なぜ「誰にでも」のサービスは選ばれないのか?
選んでほしいお客様を決めると予約が増える理由

- 自社のホームページは「Web上のセールスマン」です。
- 「どなたでもお気軽に」と書いたホームページは、Googleマップや検索結果で近くの同業5軒と並んだとき、選ぶ理由を失います。
- 選んでほしいお客様を決めることは、メニューを減らすことではありません。
「ホームページを作り直したのに、予約が増えない」。
対象を絞ることに不安がある場合は、誰に選ばれたいかと、今の依頼をどう受けるかを分けて考えましょう。
見せていただくと、デザインはきれいで、写真もプロが撮っていて、メニューも料金も揃っています。
それなのに、ホームページから新規の予約がほとんど入らない。
共通しているのは、トップページに「どなたでもお気軽にご相談ください」「幅広いお悩みに対応します」と書いてあることです。
間違ったことは何も書いていません。
ただ、その言葉を読んだ人が「このサービスは自分のための事業だ」と感じる仕掛けが、どこにもないのです。
私はデジタルアスリート株式会社で、Google広告・SEO・ホームページ制作などのマーケティング支援を2,425社以上に行ってきました。
その経験から言える結論は一つで、自社のホームページで新規の予約を増やす出発点は、書き方のテクニックではなく「誰に向けて書くか」を決めることです。
この記事では、なぜ「誰にでも」と書いたホームページが選ばれにくいのか、そして選んでほしいお客様を決めるとなぜ予約が増えるのかを、2,425社以上の支援で確かめてきた考え方をもとに解説します。
全4回の「予約につながる、事業の言葉の作り方」の第1回です。
自社のホームページは「Web上のセールスマン」です
自社のホームページとは、初めての人に「このサービスで予約しよう」と決めてもらうための、Web上のセールスマンです。
24時間、あなたの代わりに事業の説明をして、不安に答えて、予約まで案内しています。
この捉え方をすると、ホームページに何を書くべきかが変わります。
事業の説明係なら、所在地・メニュー・料金・営業時間が揃っていれば合格です。
しかしセールスマンなら、そこで終わりません。
目の前のお客様が何に困っていて、何を不安に思っていて、何が決め手になれば予約するのかを把握し、「このサービスがあなたにとって一番よい選択です」と伝えるところまでが仕事です。
ここで大事なのは、優秀なセールスマンほど、話し始める前にお客様のことを知っているという点です。
相手が誰か分からないまま、商品の説明を一方的にするセールスマンから買う人はいません。
ホームページも同じで、誰に向けて書くかが決まっていない文章は、どれだけ丁寧でも、読んだ人に「自分の話をされている」と感じてもらえません。
新規の予約は「来てもらう力×予約してもらう力」で決まる
新規のお客様が増えるかどうかは、2つの力の掛け算で決まります。
1つ目は「来てもらう力」。
Google検索、Googleマップ、Instagram、AI検索、Web広告などで、事業を知ってもらい、ホームページまで来てもらう力です。
2つ目は「予約してもらう力」。
ホームページに来た人のうち、どれだけの割合が予約まで進むかです。
多くの事業者の方が力を入れるのは1つ目です。
MEO対策をする、Instagramを頑張る、広告を出す。
どれも大切です。
ただ、どの入口から来た人も、予約の直前には必ずホームページを通ります。
Googleマップで見つけた人も、Instagramの投稿で興味を持った人も、ChatGPTに紹介された人も、最後は「このサービスで本当に大丈夫か」を確かめるためにホームページを開きます。
つまり、ホームページの言葉を変えることは、すべての入口から来た人に効きます。
MEOの順位を上げても効くのはマップから来た人だけですが、ホームページの予約率が上がれば、マップからもInstagramからも広告からも、同じ人数のうち予約する人が増えます。
当社が運用した広告のページで、同じ商品・同じ広告・同じ価格で、ページの言葉だけを変えて比べたことがあります。
予約率は0.15%と0.46%。
約3倍の差が出ました。
見た目の違いではなく、「誰に、何を」書くかの違いです。
