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地域密着の不動産会社の集客方法

ポータルを成約で判断し、地域の情報と売却事例で選ばれる順番

公開日:2026-10-08長橋真吾執筆:長橋真吾デジタルアスリート株式会社 代表取締役更新日:2026-10-21
地域密着の不動産会社の集客方法
この記事の要点
  • 物件の数でポータルに勝とうとせず、学区・住環境・相場・売却など「地域に詳しい会社」の情報で選ばれる
  • ポータルはいきなり切らず、媒体ごとに掲載費÷問い合わせ÷来店÷契約で、契約1件あたりの費用を出す
  • 賃貸は1〜3月に集中、売買・売却は通年。賃貸は10〜11月にページを整え、12月に準備を終える

「SUUMOやHOME'Sの掲載費が上がり続けているのに、反響が増えない」「自社サイトに物件を載せても、ポータルと同じ物件ばかりで見てもらえない」「売却の相談を増やしたいが、一括査定サイトの紹介料が重い」。

地域密着の不動産会社の経営者から受ける相談は、この3つが中心です。

私たちデジタルアスリートは、Googleプレミアムパートナー認定のマーケティング支援会社として、これまで2,425社以上のWeb集客を支援してきました。

この記事では、地域の不動産会社が、ポータルに払い続けないと反響が来ない状態から、自社にも問い合わせの入口を持つ状態へ移るための集客の順番を、賃貸・売買・売却に分けて解説します。

不動産会社の集客の今:会社は増え、比べられる場面も増えている

国土交通省の調査では、宅地建物取引業者の数は2022年度末で12万9,604業者と、9年連続で増えました。物件を探すお客様から見ると、同じ地域に選べる不動産会社がそれだけあるということです。

しかも、ポータルサイトには地域のほぼすべての物件が載り、同じ物件を複数の会社が掲載していることも珍しくありません。お客様は「どの物件にするか」を選んだ後、「どの会社に問い合わせるか」をもう一度選んでいます。物件そのものでは差がつかない以上、選ばれる理由は会社の側に作るしかありません。

小さな不動産会社が大手と同じように物件数や広告費で勝負しても、勝ち目は小さいのが現実です。一方で、地域で長く仕事をしてきた会社には、大手が簡単には書けない情報があります。学区ごとの特徴、駐車場を2台置ける住宅が多い地域、駅から実際に歩いたときの坂や夜道の明るさ、相続した家の扱いに困っている人の多さ。この記事では、その情報を集客の資産に変える順番を説明します。

自社サイトで物件検索の機能を作り込んでも、物件の数と使いやすさでポータルに勝つのは難しいでしょう。書くべきなのは、具体的には次のような情報です。

  • 子育てしやすいエリアと、学区ごとの特徴
  • 駐車場2台が置ける物件が多い地域、静かな住宅街
  • 駅からの実際の道のり、坂の多さ、夜の明るさ
  • 地域の相場の動き、成約までの期間
  • まだポータルに出していない物件の相談

こうした情報は、物件を探している人が「この地域のことはこの会社に聞けばいい」と感じる材料になり、検索でも「地域名 子育て 住みやすい」のような言葉で見つかる入口になります。

集客がうまくいかない4つの原因

地域の不動産会社から受ける相談を整理すると、反響が増えない原因はほぼ次の4つに分かれます。どれに当てはまるかで、手をつける場所が変わります。

原因 よくある状態 先に直す場所
ポータルの中で埋もれている同じ物件を複数社が載せ、写真や説明で負けている物件の写真と説明、最初の返信の速さ
会社として見つけてもらえていない会社名で検索しても情報が少ない、Googleマップの写真や口コミが少ないGoogleマップ、会社と担当者の紹介ページ
選ばれる理由が伝わっていない自社サイトが物件一覧だけで、地域の情報や事例がないエリア紹介、売却事例、相談の流れのページ
反響が契約につながっていない反響はあるのに来店や契約が少ない返信の速さ、追客の仕組み、来店後の提案

