
【特別対談2】これからの時代にオウンドメディアをやるべき理由とメリットとは
株式会社リスティングプラス代表・長橋慎吾が、株式会社ファベルカンパニー代表の古澤暢央さん、株式会社ホットリンクの飯高悠太さんにインタビューする特別対談の2回目です。
第1回では、検索アルゴリズムの現在と未来について、またオウンドメディアを成功させるために必要な要素についてお話しいただきました。
第2回ではオウンドメディア制作の大変さ、それでもオウンドメディアを持つ事で得られるメリットや成果についてお聞きしています。
今回もコンテンツマーケティングの最前線で使われている考え方、お2人の経験があるからこそ話せる内容がたくさん飛び出しました。
株式会社Faber Company 代表取締役
北海道札幌市出身。アフィリエイトをきっかけに、SEM(検索エンジンマーケティング)の現場で研究・実践を重ねる。培ったノウハウを広くクライアントに提供していくことを目的として、2005年10月に株式会社Faber Companyを設立。
販売するコンテンツマーケティング・オウンドメディア・SEO対策分析ツール「MIERUCA」(ミエルカ)は1,000社以上に導入されている。
趣味はキックボクシング。
株式会社ホットリンク 執行役員CMO
デジタルマーケティング領域で複数社渡り歩いたのち、株式会社ベーシックにて「ferret」を42万会員・月間500万PVのメディアへと育て上げる。新しいコンテンツを世に出したいという思いから、2019年1月よりビッグデータを活用したマーケティング支援を手がける株式会社ホットリンクにて現職。
2019年8月29日「僕らはSNSでモノを買う」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を出版。
■インタビュアー 長橋 真吾 (株式会社リスティングプラス代表)
Index
オウンドメディア制作を外注してもうまくいかない理由
これはちょっと失礼な質問かもしれませんが、お2人みたいな専門家に制作を依頼する場合と、クラウドソーシングで見つけたライターさんに書いてもらって作る場合と何が違うんでしょうか。


能力をきちんと査定しないとけないので、良いライターを見つける難易度は変わらず高いとは思いますね。








だから「月10万とか20万とかでなんとかならないの?」って言われることもあるんだけど。










だから「うまくいかない」と感じたら僕はおすすめしないですね。「やめておきましょう」と言います。
オウンドメディアの魅力とメリットとは
オウンドメディア制作に取り組むなら、経営者は1年2年という長期間を想定して、費用もかける覚悟で取り組む必要がありそうです。
では、それだけの時間や労力をかけてもやるべき、オウンドメディアの魅力や価値はどこにあるんでしょうか。



実際にメディアが大きく成長した時、どんなメリットを感じられましたか。


あとは僕たちの場合、「株式会社ベーシック」という会社名よりも「ferret」というメディア名の方が有名になったんです。
比較サイトやマーケティングプラットフォームなどの他のサービスも「ferretがやってるなら導入するよ」ということもありました。


広告ならいくらで・SEOならいくらで獲得できてるとか、部分を見て考えたら、オウンドメディアは悪いに決まっています。
でもそうじゃなくて、オウンドメディアなどのコンテンツマーケティングはユーザーの行動フロー全部に影響するんです。直接CVだけじゃない、違うところに付加価値をつけているんです。


例えばレンタルサーバーを探している時に、ワードプレスに使いやすいサーバーが良いなと思っていて、「サーバー ワードプレス」とかで検索してあるオウンドメディアの情報を見つけたとします。
すごくわかりやすい内容で「なるほど」と思ってもそこではCVしないですよね。でも頭には残るんです。


それで徐々に会社のサイトを直接検索するようになったり、会社概要とかを見るようになって、CVに近づいてくるんですよね。


ユーザーが最初に触れるのがオウンドメディアになるケースが多いので、そこで他の会社が良いコンテンツでユーザーに接触しているなら、すでに奪い取られている可能性もありますね。
オウンドメディアの費用対効果を予測する方法


リスティング広告で集めたお客さんの価値と、オウンドメディアで獲得したお客さんの価値を考えると、直接コンバージョンにおいてだいたい5分の1から10分の1くらいになっちゃうんですよ。
情報収集段階で接するオウンドメディアからのお客さんに今すぐ客は少ないですから。
それを「ぜんぜんコンバージョンしない!」っていう人もいるんだけど、それはオウンドメディアを通して一度でもユーザーに認識してもらったという価値を含めない考え方ですよね。だから、単純にリスティング広告のCV率やCPAと比べないっていうのがまず重要です。




1位のクリック率がだいたい25%位というデータがあるので、そこから7割減だから2位18%。3位12%・・・と考えていきます。
ここでSEOの専門家と共に、コンテンツを投入して何位が獲得できそうかを考えて、3位くらいにはいけそうとなったら、
月間検索ボリューム1,000×3位のクリック率0.12=120となります。
これがGoogleのクリック数で、Yahoo!も同じだとして240クリック。リスティング広告と同じCVRは難しいので控えめに0.5%と考えると、月間のクリック数240×CVR0.005=1.2
つまり、このキーワードのコンテンツから月間1~2件のCVがあると考えられます。実際にはロングテールキーワードも含めてもっと来ることが多いですが。
※注意:前述のとおりコンテンツ施策が進むほどリスティング広告で反応の低いキーワードが相対的に増えてゆくので歩留まりはさらに下げて考える。




知名度のないBtoC企業がソーシャルで成功できた理由




これは単純に商品がめちゃくちゃ良いから、クチコミが出やすいんですね。


広告から商品ページに飛ばしても、なんだこれ?ってなってしまう。商品の認知がされていないんで。
逆に言うと、まだ若い商品でもソーシャルなら一気に売れる可能性があります。
ただ、一般的な流れとしては広告もやった、オウンドメディアもやった、やりつくした会社がソーシャルに来る傾向がありますね。


でも、以前BtoCのある会社さんで、社長さんがリスティング広告も高くなっていくし、このままではだめだからオウンドメディアをやりたいとおっしゃった時がありました。
社長さん自ら「何でも話すから」といって、僕が信頼できるライターとかメンバーから全部集めて、時間も予算も取ってやったことがありますね。やはり、社長の強いコミットが必要なんだと思いますね。


第2回のまとめ
第2回目は、実際に企業がメディアを作ろうとした時の問題点について、実際に体験したことを中心にお話いただきました。
オウンドメディアを使ったコンテンツマーケティングで成功したいなら、必ず認識しておかなければいけない内容ばかりではないでしょうか。
また、オウンドメディアを作成したとしてもその効果の予測が難しい中で、コンテンツの価値について概算を出す方法も非常に役立つのではないかと思います。ぜひオウンドメディアを制作する際には活用してみてくださいね。
次回の記事では、
・高騰するリスティング広告のCVRが改善した理由
・良いコンテンツを作るために磨くべき感性とは
・これからのコンテンツマーケティングに必要なこと
などについて、引き続きインタビューを公開します。
ぜひ第3回の公開を楽しみにお待ちください。

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