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整骨院・接骨院の開業ガイド

柔道整復師の資格・施術所開設届・受領委任と、保険中心か自費中心かで変わる集客設計

公開日:2026-10-07長橋真吾執筆:長橋真吾デジタルアスリート株式会社 代表取締役更新日:2026-10-19
整骨院・接骨院の開業ガイド|柔道整復師の資格・施術所開設届・受領委任と、保険中心か自費中心かで変わる集客設計

この記事の要点(3行まとめ)

  1. 整骨院・接骨院の開業には、柔道整復師の国家資格と、開業後10日以内に保健所へ出す施術所開設届が必要です。

  2. 開業後の集客設計は、「保険診療中心」か「自費中心」かでまったく別物になります。

  3. 整骨院は広告できる事項が柔道整復師法で限定されていますが、「規制があるから何も書けない」わけではありません。

すでに営業中の方へ

この記事の読み手は、これから開業する方です。

すでに営業中の方は、整骨院のホームページ制作のほうが、今の課題に直接答えています。

柔道整復師として数年の実務を積み、「そろそろ自分の院を」と考え始めたとき、調べることの多さに驚くと思います。

施術所開設届、受領委任、施術管理者研修、レセプト、広告の制限。

整体院の開業とは比べものにならない数の手続きがあります。

一方で、私がマーケティング支援の立場で整骨院の開業相談を受けていて感じるのは、手続きの情報はすでに十分に出回っているのに、「開業後、どうやって患者さんに来てもらうか」の情報が、保険と自費の違いを無視したまま1行で済まされていることです。

この記事では、手続きと資金の全体像を押さえたうえで、整骨院の集客設計を「保険中心」と「自費中心」に分けて解説します。

デジタルアスリート株式会社は、Googleプレミアムパートナー認定のマーケティング支援会社として、治療院を含む2,425社以上のWeb集客を支援してきました。

その経験をもとに書いています。

これから開業する柔道整復師の方は、このまま順に読んでください。

すでに整骨院を運営していて自費メニューの集客に悩んでいる方は、「保険中心か自費中心かで、集客の設計はこう変わる」の章から読んでいただくのが早いと思います。

整骨院・接骨院とは|整体院と何が違うのか

整骨院(接骨院)とは、国家資格である柔道整復師が、柔道整復師法に基づいて施術を行う施術所のことです。

「整骨院」と「接骨院」は名称が違うだけで、法律上の扱いは同じです。

「ほねつぎ」も同様です。

柔道整復師が業として行えるのは、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷(肉離れなど)といった急性のけがに対する施術で、骨折と脱臼については応急手当を除き医師の同意が必要です。

そして、これらの急性のけがに対する施術に限って、健康保険が使えます。

整体院との最大の違いは、ここにあります。

項目 整骨院・接骨院 整体院
施術者 柔道整復師(国家資格、3年以上の養成課程+国家試験) 資格は任意
根拠法 柔道整復師法 なし
開業時の届出 保健所への施術所開設届(開業後10日以内) 税務署への開業届のみ
健康保険 急性のけがに限り可。受領委任の届出が必要 使えない
広告 広告できる事項が法律で限定 医療・資格業務との誤認表現を避ける
患者さんの探し方 「近くの整骨院」と「症状」の両方 主に「地域名×症状」

患者さんの目線では、整骨院と整体院の違いは意外と知られていません。

「整骨院と整体の違いは何か」「整骨院で肩こりに保険は使えるのか」は、それ自体が検索されている疑問です。

開業するあなたのホームページがその疑問に答えられていると、比較の段階で選ばれやすくなります。

整骨院の開業に必要な資格と要件

柔道整復師の国家資格

整骨院を開業するには、柔道整復師の免許が前提です。

文部科学大臣または都道府県知事が指定した養成施設(専門学校・大学)で3年以上学び、国家試験に合格して取得します。

これは開業の「資格」であって、保険を扱うための要件とは別です。

健康保険を扱うなら「施術管理者」の要件

整骨院の多くは健康保険を取り扱っていて、患者さんが整骨院を選ぶ大きな理由にもなっています。

健康保険を使った施術の費用(療養費)を、患者さんに代わって施術所が保険者に請求する仕組みを受領委任といい、これを行うには施術所ごとに「施術管理者」を置く必要があります。

施術管理者になるための要件は、2024年4月以降の届出で次の2つです。

要件 内容
実務経験 柔道整復師として施術所などで3年の実務経験(勤務先が発行する実務経験期間証明書で証明)
研修 公益財団法人柔道整復研修試験財団が実施する施術管理者研修(連続2日間・16時間)の修了。受講料は2万5,000円で、修了証は5年間有効

