
2019年10月、東京・渋谷ヒカリエで「Instagram Day Tokyo 2019」が開催されました。
イベントで紹介されたインスタグラムの最新情報をお届けします!
目次
多くの人が持っている共通課題
インスタグラムを利用するにあたって、多くの人が
「インスタグラムだからできること、強みが良くわからない」
「新機能の使い方など最新の利用法を把握しきれない」
「同じ課題を抱えたコミュニティが少ない」
といった共通課題をもっているようです。
今回は、これらの共通課題の解決に向かうような情報をお届けいたします。
インスタグラム の今後の展望
インスタグラムのミッション
大切な人や大好きなこととあなたを近づける
いいねの非表示はテスト段階
人によってはいいねの数にプレッシャーを感じている。
コンテンツに集中して楽しんでもらうためにこのテストを行っているようです。
インスピレーションで行動
興味関心が消費者の行動を喚起します。
美味しいものが食べたい、旅行に行きたいといった興味関心が、実際に行動を起こさせます。
日本の利用者のうち、83%が投稿を見てすぐ行動している実態もあるようです。
インスタグラムをビジネスで活用
インスタグラムをビジネスで使う際に注目してほしいポイントが3つあります。
①発見タブを活用!
「何かないかな~」と思っている人のためのタブで、利用者の興味関心に合わせてパーソナライズします。
例)写真や旅行に興味のあるAさんには写真や旅行などのコンテンツ
車に興味のあるBさんには車についてのコンテンツが表示される
毎月50%のユーザーが発見タブを利用しており、発見タブ広告ができるようになったので、「何かないかな?」と探している人に対して広告を表示できるようになりました。
広告を配信するときはぜひ「発見タブ」を試してみてください。
※最新の広告機能なので、以前から広告を配信している方は配信先の配置で「発見タブ」が抜けている可能性が高いので再度確認してみてください。
②ストーリーズで可能性を広げる
目立つためには消費者と同じ使い方をすべきだそうです。
消費者の利用方法に近づけることが、ビジネスとしても上手くいく傾向にあるようです。
例えば、広告の中でもアンケートスタンプが使えるので、広告でアンケートスタンプを使うこともひとつの方法です。
③ショッピング機能
ユーザーはショッピング機能に興味を持っているようです。
ユーザーは買い物の時にインスタグラムに訪れることが分かっており、
ショッピング機能はお買い物のときのエクスペリエンスを高める動きがあるそうです。
そのためショッピング機能を「商品を販売(チェックアウト機能)」、「商品をローンチ」、「顧客とのつながり(メイクの試着など)を高める」などに活用できます。
<アディダス>
何月何日何曜日に発売するとストーリーズで告知したところ、インスタグラムで発売してからたったの3日で売り切れた実績があります。
ARを利用して口紅を試すことができるようです。
店舗だと棚にあるものしか試せないですが、ARなら、自分の部屋の棚にあるものとあうだろうか、自分の部屋を背景にするとどうだろうかと試せるそうです。
ユーザーが感じている「インスタグラムを通してブランドや好きなものとつながりたい」といった気持ちを体現できる機能となっています。
日本でインスタグラムが愛される理由
月間のアクティブアカウント数3300万(2019年3月発表)
3年間で約3倍弱、急速にコミュニティが拡大しています。
若年層にとっていかにインスタグラムが生活の中心か
インスタグラムは若年層にとってマスメディアになりつつあり、起床から就寝まで、1日中インスタグラムを見ているようです。
実際に、18~29歳の若年層が1ヶ月間でインスタグラムに接触している総利用時間が1億時間以上といったデータもあることから、インスタグラムが生活の中心になっていることが伺えます。
「検索行動は”ググる”から”タグる”へ」
インスタグラムでは、ユーザーは興味関心のあるものをハッシュタグで探していきます。
GoogleやYahoo!などの言葉での検索サービスは、検索したいものが明確に決まっていれば探せますが、「良い感じのお店を見つけたい」というようなふわっとした目的だと難しい傾向にあります。
インスタグラムなら、あるキーワードを入れれば何となく自分の感覚に近いものを探せるのです。
ジュエルネイルで検索>自分の感覚に合うものを見つける>ネイルサロンを見つける>作風を見ながら合ったものを探す、
といった行動をとっています。
実際に、若年層のうち85%がインスタグラムをきっかけに行動に移しています。
ストーリーズがどのように使われているか
ストーリーズはカジュアルで遊び心のあるコンテンツになりやすいようです。
日本はストーリーズ大国で、日本だけで1日に投稿されるストーリーズの数が700万投稿にも及ぶそう。
