X広告ターゲティング全14種の設定方法・選び方まで徹底解説

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松岡 和哉

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「種類が多くてどれを使えばいいか分からない」「どう組み合わせれば効果的なのか知りたい」といった悩みは、多くの広告運用者が抱える課題です。

本記事では、X広告で利用できる全ターゲティングの種類から、成果を最大化するための注意点までを網羅的に解説します。

目次

X広告(旧Twitter広告)のターゲティング設定の重要性

広告費の浪費を防ぎ、ROIを最大化する

広告運用において、予算をいかに効率良く使うかは最も重要です。ターゲティングをせずに配信すると、自社の製品やサービスに全く興味のない層にも広告が表示され、貴重な予算が「垂れ流し」の状態になってしまいます。

X広告の精緻なターゲティングは、この見込みのないユーザー層への広告表示を根本から断つための強力な武器です。配信対象を正確に絞り込むことで、予算の浪費を最小限に抑えた広告運用を実現し、投資収益率(ROI)を最大化します。

購買意欲がピークのユーザーを逃さず捉える

Xの最大の特徴は「今」の情報がリアルタイムで飛び交う点にあります。ユーザーが「新しいスニーカーが欲しい」とポストした、その購買意欲が最高潮に達した瞬間を、広告主は逃さず捉えることができます。

これは、単に広告を効率化するだけでなく、絶好のタイミングでアプローチできることを意味します。購買意欲の高いユーザーに「その瞬間」を狙って広告を届けることで、クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)を劇的に向上させ、優れた顧客獲得単価(CPA)を実現できるのです。

「人」を指定するターゲティング5種類

まずは基本となる、ユーザーの属性情報に基づいて「誰に」広告を配信するかを指定するターゲティングです。

①地域ターゲティング

ターゲティング画像①
※引用:X広告のターゲティング

【特徴】

国、都道府県、市区町村、さらには郵便番号単位で、広告を配信したい地域、または除外したい地域を指定できます。

店舗ビジネスのように商圏が限定される場合や、特定のエリアで開催するイベントの告知などに非常に有効です。

【設定方法】

広告管理画面の広告グループ単位にある「オーディエンスの特性」セクションに進み、「場所」の欄に配信または除外したい地名を入力して設定します。

ターゲティング画像②

②言語ターゲティング

ターゲティング画像③
※引用:X広告のターゲティング

【特徴】

ユーザーがX上で使用している言語に基づいて広告を配信できます。国内向けのキャンペーンで配信対象を日本語ユーザーに限定したり、インバウンド需要や海外展開で特定の言語圏を狙ったりする場合に不可欠な設定です。

【設定方法】

広告管理画面の広告グループ単位にある「オーディエンスの特性」セクションの、「言語」の欄で対象としたい言語を選択します。

ターゲティング画像④

③端末・プラットフォーム・Wi-Fiターゲティング

ターゲティング画像⑤
※引用:X広告のターゲティング

【特徴】

ユーザーが利用しているデバイス(iOS, Android, PC)、OSのバージョン、携帯キャリア、Wi-Fi接続の有無などを指定できます。例えば、アプリのインストール広告をiOSユーザーに限定して配信したり、動画広告をWi-Fi接続中のユーザーに絞って配信したりする際に効果的です。

【設定方法】

広告管理画面の広告グループ単位にある「端末」から、OS、デバイスモデル、携帯キャリアなどを設定します。

ターゲティング画像⑥

④年齢ターゲティング

ターゲティング画像⑦
※引用:X広告のターゲティング

【特徴】

ユーザーが登録した生年月日や、X上の行動から推測される年齢に基づいて、特定の年齢層に広告を配信できます。「18-24歳」「25-34歳」「50歳以上」など、幅広い区分で設定が可能です。若者向け商材や、シニア向けサービスなど、ターゲット年齢が明確な場合に必須の設定です。

