行政書士の集客・営業方法
専門分野の絞り方と、紹介・検索・Googleマップで依頼が続く事務所の作り方

- 取扱業務の列挙をやめ、専門分野×地域で入口を作る
- どの経路でも受け皿は、料金・流れ・担当者が分かる自社サイト
- 専門分野と報酬のページを先に用意し、相談状況に合う経路を選ぶ
「開業して1年、紹介以外の依頼がほとんど来ない」「ホームページは作ったが問い合わせがゼロ」「ポータルサイトに登録したら、安い相談ばかり増えた」。
行政書士の先生からの相談は、ほぼこの3つのどれかから始まります。
私たちデジタルアスリートは、Googleプレミアムパートナー認定のマーケティング支援会社として、これまで2,425社以上のWeb集客を支援してきました。士業の分野では、税理士・司法書士・行政書士など「形のないサービスを、相談する前に信頼してもらう」必要がある事務所の集客を見てきました。
行政書士の集客が難しいのは、依頼者が「行政書士に頼む仕事だ」と知らないまま探していることです。
日本行政書士会連合会の説明では、行政書士が扱う書類は1万種類以上に及びますが、依頼者は「建設業の許可を取りたい」「親の遺産を分けたい」「外国人を雇いたい」という悩みで検索します。「行政書士」という言葉で探す人はごく一部です。
この記事では、行政書士の集客を「専門分野の絞り方」「4つの経路の役割分担」「依頼者の不安を消す情報」「相談から受任までの記録」「失敗パターン」の順に整理します。
この記事は、すでに開業している行政書士事務所向けです。これから開業する方向けの開業ガイドは別記事で扱います(準備中)。
行政書士事務所の集客を「見られていない」「選ばれていない」に分けて確認する
問い合わせは来るが、取り扱っていない手続きの相談が多い。行政書士事務所では、専門分野で見つけてもらう入口と、報酬の算定条件と流れの説明のどちらが欠けているかを先に見分けます。
業務名を並べるだけでなく、相談者の目的と、自事務所で対応できる範囲を説明します。
受任を増やすために、見直す2つのこと
専門分野で探す人に見つけてもらい、報酬と流れを確かめて依頼してもらう流れを作ります。
探している人に
見つけてもらう
探している人に
情報が届いている?
見つけてもらう入口を作る
取り組むこと
- 「建設業許可 地域名」「在留資格 申請 地域名」など、専門分野の言葉で検索する人に届ける
- 紹介された人が事務所名で検索した先(Googleマップ・自社サイト)を整える
- ポータルは専門分野と報酬の算定条件を書いて、比べられる形で使う
内容を確かめて
申し込んでもらう
初めての人が
安心して申し込める?
料金や利用方法を分かりやすく伝える
伝えること
- 専門分野(建設業許可・入管・相続・会社設立など)と、扱わない業務
- 報酬の目安と、実費・追加になる条件
- 必要書類・期間・役所とのやり取りを含めた流れ
進め方 専門分野を1〜2つに絞って入口を作り、報酬と流れを書いた受け皿を揃える。
行政書士の集客とは:「悩みの言葉」で探す人に、専門分野で見つかること
行政書士の集客とは、「許認可・相続・外国人雇用・契約書」などの悩みを持つ人が、その分野の専門家として自分の事務所を見つけ、相談・依頼に至る流れを作ることです。
他の士業と比べた行政書士の集客の特徴は3つあります。
| 特徴 | 集客への影響 |
|---|---|
| 業務の幅が広すぎる | 「取扱業務:建設業許可、相続、入管、会社設立、契約書…」と並べると、依頼者はどれが得意か分からず、登録者約5.4万人(2025年12月、日本行政書士会連合会)の中で他の事務所と比べられない |
| 依頼者が「行政書士の仕事」と知らない | 「行政書士」ではなく「建設業許可 申請 地域名」「遺産分割協議書 作成」などの悩みの言葉で探される |
| 一度の依頼で終わりやすい | 許認可の更新や法人の顧問契約以外は単発。紹介と検索で新規を取り続ける仕組みが要る |
つまり行政書士の集客は、「何でもできます」をやめて、「この分野なら、この地域で、この事務所」と言える入口を作るところから始まります。
専門分野の絞り方:需要・単価・紹介のされやすさで決める
専門分野は「得意」だけでなく、次の3つで決めます。
| 見る軸 | 確認すること | 例 |
|---|---|---|
| 地域の需要 | 自分の地域で、その悩みを持つ人・会社がどれだけいるか | 建設会社が多い地域なら建設業許可、外国人労働者が多い地域なら在留資格 |
