
飯髙さん
例えば、ずっとリスティング広告とFacebook広告をやっていたスタートアップ企業が、SNSに軸足を変えてツイッターでのクチコミが増えたことで、広告を止めていても同じだけの成果が出せるようになったりしています。
これは単純に商品がめちゃくちゃ良いから、クチコミが出やすいんですね。
確かに、商品が良ければ情報が一気に拡散される可能性もありますね。
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
飯髙さん
飯髙さん
それにスタートアップっていう事は、そもそも商品が検索されないんですよ。
広告から商品ページに飛ばしても、なんだこれ?ってなってしまう。商品の認知がされていないんで。
逆に言うと、まだ若い商品でもソーシャルなら一気に売れる可能性があります。

 

ただ、一般的な流れとしては広告もやった、オウンドメディアもやった、やりつくした会社がソーシャルに来る傾向がありますね。

スタートアップでもBtoCでもソーシャルなら成果を出せる可能性があるということですが、メディアをやる場合についてはどうでしょう。
リスティングプラス長橋
リスティングプラス長橋
飯髙さん
飯髙さん
もちろん内容によっては難しいこともあると思います。
でも、以前BtoCのある会社さんで、社長さんがリスティング広告も高くなっていくし、このままではだめだからオウンドメディアをやりたいとおっしゃった時がありました。

 

社長さん自ら「何でも話すから」といって、僕が信頼できるライターとかメンバーから全部集めて、時間も予算も取ってやったことがありますね。やはり、社長の強いコミットが必要なんだと思いますね。

古澤さん
古澤さん
まあ結論としては、飯髙さんを雇えばいい!ってことです。アドバイザーにね。
飯髙さん
飯髙さん
(笑)

  

第2回のまとめ

第2回目は、実際に企業がメディアを作ろうとした時の問題点について、実際に体験したことを中心にお話いただきました。
オウンドメディアを使ったコンテンツマーケティングで成功したいなら、必ず認識しておかなければいけない内容ばかりではないでしょうか。

また、オウンドメディアを作成したとしてもその効果の予測が難しい中で、コンテンツの価値について概算を出す方法も非常に役立つのではないかと思います。ぜひオウンドメディアを制作する際には活用してみてくださいね。

次回の記事では、
・高騰するリスティング広告のCVRが改善した理由
・良いコンテンツを作るために磨くべき感性とは
・これからのコンテンツマーケティングに必要なこと

などについて、引き続きインタビューを公開します。

ぜひ第3回の公開を楽しみにお待ちください。

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