反響の数だけを見て広告やポータルの掲載を増やしても、3つ目と4つ目が原因なら成果は変わりません。まず、自社がどの段階で止まっているかを確かめてください。

業態で打ち手が違う:賃貸・売買・売却・管理

業態ごとに、入口と準備する時期を変える

増やしたい相談を決めてから、ページや媒体を選びます。

賃貸

主な入口

ポータル・Googleマップ

時期・きっかけ

1〜3月が中心。9〜10月にも山

売買(購入)

主な入口

ポータル・地域情報・相談会

時期・きっかけ

通年。入学や住み替えに合わせる

売却

主な入口

検索・一括査定・紹介

時期・きっかけ

通年。相続・住み替え・空き家が契機

管理

主な入口

「地域名 賃貸管理」の検索・紹介

時期・きっかけ

オーナーの空室・管理の悩みに対応

種類 お客様の動き 主な入口 時期
賃貸引っ越しの時期に、短期間で決めるポータル、Googleマップ1〜3月に集中。9〜10月にも小さな山
売買(購入)数か月かけて地域と物件を比べるポータル、自社サイトの地域情報、相談会通年(ライフイベントで動く)
売却相続・住み替え・空き家をきっかけに、相談先を探す検索、一括査定サイト、紹介通年

同じ会社でも、どの種類の反響を増やしたいかで、整える場所が変わります。

賃貸管理の受託:オーナー向けの入口も作る

賃貸仲介をしている会社にとって、管理物件を増やすことは安定した収益の柱になります。

物件オーナー向けには、入居率、空室期間の実績、入居者対応の体制、管理手数料と管理の範囲をまとめたページを用意します。「地域名 賃貸管理」「地域名 空室対策」で探すオーナーに届く入口になります。

オーナーが管理会社を選ぶときに知りたいのは、空室がどれくらいの期間で埋まるか、家賃の滞納にどう対応するか、修繕の手配をどこまで任せられるか、管理料に何が含まれるかです。管理しているエリアと戸数、入居者募集の方法、退去から次の入居までの平均的な流れを、オーナー向けのページにまとめてください。

管理を任されている物件が増えるほど、賃貸の募集物件も増え、地域で選ばれる会社としての信用も高まります。売却の相談も、管理を任せているオーナーから最初に来ることが多い分野です。

投資用物件:数字で判断する人に向けた情報

投資用の物件を探している人は、住むための物件を探す人とは見るところが違います。利回り、家賃の相場、空室の状況、修繕の履歴、周辺の賃貸需要など、数字で判断できる材料を求めています。

投資用物件の多くは専門のポータルで比べられますが、地域の不動産会社が強みを出せるのは、その地域の賃貸需要を具体的に説明できることです。「この駅の単身向けは、どの時期にどれくらいで埋まるか」「このエリアは学生と社会人のどちらが多いか」といった情報は、地域で賃貸仲介や管理をしている会社だからこそ書けます。

投資向けのページを作るなら、物件の紹介より先に、地域の賃貸需要と、管理を任せたときの体制(入居者募集・家賃の回収・修繕の手配)を説明してください。購入後の管理まで任せられる会社だと伝わることが、投資家に選ばれる理由になります。

反響の入口を作る:ポータル・自社サイト・Googleマップ

入口は3つを組み合わせます。ポータルで今の反響を取りながら、自社サイトとGoogleマップに「地域に詳しい会社」の情報を積み上げていく形です。

ポータル:いきなり切らずに数字で見直す

SUUMO・HOME'S・at homeなどのポータルは、物件を探している人が必ず見る場所です。いきなり掲載をやめると、反響は目に見えて減ります。

まず、媒体ごとに次の数字を出してください。

  1. 掲載費÷問い合わせ数(反響1件の費用)
  2. 問い合わせ→来店の割合
  3. 来店→契約の割合
  4. 契約1件あたりの費用

見直しの進め方と予算の移し方は、後半の「予算の配分と費用の判断」で詳しく説明します。

自社サイトで作るページ

自社サイトは、物件を並べる場所ではなく、地域と会社を知ってもらう場所にします。

ページ 書くこと
エリアの紹介学区、子育て環境、買い物、駅までの道、相場の目安
売却の相談査定の流れ、売却までの期間、手数料、担当者
売却事例・査定事例地域、物件の種類、築年数、売却までの期間と経緯
相続・空き家の相談相続した家の扱い方、空き家の管理、相談の流れ
スタッフ紹介顔写真、地域での経験年数、得意な分野
会社の方針強引な営業をしない、物件の悪い点も伝える、など