これは映画で1万本分の時間よりも多い時間になり、デイリーアクティブ利用者の70%がストーリーズを使っていて、他の国よりも多いとのことでした。
また、2018年で最も使われたストーリーズのスタンプは質問スタンプだったようです。
ストーリーズをビジネス利用するといった目線で見ても、最も見られたストーリーズの中でビジネス投稿が占める割合が1/3あり、インタラクティブ機能を利用しているビジネス投稿も60%あるようで、ビジネスとしても浸透しています。
2017年に創業したばかりで大きな年商を上げている企業があります。
小柄な女性を対象にしたアパレルで、ストーリーズをフル活用しています。
フィードバック機能としても使うことで成功しているようです。
まとめ
インスタグラムは若年層ではマスメディア化している。
インスタグラムは発見から行動までを促すことが可能で、文字で検索しにくいものを発見してくれる機能となっています。
日本はストーリーズ大国なので、顧客との相互交流でビジネスに活かすこともできます。
インスタグラムのブランディング目的の最新活用事例
インスタグラムのあるある①
「インスタグラムでブランディング?」
「リーチ小さいでしょ?」
「しかも高い?」
「マスメディアにかなわないのでは?」
20歳から49歳を対象にしていて、アクティブアカウントが急増しているのでリーチコストが抑えられます。
またCPM(インプレッション単価)は3割ダウン。
他プラットフォームと比較して、Instagram/Facebookの方が60%もリーチコストが安い傾向にあるそうです。
インスタグラムのあるある②
「インスタグラムはSNSでしょ?オーガニックで使ってるから大丈夫!」
オーガニックと広告それぞれで使い分けることが重要。
インスタグラム広告はFacebookの広告配信システムを使用しているため、インプレッションを人ベースでコントロールできる。
そのため、効率良く素早いリーチ立ち上げができるし、フォロワー獲得のために躍起にならなくてもいい。
オーガニックと広告の使い分けとしては、
・オーガニック
既存のコミュニティ(既にそのブランドを知っているユーザー)とのつながり、投稿・ページでのブランディングを行う。
・広告
Facebookのユーザー属性を使い、新規ユーザー獲得、キャンペーン認知、目的に合わせて最適化を行う。
インスタグラムのあるある③
「インスタグラム結構知っています。何か最新のアップデートはある?」
今年あった2つのアップデートに注目です!
1.ストーリーズ広告でアンケート機能が利用可能に
アンケート機能により、顧客とより深い関わりが持てるようになりました。
2.ブランドコンテンツ広告
著名人やクリエイターが投稿したコラボコンテンツを、広告主が直接広告としてプロモーションできるようになりました。
フィード、ストーリーズ、発見タブに広告配信可能で、Facebookなどにも配信可能になっていく予定のようです。
<サムスン電子ジャパン>
・インスタグラムを搭載している機種がある(ギャラクシーS10)
インスタグラムモードといったものがあり、カメラで写真を撮るとそのままインスタにアップできるようです。
・マーケティング施策、デジタルへの取り組みについて
スマホが日本に登場して10年、進化が進んでいてコモディティかが進んでいます。
差別化が難しく、初めてスマホを買う世代、つまり若年層にアプローチするマーケティング施策を行うことで、デジタルへのシフト。テレビ使用が80%だったものが60%になっているそう。
・インスタグラムで行っている取り組み、指標
①ターゲットである若年層に確実にリーチできる。
全画面のビジュアルで直感的に伝えたいことを伝える。
②実際に使える機能をストーリーで見せている。
手のひらシャッター、音声シャッターをナイトプールで使用している動画など
どのように使っているか
・新商品ローンチのタイミングでより多くの人に商品を知ってほしい。
→KPIはブランドエクイティ調査
・Always -on(刈り取り)
→KPIはCV、クリックなど
今後の取り組みとしては、オリンピックのオフィシャルパートナーとしてグローバルに展開。
オリンピックに向けたクリエイティブ作りをしていきたい。
Facebookにクリエイティブのアドバイスをもらっているそうです。
パフォーマンスに大きく関わるクリエイティブ
クリエイティブの品質が売上の伸び率に影響する割合が56%あるそうです。
パフォーマンスを最大化するためにクリエイティブは重要です。
縦長の画像がトレンドになりつつあるようです。スマートフォンを使用中、デバイスを縦に持つ割合が90%、動画を見る際に縦に持ったまま見る人の割合が83%あるそうなので縦長の画像を意識してみてください。
ストーリーズ広告、どう作れば効果的?
