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商品を売るためには、ページの内容も重要ですが「デザイン」も非常に重要です。頑張って内容を考えた販売ページでも、デザインによっては売上が大きく変わってしまうことがあるのです。
今回はそんな「デザイン」に関して、鶴岡製作所代表 鶴岡芳和さんにお話を伺いました。
実は、鶴岡さんにはリスティングプラスのデザイナーに対する研修もお願いしています。未経験からの入社も多いデザイナーに対してどんな研修を行っているのか、また売れるWebデザインをするには何に気を付けたらよいのかというデザインのポイントまでお聞きしました。
鶴岡芳和
1977年生まれ。東京都出身。鶴岡製作所代表。高校卒業後に飲食業界で働く傍ら趣味で制作したWebサイトが企業の目にとまり、初めてデザインの仕事を受注。そのままWeb業界へ進む。
2001年に個人事務所として鶴岡製作所を開業。中小企業・小規模事業に最適なソリューションをワンストップで提供。
「ユーザー第一主義」を考え方の基礎とし、常にユーザーにとって最善とは何かを探求し続けている。
目次
独立時の失敗から学びを深めて「教える立場」に
デザインを教えるプロが、どうやって知識のない人を納得させているのかっていうプロセスを学びたくて、講師として学校の仕事を手伝い始めたのがきっかけですね。
というのも、独立当時は自分好みのデザインばかり作っていたんです。でも成果が出なくて、その次はとにかくクライアントの要望通りに制作するようになって、それもダメ。
頑張っても評価されないし、結果が出ないから何の満足感も得られませんでした。
デザインを依頼してくる人は、当然デザインには詳しくありませんよね。
そんなクライアント相手に、僕は効果的なデザインに収まるような関わり方ができてなかったということなんです。
学校では納得いかない人と言う人を納得させるために必要なことも、感情的な部分をどう扱えばいいのかも、それ以外の部分も・・・必要なのも全部学ばせてもらいました。
デザイナーには表現のための技術も必要だけど、プロとしてはどれだけ相手を納得させられるかも重要だよって。
デザインに根拠が必要な理由とは
実はこの色彩論の基礎的な部分はみんな中学の美術で習っているんです。「赤は情熱的」「青は冷たい」とか。私が教えているのはそれのもっと大人版ですね。
というのも、完成したデザインを見るクライアントやユーザーは、基本的にデザインの知識がない人ですよね。
当然、個人の感覚や「何となく」で「もっとこうして欲しい」と思うことはあるでしょう。
だからデザインの意図を説明するためにも、デザインの知識がない人でも納得できる根拠を説明してあげる必要があるんです。
ネットや雑誌など様々な広告を見てもらい、良し悪しや定石などの傾向を把握させるようにしていますね。
例えば、知識がない場合は病院のサイトを見ても「〇〇病院は青だな」「△△歯科は緑だな」だけで終わってしまうと思うんです。
それが知識があると「○○病院は青だから落ち着いた印象にしたいのかな」「△△歯科は緑だから安心感を与えたいんだな」というデザインの意図が考えられるようになります。
いきなりデザインがわからない依頼主に「何色にしたい?どんなデザインにしたい?」って聞いても「え?」ってなっちゃいますよね。
でも、デザイナーが世の中を見て研究しておけばそこで例え話ができるんです。
「青だったらこうで、緑だったらこうで・・・御社の病院だとどちらの方がお考えに近いですか?」という選択肢をあげることができるんです。
そこはやっぱり、プロとしては正解の選択肢を与えてあげるのがいいでしょう。A選んでも正解だしB選んでも正解だし、どっちの正解がいい?ということです。
そうすれば認識の相違によるやり直しを防げるし、希望通りにしてもらえたと満足してもらいやすくなるでしょう。
トラブルにしないためには、そんなお客様に対して「わかりました。ただ専門的な観点から言うとこうなんですけども…。お客さまのやり方だとこういうリスクもありますが、大丈夫ですか」ときちんと事前に説明しておく必要があります。
そうすることによって、「要望通りに制作したけど成果が出ない」なんて時のトラブルは防ぐことができますね。