物件の掲載はポータルと同じでも構いません。自社サイトで見せたいのは、「この会社に相談すれば、地域のことも物件の良し悪しも正直に教えてもらえる」という材料です。

エリア紹介ページの書き方の例

エリア紹介のページは、物件を探している人が「この地域に住んだら、毎日がどうなるか」を想像できる内容にします。たとえば次のような項目で書きます。

項目 書くことの例
暮らしの特徴子育て世帯が多い、静かな住宅街、商店街がある
学区小学校・中学校の場所、通学路の様子
買い物・病院歩いて行けるスーパー、小児科、ドラッグストア
通勤・交通主要駅までの所要時間、朝の電車の混み具合、バスの本数
相場賃貸・中古戸建て・土地のおおよその価格帯と、最近の動き
担当者のひとこと「この地域で○年案内してきて感じること」

こうしたページは、検索で「地域名 住みやすさ」「地域名 子育て」と探す人の入口になり、物件を問い合わせる前の段階からお客様と接点を作れます。一度作れば、相場の欄を年に1〜2回更新するだけで使い続けられます。

Googleマップ:店舗の写真と口コミで来店のハードルを下げる

不動産会社の来店は、初めての人には心理的なハードルがあります。Googleビジネスプロフィールには、店舗の外観と入口、店内の相談スペース、スタッフの写真を入れ、営業時間と予約方法を書きます。

口コミへの返信では、相談の内容に触れつつ、個人や物件が特定される情報は書かないでください。設定の流れはGoogleビジネスプロフィールの初期設定で確認できます。

口コミ:仲介と売却の後に頼む

不動産会社の口コミは、来店を迷っている人にとって大きな判断材料です。特に売却の相談では、「強引な営業をされないか」「査定額をつり上げられないか」と不安を持つ人が多く、実際に取引した人の声が決め手になります。

口コミをお願いするのに自然なのは、賃貸なら入居後に落ち着いたころ、売買なら引き渡しの後、売却なら決済が終わった後です。お願いするときは、担当者の対応や、説明の分かりやすさなど、具体的に書いてもらえるとありがたいと伝えます。

返信では、取引の内容に触れつつ、物件の場所や個人が特定される情報は書かないでください。厳しい口コミには、事実を確認したうえで、改善したことを短く伝えます。依頼の仕方はGoogle口コミを増やす方法、返信の考え方は口コミへの返信で紹介しています。

売却の相談を増やす:「地域名×売却・相続・空き家」と一括査定の使い分け

売却の相談は、一括査定サイトの紹介料が重くなりやすい分野です。一方で、売却を考える人は、相続や住み替えなど事情を抱えていて、信頼できる相談先をじっくり探します。

「地域名 不動産 売却」「地域名 相続 家 売る」「地域名 空き家 売却」のように、事情と地域で探す人に向けたページを作り、売却事例、査定の流れ、売却までの期間、担当者の経歴を載せます。

売却の相談では、Googleマップの口コミがとても重く見られます。売却が終わったお客様に、担当者の対応や流れについて口コミをお願いしてください。

査定の根拠と媒介契約を、先に分かりやすく説明する

売却を考える人が一番不安に思うのは、「査定額は本当に正しいのか」「契約したら縛られるのではないか」という点です。ここを先に説明しておくと、相談のハードルが下がります。

査定のページでは、近い条件の物件が実際にいくらで売れたか(成約事例)や、今売り出されている物件の価格から、どう査定額を出すのかを説明します。高すぎる査定額で契約を取りにいく会社があることも、売主はよく知っています。「査定額の根拠を必ず資料でお見せします」と書いてあるだけで、比べたときの安心感が変わります。

媒介契約の種類(一般媒介・専任媒介・専属専任媒介)の違いも、売主にとっては分かりにくいところです。それぞれの違いと、自社がどんな場合にどれを勧めるかを、表で整理しておいてください。