研修は申込制で、開催回数と定員に限りがあります。

開業時期から逆算して早めに予約しておかないと、開業日に保険を扱えない事態になります。

整骨院の開業に必要な届出と手続きの流れ

整骨院の開業では、「保健所」「地方厚生局」「税務署」の3か所への手続きが軸になります。

時期 手続き 提出先 補足
物件契約前 施術所の構造設備の事前相談 保健所 施術室6.6平方メートル以上・待合室3.3平方メートル以上、換気・採光・消毒設備などの基準がある。物件契約前に図面で相談するのが安全
開業後10日以内 施術所開設届 保健所 柔道整復師免許証、施術所の平面図、賃貸借契約書の写しなど。保健所が構造設備を確認する
開設届の受理後 受領委任の取扱いの届出 地方厚生(支)局・都道府県 開設届の副本、施術管理者研修の修了証、実務経験期間証明書など。受理まで時間がかかる
開業前〜1か月以内 個人事業の開業届・青色申告承認申請書 税務署 法人なら法務局で設立登記
勤務柔道整復師・受付を雇う場合 労働保険・社会保険 労働基準監督署・ハローワーク・年金事務所 施術管理者以外の勤務柔道整復師も、受領委任の届出に名前を載せる必要がある
開業前 賠償責任保険 保険会社・業界団体 施術中の事故に備える

ここで、開業相談のたびにお伝えしているのが受領委任の「空白期間」です。

受領委任の届出は、保健所の開設届が受理されてからでないと出せず、受理から承諾までにも時間がかかります。

つまり、開業日から受領委任が有効になる日までの間は、保険を扱えない、または扱えても入金が先になる期間が生じます。

この期間を資金計画に入れていない開業者を、相談の中で何度も見てきました。

次の章で詳しく触れます。

整骨院の開業資金|設備費より「入金までの運転資金」を見る

整骨院の開業資金は、小規模な施術所で数百万円、設備と内装にこだわると1,000万円を超えるケースも珍しくありません。

内訳の目安は次のとおりです。

項目 目安 補足
物件取得費 家賃の6〜12か月分 保証金・礼金・仲介手数料
内装工事費 200万〜500万円 施術室・待合室の基準を満たす間取りに。居抜きなら圧縮できる
施術ベッド・機器 150万〜400万円 ベッド台数、電気治療器・牽引装置などの導入有無で幅が大きい
レセプト関連システム 月額数千円〜数万円+初期費用 受領委任を扱うなら必須。請求代行団体への加入費も
什器・備品 50万〜100万円 受付、待合の椅子、電子カルテ、タオル・包帯・テーピング
開業前後の集客費 50万〜150万円 ホームページ、Googleビジネスプロフィール、看板、ポータル掲載、広告
運転資金 固定費の3〜6か月分 保険売上の入金タイミングを踏まえて多めに

