検索クエリは、ユーザーがGoogleなどの検索窓に入力した語句(単語、複合語、フレーズ)を指します。
じゃあ、キーワードって何?同じもの?と疑問に思う方がいらっしゃると思いますが、検索クエリとキーワードは全く別の意味を持ちます。
検索クエリとは何かを正しく理解し、キーワードとの違いを明確にすることで上手く活用していきましょう。
また、検索クエリ分析できるようになることで「検索ユーザーが求めているもの」も知ることができます。今回はそんな便利な検索クエリについて分かりやすく解説していきます。
目次
検索クエリとは
検索クエリとは、Google等でユーザーが検索したときに実際に使用した単語やその単語の組み合わせを示します。
ちなみにクエリとは「質問」という意味です。これは「検索広告に設定する広告文(タイトル)は、検索キーワード(質問)に対する答えになるようにする」という考え方から来ています。 キーワードに対して、広告で答えることを暗に示しています。
検索クエリとキーワードの違いとは
では「キーワード」は実際に検索する言葉ではないということ?と思っている方もいるのではないでしょうか?
キーワードは、広告運用者や代理店が管理画面上で狙いたいユーザーに向けて設定する語句です。 それに対して、ユーザーが情報を集めるために実際に検索した語句が検索クエリになります。
検索意図に応じた3つのクエリ
検索クエリには、ユーザーの意図に応じて3つのクエリがあります。
- Knowクエリ
- Doクエリ
- Goクエリ
Knowクエリ
Knowクエリとは、知りたい情報が決まっており、ユーザーが調べたい単語を直接入力するものです。
「〇〇 とは」「〇〇 意味」など意味が分からない単語があった場合検索することは多いのではないのでしょうか?
例としては「検索クエリとは」「リスティング広告 始め方」です。
Doクエリ
Doクエリは、特定のアクションを起こそうとしている場合に使用します。
例としては「Google広告 問い合わせ」「Yahoo!広告 ヘルプ」です。
Goクエリ
Goクエリは、特定のサイトや場所などに辿り着くことを目的にして検索されます。
Amazonなどのショッピングサイトや、イベントなどで実際に向かう場所を検索するときに使うものです。
例としては「デジタルアスリート」「東京ドーム」です。
検索クエリの確認方法
では、各管理画面で検索する方法について解説していきます。
Googleでは、検索クエリのことを「検索語句」と表示されます。
①管理画面上の「キーワード」をクリック →②下の「検索語句」をクリック→ ③期間中の検索語句が表示されます。
また、「腰痛 原因」というキーワードを設定した場合下記のように色々なキーワードが表示されます。
そのため、設定したキーワード通りの検索クエリが広告表示されるわけではありません。
Yahoo!
①管理画面の左タブにある「キーワード」をクリック→ ②次に下にある「検索クエリを表示」をクリック→ ③「選択したキーワード」か「全てのキーワード」を選べます
Google アナリティクス
Googleアナリティクスでは、Googleで検索された語句の中で広告とオーガニックそれぞれから流入した検索クエリを確認できます。
①画面左タブにある「レポート」→②「Search Console」→③「クエリ」の順でクリック
検索クエリは一部しか表示されない
Google広告やYahoo!広告は、ユーザープライバシー保護の観点から、検索クエリの表示が制限されています。
検索回数が少ないものについては、個人の特定に至りやすいため、非表示にされている可能性が高いです。
結果として、検索クエリでレポート抽出を行ったときに、表示回数や消化金額がキャンペーン単位でレポート抽出を行ったときに比べて少ない数値となるので注意しましょう。
検索クエリの分析は広告のパフォーマンス改善に役立つ
マッチタイプについて
検索クエリを分析する上で重要なことの一つとしてキーワードのマッチタイプがあります。
そもそもマッチタイプとは、広告の表示範囲を調整できる設定です。
リスティング広告を配信する場合、どの検索クエリに対して広告を表示するかを決めるためキーワードを登録します。そのときにマッチタイプを設定することで広告をどの範囲まで設定するかを決めることができます。
マッチタイプの種類は3種類です。
完全一致 | 登録したキーワードと完全に一致する場合に広告が配信されます |
フレーズ一致 | 登録したキーワードと同じ意味を持つ場合に広告が配信されます |
部分一致 | 登録したキーワードに関連性が高いと判断された場合に広告が配信されます |
適切なマッチタイプを選択することで、検索クエリに対してユーザーの意図通りに関連性が高い広告を表示できるので、積極的にマッチタイプを活用していきましょう。
設定したキーワードと検索クエリは異なる
設定したキーワードと検索クエリで検索される意図は必ずしも同じとは限りません。同じ検索クエリでも、ユーザーごとに知りたい・解決したい内容が異なる可能性があるからです。
例えば、「ダイエット 方法」でキーワード登録し、ユーザーが同じ語句を検索したとしても、
