そのメッセージ、伝わっていますか?~デザインする上で大事にしたい視認性のはなし~

  • 2017.12.31
  • 2018.2.28
  • 5,875 Views

デザインするとき、どこを意識している?

みなさんは「デザイン」と聞いて、何を思い浮かべますか?
整っていてきれいなもの?
洗練されたもの?
オシャレなかんじ?

よく「デザイン」と「アート」を混同される方がいらっしゃいますが、両者は似ているようで違います!
非常にざっくり言ってしまいますと、以下のような違いがあるかと思います。

  • 「デザイン」は幅広い人に向けて伝わるように計算されている
  • 「アート」は個人的な伝えたいテーマがあって、分かる人にだけ分かれば良い

広告はとにかく見てもらわないことには何も伝わりません!!
広告を見てもらうためのデザインの工夫を考えてみましょう。

カッコイイデザイン、見た目が華やか・洗練された素敵なデザインの方が反応がいいに決まってる!?

デザインとアートが混同されてしまう理由に、イメージ広告の存在があるかと思います。

【イメージ広告 image advertising】
企業・商品・ブランドの好ましいイメージを形成することを図って行なわれる広告。消費者に好印象をあたえておくことにより、商品選択時に有利な状況をつくりあげることを目的とする。特に、競争品や他社製品との間に、機能やデザイン上の差別化が弱いような商品については、イメージによる差別化に効果がある。また、消費者に連想や暗示・ムードによって好ましいイメージをもたせることが有効な商品群であるファッション品や化粧品、あるいは百貨店などで利用されることが多い。イメージという言葉は、あいまいさをもっているが、心理学では、心像、映像の意味である。企業や商品に、好ましい心像を築くための広告がイメージ広告といわれる。
(引用:流通用語辞典の解説)

身近な例で言うと、高級ブランド品のサイトなんかがこちらにあてはまります。
良いイメージを消費者に植え付けて、「(高価でも)ここのお店だから買いたい!!」とユーザーに思わせています。

良いイメージを持ってもらうのが目的なので、広告も美しいモデルを使って「素敵」さをアピール、紙面(画面)にも余裕を持たせて高級感を打ち出し、1画面に商品1つだけ掲載などということもざら。お値段なんで野暮なものは載せていません(ものすごく小さいフォントを使って、雰囲気を壊さないように載せている場合もありますが)。
その素敵な雰囲気を作り出すために巨額のお金がかかっています。

イメージできましたか?
(イメージできなければ、思いつく高級ブランド名でググってみましょう)

良いイメージを持ってもらうための広告に、芸術性を見出してアートと広告を混同してしまう・・・のも仕方ないかもしれません。

一方、身近な広告の代表と思われるものに、スーパーのチラシがあります。
紙面にぎっしりとお買い得情報が載っています。カラー広告もありますが、白黒のチラシを取り扱っているお店の方が販売価格がお得かも?!という、期待感もあります。余白などほとんどありません!ぎっしりです!!その中からお得情報を探そうと、盛りだくさんの情報をじっくりと吟味し、お目当てのものを買いに行くという行動をとった方、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
スーパーで売っている品物を思い浮かべてください。
そこのお店でしか扱っていないものを高値で売る、というよりは他のお店でも扱う商品を販売し、品揃えや鮮度、そして価格の安さでお客様を集めています。
ですからチラシも、おのずと品ぞろえの良さ、鮮度のアピール、販売価格の安さをアピールするために紙面にぎっしりと掲載することになります。

逆に、商品が1つ2つしか掲載されていないスーパーのチラシがあったとして、購入意欲がわくでしょうか?
「これだけしか載せられないのって、品揃え少ないのかな。大丈夫かな」という不安に駆られるのではないでしょうか。

以上のように、広告にもそれぞれ目的があって、それに合わせて設計(=デザイン)されているわけです。
いくら見た目が素晴らしくても、それが目的に合っていなければ効果が期待できません。

メッセージを伝えるために有用な方法

自分で「読みたい」と思って購入した書籍や、学校や職場で配られたプリントなどとは違って、一般的な人は意識してチラシなどの広告文を読もうとはしません。
何なら邪魔だと目も通してもらえずにすぐにゴミ箱へいってしまうチラシも多いでしょう。Web広告ならすぐに離脱されてしまいます。

そこで、広告を目にした瞬間に興味をもってもらう工夫が必要です。
見た瞬間に「あれ、これ私のことかも?」と思わせる必要があります。

そのために最も有用なのが優れたキャッチコピーです。
相手の心を掴む言葉が重要です。

絵画を見たときに見る人によって感想が違うように、イメージ画像は雰囲気を伝える有効な手段ではありますが、細かいニュアンスを伝えることは難しいです。
一方言葉であれば、細かい部分まで伝えることができます。

「視認性」を意識しよう!!