設備費と内装費は、ほとんどの開業者が計算しています。

相談の中で見落とされがちなのは、次の項目です。

  • レセプト関連システムと請求代行団体への加入費

  • 各種手続きにかかる費用と時間

  • 開業から保険の入金までの運転資金

  • ホームページ・看板・広告・ポータル掲載・Googleマップ対策などの集客費

特に保険売上を前提にしている場合、売上が発生するタイミングと、実際に現金が入ってくるタイミングの差を見てください。

療養費は月ごとに請求し、審査を経て入金されるため、施術から入金まで数か月の差が出ます。

開業初月の保険売上が現金になるのは、開業後しばらく経ってからです。

その間の家賃・人件費・集客費は、手元の運転資金から出ていきます。

整骨院の資金計画で見落とされる「売上と入金のずれ」

保険売上は施術から入金まで数か月ずれる。開業初期の家賃・人件費・集客費は運転資金で賄う前提にする

設備費だけでなく、最低でも一定期間の運転資金と集客費まで含めて開業資金を考える。

これが、整骨院の資金計画で私がいちばん強調したい点です。

保険中心か自費中心かで、集客の設計はこう変わる

ここからが、この記事の中心です。

整骨院の開業ガイドは、手続きと資金で終わりがちです。

集客に触れていても「ホームページを作ってSNSで発信しましょう」で、保険中心の整骨院と自費中心の整骨院が同じ設計でいいかのように書かれています。

私の見方では、この2つはまったく別の設計になります。

保険中心と自費中心で、整骨院の集客設計はまったく変わる

探され方が違えば、ホームページの構造も、広告の訴求も、必要な説明も変わる

保険診療中心の整骨院|「近くで今すぐ行ける施術所」として探される

保険中心の整骨院の患者さんは、けがをした直後や、通勤・通学の途中で「今日行ける近くの整骨院」を探しています。

重視されるのは、

  • 地域:駅名・町名で検索されたときに出てくるか

  • アクセス:駅から何分か、駐車場はあるか

  • 営業時間:仕事帰りに行けるか、土日はやっているか

  • けが:捻挫・打撲・スポーツのけがに対応しているか

  • 今すぐ行けるか:予約なしで行けるか、当日予約できるか

です。

この整骨院のホームページで最優先すべきは、Googleビジネスプロフィール(GBP)の情報の正確さと、トップページでアクセス・営業時間・保険が使える旨・けがへの対応が一目で分かることです。

「〇〇駅 整骨院」の地図検索で上位3件に入ることが、新規数を決めます。

自費中心の整骨院|「地域名×悩み」まで掘り下げる

一方、自費メニュー(骨盤矯正、産後ケア、スポーツコンディショニング、肩こり・腰痛の自費施術など)を中心に据える整骨院の患者さんは、「地域名×肩こり」「地域名×腰痛」「地域名×産後」「地域名×スポーツ」のように、悩みから探します。

この場合に必要なのは、整体院と同じ症状別・悩み別ページの構造です。

トップページから各ページへ展開し、それぞれのページで、

  • その悩みを持つ人が何に困っているか

  • この院ではどんな施術をするのか

  • なぜその料金を払う価値があるのか

まで説明します。

最後の点が、保険中心との決定的な違いです。

保険なら患者さんは「3割負担だから」で納得します。

自費では、同じ地域に数千円の整体院がある中で、あなたの院に自費で通う理由を、言葉で説明しなければなりません。

国家資格者が施術すること、急性のけがと慢性的な不調の両方を見られること、保険の施術からの移行がスムーズなこと。

整骨院ならではの理由はあるはずです。

多くの整骨院は「保険で出会い、自費で続く」

現実には、開業する整骨院の多くが、保険診療で患者さんと出会い、自費メニューで継続してもらう形を取ります。

この場合、ホームページは「保険中心の設計」と「自費中心の設計」の両方を持つ必要があります。

層 探され方 ホームページで用意するもの
保険で来院する人 地域名×整骨院、けがの名称 GBPの整備、アクセス・営業時間・保険対応の明示、けがへの対応ページ
自費で来院する人 地域名×症状・悩み 症状別・悩み別ページ、自費メニューの料金と価値の説明
保険から自費へ移る人 院内での案内と、ホームページでの再確認 自費メニューページ、通院回数の目安、よくある質問

保険中心のホームページと自費中心のホームページを同じ構成にするのではなく、経営モデルに合わせて集客設計も変える。

これが、整骨院の開業で私がいちばん伝えたいことです。

売上モデルと年収の目安:保険中心と自費中心で桁が変わる部分

保険中心の整骨院は、1人あたりの窓口負担が数百円〜1,000円程度で、療養費の入金は施術の2〜3か月後です。1日25人・月24日・1人あたり療養費と窓口負担を合わせて2,500円なら月商150万円の計算ですが、開業初月に入ってくる現金は窓口負担分だけなので、運転資金はここを見込んで厚く持ちます。

自費中心なら、1回6,000〜8,000円×1日8〜10人×月24日で月商115万〜190万円。入金は当日です。家賃(売上の15%以内)、受付・施術者の人件費、消耗品、集客費を引いた院長の手残りは、1人院で月40万〜60万円、年収で500万〜700万円の幅に収まる計画が、相談で見る範囲では大半を占めます。保険中心の院は患者数が多い分、人件費と事務コストが乗り、手残りは同じ月商でも薄くなりがちです。

広告の制限がある中で、ホームページに何を書くか

柔道整復師法では、整骨院が広告できる事項が限定されています。

名称、住所、施術者の氏名、業務の種類、施術日・施術時間、予約の有無、休日・夜間の施術、出張施術、駐車設備、医療保険の療養費支給申請ができる旨、保健所に開設届を出している旨など、法律と告示で定められた項目です。