- 予約率が2倍になれば、同じ広告費で予約は2倍になります。
- あるいは、同じ予約数を半分の広告費で取れます。
- ホームページの言葉は、集客のすべての指標に効く土台です。
「どなたでもお気軽に」が選ばれない3つの理由
では、なぜ「誰にでも」と書いたホームページは選ばれにくいのでしょうか。
理由は3つあります。
理由1:お客様は比較画面の中で選んでいる
初めて利用するサービスを探す人は、1軒だけを見て決めません。
Googleマップで「中野 整体」と検索すれば、同じ画面に近くの整体院が5軒、10軒と並びます。
検索結果もInstagramも同じです。
お客様は、必ず「比べながら」選んでいます。
ここで、5軒の整体院がすべて「〇〇駅の整体院です。肩こり・腰痛・骨盤矯正など、お気軽にご相談ください」と書いていたらどうなるでしょうか。
比べる材料がありません。
選ばれる理由は、口コミの件数か、駅からの距離か、料金の安さだけになります。
ところが、5軒のうち1軒だけが「デスクワークで続く肩こり・頭痛に。仕事帰りに通える整体院」と書いていたら、画面の見え方が変わります。
デスクワークで肩こりに悩んでいる人は、まずその1軒を開きます。
そして、肩こりではない人はどうするか。
残りの4軒から選ぶだけです。
選んでほしいお客様を書いても、該当しないお客様を失うわけではありません。
書かなければどうせ比較の中に埋もれていた人が、書くことで「自分のための事業だ」と感じて選んでくれるようになる。
これが、お客様を絞ると選ばれやすくなる仕組みです。
理由2:お客様は「自分の悩みの言葉」で探している
お客様は「整体院」という言葉で悩んでいません。
「朝起きると腰が重い」「夕方になると肩が張って頭が痛くなる」「産後に骨盤が気になる」と悩んでいます。
検索するときも、「中野 整体」より「中野 デスクワーク 肩こり」「中野 産後 骨盤」のように、悩みの言葉で探す人のほうが予約に近いところにいます。
ChatGPTなどのAI検索では、この傾向がさらにはっきり出ます。
「中野でデスクワークの肩こりに強い整体院を教えて」と聞かれたとき、AIが推薦できるのは、ホームページに「デスクワークの肩こりに強い」とはっきり書いてある事業だけです。
「幅広いお悩みに対応」とだけ書いてある事業は、何に強いのか分からないので、推薦のしようがありません。
つまり、選んでほしいお客様を決めないと、お客様が探している言葉をホームページに書くことができません。
悩みの言葉で見つけてもらう入口を、自分で閉じていることになります。
AI検索で事業を紹介してもらう条件については、ChatGPTに事業を紹介してもらうには?で詳しく解説しています。
理由3:全員に向けた言葉は、誰の心にも届かない
ホームページの文章を書くとき、多くの人が「できるだけ多くの人に当てはまるように」と考えます。
その結果できあがるのが、「癒やしの空間で、あなたらしい毎日を」「地域の皆様の健康をサポートします」といった言葉です。
これらの言葉は、誰も否定しません。
しかし、誰の心も動かしません。
読んだ人が「これは私のことだ」と感じる瞬間がないからです。
反対に、「夕方になると肩が張って、頭痛薬が手放せない方へ」と書かれていたら、該当する人はその一文で立ち止まります。
自分の状況が正確に言い当てられているからです。
人は、自分の悩みを正確に言い当ててくれた相手の話を聞きます。
全員に向けて書いた言葉と、1人に向けて書いた言葉のどちらが届くかは、ここで決まります。
商品から考えるか、お客様から考えるか
ここで、事業から少し離れた例え話をします。
ホームページを作るときに起きている問題の正体が、よく分かるからです。
あなたが家電量販店に洗濯機を買いに行ったとします。
売り場には2人の店員がいます。
1人目の店員は、あなたが洗濯機の前で足を止めた瞬間に説明を始めます。
「こちらは最新モデルで、容量12kg、乾燥機能つき、省エネ性能はこの価格帯で一番です。今ならポイント10倍で、設置も無料です」。
すべて事実で、熱心で、商品知識も完璧です。
2人目の店員は、説明の前に聞きます。
「いま、洗濯で一番困っていることは何ですか」。
あなたは答えます。
「共働きで夜しか回せないんですが、音が気になって。あと部屋干しの臭いが取れなくて」。
