
この記事では2019年5月に満員御礼の中で開催された、株式会社リスティングプラス主催「YouTube広告&YouTubeSEO完全攻略セミナー」のレポートを公開します。
2019年に大きく成長し2020年も引き続き成長が見込まれるYouTubeでの戦い方について、YouTube広告を中心に扱ったセミナー1部2部から要点を抜粋しています。
目次
第1部:動画広告の市場の動きを紹介
2018年、動画広告は前年比30%アップしており、YouTubeだけでみると、17%も市場は拡大しています。
また、YouTube広告はgoogle広告内の一部の配信メニューですが、そのシェアをみると、Google広告の11%の売上はYouTube広告であると、最新データから明らかになっています。
この結果は、動画広告の市場が拡大していると共に、動画を視聴するユーザーの増大から、広告でも反応が取れる状態に以降しつつあることを示唆しています。
さらに、今後の動画広告の市場規模は、2020年以降もますます活発化されると予想されます。
引用:サイバーエージェント、2018年国内動画広告の市場調査を実施
大手企業の動画市場への動き
2019年5月14日に発表されましたが、Supership社、テレビ朝日社、サイバーエージェント、電通、博報堂の5社がデジタル動画広告配信事業をおこなう合併会社を設立しています。
今後も大手代理店やデジタルマーケティング会社の参入、市場にあわせた企業体制変更が進んでいくと予想されますが、まだまだ動画広告の競合は少ない状態です。
そのため、いち早く情報をあつめ、実際に配信することで自社のサービス拡大に繋がります。
YouTubeの定義、専門用語の解説
・YouTube
└無料で利用できる動画共有の代表サイト。2005年にアメリカで設立され、2006年にGoogle社に買収されています。
・YouTubeチャンネル
└YouTubeに動画をアプロードする際にチャンネルの設定が必要になります。
・YouTuber
└YouTube上にて自作の動画を投稿し、広告収入を得ている一定の集団を指す。
・YouTube広告
└YouTube内に出稿できる動画広告。Google広告のアカウントから動画広告の設定をおこない、配信できる。
・YouTubeSEO
通常のSEOの様に公開しているコンテンツ(動画)を検索結果の上位に表示させる手段
YouTube利用者の特徴と他の媒体との違い
■YouTube
YouTubeユーザーは、基本的に無料で視聴でき、趣味や興味関心が高いコンテンツをユーザーが好きなタイミングで見る事ができます。
■Facebook
Facebookユーザーは、ユーザーが好きなタイミングで視聴できる点はYouTubeと同様ですが、ビジネスの交流目的で利用している方が多いのも特徴です。
■リスティング
リスティングユーザーは、目的を持ってリサーチしている人で、モノを探している場合は購入意欲が非常に高い状態にあります。
それぞれの媒体を特徴を加味して、ユーザーがどんな心理状態にあるかを想定しながら、動画も広告も作成する必要があります。
YouTube広告の特徴と種類
YouTube広告では、ユーザーが視聴した場合のみ、料金が発生します。閲覧をしない限りは料金が発生しないことが特徴です。
また、潜在的に悩みを抱えているユーザーにアプローチすることができるため、教育やファン化が進めば、購買意欲を高めることができます。
そして、チャンネル登録を促したり、自社サイトへの新たな流入経路をつくることも可能です。
■True Viewインストリーム広告
動画の再生前に自動で流れる広告です。5秒たつとスキップすることができ、そのまま動画を視聴するか、スキップするかをユーザーが選ぶことができます。
課金形態は、ユーザーが30秒視聴するか、動画の長さが30秒未満の場合、最後まで視聴されると課金対象になります。
■True Viewディスカバリー広告
YouTube内の検索結果画面、もしくはおすすめの動画の上部に広告が掲載されます。実際にユーザーが見たいと思って動画を視聴するため、見た後のアクションが期待できる広告形態になります。
課金形態は、インストリーム広告と同様です。
■バンパー広告
特徴は6秒以下の動画のみ使用でき、スキップすることができない動画です。インストリーム広告と同様に、動画の再生前や再生中、再生後に掲載されます。
課金形態はインプレッション課金制となっており、1,000回の表示に対して、料金を支払う仕組になっています。
YouTube広告の特徴
YouTube広告は他の広告とは異なり、下記の特徴があります。
・間接効果
└認知拡大、記憶に残る、YouTuberの商品紹介など。
・教育
└動画内で商品やサービスを効率良くアピールすれば、ファン化進み、購買意欲を高められる。
・安価で始められる
└視聴単価も安く、数千円でも始めることができる。
・詳細なターゲティングができる
└ユーザーの興味関心や年齢、性別など細かいターゲティングが可能。
・直接効果は動画からの導線を整える必要がある
