
商品について「コンセプトは何?」と聞かれた時、はっきり答えられないとしたら、その商品を売るのは難しいかもしれません。
まず、「育成型」マーケティングに必要なのは「コンセプト」です。
すでに商品やサービスをリリースしている場合も、再度考え直す必要があります。
商品を売ろうとする時、多くの経営者やマーケティング担当者は広告やマーケティングの施策に注力しようとします。
しかしこれからの時代に商品・サービスを販売するには、商品からマーケティング戦略にいたるまで一貫した「軸」、つまり明確なコンセプトが必要なのです。
この章では
- どうしてビジネスに強力なコンセプトが必要なのか
- 強力なコンセプトの作り方
をお伝えします。
目次
育成型マーケティングに「一貫したコンセプト」が必要な理由
コンセプトは、商品や企画などの基本的かつ統一的な考え方や視点を意味します。
よりわかりやすくいうと「誰のために、どんな価値を、どのような形で提供するのか」というサービスの軸のことです。
また、コンセプトには以下の要素を含むべきだと考えられます。
- 一貫していること
- 独自性があること
- 強力であること
「育成型」マーケティングに「一貫したコンセプト」が必要な理由としては、見込客と接触するたびに同じメッセージを伝えることが必要だからです。
育成型マーケティングでは、初めてリスティング広告を見た人がそのまま購入する・・・ということを狙いません。
具体的に商品購入を検討していない、まだ商品の必要性も理解していないような段階から、何度もいろいろな方法で見込客に接触して顕在顧客に育成していくのです。
それなのに、情報を目にするたびに「誰のためのどんな価値がある商品なのか」というメッセージがぶれていると見込客の印象には残りません。
すると、いざ見込客が商品を必要としたときにも「真っ先に頭に浮かぶ」という効果が期待できなくなります。
顧客に伝えるメッセージは常にコンセプトを基にし、一貫性を持たせることが重要なのです。
また「コンセプトをあえて決めなくても、自分がわかっているから大丈夫」と思っている人も多いようです。
しかし、コンセプトは難しくても言語化しておく必要があります。
育成型マーケティングでは使う手法も増えますし、かかる時間も増えます。従来のマーケティングより関わる人も増えるので、明確な言葉で共有しないと軸がぶれてしまうのです。
一貫したコンセプトをマーケティング施策全体の軸として通すためにも、コンセプトだけでなく「どうしてそのコンセプトなのか」という理由は関係者にしっかり共有しておきましょう。
スターバックスコーヒーも「コンセプト」で成功をおさめる
明確なコンセプトが成功につながったケースとしては、スターバックスの例が有名です。
スターバックスのコンセプトは「サードプレイス」です。
家庭でも職場でもない第3の空間という意味ですが、この簡潔なコンセプトがスターバックスコーヒーを成功に導いたと言われます。
このコンセプトが生まれた背景を考えてみましょう。
スターバックスコーヒーが起業した1980年代アメリカでは、人々にとって「第1の場所」=家庭、「第2の場所」=職場と考えられていました。
しかし当時のアメリカは、職場では自分の居場所を自分で獲得しなければならない競争社会でもあり、多くの人が必死に働いている状態でした。
また文化的にも、自宅に帰れば家族との時間を第1に考えることが当然であり、パートナーや子どもを持つ多くの人にとっては、本当に心休まる場所がなかったのです。
そんな顧客に「コーヒーと一緒にくつろぎの空間(サードプレイス)を提供すること」をコンセプトとして提示したのが、スターバックスコーヒーだったのです。
時代に求められ、またそれまでに無かった新しいコンセプトを作ったことでスターバックスコーヒーは圧倒的に成長することができたのです。
スターバックスコーヒーが成功した後、日本でも世界でもさまざまなコーヒーチェーンが誕生しました。コンビニも格安で美味しいコーヒーを販売するようになるなど、業界は大きく変わったはずです。
コーヒーの値段や目隠しテイスティングなどの結果で、スターバックスのコーヒーは美味しくない・値段に相当しないという情報で揶揄されたこともあります。
しかし今もスターバックスコーヒーは、コーヒーチェーンとして存在感を放っています。
これは、多くの人がスターバックスコーヒーを「コーヒーを買う・飲む場所」ではなく、ひと休みする場所やくつろげる場所として認識しているからです。
- 店舗の場所や作り方
- テーブルの配置やインテリア
- 従業員の教育・ホスピタリティ
- 公式サイトや広告で伝えるメッセージ
- 価格設定・商品開発
コンセプトはこれらの全てを貫いています。
スターバックスコーヒーがどこかのタイミングで競合企業に勝とうと、居心地を犠牲にして価格競争に参加していたら、数件のクレームが来たからという理由で、従業員にマニュアル以外の対応を禁止していたら、今の成功はなかったでしょう。
このようにコンセプトはビジネスの成功に直結し、商品の原点を見失わないための重要な要素なのです。
コンセプトがもたらす多大なメリット
コンセプトはマーケティングすべてを貫く軸となり、施策を実施する際などにも多くのメリットをもたらします。
マーケティング戦略の柱ができメッセージが伝わりやすくなる
コンセプトが明確であることのメリットとして、どのようなマーケティング施策をするにしても考えや発想の「柱」ができるという点があります。
例えば、ランディングページを制作する場合を考えてみましょう。
売れるランディングページを作る際には、キャッチコピーやデザインをターゲットに対してしっかりと作り込むことが必要です。
コンセプトが明確になっているということは、その対象となる顧客や提供価値が明確だということなのです。
コンセプトがない | コンセプトがある | |
キャッチコピーなどの表現 | 抽象的になる | より具体的な表現ができる |
競合との差別化 | 差別化しにくい、条件で比べられやすくなる | 差別化できる、条件以外のところで選ばれる |
デザイン | 商品・サービスと一貫性がなくチグハグな印象になる | 商品・サービスの世界観や提供価値と一貫性が出せる |
Web広告が普及する前には、コンセプトが無い商品で特に優れた部分が無くても、見せ方・売り方だけで成果を出せた時代もありました。
しかし現在はWeb広告が増え消費者の広告リテラシーは上がり、印象的なキャッチコピーや美しいデザインなどでは、消費者の目をごまかすことはできません。
現代はコンセプトを明確にすることによって初めて、ランディングページやチラシその他様々な媒体において消費者の目を惹くことができるのです。
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