【テンプレ付き】 誰が見ても認識がズレない リスティング広告レポート作成方法

  • 2020.11.25
  • 2020.12.11
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広告代理店やコンサルティングの仕事の中で、レポート作成時間が最も効率の悪い時間だと思ったことはありませんか?

集計作業、パワーポイントの作成、今後の施策などを記載して報告が必要ですよね。さらにそれに応じて各ディレクション、スケジュール調整、全体戦略など多岐にわたる仕事についての情報が必要となります。

もはや代理店の仕事のメインは“レポート”と言っても過言ではありません。 このレポートを作成する際に最も重要なポイントが先方との認識のズレが起きないレポートを作成することです。

数値だけのレポート提出の場合、人によって受け取り方は様々になります。
担当者であれば「もっとクリック単価を下げてほしい」と管理画面を中心とした話で進むかもしれませんが、社長や決裁者であれば「この数値では難しいので広告を止めてください」と判断される可能性もあります。

こちらの意図が全く伝わらなければ広告予算を増やすこともできなくなりますし、停止することとなればこれまでの努力は水の泡です。 本記事ではレポート作成時のよくある失敗例を紹介するとともに、“誰もが納得する”テンプレートまで用意しています。活用して認識のズレのないレポート提出を心がけていきましょう。

レポートは目的によって使い分け、認識のズレをなくす

リスティング広告のレポートと言われるものは大きく2種類に分かれます。

・管理画面の数値をまとめた数値レポート(数値のみ記載)

・数値レポートと今後の戦略や施策を記載したレポート(複数枚の提案書)

上記のように会社によってレポートの定義が異なります。
しかし前者のような管理画面の数値だけのレポートでは受け取り手との認識のズレを起こす可能性が大きくなります。取引先の役職によって見ている数字の視点が異なるからです。

担当者:目標をクリアできているか
経営者:投資対効果があっているか

この2つの視点があるためです。それぞれ見ている視点が異なるからこそ、認識のズレが起きやすく運用者の意図が正確に伝わらないことがあります。

レポートの大事なポイントは、誰が見ても同じ認識になるように作ることです。

提出する先が担当者だとしても、必ずその上司・経営者まで情報は届きます。だからこそ、誰が見ても同じ認識が得られなければ良いレポートとは言えません。

数値だけのレポートではこの認識のズレをなくすことは困難です。 またキーワードの調整を行って広告文テストを行うことで改善する見込みがあったとしても、それが伝わらないことは非常にもったいないことです。

だからこそ数値だけではなく、誰が見ても認識のズレがおきないレポートを作成作る必要があるのです。

誰もが納得するレポートの王道テンプレート

レポート資料でよくある問題の1つに「内容を担当者しか理解していない」ということがあります。

先ほどもお伝えしたように、レポートは担当者だけではなく社長や決裁者も見ます。誰が読んでも同じ見解や解釈にならなければなりません。必ず作成後も再確認するようにしましょう。

こちらから新規取引先と既存取引先に分けた、レポートのテンプレートがダウンロードできます。
作成したいレポートが新規取引先のものではない場合は、既存取引先の項目まで進んで構いません。

・新規取引先用テンプレートをダウンロード
・既存取引先用テンプレートをダウンロード
※クリックすると直接パワーポイントのデータがダウンロードされます。

新規取引先のレポートテンプレート

【新規取引先のレポートで必要な項目】
①提案時のシミュレーションと戦略の再確認(再確認)
②初期設定内容のすり合わせ(安心)
③初動結果と状況報告(事実)
④当初の予測と進捗(事実確認)
⑤今後の施策(未来)
⑥スケジュール(具体的な計画)

新規取引先のレポートを作る際に重要なポイントは、提案時の戦略やシミュレーションとズレが起きていないかです。
ここに違和感があると信用を失いかねません。
まずは相手に信用できる会社という信用残高を積み上げていきましょう。

①提案時のシミュレーションと戦略の再確認(再確認)

まずは提案時に伝えている内容について認識の相違があっては話になりません。前提としてどういうシミュレーションでどういう戦略を取ると伝えたか、レポートの最初で確認しましょう。

②初期設定内容のすり合わせ(安心)

①で提案した内容の通りに設定していることを伝えます。キャンペーン、広告グループ、キーワード、広告文、配信先URLなどをまとめて伝えることで、どういう設計になっているかが伝わりやすくなります。

③初動結果と状況報告(事実)

②で説明した設定内容で配信し、どのような結果だったのかを正確に伝えましょう。
大事なポイントをできるだけシンプルにまとめます。

大量のキーワードレポートや広告文レポートは不要です。想定通りに取れているキーワードやクリック率をクリアしている広告文などを記載していきます。

④当初の予測と進捗(事実確認)

リスティング広告はユーザーが検索することで広告が表示されます。
そのため、当初の設定内容と違うキーワードで広告出稿がある時もありますし、意図と違う広告文が表示されることもあります。
現時点で想定内の動きであったのかを伝えることで安心して任せてもらえます。

⑤今後の施策(未来)