「ダイエット 方法 1ヶ月」「ダイエット 方法 10キロ痩せる」などさらに深い悩みを抱えている可能性が高いです。
そのためにも検索クエリで実際にユーザーが検索している語句を細かく見ていきましょう。
検索クエリから新しいニーズが分かる
検索クエリを見てみると思いもよらなかったニーズを発見したり、設定したキーワードよりさらに深い悩みを示した語句を発見出来る可能性があります。検索クエリから新しいニーズをキーワード登録、広告へ反映させることで広告効果の改善に繋がります。
リスティング広告での活用方法
ユーザーニーズを把握して広告に反映
検索クエリは、リスティング広告の分析で役立ちます。
例えば餃子専門店の例です。 今まで「餃子」で設定していたキーワードが拡大し「水餃子」や「餃子の皮」というキーワードで広告が出たとします。 そこで、キーワードを「餃子」から「水餃子」にすることでより多くのクリックを集められる可能性があります。
また、「餃子の皮」と検索を行うユーザーを考えた際に「餃子の皮へこだわりのあるユーザー」と仮定できるので、こだわりのあるユーザー向けの広告にすることでより反応を高められる可能性があります。 検索クエリのほうが、ユーザーがよく調べるキーワードが現れますので、言葉遣いやニュアンスなどの方が反応が伸びる傾向にあります。
除外設定
中には関係のないキーワードが紛れる可能性もあります。
例えば「整体院 腰痛」と設定したキーワードに対して「整体院 腰痛 経営」で検索されたときにも広告がクリックされているとします。 整体院営んでいて自分の治療院へ集客したい際に、「経営」を検索している人は果たして自社のお客様になりえるでしょうか。 恐らくは自身も治療院を運営したいと考えている方がクリックしていると想定できます。
このことから、「経営」というキーワードは不要という考え方ができるので、「経営」というキーワードを除外するという判断ができます。 地道な作業ですが、リスティング広告におけるキーワードは狙いたいユーザーに対して適切に広告を表記する事が狙いです。
特に配信開始から1~2週間は、このように関係の無いワードで検索される可能性が高いので、頻繁に検索クエリを見ておきましょう。
除外を細かくする意味
キーワード除外を細かく行うことで無駄なクリックを起こさないというメリットがあります。
特に運用の開始時点で他社競合名を除外して置くことが有効です。 検索クエリでは自社のビジネスに関連する競合名でクリックされている場合があります。
例えば、「ライバル名 腰痛」などです。 この場合、ライバル名だと思ってクリックされる可能性やそもそもサービスを利用する気が無いが興味本位でクリックされている可能性があります。
指名=サービス名でわざわざ検索している方は、そのサービスを利用する事がほぼ決まっている段階なので有力な競合などは積極的に除外し、無駄クリックを省きましょう。
中にはあえて、自社のビジネスに対しての競合名をキーワードとして設定をし、広告配信を行う場合もあります。 ですが、そもそも、他社の商品名や企業名で広告を行うのはブランディングの低下や信頼低下に繋がる可能性もあります。
また逆に自社が他社に自社商品名で広告を出される場合もありますので、その際には自社キーワードの除外をしてもらうように依頼しましょう。
訴求の発掘
求めているユーザーからクリックを集める方法として検索クエリは役立ちます。 「整体院 腰痛」と検索された際に、「腰痛」が「ぎっくり腰」や「ヘルニア」などにも拡張する場合があります。
例えば、「腰痛 ヘルニア」というキーワードで検索されコンバーションが発生した場合には、「ヘルニア」という症状の需要があると考えられます。 元々腰痛しか設定していないのに対して、ヘルニアに関連するキーワード、広告を追加する事で新たにコンバーションが発生するかもしれません。
また、クリックが多くコンバーションにつながらない場合は、需要はあるがLPが思っていたものと違ったという可能性も考えられます。 その際にはページの方も、検索クエリに合わせて「腰痛」の文言を「ヘルニア」へ作り変えるなどの工夫をする事で反応が得られる様になるかもしれません。
また訴求の発掘という意味では、化粧品などのあらゆる部分への効果が期待できる商品でも役立てる事ができます。 弊社の事例でも「目もと美容液」という訴求で目もとに潤いを与えると行った訴求で広告を配信していた際に、「しわ クリーム」といった検索クエリからコンバーションが発生している事がわかりました。
その際には、新規訴求で「しわ」や「しわクリーム」というキーワードで訴求を行い、配信をしていた所、元の訴求よりも取れたケースがあります。 この様に検索クエリ=ユーザーの需要と考えればいろいろな改善の方法を発見する事ができます。
検索クエリの分析
分析前に前提と知っておくこと
検索クエリを分析する前に知っておきたいこと2つについて解説します。
検索意図を把握しておくこと
X(Twitter)やInstagramといったSNSとは違い、流し見している人はおらず、何かしらの検索意図をもってユーザーは検索をしています。