店員は頷いて、こう言います。
「それなら、夜でも使える静音設計で、部屋干し向けの乾燥コースがあるこの機種が合うと思います。容量はご家族の人数なら10kgで十分です」。
どちらから買いたいでしょうか。
2人目の店員が売ったのは、最新モデルでも一番高い機種でもありません。
それでも選ばれます。
理由は、あなたの悩みを聞いてから話したからです。
1人目の店員の説明は「商品から考えた」説明で、2人目は「お客様から考えた」説明です。
同じ売り場、同じ商品でも、伝わり方がまるで違います。
自社のホームページで起きているのは、1人目の店員と同じことです。
自社のメニューを並べ、自社の設備を説明し、自社のこだわりを語る。
読んだ人からすれば、足を止めた瞬間に一方的な説明が始まる売り場と同じです。
2人目の店員のように、お客様が何に困っていて、何を不安に思っていて、何が決め手になるかを聞いてから書いたホームページとは、同じ商品でも伝わり方がまるで違います。
- 「どう書くか」より先に「誰に書くか」。
- そして「誰に」は、想像で決めるものではなく、調べて決めるものです。
伝える相手と、提供するサービスを分けて考える
ここまで読んで、「うちは幅広くやりたいから、絞るのは怖い」と感じた方もいると思います。
その感覚は正しいです。
ここで、絞るものと絞らないものを切り分けておきます。
絞るのは「打ち出し方」であって、「メニュー」ではありません。
肩こりに強いと打ち出したからといって、腰痛のメニューをなくす必要はありません。
むしろ、肩こりで来た人が「腰も見てほしい」と言ってくれるようになります。
「肩こりの専門なら、腰も上手いだろう」と考えるのが、お客様の自然な心理です。
絞るのは「トップページの最初の言葉」であって、ページ全体ではありません。
トップページの一番上で選んでほしいお客様に呼びかけ、その下の個別ページで他の悩みにもきちんと答える構成にすれば、入口は1つに絞りながら、受け皿は広く持てます。
絞るのは「最初の1人」であって、「永遠にその1人」ではありません。
選んでほしいお客様を1人決めて、その人に向けた言葉で予約が入り始めたら、2人目、3人目へと広げていけます。
最初に1人決めてあるからこそ、広げる方向が見えます。
最初から全員に向けると、どこへも広げようがありません。
ただし、絞らなくてもよい事業もあります。
商圏に同業が1軒しかない、紹介だけで予約が埋まっている、ポータルサイトからの新規で十分に回っている。
こうした事業は、無理に打ち出し方を変える必要はありません。
この記事の話が効くのは、近くに同業が複数あり、比較されながら選ばれている事業です。
業種別に、選んでほしいお客様の決め方を見る
業種ごとに、選んでほしいお客様の決め方と、ホームページで最初に出すべき言葉は変わります。
それぞれの業種の集客記事で、具体例を解説しています。
全4回で、事業の言葉を作り直します
この記事は、「予約につながる、事業の言葉の作り方」全4回の第1回です。
ここまでで「誰に書くかを先に決める」という土台を説明しました。
残りの3回で、実際に事業の言葉を作り直す手順を扱います。
- 第1回(この記事) なぜ「誰にでも」のサービスは選ばれないのか
- 第2回 選んでほしいお客様の決め方。既存のお客様の中から1人を選び、その人に聞く質問を用意します
- 第3回 自社の特徴を、お客様の「得」に言い換える。「駅徒歩3分」「国家資格保有」が、誰にとって何の得なのかを書く方法です
- 第4回 予約が入るキャッチコピーの作り方。要素の組み合わせと、同じ事業のコピーを3段階で磨く手順です
第2回に進む前に、1つだけ考えてみてください。
この1年で利用してくれたお客様の中で、「この人がもう10人来てくれたら」と思う人は誰ですか。
その人が、第2回で決める「選んでほしいお客様」の最初の候補です。
▶ 次の記事:第2回 選んでほしいお客様の決め方
まとめ|最初に伝える相手を決めると、言葉が具体的になる
これからも来てほしい既存のお客様を一人思い浮かべ、その人が自社を選ぶ理由を書いてみてください。全サービスを最初の一文に詰め込まず、最初に誰へ呼びかけるかを仮に決めるところから始めます。