一括査定サイトとの付き合い方

売却の相談では、一括査定サイトからの紹介が大きな入口になっている会社も多いはずです。一括査定サイトを使うお客様は、同時に複数の会社から査定を受けるため、最初の連絡の速さと、査定額の根拠の説明で選ばれます。

一括査定サイトで相談を受けたときこそ、自社サイトの売却事例と担当者の紹介が効きます。査定の連絡と一緒に、同じ地域・同じ種類の物件の売却事例のページを案内すると、「この会社はこの地域の売却に慣れている」と伝わります。

紹介料と成約率を記録し、自社サイト経由の売却相談と比べてください。自社経由の成約率が高ければ、売却のページを増やす投資の根拠になります。

反響から来店・契約へ:歩留まりを上げる仕組み

反響を、来店と契約につなげる

問い合わせの件数と併せて、次の段階へ進んだ割合を確かめます。
01

反響

経路と希望条件を記録する

02

最初の返信

営業時間内は1時間以内。内見の候補日時を伝える

03

来店・内見

条件を聞き、物件の良い点と注意点を説明する

04

契約

経路ごとに成約を記録。検討中の方は時期に合わせて追客する

反響の数を増やすより先に、すでに来ている反響を来店と契約につなげる仕組みを見直すほうが、費用をかけずに成果が上がることが多くあります。

最初の返信は1時間以内に

ポータル経由のお客様は、同じ物件を複数の会社に問い合わせていることがほとんどです。営業時間内は1時間以内に返信し、営業時間外の問い合わせには自動返信で次に連絡する時間を伝えます。最初の返信には、内見できる日時の候補と、条件に近い別の物件を添えてください。

物件の写真と説明で、問い合わせ先に選ばれる

同じ物件が複数の会社から掲載されているとき、お客様は写真と説明の分かりやすさで問い合わせ先を選びます。部屋全体が分かる広角の写真、収納や水回り、窓からの眺め、最寄りのスーパーや駅までの道の写真をそろえ、「この物件が向いている人」「気をつけたい点」を担当者の言葉で書きます。気をつけたい点まで正直に書くと、内見後に断られることが減ります。

来店後の追客は、相手の検討の速さに合わせる

賃貸のお客様は数週間で決めますが、購入や売却は数か月から1年以上かかることもあります。購入や売却の検討中のお客様には、希望条件に合う物件が出たときだけ連絡する、相場が動いたときに知らせる、といったルールを決めて追客します。送りすぎると関係が切れるので、LINEやメールで送る内容と回数を決めておいてください。

顧客管理の仕組みで、追客を担当者まかせにしない

反響が増えてくると、誰にいつ何を連絡したかが、担当者の記憶だけでは追いきれなくなります。顧客管理のシステム(CRM)や、表計算ソフトの一覧でもよいので、最低限次の項目を記録してください。

  • 反響が来た経路(どのポータルか、自社サイトか、紹介か)
  • 希望の条件(エリア・予算・広さ・時期)
  • 最後に連絡した日と、次に連絡する予定日
  • 検討の段階(情報収集中・内見済み・比較中・申込直前など)

記録があると、担当者が休んだり辞めたりしても、お客様への連絡が途切れません。経路ごとの契約数もここから出せるので、ポータルの見直しの判断材料にもなります。

時期の逆算:賃貸は10〜11月から準備する

賃貸の反響が集中する1〜3月に向けて、10〜11月にエリア紹介のページとGoogleマップを整え、12月には物件の写真と募集条件の準備を終えます。1〜3月は反響への対応に集中できる状態にしておきます。

9〜10月の転勤の時期の山を狙うなら、7〜8月から準備を始めます。

売買と売却は通年で動くため、時期よりも、地域情報と売却事例のページを少しずつ増やし続けることが大切です。

売買と売却には、賃貸ほどはっきりした繁忙期はありません。その代わり、子どもの入学や進学、転勤、親の介護や相続など、家族の出来事をきっかけに動き出します。入学に合わせて住み替えたい家庭は、前の年の夏から秋に探し始めることが多いので、学区のページや住み替えの相談の案内は、その時期に見つけてもらえるよう早めに整えておきます。