└サムネイル+広告内容→動画→ランディングページまでの導線を整える必要がある。
第1部まとめ:YouTube広告で失敗しないための考え方
YouTube広告では、しっかりと広告で得たい目的を定めることが必要です。認知なのか、購買などの直接効果なのか、それぞれの目的をもって動画からの導線を整えましょう。
また、目的から逆算し、動画構成を考える必要もあります。得たい目的とそぐわない動画だと、離脱する原因になり、視聴するだけで終わってしまいます。
さらに、KPIをしっかり定めて、具体的には2部で紹介しますが、動画や広告文などをしっかり考え、PDCAを回していく必要があります。
第2部:YouTube広告を攻略方法
YouTube広告のメリット・デメリット
■メリット
・費用対効果が高い
・見込みユーザーを直接誘導
・リマーケティングリストへの貢献
YouTube広告は、1部の内容にもありましたが、スキップされた場合は料金が発生しません。そのため、費用対効果が高い広告配信だと言えます。
また、テレビや新聞などとは異なり、動画を視聴し興味をもったユーザー(見込みユーザー)をサイトに直接誘導することができます。
もう一つ、YouTube動画を見たユーザーに対して、Google広告リマーケティング広告を打ち出し方ができます。視聴単価自体が安いため、より多くのユーザーに配信し、検索広告やディスプレイ広告で刈り取るというなどの手段が取れるので、効果的に集客を進められます。
■デメリット
デメリット:動画が見られない、広告との逆効果、審査時間
デメリットは時間をかけて作った動画でも見られない可能性があります。通常の商品紹介などでは、ユーザーの興味が惹けず、反応が取れないことが多いです。
また、動画広告が逆効果に繋がることも考えておかなければなりません。自分が見たかった動画の前に広告動画を見る事になるため、ユーザーが不快感を感じる可能性もあります。
他の広告とは異なり、審査時間が長時間になることもあります。
YouTube広告の事例
YouTube広告はノウハウを提供したり、自社にコンテンツがある、教材を販売するサービスと非常に相性が良い傾向があります。
事例としては下記があります。
事例:検索広告よりもCPAが改善
リストマーケティングをおこなっているクライアントの事例で、検索広告でCPA4,000円のところ、YouTube広告のディスカバリー広告を配信して、CPA900円。月に900件のコンバージョンが増加できています。
この事例では、サムネイルを改善することで、CVRが倍以上変動しており、その影響からCVが爆発的に伸びました。
YouTube広告の配信手法ごとに期待できる内容
YouTube広告をブランディング目的で使用する場合、インストリームかバンパー広告がおすすめです。
テレビCMで使用している動画をそのままYouTubeで流す場合もあるが、インストリーム広告の場合、いかに5秒後にスキップされないかを講じる必要があります。
また、バンパー広告の場合は、6秒以内でいかにユーザーにインパクトを与えらるかを考える必要があります。
コンバージョンを増やす目的で配信するのであれば、ディスカバリーがおすすめです。理由は、ユーザー自身が能動的に動画を選んで視聴する流れになるため、構成を考えやすいという特徴があります。
インストリーム広告で期待できる効果
少ない予算で多くの広告表示が期待でき、多くのユーザーに動画を見てもらうことができます。また、動画広告は通常のバナー広告などに比べ、記憶に残りやすいため、認知を進めることができます。
インストリーム広告では視聴単価、5円未満でも十分に広告配信ができます。
100,000円をかけた場合、20,000回視聴獲得でき、広告の表示回数は100,000回見込めます。
ディスカバリー広告で期待できる効果
ディスカバリー広告は、ユーザーが見たいと思って視聴することになるため、動画を見たユーザーにアクションを促すことができます。
そのため、直接的な売上に繋がりやすいと言えます。視聴単価も10円程度から始められます。高くても30円まで上げた案件はほとんどないため、検索広告やディスプレイ広告よりも少ない金額で成果に繋がります。
バンパー広告で期待できる効果
バンパー広告もインストリーム広告と同様に、ブランディング目的で配信することがおすすめです。完全視聴型の広告のため、メッセージを伝えやすく、離脱されず最後まで見られやすいのが特徴です。
インプレッション課金型のため、1,000回表示に対して料金を支払う仕組みになります。1,000回インプレッションに対して、350~400程度が多く、100,000円の予算の場合、表示回数は約270,270回見込めます。
動画広告の認知効果について
動画広告では、ビデオリサーチの調べによると、1人あたり10回同じ広告が当たると、広告認知率が70%近くまで上がることが分かっています。
ウォールペーパー型やビルボード型、レクタングル型と比較しても、認知率は圧倒的でブランディング目的では、非常に効果的だと言えます。
CV目的であればディスカバリー広告がおすすめ
