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ストーリー

本質の追求とチームづくり、それこそがマーケティング

老舗化粧品会社のWeb広告運用案件。そこでに求められるのは、常にロジカルに本質を追う姿勢と、クライアントとの信頼関係に基づく俯瞰的視点だ

 

岡田雅裕 Masahiro Okada

デジタルマーケティング事業部 シニアプロデューサー

2012年入社
当時は大々的な新卒採用を行っていなかったリスティングプラスですが、知り合いの紹介をきっかけに入社しました。それ以来、一貫して広告運用コンサルティングに関わっています。2019年からはシニアプロデューサーとして組織をまとめる立場に。

清水雄飛 Yutaka Shimizu

デジタルマーケティング事業部 プロデューサー

2018年入社
就職活動ではWeb業界に絞って多くの会社を見てきましたが、もっとも社風のよさを感じられたのがリスティングプラス。選考で関わったメンターや代表の人柄に惹かれて入社を決めました。今はWeb広告運用の実務面を中心に担当しています。

 

求められるのは、
提案の「深さ」

あらゆるビジネスのインフラと呼ばれるまでに広く普及したデジタルマーケティング。
岡田さんと清水さんは、新規契約企業を中心に多様なクライアントのWeb広告運用を担当するチームを率いている。
現在はとある化粧品会社をクライアントに、その販促活動に取り組む。

 

岡田
クライアントは通信販売に特化した化粧品会社様です。50代以上の女性を主なターゲットとして、洗顔料をメインにいろいろな商品を販売しています。2019年末からお取引がスタートして、はじめは大きなチャレンジをするというよりもコツコツと手堅い広告運用を重ねてきました

 

清水
営業担当が最初に契約を持ってきた時には『老舗のクライアントが来た!』と社内でも話題になりましたね。そこから目標などのすり合わせを行い、実際の広告運用が始まったんです

 

岡田
そのお客様はもともと別の代理店さんを通じてリスティング広告を運用していました。しかし、そこでは期待どおりの成果を上げられていない状態で、会社間のコミュニケーションにも課題があったと聞いています。クライアントは『リスティング広告の力をもっと売り上げに生かせるはず』と考えて、さらなる新規顧客獲得を目指して当社にご相談をいただいたという経緯です

清水
私たちは当社での広告運用スタート時から担当させていただいています。岡田さんが全体のディレクションを、私と他のメンバーが実務面を担当するような体制で始まりました。それまでに経験したなかでも規模が大きな案件で、なおかつクライアントの期待値も高い状態で始まっただけに、軌道に乗るまで最初はなかなか大変でしたね(笑)

 

岡田
正直、スタートする時から苦戦は覚悟していました(笑)。クライアントの求めるレベルの高さと、専門家としてその期待に応えていかなければいけない難しさは初めから目に見えていましたから。成果としての数字はもちろん、クライアントからは『提案の深さ』が求められます。綿密なロジックをもった施策の深さを追求することが重要でした。今でもお付き合いいただけているということは、その『深さ』を認めていただいているのだと思っていますが、はじめの頃は特に清水や他のメンバーも含めて何度も作戦会議をしましたよ。ちなみにこの案件に関しては、いまだに毎朝ミーティングしています

 

清水
会社全体の朝礼のあとは必ずこの案件のミーティングですね。長いときは1時間くらいやることもあります。これは変化の激しいWeb広告の世界ならではかもしれません。日々刻々と状況が変わるので、細かいアップデートが不可欠です。具体的な金額で言うなら1日に数百万円の広告費が動くので、毎日認識をすり合わせておかないとたった1日で大きな損失を生む恐れも。それくらいの危機感を持ちながら担当しています。通常のクライアントでは1ヶ月単位の予算が、この案件では1日で動きます。やはりそのプレッシャーはありますね

 

愛情と責任でピンチを乗り越える

プロジェクトのスタートからおよそ1年半。これまでに、さまざまなピンチを乗り越えてきたという。

 

岡田
運用がスタートしたての頃は、ここまで大きな予算を預かってはいませんでした。1日の広告費で言うなら、はじめは数万〜数十万円単位でしたね。それがどんどん大きくなって、新規顧客獲得件数で言えばこの1年でそれまでの10倍になっています

 

清水
そうですね。最初は月の新規顧客獲得件数が300件くらい。しかし1年以上経過した先月の実績はその10倍ほどです。10倍のコンバージョンを得ようとするなら広告費は10倍では効かないので、かなり増えました。今は1日数百万単位にまで成長しています。それにしても、もともと安定した企業さんなのできちんと期待に応えていければ長いお付き合いができるだろうと考えて運用に取り組んできましたが、これまでずっと順風満帆とはいきませんでした

 

岡田
スタートから半年ほど経つ頃に、クライアントからお叱り受けることがありました。対応のスピード感や質について不安を与えてしまったのです。そこで、チーム編成を大きく見直しました。清水以外のメンバーを入れ替えたり、チームの人数をあえて減らすことにしたのです。というのも、メンバーが多いとそれだけ責任が分散してしまい、全体で見た時の対応に弱い部分ができていました

 

清水
メンバーを減らしたことに僕自身もメリットを感じています。一番多かった時と比べると、今は1/3の人員で対応しています。手厚い対応をするにはむやみに人手を増やせばよいということではなく、少ないメンバーでもその案件に対する愛情と責任を強く持つことが重要なのだと感じています