・ルック&フィール
アテンションを捉えます。気が付くと最後まで見ていたという広告は、どうなるんだろう、と気になる仕掛けをもっています。
例えば、早く画面が切り替わる動画は、一時停止したり戻ったりしながら見たくなるように作っている実例もあります。
・美しく一言で伝える
メッセージはシンプルが一番。伝え方次第で、全く違う広告結果に。
・ブランドと製品
ブランド名やロゴなどを冒頭で入れると認知度が上がる。
・目的に応じた手段を選ぶ
75%の確率で「人フォーカス広告」はブランド認知効果が高かった
73%の確率で「商品フォーカス広告」は獲得効果が高いことがわかった
・CTAを強化する
89%の確率で、CTAが強化された広告は、そうでないものに比べてCVRの上昇が見られた
モバイルクリクリエイティブアワード受賞作品
☆ファンタ坂学園
中高生がインスタグラムでコミュニケーションをとっています。ファンタ坂学園のアカウントに飛ぶようになっており、実際に学生が同じようにに楽しめるという仕組みになっています。
広告だけではなくてその先のエンゲージメントも設計している例です。
☆ゆうこす×マジョリカマジョルカ
若者メイク実態調査をゆうこすと一緒にしっかり行っています。
縦長のフォーマット全体を使い利用しています。
飛ばされない工夫がなされている。
☆ビーモンスター
気になるストーリー展開で作成。
インフルエンサーマーケティングとインスタグラム
インフルエンサーゆうこすさん
ゆうこすさんが登壇で話した内容をポイントでまとめました。
・生配信をよく使うそうです。生配信はリスクがあると思われるかもしれないですが、事前に打ち合わせを重ねれば今まで困ることはなかったそう。
また、インスタライブによって自分の化粧品を1700万売った実績もあるそうです。
・ターゲットは8割が同世代の女性
・インスタグラムのプロフィールでハイライトでやっていることをまとめている。
・インスタ映えというより、タグが映えているかどうかを意識している。
なぜ検索をしているかを考えている。
・なぜユーザーがゆうこすをフォローしているか。
それは文章が長文でフォローする意味があるから。
・いいねの数が見れなくなったため保存の数を重視しているそう。
あとは、ゆうこすさんのタグやメンションをつけている数も重視。
・みんな前向きなものやきれいなものに惹かれるのでは?