【設定方法】

広告管理画面の広告グループ単位にある「オーディエンスの特性」セクションの、「年齢」の欄で対象としたい年齢を選択します。

ターゲティング画像⑧

⑤性別ターゲティング

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※引用:X広告のターゲティング

【特徴】

男性、女性、すべてのいずれかを指定して広告を配信します。化粧品やアパレルなど、ターゲットの性別が明確な商材で活用することで、広告効果を高めることができます。

【設定方法】

広告管理画面の広告グループ単位にある「オーディエンスの特性」セクションの、「性別」の欄で対象の性別を選択します。

ターゲティング画像⑩

配信先の「行動」を指定するターゲティング6種類

次に、ユーザーのX上での行動や興味関心に基づいて「どんなことに興味がある人に」配信するかを指定するターゲティングです。

①会話ターゲティング

ターゲティング画像⑪
※引用:X広告のターゲティング

【特徴】

特定のキーワードを含むポストや、それらのポストにエンゲージメント(いいね、リポストなど)したユーザーをターゲティングする機能です。例えば、「乾燥肌」というキーワードを設定すれば、肌の乾燥に悩んでいるユーザーや関連情報に興味があるユーザーに直接アプローチできます。

【設定方法】

広告管理画面の広告グループ単位にある「ターゲティング機能」セクションの、「会話トピック」から設定します。

ターゲティング画像⑫

②イベントターゲティング

ターゲティング画像⑬
※引用:X広告のターゲティング

【特徴】

季節のイベント(クリスマス、バレンタインなど)や大規模な音楽フェス、スポーツの試合など、特定のイベントに関心を示しているユーザーに広告を配信できます。関連商材のプロモーションに最適です。
注:現在、利用できるイベントは限定的になっています。

【設定方法】

手順①ads.x.comにある[キャンペーンを作成]ボタンをクリックし、開始する広告キャンペーンの目的を選びます
手順②:広告キャンペーン設定フォームが表示されます
手順③:広告キャンペーンの項目を入力します。ターゲティングに利用できるイベントは、[ターゲティング]タブの[オーディエンスの条件]の検索バーで検索できます。

③キーワードターゲティング

ターゲティング画⑭
※引用:X広告のターゲティング

【特徴】

ユーザーが検索したキーワード、またはポスト内で使用したキーワードに基づいてターゲティングします。ユーザーの「今、まさに知りたいこと」を捉えることができるため、非常に精度の高いアプローチが可能です。幅広い語句やハッシュタグを設定できます。

【設定方法】

広告管理画面の広告グループ単位にある「ターゲティング機能」セクションの、「キーワード」に入力します。

ターゲティング画像⑮

④映画とTV番組のターゲティング

ターゲティング画像⑯
※引用:X広告のターゲティング

【特徴】

特定の映画やテレビ番組についてポストしたり、エンゲージメントしたりしているユーザーをターゲティングできます。番組のスポンサーや、関連性の高い商材のプロモーションに活用できます。

【設定方法】

広告管理画面の広告グループ単位にある「ターゲティング機能」セクションの、「映画とTV番組」から設定します。

ターゲティング画像⑰

⑤興味関心ターゲティング

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※引用:X広告のターゲティング

【特徴】

Xが定義する25のカテゴリと350以上のサブカテゴリから、ユーザーの興味関心を選択してターゲティングします。「テクノロジー」「美容」「グルメ」など、幅広いジャンルから潜在顧客層にアプローチするのに適しています。

(作図でカテゴリの種類を入れる)

【設定方法】

広告管理画面の広告グループ単位にある「ターゲティング機能」セクションの「興味関心」を選び、関連するカテゴリを選択。

ターゲティング画像⑲

⑥フォロワーが似ているアカウントのターゲティング

ターゲティング画像⑳
※引用:X広告のターゲティング

【特徴】

特定のアカウント(競合他社のアカウントや、自社と親和性の高いインフルエンサーなど)を指定し、そのアカウントのフォロワーと似た興味関心や行動パターンを持つユーザーに広告を配信します。自社をまだ知らない潜在顧客層にアプローチする強力な手法です。