予算の配分と費用の判断:反響1件ではなく契約1件で見る

同じ掲載費でも、契約まで追うと判断が変わる

賃貸の反響を想定した架空の計算例です。実際の運用実績・相場ではありません。

媒体A:反響単価は安い

掲載費
10万円
反響数
20件
反響1件の費用
5,000円
契約数
1件

契約1件の費用:10万円

媒体B:契約単価は安い

掲載費
10万円
反響数
10件
反響1件の費用
1万円
契約数
2件

契約1件の費用:5万円

反響1件の費用=掲載費÷反響数。契約1件の費用=掲載費÷契約数。この例では、反響が少ない媒体Bのほうが契約1件の費用は低くなります。

不動産の集客費用は、ポータルの掲載費が大きな割合を占めることがほとんどです。自社サイトやGoogleマップに予算を移すには、まず今の費用が何に効いているかを数字で示す必要があります。

経路 反響1件の獲得費の目安(相談を受けた会社での実感値) 判断のしかた
賃貸の反響5,000〜1万5,000円来店率と成約率まで追う
売買の反響1万5,000〜3万円検討期間が長いので数か月単位で見る
売却査定の反響2万〜5万円媒介契約まで追う

反響1件の単価だけで媒体を比べると、成約率の高い媒体まで削ってしまうことがあります。たとえば反響単価が安くても来店につながらない媒体より、単価は高くても契約まで進みやすい媒体のほうが、契約1件あたりでは安いことがよくあります。

予算を見直すときは、次の順番で進めてください。

  1. 媒体ごとに、掲載費・反響数・来店数・契約数を3か月分そろえる
  2. 契約1件あたりの費用が最も高い媒体から、掲載プランや掲載数を見直す
  3. 浮いた費用の一部を、自社サイトのページ作り(エリア紹介・売却事例)とGoogleマップの写真に回す
  4. 自社経由の反響の割合を毎月記録し、増えてきたら次の媒体を見直す

いきなりポータルをやめると、翌月から反響が大きく減ります。自社経由の反響が育つまでの数か月は、ポータルと並行して使うのが安全です。

予算に応じた始め方

月の予算 まずやること
ほぼ0円Googleマップの写真・説明・口コミの返信、会社と担当者の紹介ページ、物件写真の撮り方の見直し
月5万円前後上に加えて、エリア紹介や売却事例のページを月に数本ずつ追加
月20万円以上上に加えて、売却・管理の言葉に絞ったリスティング広告、動画の撮影、相談会の開催

予算が少ないうちは、費用より手間で積み上がるものから始めるのが近道です。ポータルの掲載費を見直して浮いた分を、次の段階に回していきます。

リスティング広告:地域名と目的で言葉を組む

検索広告は、今まさに探している人に届く手段です。ただ、「不動産」「賃貸」のような広い言葉で出すと、ポータルや大手と同じ言葉を取り合うことになり、費用がかさみます。地域の会社が狙うのは、地域名と目的を組み合わせた言葉です。

目的 言葉の例 リンク先のページ
売却「地域名 不動産 売却」「地域名 相続 家 売る」「地域名 空き家 売却」売却の流れ・売却事例のページ
購入「地域名 中古戸建て」「地域名 新築 一戸建て 学区」エリア紹介と物件の探し方のページ
賃貸「駅名 賃貸 ペット可」「駅名 賃貸 駐車場付き」条件ごとの物件紹介のページ
管理「地域名 賃貸管理会社」「地域名 空室対策」管理のサービス内容と実績のページ

売却や管理の言葉は、1件の契約の金額が大きいぶん、広告費をかけても回収しやすい分野です。賃貸の言葉はポータルとの競争が激しいので、条件を絞った言葉に限って使うのが現実的です。

「求人」「宅建 試験」「不動産 会社 ランキング」のように、探している人ではない検索は、最初から除外しておきます。広告のリンク先はトップページではなく、その目的に合ったページにしてください。

大手・フランチャイズとの差別化:地域の「詳しさ」と「正直さ」

大手やフランチャイズの不動産会社は、知名度と広告費、全国のネットワークを持っています。地域の会社が同じ土俵で戦うと、物件数でも広告の量でも勝てません。

差がつくのは、次の3つです。

1つ目は、地域の詳しさです。学区ごとの特徴、子育て世帯の多いエリア、駐車場や庭の広さで選ばれる地域、災害の起きやすさ、10年前からの相場の動きなど、その土地で長く仕事をしてきた会社にしか書けない情報をページにします。