例えば、「Google広告とは」であれば、Googleの意味を知りたい、「旅行 おすすめ」であれば、おすすめの旅行場所を知りたい、「20代 転職」であれば20代で転職を考えている可能性が高いなどが考えられます。検索された語句一つ一つに対してしっかりと検索意図を考えていきましょう。
検索回数=検索意図の数ではないということ
検索回数(検索ボリューム)が多ければ、検索意図も多いわけではありません。どんな検索クエリでも数え切れるほどの検索意図しかないのです。
例えば、「リスティング広告」というキーワードの場合
- リスティング広告の意味を知りたい
- リスティング広告の始め方を知りたい
- リスティング広告と他の広告との比較した情報を知りたい
- リスティング広告の相場を知りたい
など、そこまで検索意図が多いわけではないので、検索クエリを分析してユーザーの検索意図に応えられるように広告文を作成していきましょう。
検索エンジンで1位の記事を読む
Googleの検索欄に検索したい語句を打ち込んでみましょう。
検索結果1ページには、ユーザーの需要にあった情報が書いているサイトから順に表示されます。そのため、上位記事を見ることで検索ユーザーがどんなことを知りたがっているかを推測できます。
実際に検索した結果がこちら↓
「ダイエット方法」と調べたときに一番上に表示されるのが「ダイエットを手軽にできる方法」でした。
ということは、手軽にできるダイエット方法がユーザーに人気があると分かるので、さらに深掘ります。
手軽にできる方法は「食事、運動、それとも他の方法なのか」を調べます。このように検索意図を深掘りしていくことで検索クエリにおける検索意図を明らかにしていきます。
このように、上位記事の内容を読むことでユーザーニーズを逆算して読み解くことに役立ちます。
Yahoo!知恵袋で検索する
ユーザーの生の声を知りたいならYahoo!知恵袋で検索してみることをオススメします。検索クエリを打ち込むことで、関連する投稿を閲覧できます。
また、似たような言葉や同じ質問が多い場合は、ユーザーの検索ニーズが多く集まっていることになります。
右横に表示順序のカテゴリを選べるので「閲覧数の多い順」で検索をかけることでユーザーが抱えている悩みの多くを表示させることができます。
コンバージョンが発生したクエリは、広告文やLPに追加する
コンバージョンが発生した検索クエリが、「SEO 上位表示 方法」など複数の単語で構成されている場合は、ユーザーの検索意図が強いです。
この単語を広告文やLPに入れることでコンバージョン数が増える可能性があるのでぜひ検討しましょう。
メディアへの展開
検索クエリの利用方法として上級編があります。 それは、オウンドメディアの記事コンテンツやブログ執筆の際の参考にする事です。
例えば、「腰痛」というキーワードから「腰痛 原因」というキーワードが多くクリックされているようであれば、リスティングのキーワードとしては確度は薄いです。 なぜなら、「腰痛 原因」とは学術的な記事を目的とする場合や関連するニュースなどを読みたいユーザーが検索するキーワードになるからです。
その意味では、情報提供を行うキーワードとしては最適という判断ができます。 そのため、ブログなどでは「腰痛 原因」に関して深堀りをした記事を執筆しインターネットへ公開する事で、「腰痛 原因」を調べているユーザーと接触をする事が可能になります。
ブログを閲覧したユーザーが「なるほど!」と思えれば、信頼できるサービス(例で言うならば信頼できる整体院)という判断になるのでファン化させる事に繋がります。 そのため、ファン化したユーザーがお問い合わせに至ることや記事をSNSなどで拡散する事で広告外の施策に繋がる可能性になります。
まとめ
結論、検索クエリは正にリスティング広告を行うことで蓄積できるデータの財産です! 改善やテストなど複数の観点で進めることができますので、改善ポイントを見つけやすくなります。 ぜひ自社の検索クエリを確認して、分析してみてください。
デジタルアスリート株式会社
インハウス支援部 課長
2018年4月、デジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)へ入社
そこからリスティング広告運用者として2年従事し、 Facebook広告にも携わる。3年目からは御社のWebチームへ配属され、4年目現在はチームのマネージャーを担当。
趣味は映画鑑賞、Manchester Unitedの試合観戦です。好きな色は赤色です。
好きな映画は『バタフライ・エフェクト』です。 エンディングの『Stop Crying Your Heart Out』が流れる瞬間は映画史に残るエンディングだと思っています。
仕事に関しては、関わってくれた方々への恩返しをモットーに出し惜しみをしない仕事の提供を意識しています。
いつかは自分の得た知識を生かして、地元の活性化に尽力できる様に、何でも知識を吸収していきます。
座右の銘は『未来を見て点を結ぶことはできない。 過去を振り返って点を結ぶだけだ。 だから、いつかどうにかして点は結ばれると信じなければならない。 』
byスティーブ・ジョブス 隣人は静かに微笑む
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