
今年で2回目の開催となる株式会社ルーシー主催「CMCJコンテンツマーケティング実践会議2019」が2019年10月23日(水)に虎ノ門ヒルズで行われました。
CMCJ2019は「未来から選ばれるための1日」というコンセプトのもと、大きな結果につながる手法とノウハウを実践に落としこむためのカンファレンスとなっています。
当日は、コンテンツマーケティング・Webマーケティングで大きな成果を挙げる10名のプロフェッショナルが集結!
今、プロフェッショナル達がマーケットをどう捉え、自社でどのように取り組んでいのか…そんな最新情報が惜しげもなく具体的なノウハウとして紹介されました。
来場数も約550名と大盛況だった今回のカンファレンス。そのすべてをご紹介することはできませんが、今回は各講演で特に印象的だったノウハウやトピックをご紹介します。
当日の熱気や興奮の一端でもお伝えできればうれしいです。
目次
コンテンツマーケティング実践会議基礎講演
まず主催会社である株式会社ルーシー取締役 石井穣氏が登壇され、CMCJ2019の全体像と良いコンテンツとは何かについての基礎講演からカンファレンスが始まりました。
良いコンテンツの条件とは
講演の中で印象的だったのはユーザーが「ああ、いいコンテンツだな」と思っただけでは、実際には良いコンテンツとは言えないという点です。
ではどんなコンテンツが良いコンテンツなのかというと、
「うわ!まさにこれ!欲しかったのはこれだよ!」
そんなぴったりはまった感があるのが、本当に良いコンテンツとのこと。
では「ぴったりはまった感がある」とは具体的にどのようなコンテンツなのでしょうか?
その要素の1つが具体的に行動に落とし込める(Howto系)のコンテンツです。
多くの人は情報収集は出来ますが行動につなげていくことができません。そのため具体的行動に落とし込めるようなHowto系の記事だと反応も良いということでした。
確かにコンテンツを読んで終わりでなく、さらに具体的に行動を起こし成果を手に入れることで、ユーザーにとっての記事の価値は大幅に上がるでしょう。
コンテンツを制作する時は、読んだ後に「具体的に行動できるかどうか」ということが良いコンテンツかどうかの1つの判断基準になりそうです。
情報爆発に勝つ!キラーコンテンツの創り方
続いて日本のトップマーケッター、アルマ・クリエイション株式会社代表取締役 神田昌典氏が登壇されました。
情報があふれる時代におけるキラーコンテンツの作り方について、具体例を交えて解説されました。
その中でも印象に残ったポイントがこちらです。
キラーコンテンツ=相手の知らない情報を提供すること
紹介されたのはカラーコピー機の販売事例でした。
生徒の集中力や理解力の低下に悩んでいた学校に対して、カラーコピーを授業で使うことによって「色によって生徒の関心、集中力が77%高まる」という事実を伝えた所、教育の専門家である学校が興味を示し販売できたそうです。
確かにこの場合、その情報が無かったらどんなに高性能なカラーコピー機でも売れなさそうです。
セールスは相手の悩み解決のために行うことというのは基本的で重要な考え方です。
さらに情報が爆発している現代では、このようにその道のプロである相手も知らないような最新かつ深い情報の提供がキラーコンテンツになるというお話でした。
私が実践している小さなチームが成果を挙げるためのコンテンツ戦略
この後は講演会場が分かれてしまったので、残念ながら全部の講演を聞くことはできませんでした…
私が参加したのは、株式会社ベイジ 枌谷力氏のコンテンツ戦略の講演です。
枌谷氏は、BtoBマーケティングや採用戦略の整理・立案、UXリサーチ、自社のマーケティングや広報、SNS運用、ブログ執筆などさまざまな顔を持つ経営者として活動しています。
考え方の基本として紹介された「コンテンツの4つの要素」のうち、「テーマ」については選定のステップも紹介されて実践しやすそうでした。
テーマ選定の重要さ
コンテンツ作成の際には、まず一番初めにテーマを決める必要があります。
テーマを選ぶ時には、拡散可能性と専門性を踏まえてターゲティングすることが重要であり、具体的なステップはこのようにするそうです。
①アイデアだし
担当者で話し合いを行ったり、ユーザーが話していたこと、反応や感想などからアイデアを出す
②リサーチ
アイデアが固まったら拡散可能性をキーワードプランナーやはてなブックマークを使ってリサーチ
③タイトル作り
最後に専門性を落とさずに、拡散可能性をできるだけ高めるタイトルを考る