2つ目は、正直さです。物件の良い点だけでなく、気をつけたい点を書く。売却では、高すぎる査定額で媒介契約を取りにいかず、相場と売れるまでの期間を根拠とともに示す。この姿勢は、口コミとして広がります。

3つ目は、担当者の顔が見えることです。誰が担当するのか、地域でどれくらい仕事をしてきたのか、どんな相談が得意なのかを、写真と文章で紹介します。大手では担当者が異動で変わることがありますが、地域の会社は「何年たっても同じ人に相談できる」ことを強みにできます。

地域で接点を増やす:SNS・LINE・チラシ・相談会

すぐに物件を探していない人や、相続・住み替えをまだ考え始めたばかりの人とは、検索より前に接点を持っておく必要があります。

YouTube・SNS:地域と物件の「中」を見せる

ルームツアーの動画や、地域の街歩きの動画は、写真では伝わらない物件の広さや周辺の雰囲気を伝えられます。

すべての物件で作る必要はありません。地域の紹介や、売却の流れの説明など、繰り返し見てもらえる内容から始めると、少ない本数でも相談につながります。

投稿の内容は、物件の紹介だけに偏らないようにします。続けやすい組み合わせの例です。

投稿のテーマ 例 届く人
街の紹介駅前の再開発、新しくできた公園やスーパーこれから住む場所を探している人
物件の紹介ルームツアー、眺めや収納の見どころ今まさに探している人
売却・相続の基礎知識相続した家を売るまでの流れ、空き家の管理数年以内に売るかもしれない人
担当者の紹介仕事の様子、地域で働く理由会社を比べている人

週に1本でも、テーマを決めて続けるほうが、思いついたときに投稿するより反応が積み上がります。

LINE公式アカウント:検討期間の長いお客様とつながる

購入や売却は、相談から決めるまでに時間がかかります。LINEで、希望条件に合う物件の案内や、相場の動き、相続や税金の制度の変更を届けると、検討が進んだときに最初に相談してもらえる会社になれます。

送りすぎると負担になるので、希望条件に合うときだけ送る、月の回数を決める、などのルールを作ってください。

ポスティングとチラシ:売却の相談を地域から集める

売却の相談を増やしたいとき、地域を絞ったポスティングは今も使われています。「このエリアで物件を探しているお客様がいます」と具体的に書き、査定の流れと担当者の顔、QRコードで売却事例のページにつなげます。

配った地域と、そこからの相談件数を記録し、反応がよい地域に絞っていきます。

相談会・セミナー:相続と空き家の不安に答える

相続した家の扱いや、空き家の管理、住み替えの資金計画は、多くの人が不安を抱えているテーマです。少人数の相談会やセミナーを開くと、すぐに売却を決めていない人とも接点を持てます。

案内のページには、誰向けの会か、何が分かるか、営業の方針(その場で契約を勧めない、など)を書いてください。

開催するなら、テーマを一つに絞ると集まりやすくなります。「親から相続した家、売る・貸す・残すの考え方」「住み替えで損をしない売る順番・買う順番」のように、参加する人の状況が想像できる題名にします。参加者の質問は、そのまま自社サイトのよくある質問やコラムの材料になります。

店頭・看板・地域の行事:通りがかりの人を相談につなげる

地域の不動産会社にとって、店舗の前を通る人は大切な見込み客です。店頭の物件掲示は、今もその地域で物件を探している人に見られています。掲示する物件を定期的に入れ替え、「売却のご相談も受け付けています」「相続した家のご相談はお気軽に」といった案内も一緒に掲げてください。

店舗の外観や看板は、Googleマップの写真と同じものを使うと、ネットで見た人が来店したときに迷いません。入りにくさを感じさせないよう、店内の様子が少し見えるようにする、担当者の顔写真を掲示するといった工夫も効果があります。

地域のお祭りや清掃活動、学校の行事への協賛は、すぐに反響にはつながりませんが、「地域の会社」として名前を覚えてもらうきっかけになります。数年後に家を売る、住み替えるとなったとき、最初に思い出してもらえる会社であることが、紹介と指名の相談につながります。