何度もお伝えしていますが、ディスカバリー広告はユーザーが「見たい」と思って、動画広告をクリックしています。そのため、インストリームやバンパーが受動的に視聴しているのに対し、ディスカバリーは能動的に視聴していると言えます。
インストリームやバンパー広告の場合、ユーザーが視聴しようと思った動画に広告が掲載されるので、基本的に動画の説明欄などは「視聴しようと思った動画のもの」になります。
しかし、ディスカバリー広告の場合、広告動画自体をユーザーはクリックしているため、動画の説明欄は、広告のものになります。
そのため、サイトのリンクやランディングページのリンクを説明欄に記載しておけば、動画で興味を持ったユーザーにアクションを促すことができます。
YouTube広告で成果をあげる3つのポイント
YouTube広告で成果をあげるためには下記の項目が重要です。
・コンテンツ
・アクションをうながす
・サムネイルテスト
ユーザーが動画視聴する目的は、なにか情報を得たくて動画を調べています。そのため、広告とはいえ、1つの動画としてしっかりとコンテンツを提供して、ユーザーに興味をもってもらう必要があります。
また、YouTube動画を見せたあとに、Webページの誘導をおこなう必要があります。上述したとおり、動画説明欄にサイトURLを掲載することができるため、「続きを見たい方は説明欄のURLをクリックしてください」と促します。動画の最後の1分間を、行動を促す内容にするのもポイントです。
そして、サムネイルテストを繰り返すことも重要です。クリック率とコンバージョン率はサムネイルの影響が非常に大きく、テストを繰り返すことで最適化することができます。
■ディスカバリー広告でCVアップを図るのであればPC推奨
普段、スマートフォンで、YouTubeで動画を視聴している方は、イメージしやすいと思いますが、横画面で動画を見る場合、説明欄が表示されません。
縦画面で視聴するにしても、説明欄をみるには一度クリックする必要があります。そのため、ディスカバリー広告でCVアップを図るなら、まずはPCから始めることがおすすめです。
■サムネイルをテストする際は別動画にする必要がある
YouTubeでは動画に対して設定できるサムネイル画像は1つになります。アップロードした動画から、自動的にピックアップされた3種類の画像と、カスタムサムネイルとしてアップロードできる静止画像1種類のみです。
さらに、まったく同じ動画データをアップロードすることができません。そのため、動画の時間を変更したりなどして、秒数を変えた動画を別途アップロードしてABテストをおこなう必要があります。
YouTube広告の審査ポイント
YouTube広告は直近審査が厳しくなっているため、下記の項目に注意しましょう。
・言い切り表現
└たった◯日で誰でもできる、◯◯円稼げる!などの言い切り表現は、誤解を招きやすいため、避ける。
・免責事項
└広告用の動画では、「効果を保証するものではありません」など免責事項を、常に表示させておくほうがおすすめです。
・LP
└動画広告ではあるが、その先にLPがある場合はLPもGoogleの審査基準に準拠している必要がある。
第2部まとめ:YouTube広告では目的別の配信手法とPDCAを繰り返す必要がある
YouTube広告では、得たい目的別に適切な配信手法があります。ブランディングならインストリームやバンパー、CVアップであればディスカバリーなど。インストリームとバンパーについては、現在ある素材や予算感で選択しても良いかもしれません。
特に、売上に繋がるのがディスカバリー広告で、ユーザーが能動的に広告動画を選んで視聴するため、教育やファン化進めやすいのが特徴です。
ディスカバリー広告では、コンテンツでしっかり情報を提供する、アクションを促す、サムネイルテストを繰り返すことで、検索広告やディスプレイ広告では得られない成果を出すことも可能です。
ぜひインプットだけで終わらずに、しっかりとアウトプットをしてYouTube広告を実践してみてください。

デジタルアスリート株式会社
ウェビナーマーケティング部 次長
営業職を経験した後、SEOメディア会社にてライター・ディレクションをおこない、金融系メディアを一から構築。
その後、デジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)へ入社し、リスティング広告のコンサルタントとして経験を積む。
自分が直接的に関わる、社内の皆さんや、クライアントのみならず、その先にいる家族や友人の事まで考え、全身全霊でコミットしていく、それが私のモットーです。
Webマーケティングは商品やサービスだけでなく、想いも繋いでいくので、常に本質を追求し、最大限貢献していきます。
趣味は、格闘技が大好きで、プロレス(新日本プロレス・NOAH)、総合格闘技(MMA・RAIZIN)・キックボクシング(K-1・RISE)をとにかく視聴しています。
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