| 単価と継続性 | 1件の報酬と、更新・顧問で続くか | 建設業許可は5年ごとの更新と決算変更届で続く。相続は単発だが単価が高い |
| 紹介のされやすさ | 誰から紹介が来る分野か | 相続は税理士・司法書士・不動産会社から、建設業許可は同業の社長同士から |
最初は1〜2分野に絞り、自社サイトのトップページで「○○市の建設業許可なら」「△△区の相続手続きなら」と言い切ります。他の業務は受けないのではなく、「主な業務」から外してサブに置くだけです。
対象を絞ると依頼が減りそうで不安な場合は、相談してほしい分野と、それに対応できる経験を具体的に示しましょう。例えば「建設業許可を中心に対応」と伝えると、相談者や紹介する人が、何を頼める事務所か判断しやすくなります。
4つの経路の役割分担:紹介・検索・Googleマップ・ポータル
行政書士の新規依頼は、主に4つの経路から来ます。
| 経路 | 依頼者の状態 | 役割 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 紹介(税理士・司法書士・不動産会社・既存依頼者) | 「信頼できる人に頼みたい」 | 最も成約率が高い。専門分野を覚えてもらうと続く | 紹介された人も、事務所名で検索して自社サイトを見る |
| 検索(自社サイト) | 「建設業許可 申請 地域名」「遺産分割協議書 作り方」 | 悩みの言葉で見つかる入口。料金・流れ・担当者の受け皿 | 専門分野を絞らないと上位に入りにくい |
| Googleマップ | 「地域名 行政書士」「近くの行政書士」 | 来所前提の相談者に見つかる。口コミで比べられる | 士業は口コミが集まりにくい。依頼完了時の依頼が要る |
| ポータル(士業の紹介サイト) | 「安く・早く済ませたい」 | 即効性はあるが、価格で比べられる | 掲載料・紹介料がかかり、相談だけで終わる案件が増えやすい |
ここで押さえておきたいのは、紹介で来た人も、ポータルで見つけた人も、連絡する前に事務所名で検索して自社サイトとGoogleマップを見ることです。
自社サイトは「検索で見つかる入口」であると同時に、「全経路の受け皿」です。ここに料金・流れ・担当者がなければ、紹介も途中で止まります。
依頼者の不安を消す3つの情報:料金・流れ・担当者
士業の依頼者が問い合わせ前に知りたいのは、「いくらかかるか」「何をすればいいか」「誰が対応するか」の3つです。この3つが自社サイトにない事務所は、紹介で来た人まで取りこぼします。
料金:「要相談」をやめ、目安と内訳を出す
「料金は案件により異なります」だけでは、依頼者は問い合わせできません。「建設業許可(新規・知事許可):報酬○万円+法定費用9万円」「遺産分割協議書作成:○万円〜(相続人の人数で変動)」のように、目安と、何で変わるかを書きます。
報酬は自由化されているので、相場との違いは説明すればよいだけです。安さではなく、含まれる作業(役所との事前相談・書類収集の代行・補正対応)を書くと、安い事務所と比べられなくなります。
流れ:初回相談から完了までを日数つきで
「お問い合わせ→相談→契約→申請→完了」の5段階を、各段階の所要日数と依頼者がやること(印鑑証明の取得・必要書類の準備)つきで書きます。「許可が下りるまで標準処理期間○日」のように、役所の標準処理期間を併記すると安心されます。
担当者:顔・経歴・得意分野・話し方
士業は「人」で選ばれます。所長の顔写真、経歴、なぜこの分野を専門にしたか、相談時にどんな話し方をするかを書きます。「厳しいことも率直に言います」でも「分かるまで何度でも説明します」でも、依頼者が自分に合うかを判断できる言葉にしてください。
行政書士の広告は行政書士法と日本行政書士会連合会・所属会の広告規定の範囲で行います。報酬額の表示は業務ごとに算定条件を添え、「必ず許可が取れる」のように結果を保証する表現は使いません。
専門分野と報酬を伝え、受任につながる入口を育てる
取扱分野と報酬、相談から手続きまでの流れを明示します。専門分野で探す人には業務別ページ、事務所名で確かめる人にはGoogleマップの情報を整えます。広告は、対応できる分野と費用を見て試す方法です。
1. Googleマップは、事務所名で確かめに来た人の受け皿として整える
専門分野から探す人にも、紹介後に事務所名で確かめる人にも、取扱業務と相談方法を伝えます。所在地・面談方法・取扱業務・口コミへの返信を揃え、専門分野のページへ案内します。建設業許可や入管のように来所が少ない業務でも、事務所の実在と評判を確かめる場所として効きます。