「誰にでも」と伝えるホームページでは、比較している人が自分との関係を見つけにくくなります。提供するサービスの範囲と最初に呼びかける相手を分け、次の記事で実在のお客様を選び、伝える材料を集めましょう。
集客改善シミュレーションを使う際も、単に人数を増やすだけでなく、どんなお客様を増やしたいかを先に置いてください。その相手を迎えたときの単価や提供枠を考えると、言葉を変える目的と投資の判断がつながります。
オートホームページで支援する範囲
選んでほしいお客様は思い浮かぶのに、ホームページの言葉にできない方をオートホームページで支援します。事業の強みと実際に選ばれる理由を伺い、最初の見出しからサービスの説明まで整理して制作・改善します。
ライトは月額3万円、スタンダードは8万円、プレミアムは15万円(いずれも税別、初期費用なし)。
ライトには、ホームページの制作・保守・自動改善、Googleマップの改善・管理、AI引用対策、月次レポート、コンサルタントとのMTG(月1回・最初の3ヶ月)が含まれます。スタンダードはこれに集客記事の企画・制作(月4本)、Instagramの静止画投稿の制作・運用(月4本)とコンサルタントとの月1回のMTG(4ヶ月目以降も継続)が加わり、プレミアムはさらにWeb広告(Google・Instagram)の運用代行(広告費は別途)とオリジナル施策(PR・LINE運用・TikTok運用・ショート動画などから事業に合う施策を選定)まで含みます。
最低契約期間は12か月で、期間内の解約には残りの月額料金がかかります。
終了後はデータの引き継ぎ、または月額1.5万円(税別)の保守を選べます。
減らないどころか、増えるケースがほとんどです。
絞るのはメニューではなく「トップページの最初の言葉」です。
選んでほしいお客様を書くことで、該当する人からまず選ばれるようになり、該当しない人は近くの他社と比べて選ぶだけなので、書く前より失うお客様はいません。
書かなければ、そもそも比較の中に埋もれています。
「どんな悩みを持った、どんな状況の人に、トップページの最初の言葉で呼びかけるか」を決めることです。
年齢や性別だけではなく、「デスクワークで夕方になると肩が張る人」「産後で骨盤が気になるが子連れで通えるか不安な人」のように、悩みと状況まで決めます。
マーケティングではペルソナと呼ばれる考え方ですが、地域ビジネスの場合は既存のお客様の中から実在の1人を選ぶのが近道です。
詳しい決め方は第2回で解説します。
間違いではありませんが、比較の中で選ぶ理由にならないからです。
Googleマップや検索結果では近くの同業が同じ画面に並び、お客様は比べながら選んでいます。
すべての事業者が「お気軽に」と書いていれば、選ばれる理由は口コミ件数・距離・料金だけになります。
選んでほしいお客様の悩みをはっきり書いた1軒だけが、その悩みを持つ人から選ばれます。
同業が複数あり比較されている事業ほど効果が大きいのは事実です。
商圏に同業が1軒しかない、紹介だけで予約が埋まっている、といった事業は無理に変える必要はありません。
一方で、エステ・ネイル・パーソナルジム・学習塾・飲食店など、価格やメニューが似通いやすい業種では、「誰に向けた事業か」がほぼ唯一の違いになります。
言葉だけで予約が増えることを保証はできません。
ただ、ホームページはどの入口から来た人も予約の直前に必ず通る場所なので、予約率が上がれば検索・マップ・Instagram・広告のすべてから来る予約が同時に増えます。
当社が運用した広告ページでは、同じ商品・同じ広告でページの言葉だけを変えて、予約率が0.15%から0.46%に変わった例があります。
言葉を変えた後は、必ず予約数の変化を見て判断してください。
新しく作るのではなく、既存のお客様の中から探すのが確実です。
この1年で利用してくれたお客様のうち、継続して利用してくれている人、客単価が高い人、紹介をしてくれた人、施術やサービスの相性がよかった人を思い浮かべてください。
その人がなぜ自社を選び、予約前に何が不安だったかを本人に聞くところから始まります。
手順は第2回で詳しく扱います。
(デジタルアスリート株式会社 代表取締役 長橋真吾)
参考資料・確認日
公式情報の確認日:2026年10月14日。