【設定方法】

広告管理画面の広告グループ単位にある「ターゲティング機能」セクションの「フォロワーが似ているアカウント」を選択し、ベンチマークとしたいアカウントのID(例:@google)を入力します。

ターゲティング画像㉒

特定のオーディエンス対象のターゲティング3種類

すでに自社と何らかの接点があるユーザーを対象とするターゲティングです。

①フォロワーターゲティング

ターゲティング画像㉓
※引用:X広告のターゲティング

【特徴】

自社のアカウントをすでにフォローしているユーザーに広告を配信します。新商品の案内や、フォロワー限定のキャンペーン告知など、既存ファンとの関係性を深めるために活用できます。

【設定方法】

広告管理画面の広告グループ単位にある「ターゲティング機能」セクションの「追加オプション」で、「(自身のアカウント名)のフォロワーもターゲティング」にチェックを入れます。

ターゲティング画像㉔

②カスタムオーディエンス

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※引用:X広告のターゲティング

【特徴】

自社が保有する顧客リスト(メールアドレスや電話番号)や、ウェブサイトを訪問したユーザー、アプリの利用者などのデータを使って、独自のオーディエンスリストを作成し、ターゲティングする機能です。一度購入した顧客へのアップセルや、カートに商品を入れたまま離脱したユーザーへのリマインド広告(リターゲティング)などに絶大な効果を発揮します。

【設定方法】

広告管理画面の広告グループ単位にある「オーディエンス」セクションの「カスタムオーディエンス」から、対象のリストを選択するか、新規作成を行います。

ターゲティング画像㉖

③エンゲージャーターゲティング

ターゲティング画像㉗
※引用:X広告のターゲティング

【特徴】

過去に自社のアカウントのポストや広告に対して、いいね、リポスト、返信などのエンゲージメントをしたことがあるユーザーに再度広告を配信する機能です。すでに自社に興味を持っている「熱量の高い」ユーザー層への再アプローチに効果的です。

【設定方法】

広告管理画面の広告グループ単位にある「ターゲティング機能」セクションの「追加オプション」で、「ポストの表示歴またはエンゲージメント歴があるユーザーをリターゲティング」を選択します。

ターゲティング画像㉘

成果が出やすくなるX広告のターゲティング設定のコツ

【推奨】デモグラのみ設定し、CRでターゲティング設定

こちらは、あえて詳細なターゲット設定はせず、X広告の優れたAIに「本当に成果につながる顧客は誰か」見つけてもらう戦略です。

この背景には、リアルタイムな「興味・関心」で繋がるXならではの特性があります。ユーザーの「〇〇が欲しい」「〇〇に困っている」といったポストや、日々の何気ないエンゲージメントから、AIが購買に近いユーザーを予測します。

このAIの発見能力を最大限に活かすため初動では年齢や地域といった最低限のデモグラ情報だけを設定し、あとは訴求の違うクリエイティブを3パターン以上用意してAIに委ねます。

