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動的検索広告(DSA:Dynamic Search Ads)は、ウェブサイトのコンテンツから自動的に広告を生成するGoogle広告の機能です。Yahoo!広告も同じように動的検索広告のメニューがあります。
通常の検索広告はターゲットのユーザー層の検索語句を想定し、キーワードや広告文を自身で設定する必要がありますが、動的検索広告はそれらが全て自動で行われます。
キーワード管理の要らない検索広告、それが動的検索広告です。
引用:動的検索広告について(Google広告ヘルプ)
引用:動的検索連動型広告のメリットと仕組み(Yahoo!広告ヘルプ)
この記事では、動的検索広告の仕組みやメリット、設定方法、注意点などについて詳しく解説します。
目次
動的検索広告(DSA)とは?
動的検索広告(DSA)とは、Googleが提供する検索広告の一種で、ウェブサイトの内容に基づいて自動的に広告が生成される仕組みです。
従来の検索広告では、広告主が手作業で広告文や入札キーワードを設定する必要がありましたが、動的検索広告ではウェブサイトのコンテンツを解析し、ユーザーの検索クエリにマッチする適切な広告テキストを動的に生成します。
このような仕組みが必要とされる理由には、広告の出稿者が選定するキーワードと実際にユーザーが検索するキーワードが完全一致しないことがあります。
つまり動的検索広告は、キーワードの管理や広告文の作成を自動化し、広告運用の負担を下げることができます。
動的検索広告(DSA)の仕組み
動的検索広告は、サイトのコンテンツがユーザーの検索行動の目的と一致した場合、自動的に広告が表示される仕組みです。
キーワードや広告を設定する必要がなく、広告主の商品やサービスを探している見込み客に広告をすばやく表示することが可能です。
実際にGoogle公式の例を参考に詳しい仕組みを確認していきましょう。
ユーザーがウェブサイトのタイトルや頻繁に使用されているフレーズと密接に関連した語句を使用して Google で検索を行うと、これらのタイトルとフレーズに基づいてランディングページが選択され、明確で関連性の高い広告見出しが生成されます。
▼動的検索広告の掲載イメージ
動的検索広告(DSA)のメリット
動的検索広告(DSA)を利用するメリットは主に以下の4つがあげられます。
広告運用の工数削減
通常の検索広告では、広告を配信するキーワードを1つ1つ選定し、それぞれに適した広告文を作成する必要があります。キーワードと広告文の組み合わせは限りなく数に上るため、広告アカウントの構築・管理に工数を必要とします。
反対に動的検索広告では、ウェブサイトのコンテンツからキーワードを自動抽出し、それに合わせて広告を動的に生成します。
そのため広告アカウントの構築から運用、最適化に至るまで、一連の工程を自動化できます。ウェブサイトをベースに機械的に広告配信が行われるため、通常の検索広告より人の工数を削減できるのです。
新しいニーズを見つけることが出来る
ウェブサイトの幅広いキーワードを抽出して広告を配信するため、想定していない新たな検索クエリの発見にも適しています。
リアルタイムな広告配信
動的検索広告では、Google が定期的にウェブサイトをクロールし、コンテンツの変更を自動検知します。検知された変更内容に基づき、広告の内容をリアルタイムで更新します。つまり、ウェブサイト上の情報と広告の内容を常に同期させるようになります。
例えば、EC サイトで新商品が追加されれば、ボットがそれを検知し、その商品に関連した広告が即座に配信されます。逆に、商品ページが削除されれば、当該商品の広告も自動的に停止します。価格変更や在庫状況も、リアルタイムで広告に反映されます。
このように商品数が膨大なECサイトなど、ページを変更すれば広告も自動で変更してくれるのでかなりのメリットがあります。
SEOと広告運用の連動
動的検索広告は SEO が最適化されたウェブサイトほど良い成果をあげる傾向があります。日々サイトの質の向上に努めていれば、その効果を動的検索広告でも発揮できるでしょう。SEO と連動した広告運用が実現します。
動的検索広告(DSA)のデメリット
動的検索広告には、広告運用の工数削減や、新しい検索クエリにも広告表示ができるなど複数のメリットもありますが、デメリットもいくつか存在します。
主なデメリットは以下の通りです。
広告の品質管理が困難である
通常の検索広告と比べ、動的検索広告は広告の品質管理が難しい手法です。
広告の自動生成により、運用者の意図しない広告が配信されるリスクがあります。またネガティブワードを事前に全て予測して除外設定することは非常に困難です。