2025年2月には厚生労働省が「あはき・柔整広告ガイドライン」を公表し、何が広告に当たり、何が書けるのかの考え方が整理されました。

ここで開業者が陥りがちなのが、「規制があるから、何も書けない」という考え方です。

私はこの考え方を取らないほうがいいと思っています。

患者さんが整骨院を選ぶために必要な情報は、分かりやすく載せるべきです。

載せたほうがいい情報 避けるべき表現
料金(保険の窓口負担の目安、自費メニューの料金) 「必ず治る」「絶対に改善する」
施術者の資格(柔道整復師である旨) 根拠のない「No.1」「地域最多」
施術の流れ、初回の所要時間 過度な成果の保証、強すぎるビフォーアフター
保険が使える範囲と、自費になる場合 医療機関と誤認させる名称・表現
対象となる人(スポーツをしている人、産後の女性など) 「治療」「診察」「診療」など医療行為を連想させる語の多用
営業時間、アクセス、駐車場、予約方法 —

もう一つ重要なのは、広告とホームページでは扱いが異なる場面があることです。

ガイドラインではホームページの位置づけについても整理されていますが、媒体ごとに審査や解釈が違い、Google広告やMeta広告は媒体独自のポリシーで不承認になることもあります。

広告用のランディングページとSEO用のホームページで、同じ表現をそのまま使い回さず、媒体ごとの審査や規制を確認しながら運用してください。

保険と自費の案内、相談できる内容、初回来院の流れを整理する方法は、整骨院・接骨院のホームページ制作で確認できます。

表現について判断に迷う箇所は、管轄の保健所と、広告媒体のポリシーの両方で確認するのが確実です。

ここでは一般的な考え方にとどめます。

AI検索について

ホームページとGoogleビジネスプロフィールに、料金・メニュー・営業情報・よくある質問が構造的に揃っていれば、ChatGPTやGoogleのAI回答に拾われる土台はできています。特別な作業を足すというより、ここまで書いた情報を揃え続けることがそのままAI検索の対策になります。詳しくはAI検索で見つけてもらうための対策で解説しています。

開業初期の集客|ポータル・広告と、GBP・症状別ページの育て方

開業直後に、ポータルサイトや広告で最初の患者さんを集めること自体は有効です。

整骨院ではエキテンが今も強く、EPARKやホットペッパービューティーも使われています。

すでに整骨院を探しているユーザーがそこにいて、口コミが蓄積していない開業初期でも比較の土俵に乗れるからです。

ただし、ポータルだけに依存すれば、掲載を止めた瞬間に集客は止まります。

開業初期はポータルと広告で集めながら、並行して次の3つを育ててください。

  1. Googleビジネスプロフィール:店名決定と同時にアカウントを確保し、カテゴリ・営業時間・住所・電話・URLを統一。内装完成後に実写真を登録し、口コミは初回来院の患者さんに自然に依頼して積み上げる

  2. 症状別・悩み別ページ:自費メニューの対象ごとに1ページ。開業2〜3か月前には公開しておく(相談を受けた院では、新しいページが地域名の検索で見つかるまで数か月かかっている)
  3. 口コミとお客様の声:GBPの口コミと、ホームページの「お客様の声」を症状別に整理する

GBPの設定手順は「Googleビジネスプロフィールとは」、地図検索で上位に入るための考え方は「MEO対策とは」で解説しています。

広告のCPA相場と、LTVで判断する考え方

整骨院の広告の予約CPA(予約1件あたりの広告費)は、私たちが運用した整骨院(2025年・41店)では5,000〜1万円前後が一つの目安です。

地域・単価・症状・オファーで大きく変わりますし、「整骨院」という広い訴求より「腰痛」「産後」「スポーツ」のように悩みを絞ったほうが訴求を合わせやすくなります。

初回来店の売上だけでCPAを判断しないことも重要です。

2回目来店率・平均来店回数・平均客単価を含めたLTVで見る。

保険で出会った患者さんが自費メニューに移行して通い続けるなら、初回の広告費は十分に回収できます。

整骨院の需要の波、物件・立地と、公開のタイミング

急性のけがは季節を問わず起きますが、波はあります。

時期 増えるもの 先回りしておくこと
春(3〜5月) 新年度の部活動・運動再開によるスポーツのけが スポーツ外傷ページ、学生・保護者向けの案内
春〜秋 部活動の大会期、スポーツ外傷 当日対応・予約方法の明示
冬・年末年始 転倒によるけが、腰痛・肩こりの自費需要 腰痛・肩こりページを秋までに公開
4月・10月の気候の変化 身体の不調全般 自律神経・頭痛など自費ページ

