「5G」はどこまで凄いのか?未来を変える技術を徹底紹介!

  • 2020.3.3
  • 2020.7.10
  • 3,374 Views

最近耳にすることが多い「5G」(ファイブジー)

通信規格ということは知っているけれど、詳しく知らないということはありませんか?
もしくは4Gと何が違うのか知りたくありませんか?

ここでは5Gの特徴とそれを使った未来の技術などについてご紹介いたします。

5Gとは

5Gとは「5th Generation」の略称で、携帯電話などに用いられる次世代通信規格の5世代目という意味です。日本語では「第5世代移動通信システム」と表記されます。

2015年9月、国際連合の専門機関「国際電気通信連合」無線通信部門が策定したレポート「IMTビジョン勧告」の中で初めて5Gのコンセプトが発表されました。

2019年には、アメリカ、韓国、イギリスなど世界19ヵ国が5Gの商用サービスをスタート。日本では2020年春からの実装が予定されています。個人での利用のみならず、産業やビジネスでの実用化に向けても動き出しており、デジタルトランスフォーメーション実現の基盤として期待が高まっています。

5Gの特徴

5Gには多く分けて以下のような特徴と仕組みがあります。

「高速大容量」
「高信頼・低遅延通信」
「多数同時接続」

ここでは、これらについてご紹介いたします。

高速大容量

「高速大容量」の鍵となるのは、「Massive MIMO」というアンテナ技術です。
これは、複数のアンテナを使った無線通信技術「MIMO」を発展させたもの。高周波数帯において、数十から数百のアンテナ素子を使用し、データを送信します。
これに、電波を細く絞り、特定の方向へ集中的に発射する技術「ビームフォーミング」を組み合わせます。電波の強度を上げ、遠距離での高速通信を実現するためです。

国際電気通信連合による最大通信速度(下り)の目標値は20Gbps。2010年当時の4Gと比較すると約100倍、2019年春にスタートしたNTTドコモ「PREMIUM 4G」と比較しても約20倍の速さです。

高信頼・低遅延通信

「高信頼・低遅延通信」の鍵となるのは「エッジコンピューティング」です。これは、デバイスとサーバーの物理的な距離を縮め、通信時間を短くする技術のこと。

通常の通信は、デバイス→基地局→インターネット→クラウドサーバーの流れでコンテンツにアクセスし、逆の流れでダウンロードする「クラウドコンピューティング」が主流です。

それに対し、エッジコンピューティングは、デバイス→基地局→基地局の近く(エッジ)に設置したサーバーと通信経路が短いため、リアルタイム性を確保できます。

多数同時接続

「多数同時接続」の鍵となるのは「グラント・フリー」という技術です。これは、デバイスと基地局の通信をシンプルにし、デバイスの同時接続数を多くするというもの。

通常、デバイスと基地局で通信を始める場合には、利用する周波数や利用時間のやりとりが行われます。その後、基地局が事前許可(グラント)を発行。デバイスは、基地局から許可された方法でデータを送信します。

一方、グラント・フリーでは基地局の事前許可なしにデータを送信できます。これによって通信の混雑を回避し、1つの基地局に多くのデバイスが同時アクセスできることに。送信失敗のリスクも発生しますが、再送信の仕組みも含めて設計されています。

5Gはいつから実施?

総務省は2019年、G導入に向けた特定基地局開設の申請を受け付けました。申し込んだのはNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4社です。
ここからは、各社のサービス開始時期や開設計画の概要を紹介します。

NTTドコモ

2020年春サービス開始予定
設備投資額は約7950億円で、2024年度末までに97.0%の基盤展開率を目指しています。

KDDI

2020年3月サービス開始予定
設備投資額は約4667億円で、2024年度末までに93.2%の基盤展開率を目指しています。

ソフトバンク

2020年3月下旬サービス開始予定
設備投資額は約2061億円で、2024年度末までに64.0%の基盤展開率を目指しています。
総務省はソフトバンクへの個別条件として、2018年12月に発生した大規模通信障害を踏まえ、再発防止策の徹底を求めました。

楽天モバイル

2020年6月頃サービス開始予定
設備投資額は約1946億円で、2024年度末までに56.1%の基盤展開率を目指しています。
携帯電話事業に参入して間もない楽天モバイル。総務省は、今後の開発における個別条件として、基地局の着実な開設を求めました。

4Gとの違いって?