専門性のあるテーマで良質なコンテンツを作り、かつできるだけ多くの人に呼んでもらえるようにタイトルを工夫をすることが、より多くの成果を上げるために重要だとわかりました。
なぜ縦長ランディングページはもう売れないのか?2019年最新の戦略とは
会場別の講演2回目は、弊社代表 長橋真吾の登壇でした。
今回は、従来Web広告の主流であった縦長ランディングページの現在とこれからの展望についてお話ししました。
縦長ランディングページのメリットとは
これまで主流となっていた縦長ランディングページには以下のようなメリットがあると言われています。
■離脱を防止できる
縦長ランディングページは、アクションを一つに絞ることができるのでユーザーの離脱を防ぐことができます。
■セールスラインを作りやすい
伝える順番をコントロールできるのでページ内でユーザーを教育することができます。
売れるトークにはめ安いのも縦長ランディングページのメリットの一つです。
■テストがしやすい
ヘッドを変更してABテストをしてみるなどテストがしやすいのもメリットとしてあげられます。またテスト結果によって改善もしやすいと言われています。
このようにメリットだけ考えるといいこと尽くしですが、実はこれらのメリットはユーザー目線ではなく、すべて事業主目線のメリットなんです。
縦長ランディングページの成果が出にくくなった理由
Web広告が出始めたころ、ユーザーのネットリテラシーは低く、「ページがキレイだ」というだけでも衝動買いを促すこともできていました。
しかし現在ではユーザーのリテラシーも高くなり、1つの商品を買うのに複数回情報に接触して比較検討をするようになってきています。
そのため、従来のような広告から即コンバージョンというケースは減り、ランディングページだけでは成果が出にくくなってきたということでした。
縦長ランディングページがダメなら何をすればいいのか
ではどうすればいいのか?答えは何か1つの手法ではなく、ユーザー層に合わせて戦略変えていくことです。
ユーザーは興味の段階によって大きく分けると潜在層>見込み層>顕在層という3つの種類に分けられます。この3つの層に、それぞれ別の戦略を充てるのがポイントです。
■潜在層
潜在層には魅力的なコンテンツを提供してからセールスを行うのが効果的です。
いきなりセールスページへ誘導するのではなく、まずは記事LPで興味・関心を持たせてから販売ページへ誘導していきましょう。
■見込層
比較、検討ユーザーの多い見込層には、比較サイトやコンテンツ提供が有効です。
縦長ランディングページではページ内の商品しか見ることができず、他の商品との比較ができません。比較検討をするために別のページへ離脱されてしまってはコンバージョンの可能性も薄れてしまいますよね。
そのため、自社ページ内で比較検討が完結できるように比較サイトでアプローチするのが効果的だそうです。
■顕在層
ページを巡回型にしてコンテンツを目的別に合わせて作るのが、顕在層向けの戦略です。
ページを見て実際にアクションを起こすのはハードルが高いんです。
「これを買って損をしたらどうしよう…」というユーザーには行動を起こすことに納得できるような情報を提供しましょう。
損をしたくないというマインドの解消が重要です。
実際に弊社でも縦長ランディングページと巡回型ページの両方を作成しています。
具体的にはこのような手法が対応します。ユーザーの行動や思考がが変化するのに合わせ、過去の成功体験に縛られることなく、戦略を柔軟に変えていく必要があるのだと感じました。
今後注力するべきランディングページ戦略
最後には今後注力していくべき戦略も紹介されました。
■Chatbot
勢いを増しているのがChatbot市場だそうです。
ChatbotはFacebook広告から直接チャットへ誘導することができ、対話形式で商品やサービスを紹介することができます。
チャットで商品の理解を深めることができる対話型のランディングページと言われています。
■LINEbot
多くの人が使用しているLINEでの戦略も広がっているそうです。
LINEの友達追加>ユーザーとの会話(自動応答)>会員登録コンテンツ提供>セールスページへ推移させてセールス
という流れでユーザーへセールスまで行うことができます。
トーク画面には画像やボタンを追加することができ、戦略の一つとして使い始めている企業も増えているそうですよ。
Webサイト改善のプロフェッショナルによる初のバトルセッション!?