需要が増えてからページを作るのでは間に合いません。

検索需要が来る前にページを公開し、検索で見つかる状態を作っておく。

春のスポーツ外傷を取りたいなら、ページは前年の年末には公開されている必要があります。

整骨院の開業日から逆算したタイムライン(手続きレーンとWebレーン)

受領委任の届出や保健所の確認と同じ管理表に、ホームページ公開とGBP確保を「動かせない締切」として入れる

整骨院の開業で多い失敗と、開業前の対策

よくある失敗 開業前の対策
施術管理者研修の予約が遅れ、開業日に保険を扱えない 開業時期から逆算して研修を予約。実務経験期間証明書も早めに依頼
受領委任の空白期間の運転資金がなく、開業初月から資金が苦しい 保険売上の入金ずれを前提に、運転資金を固定費の6か月分見る
保険診療前提で事業を組み、自費メニューの設計がない 自費メニューを「誰に・いくらで・どう継続してもらうか」まで決める
保険中心と自費中心のホームページを同じ構成で作る 探され方の違いに合わせて、GBP中心か症状別ページ中心かを決める
「規制があるから」と料金も資格も書かない 患者さんが選ぶために必要な情報は載せる。避けるのは成果の断定だけ
「治る」「必ず改善」で広告が不承認になる 広告用LPとSEO用HPで表現を分け、媒体ごとの審査を確認

「誰の・どんな悩みのための店か」を決める考え方は、連載「予約につながる、事業の言葉の作り方」の第1回:選んでほしいお客様を決める理由で解説しています。

整骨院開業で多い失敗と、開業前の対策

整骨院に固有の失敗は、受領委任と保険の入金ずれ、そして保険・自費を分けない集客設計に集中している

整骨院の開業は「手続きの完了」と「選ばれる準備の完了」が別物

結論から言います。

整骨院は、整体院に比べて開業の手続きが多く、重い。

だからこそ、受領委任が通り、開設届が受理されたとき、「準備が終わった」という達成感があるのだと思います。

しかし、相談を受けてきた整骨院を見る限り、手続きの完了と、患者さんに選ばれる準備の完了は、別のものでした。

保険で通う患者さんに見つけてもらうためのGBP、自費で通う患者さんに選んでもらうための症状別ページと料金の説明、そしてどちらにも必要な口コミ。

開業前からこれらを整えれば、開店を知った人が内容を確認し、予約へ進める状態で営業を始められます。

国家資格を取るために3年、実務経験に3年。

合計6年かけて開業にたどり着いた人が、「見つけてもらう準備」を開業後に回してしまうのは、あまりにもったいない。

手続きのスケジュール表に、ホームページ公開とGBP確保を「動かせない締切」として最初から入れておくこと。

それが、私からの提案です。

次に取り組む準備と優先順位:1人で開業する整骨院の最低ライン

やることの多さに圧倒された方へ。

全部を開業前に完璧にする必要はありません。

1人で開業する整骨院の最低ラインは、次の3点です。

  1. 施術管理者研修と実務経験期間証明書を、開業時期から逆算して確保する

  2. 「保険で出会い、自費で続く」なら、保険対応の明示(GBPとトップページ)と、主力の自費メニュー3つのページを、開業2〜3か月前に公開する

  3. 運転資金に「受領委任の空白期間」と「開業前後の集客費」の行を作る

次に進むときは、保険施術中心か自費施術中心かで、やることが変わります。

  • 自分で進める方は、「Googleビジネスプロフィールとは」でGBPを整え、口コミの集め方は「Google口コミを増やす方法」を次に読んでください。

  • 時間がない、保険と自費のどちらを軸にすべきか判断がつかない方は、「開業前Web集客診断」にご相談ください。開業予定地と考えているメニュー構成を送っていただければ、その地域で「整骨院」と各症状がどのくらい検索されているか、競合の院が保険・自費のどちらで戦っているか、開業までに用意すべきページの優先順位をお返しします。

  • 資格を持たず整体院としての開業を考えている方は、法律の線引きと集客の違いを「整体院の開業ガイド」にまとめています。鍼灸院の方は「鍼灸院の開業と集客」へ。

いちばん効くタイミングは、物件を契約する前です。

施術室の広さの基準と、保険・自費のどちらを軸にするかが決まっていれば、物件も内装もぶれません。

今週、まず「保険中心か、自費中心か、両方か」を紙に書くところから始めてください。

よくある質問

整骨院の開業に必要な資格は何ですか?