せっかく優れたキャッチコピーがあっても、見えなければ伝わりません。
「文字が書いてあれば見えるでしょ?」と思われるかもしれません。
でも、「一瞬で」興味を引くためには、それだけでは弱いのです。

興味を持たせるための第一歩として「視認性」を重要視しましょう。
「視認性」とは文字の通り、目で視たときの認識のしやすさ ということです。

どうしたら見やすくなるのか?

聞いてみたら「なんだ」と思われるかもしれませんが、雰囲気作りに没頭したり、新しい機能を使ってみたい欲があったり、デザインとアートを混同していたりすると、なかなか気づかないものだったりします。

<視認性向上の具体的な方法>
01 読みやすい文字を選択する
02 文字を大きく
03 コントラスト強く
04 余計な装飾をしない

読みやすい文字を選択する

「そんなこと?!」と思われるかも知れませんが、たくさんのフォントを使えるとなると、「せっかくだからたくさん使ってみたい」という欲や、「珍しいフォントを使ってみたら素敵になった気がする」と自己満足の欲におぼれがちです。

フォントひとつでページの持つ雰囲気や、デザイン性が上がったり下がったりする重要なものです。

フォントはたくさんありますが、当然読みやすいフォントとそうでないフォントがあります。

読みやすいフォントを選んで使いましょう。
(ただし雰囲気重視のフォントは、ところどころ重要なところで使うと、これ以上ない素敵な雰囲気が出せます。使いどころですね)

文字を大きく、太く

こちらも単純な話で、小さくて細い文字よりは大きくて太い文字の方が見付けやすいです。

ランディングページにおいてファーストビューのキャッチコピーを読みやすくするためにひとつの文章の中でも重要な単語と、そうでない単語によって強弱をつけるというのは有用な手段です。

平坦な文字列より、単語によって強弱がついていることによってそれぞれの単語の区別がつきやすく、文章を読みやすくできます。

コントラストを強く

コントラストとは、隣接するものの区別がつきやすいか否かということです。
たとえて言うと、

白地の背景の上に黄色の文字 と 白地の背景の上に黒色の文字 

だったら、後者の方がコントラストが強く、文字の認識がしやすいです。

白地の背景が味気なく、どうしても模様や画像の背景を置きたい、ということであれば実際に背景を置いて白黒2色にして確認してみるのもよいでしょう。

余計な装飾をしない

ターゲットに合わせた雰囲気づくりは大変重要ですが、やりすぎると一番目立たせたい(=見てもらいたい)文字の邪魔になります。装飾は文字を引き立たせるための補助として、できるだけ文字に被らないようにしましょう。

また、文字自体にも陰影をつけたり、模様をつけたりすることもありますがこちらも文字としての認識を落とします。必要最低限にとどめましょう。


以上、視認性を高めるためのテクニックを解説しました。
聞いてみれば至極単純な話ですが、要は読み手の立場に立って文字や画像を配置できているかということに尽きます。

ここで注意していただきたいのは「使いすぎ注意」ということです。
「ここも目立たせたい!」「あ、あっちも重要!!」と言って強調ばかりしていると、たくさん強調部分がありすぎて逆に埋もれてしまいます。
どこもかしこもくまなく読んでもらいたい!!というお気持ちは痛いほど分かりますが1パーツにつき、目立たせたい部分を2か所程度に絞って、絞った2か所を思いっきり強調することで、強弱がついて他も読みやすくなります。

是非取りれてみてくださいね。

今回は「広告を見てもらうためのデザイン」のお話でしたが、デザイン技術に特化した記事はこちら↓

デザインする上で参考になるサイトはこちら↓

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橋本直子

デジタルアスリート株式会社 D2C戦略部 デザイン課 デザイナー DTPデザイナーだったが、これからはWebデザインの時代と一念発起し株式会社リスティングプラス(現・デジタルアスリート株式会社)に入社。 デザインをするときは、いかにしてメッセージを伝えるか・相手に理解してもらえるかを念頭に、タイポグラフィやレイアウトで魅せる工夫をしています。 シンプルデザインは誤魔化しが効かないからこそ難しく、奥が深く、その分面白いと感じています。 ずーーーとCentury Gothic信者でしたが、最近はDIN系も良いなと思っています。

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