キーワードの除外設定が不十分だと、ネガティブキーワードなど意図していない検索クエリにマッチしてしまう恐れがあります。
※ネガティブキーワードとは、検索広告の配信対象から除外したいキーワードのことを指します
広告の遷移先の制御性が低い
広告の品質管理が難しいのと同様に、遷移先URLも自動表示されるため、不適切なページが表示される可能性があります。
(表示させたくないページがある場合には、除外設定が必要です)
引用:動的検索広告で除外設定を作成する(Google広告ヘルプ)
広告と遷移先URLのコントロールが難しいことから、企業のブランドイメージを重要視する広告主は手動で調整する通常の検索広告の方が向いているでしょう。
CVRがLPと比べ低くなる
配信先のウェブサイトが購入までの導線を考えられたページでないと、CVRが大幅に落ちる可能性があります。
通常のLP(ランディングページ)での配信の場合、ページに訪れたユーザーに購入などの行動をしてもらうために設計がされています。しかし動的検索広告の場合は、ウェブサイトの最適化ができていないと成果に繋がりません。
動的検索広告(DSA)の設定方法
1. キャンペーン設定を選択する
アカウントのキャンペーン一覧画面から「新しいキャンペーンを作成」をクリックします。
このキャンペーンで達成したい目標を選択し、「続行」をクリックします。
コンバージョン目標の項目がでてくるのでそのまま下にスクロールして「続行」をクリックします。
キャンペーンタイプで「検索」を選択し、「続行」をクリックします。
目標の達成方法とキャンペーン名を記入します。「ウェブサイトへのアクセス」を選択する場合はサイトのURLを入力し、「続行」をクリックしてください。
「Googleディスプレイネットワークを含める」のチェックを外します。
ドメインを入力します。(例:●●●●●.net ※https:// は不要)
配信対象地域と言語を選択します。
予算と単価設定を入力します。
広告表示オプションを設定し、「保存して次へ」をクリックします。
2.広告グループの設定
広告グループの種類を「動的広告」に設定し、サイト内のどのカテゴリもしくはページをターゲットに広告を配信するか、選択します。
ここでは「すべてのウェブページ」を選択しています。
3. 広告を作成する
説明文1と2を入力します。
動的検索広告の場合、広告見出しは自動的に生成されます。説明文はどの商材でも違和感のない内容にするのがベターです。
説明文を入力したら、「保存して次へ」をクリックします。
このあと「キャンペーンに進む」をクリックすれば完了です。
広告グループ作成後、配信開始までは最大24時間かかります。すぐに配信できないことを理解して配信のスケジュールを組むようにしましょう。
▼Google広告のアカウント開設から設定などはこちらの記事を参考にしてください
動的検索広告(DSA)が向いているサイトや業界
動的検索広告を利用するか通常の検索広告を配信するか、どのように判断したら良いのでしょうか。
ここでは、広告運用者が明確に判断できるように、動的検索広告が向いているサイトや業界を説明します。
大規模なECサイトやコーポレートサイト
ECサイトは一般的に多数の商品を扱っており、すべての商品に対して個別に検索広告を利用するのは非常に手間がかかります。動的検索広告は、URL ごとに自動的に広告を生成するため、膨大な数の商品をカバーできます。
ニュースサイトやメディアサイト
リアルタイムで膨大なコンテンツが更新されるサにイト手動で対応することは困難です。そのような場合も動的検索広告に向いています。
不動産・求人・旅行などのサイト
これらのサイトも、物件数、求人数、ホテルなどの情報を膨大な情報を扱っており、手動で広告配信をすることが難しいため動的検索広告での配信が向いています。
新しい商品やサービスが日々更新されるサイトでは、ユーザーが検索してくる「新しいキーワード」を常に管理することは困難です。
向いているサイトや業界をまとめると、大量の商品があったり、大量のコンテンツがあったりなど、手動でキーワードを管理することが難しいケースで活用することが推奨されます。
動的検索広告(DSA)に向いていないサイトや業界
では反対に、どのようなサイトや業界が動的検索広告に向いていないのでしょうか。
大きく分けると4パターンあるので、確認していきましょう。
単一の商品・サービスを扱うサイト
コンテンツ数が少ないサイトの場合、動的検索広告のメリットがありません。通常の検索広告の方が細かく広告の調整ができるので効果的です。
ローカル(地域密着)の狭い範囲のサイト
検索クエリが限定的で、小規模なサイトが多いため。
規制が厳しい業種や専門性の高い業界
動的検索広告は、広告の品質管理が難しいため、不適切な広告が表示されるリスクがあります。