柔道整復師の国家資格が必要です。

3年以上の養成課程を経て国家試験に合格して取得します。

さらに健康保険を取り扱うには、施術管理者として3年の実務経験と、柔道整復研修試験財団が実施する16時間の施術管理者研修の修了が求められます(2024年4月以降の届出の場合)。

整骨院と接骨院、ほねつぎの違いは何ですか?

名称が違うだけで、法律上の扱いは同じです。

いずれも柔道整復師法に基づき、柔道整復師が施術を行う施術所を指します。

整体院は国家資格を必要としない別の業態で、健康保険も使えません。

施術所開設届はいつまでに出しますか?

施術所を開設した日から10日以内に、所在地を管轄する保健所へ提出します。

施術室6.6平方メートル以上、待合室3.3平方メートル以上などの構造設備基準があるため、物件契約前に図面を持って保健所に事前相談しておくのが安全です。

受領委任の届出とは何ですか?

健康保険を使った施術の費用(療養費)を、患者さんに代わって施術所が保険者に請求するための届出で、地方厚生局と都道府県に提出します。

保健所の開設届が受理されてからでないと出せず、受理まで時間がかかるため、開業日から受領委任が有効になるまでの空白期間を資金計画に入れておく必要があります。

整骨院の開業資金はいくら必要ですか?

小規模な施術所で数百万円、設備と内装にこだわると1,000万円を超えることもあります。

設備費だけでなく、レセプト関連システム、受領委任の空白期間と保険売上の入金ずれを見込んだ運転資金、ホームページ・Googleビジネスプロフィール・ポータル掲載・広告などの集客費まで含めて計画してください。

整骨院のホームページに料金や施術内容を書いても問題ありませんか?

患者さんが院を選ぶために必要な、料金・施術者の資格・施術の流れ・保険か自費か・対象となる人・営業時間・アクセスは分かりやすく載せることをおすすめします。

避けるべきは「必ず治る」「絶対改善」「根拠のないNo.1」など成果を断定する表現や、医療機関と誤認させる表現です。

広告できる事項は柔道整復師法と厚生労働省のガイドラインで定められているため、判断に迷う箇所は管轄の保健所と広告媒体のポリシーの両方で確認してください。

まとめ|手続きの準備と、来院前の説明の準備を進める

開業手続きと並行して、扱う施術、保険と自費の案内、初回来院時に確認することを整理しましょう。資格や提供内容に合った説明になっているかを確認し、来院前に料金や利用方法が分かる状態を用意します。

整骨院の開業では、設備や届出に加えて、利用する人が施術内容を誤解せずに選べる案内が必要です。保険と自費の違い、担当者、初回の流れを整理し、実際の運営とWeb上の説明をそろえましょう。

集客改善シミュレーションを参考に来院の目標を置く場合も、保険と自費で単価や入金の時期を分けて資金計画を確認してください。集客が増える見込みだけでなく、施術を提供し続ける運転資金を確保します。

シミュレーションに自社の業種がない場合は、他業種の結果をそのまま当てはめず、自社の条件で個別に試算してください。

オートホームページで支援する範囲

オートホームページでは、整骨院の提供内容や料金、初回の案内を整理してホームページを制作します。必要な表現確認を行いながら、Googleマップから訪れた人にも利用条件が分かる情報づくりを支援します。

ライトは月額3万円、スタンダードは8万円、プレミアムは15万円(いずれも税別、初期費用なし)。

ライトには、ホームページの制作・保守・自動改善、Googleマップの改善・管理、AI引用対策、月次レポート、コンサルタントとのMTG(月1回・最初の3ヶ月)が含まれます。スタンダードはこれに集客記事の企画・制作(月4本)、Instagramの静止画投稿の制作・運用(月4本)とコンサルタントとの月1回のMTG(4ヶ月目以降も継続)が加わり、プレミアムはさらにWeb広告(Google・Instagram)の運用代行(広告費は別途)とオリジナル施策(PR・LINE運用・TikTok運用・ショート動画などから事業に合う施策を選定)まで含みます。

最低契約期間は12か月で、期間内の解約には残りの月額料金がかかります。

終了後はデータの引き継ぎ、または月額1.5万円(税別)の保守を選べます。

料金・契約条件とサービスの詳細をご確認ください。

参考資料・確認日

公式情報の確認日:2026年10月14日。

長橋真吾
この記事の著者

長橋真吾

デジタルアスリート株式会社 代表取締役

2011年に株式会社リスティングプラスを設立。2022年にデジタルアスリート株式会社へ社名変更。広告運用・Web制作・改善を通じて、企業や店舗の事業成長を支援しています。

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