④で伝えた内容に対して、今後の対策をしっかり伝えます。初期設定内容のまま進めて問題ないのか、軌道修正が必要なのかをしっかり記載します。

⑥スケジュール(具体的な計画と期日)

上記施策をいつまでに対応が完了し、施策が進められるのか伝えます。この際に期日を記載することが大事です。 今月中や今週中などの曖昧な期日は嫌われる要因となります。現実的に可能な日程を伝えることがお互いにとってのWin-Winです。◯月◯日◯時と伝えるようにしましょう。

既存取引先のレポートテンプレート

【既存取引先のレポートで必要な項目】
①運用状況の報告
②行った施策と結果の原因と分析
③原因の証明
④当初の予測
⑤軌道修正する部分(修正し、その部分が改善された場合の数値シュミレーション)
⑥修正方法、修正の方向性、修正内容提示
⑦スケジュール

既存取引先のレポートの場合は、それまでの運用の結果からさらに長期的な施策を考え伝える必要があります。既存取引先では今後の展望等も含めて再確認をすることが重要なポイントです。

①運用状況の報告

直近3ヶ月のデータや、長期的な戦略があるなら現在地の確認が必要です。最初に今日に至るまでの状況の振り返りをしましょう。

②行った施策と結果の原因と分析

月一回の提出であれば一ヶ月間で行った施策と結果を伝えます。施策開始日時等も記載をすることで、どのぐらいの期間の結果なのかを記載します。

③原因の証明

今回行った結果の原因を具体的に記載します。リスティング広告であればオークション入札になるため、他社競合の状況によっては大きく成果に変動が起きます。
またGoogleトレンドなどでもキーワードの市場ニーズにどんな変化があったのかなどを記載します。

④当初の予測

分けて考えなければならないのは、こちら側が思っていた結果とどう変化があったのか。
Aという予測で進めていきましたが、Bの影響があったことで、Cという結果になりました。とわかりやすく記載をしましょう。

⑤軌道修正する部分(修正し、その部分が改善された場合の数値シミュレーション)

④で述べた当初の予測と結果が異なる場合は、どのように軌道修正するべきかを記載します。特にその軌道修正によってどう数値変動が起こるかシミュレーションを別途つけます。

⑥修正方法、修正の方向性、修正内容提示

軌道修正の内容を細かく記載をしていきます。

⑦スケジュール

こちらは新規取引先の場合と同様に期日も合わせて記載をします。

認識のズレを起こしやすいレポートとは

広告運用するに当たってレポートはとても大事です。これまでにやってきた施策を正しく報告する必要があるからです。

しかし運用実績があるにも関わらずうまく伝わっていないレポートがあります。
それらは以下の失敗レポートパターンに当てはまっている可能性があるので必ず確認しましょう。

結論が最後に書かれている

数字や行った施策などをびっしり書かれているが、結論が最後にあることがあります。
これは一番見づらいですし、見る気をなくしてしまいます。

直接見ている担当者であれば問題ないかもしれませんが決裁者や社長になった途端に非常に印象が悪くなります。数字を出すことも大事ですが、それを正確に正しく伝えることを忘れてはいけません。

専門用語を使いすぎている

CVRやCTR、CPA、ROASなどの英字のみならず、アロケーション、アジェンダ、フィードバックなどの専門用語を使う場合は取引先のリテラシーなどを配慮する必要があります。

普段の会話でも専門用語ばかり使う人はコミュニケーションしづらいと思いませんか?レポートでも同じで相手が一番わかりやすい言葉で伝えることを意識しましょう。

レポートが細かすぎる

運用で行った実績を事細かに伝えることも問題です。実際にその施策を行ったとしても、取引先としては要点をまとめてくれるほうが伝わります。そして運用を承っている以上プロなのですから、事細かに説明するのではなく戦略を要点的に伝えていきましょう。

これらをしっかり再確認した上でレポートの提出を行っていきましょう。取引先も自分の仕事があるのでゆっくりレポートを見てくれません。要点をまとめてできるだけシンプルにわかりやすく作成を心がけましょう。

リスティング広告をわかりやすくかつ伝わるレポートにするには重要なポイントがあります。それは、誰が見ても同じ見解にするということ。

レポートの目的は提出することではなく、それを見た決裁者や代表が決断をしてもらうことがゴールです。つまり行動させることができなければレポートとしては意味をなしません。

本記事では、誰が見ても同じ見解になる構成とすぐに活用できるテンプレート付きです。ぜひ参考にしてレポート作成を進めていきましょう。

数値レポートは自動作成ツールを活用する

取引先との報告の際に数値レポートは別途作成する必要があります。管理画面から1から集計する作業は非常に時間がかかります。広告運用や施策に時間ではなくレポートに時間をかけていては本末転倒です。

連携するだけで自動集計できるツールがありますので、こちらを活用していきましょう。

ATOM(アトム)