スマートフォンの利用者数が激増した2010年代。その流れを支えたのが、現在も主に利用されている通信速度50Mbps~1Gbpsの4Gです。通信速度が飛躍的に向上したことで、スムーズなインターネット利用のほか、モバイルゲームや動画など大容量コンテンツを楽しめるようになりました。

4Gが「スマートフォンのためのモバイルネットワーク技術」だとするならば、5Gは「社会を支えるモバイルネットワーク技術」といわれています。あらゆるものがインターネットに繋がる時代を迎え、幅広いユースケースが想定されるためです。

それを可能にするのが、「高速大容量」「高信頼・低遅延通信」「多数同時接続」という3つの特徴。
4Gと比べて通信速度は20倍、遅延は10分の1、同時接続台数は10倍の進化が見込まれ、さまざまなサービスやビジネスでの活用が期待されています。

4Gから5Gに変わると?

コネクティッドカー

コネクティッドカーは、ネットワークにつながった自動車のことです。AI音声エージェントやリアルタイムの道路混雑状況の把握など、これまでになかった様々なサービスを提供することができると考えられています。自動車は、これまでの単なる移動手段ではなく、情報通信機能を備えたモビリティ・サービスへと変貌しようとしています。

コネクティッドカーには、モニタリングセンサー、車間距離センサー、スピードセンサーなど多くのセンサーが付いており、センサーから膨大なデータが収集されます。
これらのデータを活用することで、安全運転支援、メンテナンスサービス、自動車保険の選定など、新しい情報サービスを利用できるようになります。

医療

医療機関の都市部への集中や、地方の医師不足が問題になっていますが、5Gによって過疎地域でも専門医の医療が受けられる遠隔医療が期待されています。

NTTドコモと和歌山県立医科大学は、5Gを使った遠隔医療の実証試験を2017年にスタートしました。4Kカメラで撮影した患者の画像を5Gで伝送し、医師が映像を見ながらリアルタイムでコミュニケーションを行うというものです。

5Gを使うことで、鮮明な画像を送信することができ、正確な診断が可能。また、音声や映像の遅延がなくなるため、患者の診察もスムーズに行うことができます。

広告業界

5Gの普及により、動画を活用した広告はどんどん拡大していくでしょう。
動画コンテンツが増え、今後も新機軸の動画プラットフォームや広告フォーマットが登場。広告配信の選択肢がさらに増えて多様化していくと予想されています。

動画LPや、商品やサービスを高画質で、高音質で体感できるような広告も登場しそうですが、その分クオリティや技術などユーザーが求めるもののハードルも高くなりそうです。
その技術に追いつけない広告主はどんどん市場の競争に追いつけなくなり、ある一定のレベルじゃなければ広告がユーザーに見られることがないということにもなるでしょう。

5Gに備えて広告主や代理店は市場の行き先を見据えて柔軟に戦略を組み立てていくスキルも必要になりそうです。

動画広告の市場拡大予測についてはこちら↓

建設

建設業界では、災害復旧などの危険な作業を5Gを使って遠隔操作で行うといったことが期待されています。従来の遠隔操作では、カメラから送信される映像が不鮮明で、作業効率が低下することが問題となっていました。

建設大手の大林組は、2018年の2月に5Gを使った実証試験を行いました。
高精細4Kカメラや3Dモニターと一緒に5Gを使うことで、奥行きを正確に捉えることが可能となり、作業効率が向上しました。遠隔施行の作業効率が向上すると、人手不足の解消にもつながります。

働き方改革

5Gを導入することで、働き方改革にもつながります。
農業を例に挙げると、農機の自動運転で畑を耕し、ドローンで肥料を散布するといった「スマート農場」が可能になります。長時間畑で作業する必要がなくなると、農業における働き方が根本的に変わることになるでしょう。

また、道路の混雑状況のデータから導き出された最適なルートの提案や物流現場へのロボットなどの導入により、運送業の労働環境の改善も期待されています。
5GによってSociety 5.0が実現すれば、農業や運送業だけでなく幅広い職種において働き方改革につながるでしょう。