またはそういうユーザーがインスタグラムには多いのではないか。
ポジティブなものが反応率が高い傾向にあるそうです。
・「モテたい」人ニッチな層にターゲットを絞っている。
続きが気になるように1枚だけではなく、続く画像を上げている。
・広告主とのパートナーシップについて、広告主が注意すべきポイント
商品が好きなことが分かりやすい熱量は、発信(投稿)の量、投稿の文章の量、自分のファン層と商品情報のすり合わせを行う。代理店と打ち合わせを行うこと。
インフルエンサーマーケティングのポイント
サイバーエージェントがインフルエンサーマーケティングで工夫しているポイントをまとめました。
・伝わって商品が動くというところがゴールとすると、保存数とかの数字をしっかり確認する。
・インフルエンサーマーケティングは浸透圧。
インフルエンサーが一消費者としてインフルエンサーのことばが伝わることが浸透圧。
・インスタグラムは他のメディアとクリエイティブの作り方が全然違う。
・インスタグラムの事業部も作っている。
・ブランドコンテンツ広告で、透明性のあるインフルエンサーマーケティングを行っていく。
・個人がメディアになる時代
ダイレクトレスポンスでのインスタグラム活用方法
コンバージョンを促すための最新の方法をまとめました。
・キャンペーン設計
ダイナミック広告はEC用というわけではない。
アプリインストール広告でも効果を発揮。
1つ1つの記事=商品と見立ててフィード作成。
検索ランキングをカタログに追加し、機械学習の促進
記事コンテンツの日次で更新する仕組み化を実践
結果、CPI 32%削減
・ダイナミック広告
ブランドもコラボレーション広告を使うことでダイナミック広告を使うことができる。
今まではファネルごとに広告の出稿主は分断されていたが、メーカーが直接デジタルでプロモーションできるようになった。
・シグナル
詳細マッチングの併用。
CVR改善が期待できる。実際に1.4~1.6倍の改善効果があった。
自動詳細マッチングから広告マネージャでONにするだけ。
クリエイティブ最適化の最新事例
エン・ジャパンのクリエイティブ最適化 最新事例
転職は非日常、どう日常化するかが課題で、クリエイティブの最適化を実施。
人口は減少しているが転職者は増えている。
ただ競合と差別化が必要で、転職者に有利な市場になっている。
若年層のアプローチの難易度が上がっているのでインスタグラムの活用が重要。
会員数増加にあたってインスタグラム広告の影響は大きい。
インスタグラム運用の体制は3人。
ユーザーと同年代(20代)だから気持ちがわかる。
エン転職のファネル
↓
「エン転職を知らない」
↓
「エン転職を知っているがアプリをダウンロードしていない」
↓
「アプリをダウンロードしたが求人を閲覧していない」
↓
「求人を閲覧したが応募していない」
↓
「求人に応募した」
インスタグラムは上の3つのファネルへのアプローチのために使っている。
一人が何回も応募しても意味がないので、できるだけ多くの人にエン転職を選んでもらわなければいけない。
生活者にとって有益なコンテンツ、見たい、保存したいコンテンツかどうかが重要。
インスタグラムで難しいのは高品質なクリエイティブを大量につくらなければならないこと。
シグナルが多様化したため、シグナルごとのクリエイティブを大量につくらなければいけなくなった。
OODA LOOP (ウーダループ)を回している
→Oオーディエンス、Oオリエント
AIも利用して大量に生産しないといけないので、PDCAだと割に合わない
ABテストは非常に重要
アパレルの事例は左のクリエイティブが一番良かった。
インスタグラムはビジュアルでアイキャッチして、そのあと文章が入ってくる。
最新事例①:ネイル自由の事務
事務スタッフではなくて化粧品の画像をアイキャッチに。強みを出す。
最新事例②:ラッシュの製造キッチンスタッフ
ラッシュに興味がある人に向けた方がいいと考えたので、実際にラッシュで製造している画像をもらった。
頑張ってクリエイティブを作っても数日で効果がでなくなる。
求人が終わってしまうと広告も差し替えなければならない。
エンジャパンからのインスタグラムを使ったアドバイス
出てきている広告ソリューションは早く使ったほうが良い。シグナルを早く貯める。
売り上げや予算などの目標をパートナーと相談してしっかり決める。
自分たちだけで行わない。プラットフォーム側の担当者、広告パートナーと協力する。
まとめ
今回は、インスタグラムの最新動向を踏まえながらビジネスに活かす方法をご紹介しました。
今回のレポートを振り返り、現在のインスタグラムは、投稿だけ、広告だけといった一点で使うのではなく、認知から獲得、さらにファン化までどの段階でもインスタグラムを利用でき、インスタグラム全体でマーケティングを実施する必要性を感じました。
私たちの生活に欠かせない存在になりつつあるインスタグラムですが、市場に合わせ私たちも先手先手でいろいろ試してみなさまに最新情報を共有していければと思います。
皆さまも、今回ご紹介した中の1つでもよいので「これは!」と思うものがあればぜひ実践してみてください。

デジタルアスリート株式会社 コンサルタント
広告事業部にて、主にFacebook広告の運用を担当。前職ではサイト制作や社内SEOを担当していたが、Web集客についてもっと学び社会に貢献していきたいとの思いから株式会社リスティングプラス(現・デジタルアスリート株式会社)に入社。
一児の母としても日々奮闘中。
コメント