 

岡田
私はもちろん、そのときは清水も一緒にお客様のご意見をうかがいました。お客様から直接『頼むよ!』とお声をいただくと、あらためて頑張らなければと気が引き締まりますね。新たなチーム編成のもとで成果を出せたおかげで、クライアントの評価を取り戻せるようになっていきました

 

今ではクライアントも含めて1つのチーム

そうした紆余曲折を経て、ここ最近はクライアントの売り上げ成果としても、自社の売り上げとしても大きく実績を伸ばすことができた。

 

岡田
これまでに積み上げてきたものがブレイクした感じで、広告施策が変わったというより、クライアントとの関係性が大きく変化したと感じています。クライアント担当者を含めて、1つのチームという雰囲気が出てきましたね。お客様から仲間として見てもらえてる感じが本当にうれしいです。そんな関係性の深化があったから、預けていただく予算も成長したのではないでしょうか

 

清水
僕もまったく同じことを感じていて、クライアントが僕達を含めて「我々」という表現をしてくれるようになったことがとても嬉しいです。認めてもらえていると感じるとやはりモチベーションが上がりますし、もっと頑張ろうと思えます

 

岡田
クライアントとの信頼関係がきちんと構築できると、予算だけでなく『会社としてこんな新しい動きがある』といった情報も素早く共有してもらえるので、私たちも動きやすくなりますね。それから、このクライアントには他の代理店さんも入っていますが、『他の代理店にこう動いてもらうから、こっちはこうしましょう』というように、当社ありきで他の代理店の動きを決める流れにもなっていきます。他の代理店の動き方を聞かせてもらいつつ、全体でどう動くかを私たちがクライアントと一緒に考えることができるんです

 

清水
この業界は同じクライアントに対して自社以外にも同業の代理店が入ることがよくあります。そんな時、自社の売り上げというよりもお客様の売り上げをどう最大化していくかを一番に考えることが大切です。それがクライアントとの信頼関係につながり、結果的には自社の売り上げにつながっていくのはよくあること。私たちもそれを実践してきたから今の状態があるのだと思います

 

岡田
クライアントとの関わり方は、実践を通じて学ばせてもらいました。今のご担当者は、他のお客様に比べてとてもリテラシーが高い。そうしたクライアントとどう向き合って進めていくか、ある意味こちらが鍛えられる部分が大きかったですね。クライアントにどうやって納得してもらうか。それまで他の案件では通っていた提案も、一つひとつに「なぜ?」という根拠が求められる。そうしたお客様と向き合うなかで、私自身も大きく成長させてもらえたと思います

 

清水
クライアント担当者はもともとWeb業界出身で、10年以上の経験を持つ方。デジタル分野のリテラシーが高いことはもちろん、「なぜ?」という本質に根ざしたロジカルな発想を常に求めます。それから、ある意味ですごく人間らしいご担当者なので(笑)、この取り組みを通じて『背景を考える』ことの大切さも教えてもらいました。他の代理店はこういう動きをしている、上司の方からはこう言われいると聞く、それならご担当者は今どんな状況におかれているか?などということを踏まえて、自分たちがどう動けばクライアントにとって喜ばしい結果につながるかを考える思考の癖づけができました

 

社内外を問わず信頼が未来をつくる

一つひとつの取り組みに対して、その根拠と成果がシビアに求められる環境で尽力する岡田さんと清水さん。そんな彼らの今後の目標とは?

 

岡田
この案件を当社でも歴代イチの大規模な取引に育てていくことが、私たちチームの目標です。そのためには日々の成果はもちろんのこと、クライアントとの信頼関係を育てていくことも大切です

 

清水
僕としてはもう1段階、クライアントとの関係を深めることができたなら、実行できる施策も変わってくるのではないかと思っています。ご担当者ともっと深く信頼関係を築いた上で、クライアント企業の販促活動全体を見渡して、より売り上げにつながる方法や施策の組み合わせという部分にまで介入していけたら、さらに大きな成果を出すことができるのと思っています。リスティング広告単体ではなく、マーケティング全体のサポートを通じてより大きく貢献したいですね

 

岡田
信頼を築くには、やはり最終的には人柄がものを言うと思います。当社のメンバーはまじめで一生懸命に仕事に取り組む人ばかりです。成長意欲が高くて、人の魅力という部分では本当に自信がありますね。とはいえ、みんな人間なので仕事がきついと感じる時はあるでしょう。でも、そんな時でも気持ちをを引き上げてくれる仲間が必ずいる。会社が人を大切にするので雰囲気がよく、そうした環境でいろいろとチャレンジさせてもらえるというのは、働く上でのモチベーションです。月並みかもしれませんが、任せてもらえると本当にやりがいに感じるものですよ

 

清水
社員を大切にする会社だなと感じます。もちろん企業なので、業務を通じて収益に対する責任や目標にどれだけコミットできたかという部分は見られますが、人同士の温かなつながりは強く感じています。僕自身、この会社で働きにくいなと感じたことが本当に1度もなくて。誰しもモチベーションや気持ちの波はあると思いますが、熱量が下がっている時は愛のあるムチをもらうこともあれば、普通にさらっとフォローしてもらえたり。メンバー同士の信頼関係があるから頑張っていけます