その後また1つの会場に集まり、株式会社WACUL 取締役 垣内勇威氏と株式会社ギャプライズ 鎌田洋介氏による講演が行われました。
28,000サイトの分析から導き出したサイト改善の「必勝パターン」
まずは株式会社WACUL 取締役 垣内勇威氏によるサイト改善の必勝パターンが事例で紹介されました。
面白いと思ったのは比較サイトの例です。
情報量を増やして比較したサイト vs 情報量減らしておすすめしたサイト
この2つでテストした結果、情報量を減らしておすすめしたサイトの方が勝利したそうです!
確かに現代は情報が溢れてるので、ある程度情報を絞ってあげた方がユーザーも選びやすくなっているのかもしれません。
データの罠を見抜け!圧倒的な成果をあげるコツ
続いては株式会社ギャプライズ 鎌田洋介氏によるデータに惑わされず向き合うべき顧客と向き合う方法についての講演。顧客とちゃんと向き合うには、混ぜないことがポイントだそうです。
というのも、広告を見てユーザーは「動く人」と「動かない人」の2つに分類されます。
さらに動かない人の中でも動きたくても動けなかった人(サイトのエラーなどで)、絶対に動かない人、検討して動かなかった人に分類できます。
このようにユーザーを正しく分類して、分類したユーザーを混ぜずにオファーをしていくことがポイントだそうです。
「混ぜない」このキーワードを覚えておきましょう。
「最大公約数的思考」を意識し多くのユーザーの心をつかむ「ウェブライダー式ストーリー作成メソッド」
「沈黙のWebマーケティング」「沈黙のWebライティング」などの著者 松尾茂起氏による講義です。
今回は検索エンジンで評価されるコンテンツについて解説されました。
重要なのは、
・検索ユーザーの「検索意図」を満たすこと
・検索ユーザーの感情を意識すること
なぜ多くの人がGoogle、Yahoo!を使うかというと、「世の中の基準を知りたいから」という理由があるそうです。
自分が持っている情報が世間的にも正しいのか、「答え合わせ」がしたいんですね。これに普段の自分の行動を振り返ってはすごく納得しました。
コンテンツとしても基準となるような「選び方」「ランキング」などの記事が評価されやすいようです。
また人が行動する時には理性だけでなく、感情も大きな理由になります。
例えば「会社 辞めたい」と検索する人も必ずしも辞める方法を探しているわけではなく、「どうしたらいいのか分からない」と人に相談したいのかもしれません。
このようにユーザーの本音を探るためには、一歩踏み込んだリサーチが重要です。またリサーチには、Yahoo!知恵袋など本音が出やすい空間が効果的とのことでした。
「指名検索」を増やし売上を最大化するためのTwitter戦略
最後は株式会社ホットリンク 執行役員 CMOの飯髙 悠太氏のTwitter戦略の講演でした。
近年Twitterのユーザー数は増加傾向にあり、SNSを見て購買の意思決定を行うユーザーも増えています。それに伴いSNSマーケティングも重要視されていますが、上手くいかない原因とその解決策が紹介されました。
なぜSNSが上手くいかないのか
SNSがうまくいかない原因は以下が考えられます。
・運用がゴールになっている
・企業の情報配信としてしか捉えていない
その解決策は、フォロワーの質を変えることにあるそうです。
質の良いフォロワーとは、
・プライベートグラフ、ソーシャルグラフでTwitter活用しているユーザー
・ツイート数の多いユーザー
です。
このような人がフォロワーになってくれると、フォロワーからフォロワーへと拡散の鎖を作ることができます。
フォロワーというととにかく数を増やそう、フォロワーが多いことが正義!となりがちですが、質が重要というのは初めて意識した点でした。
【まとめ】大事なのはユーザーファースト
カンファレンスを通して多くの登壇者が口をそろえて言っていたことはとにかく「ユーザー」という言葉でした。小手先のテクニックの話はなく、
「ユーザーの悩みをリサーチ」
「ユーザーに合わせてオファーを行う」
「ユーザーにとって良いコンテンツとは」
など、コンテンツマーケティングにとって、いかにユーザー目線に立ちユーザーの気持ちで考えることが重要ということが分かりました。
講演数が多く情報量の多いカンファレンスでしたが、根本的な考え方というレベルから、すぐにでもコンテンツ作りに活かせる具体的なノウハウもあり、コンテンツマーケティングに携わる人であれば必ず参加すべきイベントだと感じました。
来年も開催されるのであれば、その時には今回学んだことを実践して自分自身をバージョンアップした状態で参加したいと思えるような、熱気のあるカンファレンスでした。
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