2. SEO対策は「専門分野×地域」と「手続きの疑問」で入口を作る
「建設業許可 地域名」のような専門分野×地域のページと、「建設業許可 要件」「在留資格 更新 必要書類」のような手続きの疑問に答える記事を分けて作ります。役所が実際に求めた追加書類など、自分の経験でしか書けない一次情報を入れると、同じ分野の事務所と差がつきます。
3. 広告は、専門分野を1つ選んで試す
検索広告は「地域名 建設業許可 行政書士」など専門分野1つに絞り、着地先は報酬と流れを書いた専門分野のページにします。所属行政書士会の広告規定を確認し、「必ず許可が取れる」のような結果の保証は書きません。相談→面談→受任を分けて記録し、1受任あたりの広告費で判断します。
行政書士の継続依頼は、更新・変更手続きなど業務によって異なります。初回受任の利益と継続支援の見込みを分け、対応できる専門分野で広告費を試算します。SEO対策と広告は、専門分野ページができてからなら並行して進められます。
この順番は目安です。専門分野のページと報酬の説明ができていれば、検索向けのページと広告を同時に始めても構いません。紹介の数、受任できる件数、予算から始める方法を選んでください。
行政書士の集客で多い失敗パターン
| 失敗 | なぜ起きるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 取扱業務を20個並べて、どれも上位に出ない | 「何でもできる」と書いたほうが依頼が増えると思っている | 1〜2分野に絞り、トップページで言い切る。他はサブに |
| 料金が「要相談」で問い合わせが来ない | 案件ごとに違うから出せないと考える | 目安と変動条件を書く。含まれる作業で差を出す |
| ポータルに頼り、安い相談だけ増える | 即効性のある経路から手をつける | 自社サイトの受け皿を整え、経路別の成約率で配分を見直す |
| 紹介元に専門分野を覚えてもらえていない | 「何でもやります」と伝えている | 税理士・司法書士・不動産会社に「この分野ならうち」と伝える |
| 開業時の記事を更新していない | 書いたら終わりと思っている | 法改正・申請要件の変更に合わせて更新日を入れて直す |
次に取り組む準備と優先順位:行政書士事務所が最初にやる3つ
- 主な専門分野を1〜2つ決め、トップページで言い切る(他の業務は受けてよい。表に出す順番を変えるだけ)
- 料金の目安・依頼の流れ・担当者のページを作る(「要相談」を減らす)
- 紹介元3人に「この分野ならうち」と伝える(税理士・司法書士・不動産会社のうち、取引のある人から)
そのうえで、次の一歩は事務所の状態で分かれます。
- 自分で進める方:Googleマップの整え方はGoogleビジネスプロフィールの初期設定、自社サイトの受け皿の考え方は会社・事務所のホームページ集客方法から
- 税理士・司法書士の方:それぞれの集客記事は別に用意しています(準備中)
来月の相談を増やすには、今月、専門分野を決めることが最も効きます。
問い合わせから受注までを分けて振り返る
記録するのは、相談・面談・受任・完了の件数を、専門分野ごとに分けたものです。経路ごと(紹介・Googleマップ・専門分野ページ・ポータル・広告)にかかった費用と、書類収集や役所対応に使った時間を残します。サイトの閲覧数やクリック数は、面談や受任とは分けて数えます。
相談は来るが受任しない場合は、報酬の算定条件と「扱わない業務」の線引きを見直します。相談自体が来ない場合は専門分野ページとGoogleマップです。「何で知ったか」「決め手は何か」を受任時に聞き、紹介とWebのどちらが効いたかを分野ごとに見ます。
まとめ|専門分野と相談前の安心材料をそろえる
ここからは、私の見解を率直に述べます。
「ホームページを作ったのに問い合わせがない」ときは、見た目だけでなく、「何の専門家か」が伝わるかを確認しましょう。対応分野、料金、相談の流れが、依頼者の知りたい内容に合っているかを見直します。
専門分野と地域を絞り、料金・流れ・担当者を書く。これだけで、同じ紹介・同じ検索からの問い合わせでも、相談から依頼に変わる率が変わります。
AI検索(ChatGPTなどで「○○市で建設業許可に強い行政書士」と聞く人)が増えると、この傾向はさらに強まると私は見ています。AIは「どの分野の専門家か」「料金はいくらか」が文章で書いてある事務所を引用するので、業務を列挙しただけのサイトは拾われにくくなるのではないでしょうか。