ここまで聞いていると、デザイナーでありながらコンサルタントみたいな一面もありますね。
でも、デザイナーを志望する人の多くはそれを理解していないんです。
僕もそうでしたよ。自己表現がしたいって欲求を叶えられる仕事だと思っていたし、成果物は人に何と言われようと、自分が気に入ったか気に入ってないかで決まるって思っていました。実際は全然違いましたけどね。
紙媒体や映像媒体とは異なり、Web媒体で適当は御法度なんです。プロとしてどれくらい緻密な作業が必要なのかということを学ぶ必要があります。
例えば10個並んでいる枠の間隔がバラバラだと、再現するのにそれぞれの間隔を10個指定しないといけません。
でも、全部の間隔を同じにしておけば「間隔は全部これで」という1個の指定で終わります。
作業時間が大きく変わるので、利益を追求するプロとしては重要な問題です。
1,000時間以上の研修で一人前のデザイナーに
未経験から研修することも多いですが、既に独自のやり方があって癖がついている経験者よりも、知識が少ない状態から教えた方がいいと思っています。他社と比べて1番良い結果が手に入れられていると思いますね。
その後、案件風の設定で疑似OJTを行って、実際の案件よりも少しレベルを下げたことをやってから、本当のOJTですね。徐々に困ったときだけ呼んでもらうようになって、1人立ちの流れでやってます。
売れるデザインと売れないデザインの違いとは
ただTVCMや看板には機能的な側面が全くなくて、見ただけ・聞いただけになります。
対してWebデザインは、カートに入れてそのまま商品を買えたり、自分で望んだように動かすことで欲しい情報が手に入ったりします。
Webは見る側の道具だということが、他の広告との違いなんです。
だから、Webは使いやすい・見やすいの両方を叶える必要がある。どうしても見た目だけで終わりがちなんだけど、いかにユーザー側のストレスを無くすかが重要なんです。
あとは、読んでも読まなくても良いものを押し付けないことがも大事ですね。
見せたい側が「ここは見てもらわないと困る」というものがあれば、ユーザーのストレスを溜めないために、他の部分のデザインは控えめに調整しないといけない。全部強調しちゃうと、見る側がどこを見たらいいのかわからなくなってしまいます。全部見てっていうのは全部見られないにつながるんです。
かといって見る側のことだけを考えると、見る側が都合の良い情報だけを見て離脱しちゃうから売れなくなる。
伝えなきゃいけないことは伝えるんだけど、ストレスは極限まで減らすことが重要なんです。
具体的には、「CV意欲を促進する」が「ストレスは与えない」というのが理想的な着地点ですね。
思い通りのデザインが完成する依頼法
正しい情報を持っている人にすぐアクセスできれば、何も覚えなくて良いし知らなくていいですよ。
参考サイトを提示して、そのサイトのどんな所を参考にしたいのか、色なのか構成なのか、そんなことをしっかり指示するようにしていますね。
案件で話しかけないと向こうが構えないから、本当の案件としてオファーを出しますが実際はただの課題なんです。腕試しをさせてもらってるだけで。
評価表を作って、今空いているところで良いところから頼んでみるとかがいいと思いますよ。
インタビューを終えて
リスティングプラスのデザイナーは未経験で入社してくるケースも多いのですが、みんな鶴岡さんの研修を受けて、Webデザイナーとしての一人前になっています。
インタビュー内容にもあったように、鶴岡さんの研修にはデザイナーとしての高い技術だけでなく、プロとしての仕事の仕方や意識の持ち方、クライアントとのコミュニケーション方法までが含まれています。
今回、その内容を改めて伺って、リスティングプラスのデザインが高い成果を出せる理由が理解できました。
「クリエイティブ」「職人」というイメージがあるデザイナーにも、コンサルタントのような側面があるんですね。やはり、どんな仕事でも「伝え方」がとても重要なんだと感じました。
Webデザイナーの方やこれからデザイナーになろうとしている方は勉強内容の参考に、
またデザインを依頼する立場の方は、売れるデザイン制作やデザイナーを選定する際の参考にしてみてくださいね。
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