動画・オンライン内見:遠方や忙しい人の検討を進める

転勤や進学で遠方から部屋を探す人、仕事が忙しくて内見の時間が取れない人には、動画での物件紹介やオンラインでの内見が役立ちます。部屋の広さや日当たり、周辺の音や道の雰囲気は、写真だけでは伝わりにくいからです。

動画は、部屋の中だけでなく、最寄り駅から物件までの道のり、近くのスーパーや公園まで撮っておくと、地域の会社ならではの情報になります。オンライン内見を受け付けていることは、物件ページとGoogleマップの説明にも書いておいてください。

広告の表示ルールを守る

不動産の広告は、宅地建物取引業法の誇大広告の禁止や、不動産の表示に関する公正競争規約などでルールが決められています。

実際には取引できない物件で集客する「おとり広告」、根拠のない「地域No.1」「最高」などの表示、徒歩時間や面積の不正確な表示は、ホームページやSNSでも問題になります。表示のルールは、不動産公正取引協議会の資料で確認してください。

反響が変わった会社は何を変えたか

複数の不動産会社から受けた相談に共通していた流れを、2つにまとめます。

1つ目は、売却の相談を自社サイトで受けられるようにしたパターンです。それまで売却の相談はほとんど一括査定サイト経由で、紹介料が利益を圧迫していました。地域名×相続・空き家・住み替えのページと、売却事例を少しずつ増やし、売却が終わったお客様にGoogleマップの口コミをお願いするようにしたところ、一括査定サイトを通さない相談が増えていきました。

2つ目は、ポータルの判断を反響数から契約数に変えたパターンです。反響の多い媒体ほど良いと考えて掲載を続けていましたが、媒体ごとに来店数と契約数を3か月記録したところ、反響は多いのに契約につながっていない媒体が見つかりました。その媒体の掲載を減らし、浮いた費用で物件写真の撮影とエリア紹介のページを整えています。

1つ目の会社が最初に取り組んだのは、売却が終わったお客様に「なぜ当社に頼んだか」を聞くことでした。返ってきたのは、「相続した家の扱いを丁寧に説明してくれた」「急かされなかった」という声です。この声をそのまま売却のページの見出しにし、相続・空き家・住み替えのそれぞれについて、相談の流れと費用の目安を書いたページを作りました。

2つ目の会社は、反響の記録を始めてから、ポータルごとに「反響は多いが来店しない」「反響は少ないが契約に近い」という違いがはっきり見えるようになりました。見直しは一度に行わず、契約1件あたりの費用が最も高い媒体から、掲載数を少しずつ減らしています。

どちらの会社も、まず数字で現状を確かめ、そのうえで「地域の会社だから書ける情報」にお金と時間を移していました。

反響・来店・契約を経路別に追う

数字 分け方
反響数賃貸・売買・売却別、媒体別
来店数・来店率媒体別
契約数・契約率媒体別
契約1件あたりの費用媒体別
自社サイト・Googleマップ経由の反響全体に占める割合

自社経由の反響の割合が少しずつ増えていれば、ポータルの掲載を見直す準備が整ってきた合図です。

不動産会社の集客でよくある失敗

失敗 何が起きるか 直し方
自社サイトを物件検索だけにするポータルと同じで選ばれない地域情報と売却事例のページを作る
反響1件の費用だけで媒体を切る成約率の高い媒体まで減らす契約1件あたりの費用で判断する
賃貸の繁忙期の直前に準備する反響に対応しきれない10〜11月から準備を始める
売却の相談を一括査定だけに頼る紹介料が利益を圧迫する地域名×売却・相続・空き家のページを育てる
表示のルールを確認しない信頼を失う・指導の対象になる公正競争規約で表示を確認する