まず、増やしたい相談分野を一つ選び、料金の目安・手続きの流れ・担当者を同じページで確認できるか見直してください。紹介された人にも、検索で初めて知った人にも、相談前の判断材料が必要です。
行政書士の集客では、専門分野を絞ることと、その分野の依頼者が迷わず相談できることがつながっています。「何を頼めるか」に続いて費用と進め方を伝え、紹介・検索からの相談を受け止めましょう。
集客への追加投資を考える際は、集客改善シミュレーションを参考に、増やしたい相談件数を整理してください。相談から受任に進む割合と、案件ごとの対応時間も合わせて確認すると、無理のない集客目標になります。
シミュレーションに自社の業種がない場合は、他業種の結果をそのまま当てはめず、自社の条件で個別に試算してください。
行政書士事務所のホームページに載せる内容(事例・料金・問い合わせ導線)は、行政書士事務所向けホームページの紹介で確認できます。
オートホームページで支援する範囲
専門分野は決まっていても、依頼者の言葉で説明し、相談につながるページへまとめる作業は残ります。オートホームページでは、事務所の強みや対応範囲を伺い、ホームページの制作と公開後の改善を支援します。
ライトは月額3万円、スタンダードは8万円、プレミアムは15万円(いずれも税別、初期費用なし)。
ライトには、ホームページの制作・保守・自動改善、Googleマップの改善・管理、AI引用対策、月次レポート、コンサルタントとのMTG(月1回・最初の3ヶ月)が含まれます。スタンダードはこれに集客記事の企画・制作(月4本)、Instagramの静止画投稿の制作・運用(月4本)とコンサルタントとの月1回のMTG(4ヶ月目以降も継続)が加わり、プレミアムはさらにWeb広告(Google・Instagram)の運用代行(広告費は別途)とオリジナル施策(PR・LINE運用・TikTok運用・ショート動画などから事業に合う施策を選定)まで含みます。
最低契約期間は12か月で、期間内の解約には残りの月額料金がかかります。
終了後はデータの引き継ぎ、または月額1.5万円(税別)の保守を選べます。
よくある質問
専門分野を1〜2つに絞り、自社サイトのトップページで言い切るところからです。次に料金の目安・依頼の流れ・担当者のページを作り、紹介元に専門分野を伝えます。
専門分野、料金の目安と変動条件、初回相談から完了までの流れと日数、担当者の顔と経歴、対応地域です。取扱業務の列挙だけでは問い合わせにつながりません。
「地域名 行政書士」で来所前提の相談者に見つかります。カテゴリ・業務内容・営業時間を整え、依頼完了時に口コミを依頼する仕組みを作ってください。士業は口コミが集まりにくいので、依頼の仕組みが差になります。
自社経路が育つまでの補助として使い、経路別の成約率で配分を見直してください。価格で比べられやすく、相談だけで終わる案件が増えやすい点に注意が必要です。
必須ではありません。紹介元(税理士・司法書士・不動産会社)に専門分野を伝えることのほうが、同じ時間でも依頼につながりやすいと私は考えています。
載せてください。報酬は自由化されています。「要相談」ではなく目安と変動条件、含まれる作業を書くと、安さだけで比べられなくなります。
参考資料・確認日
- 総務省:行政書士に対する総務大臣表彰(行政書士として登録を受けている者の総数)(47,901人、令和元年4月1日現在。日本行政書士会連合会の会員数は2025年12月時点で約5.4万人と報じられています)
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ:ローカル検索結果のランキングを改善する
- 消費者庁:事例でわかる景品表示法(2026年3月改訂版)
- Google:有用で信頼性の高いコンテンツ
公式情報の確認日:2026年10月14日。標準処理期間・法定費用は各自治体・各手続きの最新情報を確認してください。
執筆:長橋真吾 デジタルアスリート株式会社 代表取締役
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ:ローカル検索結果のランキング(確認日:2026年10月18日)
- Google:SEOスターターガイド(確認日:2026年10月18日)
- Google広告ポリシー(確認日:2026年10月18日)
- 消費者庁:景品表示法(確認日:2026年10月18日)
- 日本行政書士会連合会:行政書士職務基本規則(広告宣伝の規定)(確認日:2026年10月18日)