数値レポート自体は世の中にたくさんありますが、特にオススメしたいのがATOM(アトム)です。

レポートのテンプレートが豊富なのがATOM。その組み合わせは100種類以上あります。
130社が導入しており、継続率は約9割とのことです。

ATOMには以下の特徴があります。

  • Google・Yahoo!だけでなく、Facebook・Instagram・Twitter・LINEから、Criteoや各種アドネットワークやDSP等にも対応
  • 提携レポートをカスタマイズして自社オリジナルのレポートが作成できる
  • 自動入札機能や電話計測機能など、広告運用に役立つツールもあり
  • 数字の進捗管理ツールとしても利用可能

リスティング広告だけでなく多くの広告媒体を実施している場合は、ATOMを使うことで各種レポートを自動作成することができます。
一部にはなりますが、下記がレポート画面です。

・サマリーレポート ・メディア別レポート ・デバイス別レポート ・月別推移レポート ・キャンペーン別レポート ・広告グループ別レポート ・キーワードレポート ・検索クエリレポート ・バナーレポート バナーごとにレポートが作成できるため、どのバナーが成果が良かったのかなどを確認することができ、A/Bテストなどの施策を立てやすくなります。

・都道府県別レポート ・時間別レポート ・性別・年齢別レポート ・用語解説 ATOMレポートには最後に用語解説シートが添付されています。取引先にWeb知識が少なかったとしても、このシートで補完することができます。

ATOMの具体的な金額と契約期間についてご紹介しておきますので、ご興味のある方はぜひ下記リンクよりお問い合わせください。

ATOM
https://www.atom.tools/

データビートエクスプローラー

近年ではレポート集計方法が革新的にアップデートされています。従来の自動集計レポートでは各種広告アカウントとAPI連携することで、データを収集し、集計が行われていました。

つまり膨大なデータから計算式によって集計を行うため、必要な情報を出力する際に作業が重く、時間がかかるという課題がありました。 この課題を解決したのが、データビートエクスプローラー(株式会社AGITO)です。

 

様々な広告アカウントや計測ツールのデータを好きなフォーマットで、自由に出力することができるようになりました。

Google広告、Yahoo!広告、Googleアナリティクスなどの膨大なデータを、スプレッドシートやGoogle Data Potal、その他BIツールなどに、簡単に出力をすることができます。
※こちらの機能は前述したATOMでも2021年1月には実装する予定です。

数字をまとめるレポートは、ツールを使って効率化を図るのもひとつの手です。
時間をかけるべきはそのレポートの結果「今後どのように運用改善を行っていくのか」という部分なので、そこを正しく伝えていきましょう。

魅力的なレポートはフォントと行間を意識する

最後にレポート作成に関して最も良く使われるのがパワーポイントです。効率的に作成するために必要な内容をお伝えします。

スライドマスターの設定で効率化

初めてレポートを作成する場合はパワーポイントにてスライドマスターを作成していきましょう。スライドマスターとは、パワーポイントの設計図です。

統一感のあるプレゼンテーションを作成でき、全てのスライドに共通する背景やフォントの変更、画像の挿入といった作業をまとめて行うことができるため、時短、効率化の面でもメリットのある機能です。 事前にヘッダーやフッター、文字の配置や見出しなどを作成しておくことで、簡単にレポートを作成することができます。

あらかじめ見出しのテンプレートを作成する

上記スライドマスターを作成し終わったら、レポートの構成に合わせたテンプレートを作成しておきましょう。

新規取引先と既存取引先でまとめておくと便利です。先月送ったフォーマットがどれだったかわからなくなると、過去の履歴から遡るなどの余計な時間がかかります。

まとめ

レポートを受け取った人にとって受け取り方は様々です。大事なポイントは、レポートを見た時に認識のズレがなく正しい判断ができることです。

せっかく作成したレポートでも相手に伝わらなければ意味がありません。ゼロにすることは難しくてもできるだけ相違のないように作成することは可能です。

最後にまとめてお伝えすると、

・誰が見ても認識のズレを起こさないように意識する
・テンプレートを活用する
・新規取引先用テンプレートをダウンロード
・既存取引先用テンプレートをダウンロード
※クリックすると直接パワーポイントのデータがダウンロードされます。
・結論が最初にあるか、専門用語を使いすぎていないかを確認
・数値レポートは自動化する

時間のかかるレポート作業も本記事を活用して効率化を図りつつ、改めてレポートの目的を再認識して作成にしてもらえると嬉しいです。

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名川 聡

デジタルアスリート株式会社 D2C戦略部 部長
音楽活動のために上京したが、SEO関連の仕事でアルバイトをする中で、インターネットビジネスに興味が湧き、2012年12月にデジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に入社。
リスティング広告の集客代行から商材のクリエイティブまで 様々な業務を行っている。
50万~1000万円以上の案件を幅広く運用。 約5年間のリスティング広告運用代行及びコンサルティングを経験。
現在はEC商材において、記事制作から広告運用まで幅広い最新広告手法を使いながら、実績作りや新しい媒体開拓を行っている。

プライベートでも、自家製の梅干しや味噌を作るほど健康ジプシーであり、Web集客同様に自身の健康においても常にPDCAを回している。

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