地域の不動産会社は「地域を一番知っている会社」として選ばれる

物件の数やサイトの機能でポータルと競うと、地域の不動産会社は勝てません。勝負できるのは、その地域で長く仕事をしてきた会社にしか書けない情報です。

相談を受けた会社の中で自社経由の反響が増えたのは、エリアの紹介、売却事例、相続や空き家の相談のページを積み上げ、スタッフの顔と地域での経験を見せた会社でした。

ポータルの掲載を見直す前に、自社サイトに「地域を一番知っている会社」だと分かる情報をそろえてください。

まとめ|ポータルは成約で判断し、自社サイトは地域の情報で育てる

地域の不動産会社の集客は、ポータルを成約までの数字で判断しながら、自社サイトに地域の情報と売却事例を積み上げ、Googleマップの口コミで来店のハードルを下げる流れです。賃貸・売買・売却で時期と入口を分けて準備します。

今の自社サイトが「地域に詳しい会社」として見えているかは、無料AIホームページ診断で確かめられます。反響の手前で何が足りないかをお返しします。

関連する詳しい記事:地域とサービスで見つけてもらう方法、Google口コミを増やす方法。

不動産会社向けホームページの掲載内容を見る →

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終了後はデータの引き継ぎ、または月額1.5万円(税別)の保守を選べます。

料金・契約条件とサービスの詳細をご確認ください。

よくある質問

SUUMOなどのポータルへの掲載はやめたほうがいいですか?

いきなりやめると反響が大きく減ります。媒体ごとに掲載費÷問い合わせ÷来店÷契約で契約1件あたりの費用を出し、高い媒体から見直してください。自社経由の反響が育つまでは、ポータルと並行して使います。

自社サイトに物件検索は必要ですか?

物件の数と検索の使いやすさでポータルに勝つのは難しいため、物件検索を自社サイトの強みにする必要はありません。エリアの紹介、売却事例、相続・空き家の相談など、地域に詳しい会社だと分かる情報を優先してください。

売却の相談を増やすにはどうすればいいですか?

「地域名×売却・相続・空き家」で探す人に向けて、売却事例、査定の流れ、売却までの期間、担当者の経歴を載せたページを作ります。売却が終わったお客様からのGoogle口コミも、次の相談者の大きな判断材料になります。

賃貸の繁忙期に向けて、いつから準備すればいいですか?

1〜3月の繁忙期に向けて、10〜11月にエリア紹介とGoogleマップを整え、12月に物件の写真と募集条件の準備を終えるのが目安です。9〜10月の山を狙うなら7〜8月から始めます。

小さな不動産会社でも、検索で大手に勝てますか?

「不動産」「賃貸」のような広い言葉で上位を取るのは簡単ではありませんが、「地域名×相続 家 売る」「地域名×子育て 住みやすい」のように、地域と目的を組み合わせた言葉なら十分に勝てます。エリア紹介や売却事例など、地域で長く仕事をしてきた会社にしか書けないページを増やしてください。

不動産会社の集客は、最初に何から始めればいいですか?

まずGoogleマップの写真・説明・口コミの返信と、会社と担当者を紹介するページを整えます。費用がほとんどかからず、ポータルで物件を見たお客様が会社名で検索したときの印象が変わります。そのうえで、媒体ごとに反響・来店・契約の数を記録し始めてください。

ポータルの掲載を減らしてよいのは、どんな状態になったときですか?

自社サイト・Googleマップ・紹介からの反響が、毎月安定して来るようになったときが目安です。そのうえで、契約1件あたりの費用が最も高い媒体から、掲載数やプランを少しずつ下げます。一度に減らすと翌月の反響が大きく落ちるので、3か月ほど数字を見ながら進めてください。

参考資料・確認日

確認日:2026年10月21日。反響1件の獲得費の目安は、相談を受けた会社での実感値です(当社の運用実績の平均値ではありません)。

更新:2026年10月21日。市場の数字、施策の比較、予算の配分、歩留まり、差別化、相談事例の傾向を加えて構成を組み直しました。以前の更新(2026年10月19日):賃貸・売買・売却の入口と時期の分け方、ポータルの判断基準、地域情報と売却のページ、表示のルールを加えて全面的に書き直しました。

長橋真吾
この記事の著者

長橋真吾

デジタルアスリート株式会社 代表取締役

2011年に株式会社リスティングプラスを設立。2022年にデジタルアスリート株式会社へ社名変更。広告運用・Web制作・改善を通じて、企業や店舗の事業成長を支援しています。

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