AIが自動で最適な組み合わせを見つけ出し、人が予測できなかった層から大きな成果を上げてくれるのです。

ターゲティング設定画像①

【正攻法】関連KW・フォロワー類似を広めに取ったターゲティング設定

こちらは「このジャンルに興味がある人」という大まかな範囲をAIに指定し、その中から最も成果の高い顧客を効率的に”探してもらう”安定性の高い戦略です。

具体的には、商材や顧客の悩みに関するキーワードを30個以上、そして競合他社などの類似フォロワーアカウントを10個以上、それぞれ「広め」に設定します。

ここでのポイントは、AIが能力を発揮できるだけの十分な広さ(配信ボリューム)を確保してあげることです。

これにより、AIは質の高い候補の中から効率的に配信先を最適化できるため、機会損失を防ぎつつ、初心者でも着実に成果を出すことができます。

X広告(旧Twitter広告)のターゲティング設定での注意点

効果を最大化するためには、設定して終わりではなく、いくつかの点に注意して運用する必要があります。

①ターゲティングは絞りすぎない

繰り返しになりますが、X広告のターゲティングではオーディエンスを過度に絞り込まず、広めに設定することが成功の鍵です。

Xの機械学習が最適なユーザーを発見する余地を残すことで、機会損失を防ぎ、広告効果の最大化に繋がります。

オーディエンス種類 ボリューム目安
キーワード 30-100キーワード/キャンペーン(目安)
フォロワー(ハンドル) 50ハンドル/キャンペーン(目安)
興味関心 5興味関心/キャンペーン(目安)
イベント 3イベント/キャンペーン(目安)
会話トピック 3会話トピック/キャンペーン(目安)
カスタムオーディエンス 5万以上のユーザー(目安)

②日本へのターゲティングは特段理由がない場合は言語設定をしない

日本へのターゲティングは特段理由がない場合は地域設定のみで言語設定「日本語」は不要です。

理由としては、言語設定も指定すると「オーディエンスが約20%減少」するため、機会損失が起こる可能性があります。

■地域設定「日本」のみの場合
 5982.7万ー6612.5万
■言語設定「日本語」追加の場合
 4764.6万ー5166.7万

X広告(旧Twitter広告)の成功事例

事例①:CPAを維持したままコンバージョン数を2倍に増加させた「nosh」

健康的な食事を冷凍で届けるサブスクリプションサービス「nosh(ナッシュ)」は、新規顧客獲得の最大化を目的としてX広告を活用しました。

課題

顧客獲得単価(CPA)を目標値以内で維持しつつ、コンバージョン数をさらにスケールさせること。

実施したターゲティング戦略

同社は、特定の興味関心で固めるのではなく、幅広いオーディエンスに広告を配信し、Xの機械学習による最適化を最大限に活用するアプローチを取りました。

多様な動画クリエイティブをテストし、最も成果の高いパターンをアルゴリズムに発見させることで、効率的な配信を実現しました。

成果

この戦略の結果、CPAを目標値内に抑えながら、コンバージョン数を2倍に増加させるという素晴らしい成果を達成しました。

※参考:X Business Japan Success Stories | nosh

事例②:コンバージョン単価を12分の1に削減した法人向け宅配「ごちクル」

法人や団体向けに、お弁当やケータリングの宅配サービスを展開する「ごちクル」は、新規リード獲得を目的としてX広告の活用に踏み切りました。

課題

Web広告全般で、新規リード獲得におけるコンバージョン単価(CPL)の高さが課題となっていました。

実施したターゲティング戦略

「株主総会」「役員会議 弁当」といった、具体的なニーズが顕在化しているキーワードターゲティングを軸に設定。

さらに、企業の総務・秘書担当者などがフォローしていそうなアカウントを指定し、フォロワーが似ているアカウントのターゲティングを組み合わせることで、確度の高い見込み顧客層に的を絞ってアプローチしました。

成果

施策は見事に成功し、コンバージョン単価を従来の12分の1まで大幅に削減。費用対効果を劇的に改善し、新規リード獲得数を大きく伸ばしました。

※参考:X Business Japan Success Stories | ごちクル

まとめ

本記事では、X広告の多種多様なターゲティングについて、その特徴から目的別の選び方、注意点まで網羅的に解説しました。

X広告のターゲティングは複雑に見えるかもしれませんが、一つひとつを正しく理解し、あなたの案件の目的に合わせて戦略的に組み合わせることで、これまでの運用成果を飛躍的に向上させることが可能です。

まずは、あなたの商材のターゲット顧客が、X上でどのような行動をとっているかを想像することから始めてみてください。

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Writer

松岡 和哉 記事一覧

新卒で入社後、広告運用、LPの企画・制作、SNS運用まで幅広く経験してまいりました。

集客(広告)、成約(LP)、ファン化(SNS)と、施策を横断した多角的な視点を大切にし、お客様のビジネス成果を最大化するご提案を心がけています。

会社のX(旧Twitter)も担当しております。お気軽にフォローいただけますと幸いです。

@egao_inochi

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