スマートシティ

スマートシティは、IoTを利用して都市の電力利用を最適化し、環境にやさしい持続的な発展を目的とする新しい都市のことです。電力供給のバランスを調整できるスマートグリッドや電気自動車、太陽光発電などを組み合わせて実現します。日本国内では、経済産業省や大手企業を中心に、プロジェクトが進められています。

買い物

消費者に身近なものとして、買い物にも変化が訪れます。
例えば、スーパーで買い物をしているとすると、生産者から送信された収穫に関するデータを取得したり、自宅の冷蔵庫にある食材の賞味期限を知るなどといったことが可能になります。
店側としては、店内の在庫情報をセンサーで把握し、最適な在庫管理が可能になります。

エンターテインメント

5Gはエンターテインメントにも変革をもたらします。
例えば、5Gを利用したスポーツ観戦では、選手を別の角度から見る、リプレイを確認するなどといったことが可能になります。スポーツ観戦だけでなく、コンサートで臨場感あふれる没入体験をしたり、テーマパークでVRのアトラクションを楽しむといったことも可能になります。

KDDIは5Gを使った「自由視点映像」の実験を行いました。自由視点映像とは、複数のカメラを使って3Dモデルを作成し、様々な角度から眺めることができる技術です。この技術を利用することで、普段見ることができない視点から選手を見ることができます。
例えば、ピッチャーの投球をキャッチャーの後ろから眺めたり、バッターの表情を拡大して見るといったことが可能です。

次に来る「6G」

5Gの事業化が進む中、すでに次世代通信「6G」の研究開発が進んでいます。
5Gの登場によってダウンロード速度はより一層高速化し、待ち時間は減少されることが予想されます。

しかし、イギリスの携帯電話会社Vodafone UK(ボーダフォン)の最高技術責任者であるScott Petty(スコット・ペティ)氏は、「5Gは数年後にはネットワークに接続されている『モノ』の数を処理できなくなる」と述べています。

なぜなら、今後登場する様々な通信を利用した製品によって、データ需要が大幅に増加したりネットワークへの負担が増加する可能性があるからです。
そのために6G実現に向けて動き始める必要があり、世界中のIT関連製品の販売業者がその技術開発に挑んでいます。

6Gでは何ができるようになるの?

6Gでは、現状と比べて通信容量が拡大し通信も高速化。
通信に必要な構成要素があらゆるものに溶け込むため、人々がバックグラウンドでの通信を意識することなく情報処理が行われるようになると予想されています。

また、これまで一般的に利用できなかったサービスの実現も期待できます。
例えば、米マイクロソフトが開発中のテレポーテーションをしたかのような体験ができる、”Holoportaion”(遠隔地にいる人を、3D映像として別の場所へ移動させる技術)がより現実味を帯びてくと言われています。

リアルタイムオンラインゲームにも活用されると予想されています。
高解像度の3D映像をリアルタイムで送信することで、SF映画のようにネット上のもう一つの仮想世界を体験可能になりそうです。

そして、高解像度の映像が触覚情報とともに高速低遅延で通信することが可能になるとすれば、医療分野では。「遠隔治療・診察等」への活用など、6G活用の可能性が広がり、さまざまな用途が生まれてきそうです。

まとめ

5Gが普及することで、通信速度のアップ、遅延の低減など体感的な部分だけでなく、今までの通信速度では不可能だったことが可能になる未来が見えてきました。
私たちの暮らしも豊かになることが期待されます。

目に見えていないだけ、当たり前に感じているだけで様々なことが進化、変化して行きます。5Gの普及によって世界にどんな変化が訪れるのか、どんなテクノロジーが生まれるのか、どんな未来になるのか非常に楽しみですね。

5Gも含めて今後のWeb広告・マーケティングの展望ついてはこちら↓

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石川 克麻

デジタルアスリート株式会社
D2C戦略部 プロデューサー
元々はサービス業界に従事。自分自身のスキルアップとともにデジタルマーケティング業界の将来性を感じ、 デジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に入社。

情報の移り変わりがとても早い業界であるため、常に新しい方法の模索と実施を追求していきたいと思っております。
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