具体的には、金融業界や医療業界などが規制の厳しい業界の代表例です。
コンバージョンを最重視するサイト
動的検索広告の運用は、コンバージョン率が手動運用に劣る可能性があります
(手動運用の場合、キーワードと広告文、遷移先を細かく調整できるから)
※ただしく上手く活用できると、動的検索広告の活用でCPAを3分の1に、CVRも2倍以上になった事例もあります
※ボイススクールを運営している企業様のご支援の事例になります
この事例で成果の改善に繋がった要因としては、
設定しているキーワードだけでは拾い切れていないキーワードまで拾うことができている点が大きいと考えております。
ブランドイメージを重要視する企業
動的検索広告は、意図しない広告が生成される可能性があります。ブランドイメージが重要な企業は運用工数が掛かるとしても、手動でキャンペーンを調整する方が良いでしょう。
高級ブランドや、信頼性を重要視するサービスサイトなどが該当します。
動的検索広告(DSA)で気をつけたいこと
動的検索広告の特性を理解する
動的検索広告はキーワードや広告文の生成が自動化されるため、そもそも指定したキーワード以外で広告を配信したくない、あらかじめ決まった広告文のみしか配信したくない等、こだわりの強い広告主には向きません。
自動化に委ねる以上、想定外のキーワードや広告文を配信する可能性があることは、あらかじめ理解しておく必要があります。
一方で、動的検索広告キャンペーンでも除外キーワードの設定は可能です。配信除外としたいキーワードは事前に設定しておきましょう。
Webサイトを頻繁に更新しない
システムがサイトのコンテンツを識別し、広告配信が最適化されるまでは、時間を要します。それはこれまでの自動化ソリューションと同様です。
実際に動的検索広告の広告グループを作成後、配信開始まで最大24時間かかるという事実から、24時間以内に頻繁に更新が行われるサイトでは、常に最適化を阻まれる、ということも考えられます。
サイトが最適化されていることが大前提
動的検索広告はサイトのコンテンツに基づいて広告の掲載対象を設定します。要はサイトコンテンツをシステムが自動判別して最適化するということになります。
サイトのページ上のコンテンツが画像メインでテキストが適切に読み込めない、コンテンツのテーマやカテゴリが理解できない構成になっている等、サイト自体に問題がある場合は、動的検索広告の効果を発揮できません。
その他、注意するべきポイント
適切な広告グループの設定
サイト全体に1つの広告グループを設定するのではなく、商品やサービス単位で分割することが重要。細かく分割することで、より関連性の高い広告を表示できる。
ネガティブキーワードの除外
無関係な検索クエリや、ネガティブキーワードに広告が表示されないように除外設定をしておきましょう。
URLの除外設定
遷移先URLについても、プライバシーポリシーなどコンテンツが乏しいページへの広告表示を避けるため、事前にURLを除外設定しましょう。
入札価格の適切な設定
動的検索広告のキャンペーンでは1つの入札価格を設定することが一般的です。キャンペーン全体の平均コンバージョン率を基準として入札価格を設定してみましょう。
手動の検索キャンペーンとの使い分け
動的検索広告と通常の検索キャンペーンを使い分けることも選択肢に入れておきましょう。重要なキーワードは手動のキャンペーンで細かくキーワード毎に適切な広告文を作成し、調整していくことも良いでしょう。
動的検索広告(DSA)のまとめ
この記事では、動的検索広告を使用することによって得られるメリットや成果についてお伝えしてきました。
■Googleが提供する検索広告の一種(Webサイトのコンテンツを自動解析し、ユーザーの検索クエリに関連する広告を表示する)
■メリットは、広告の効率化・新しい検索ニーズの発掘などが可能
■適したサイト・業界は、大規模EC、メディア、ニュースサイト、コーポレートサイトなど
■運用のポイントは、適切な広告グループ分け・ネガティブキーワードと除外URLの設定・手動キャンペーンとの使い分け
動的検索広告は意図しない広告が掲載される可能性があるため、ブランドイメージを大事にする企業からは敬遠されがちです。
一方で中小企業にとっては、ブランドイメージを大事にする大手企業と勝負することなく、広告成果を上げられる可能性があるとも言えます。
ぜひ動的検索広告にチャレンジして、他社に負けない成果を上げましょう。
Web広告運用を実施する中で、
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- 新しい媒体でまずはテスト的に開始したい
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