YouTube広告のターゲティングの種類と使い方・活用方法について解説

  • 2019.3.5
  • 2024.4.30
  • 8,369 Views

YouTube広告におけるターゲティングは2種類あり、「人」に対して行う「オーディエンスターゲティング」と、「広告の配信場所」を指定する「コンテンツターゲティング」に分けられます。

昔は高額な予算を要することが一般的だった動画広告も従来のCM広告や紙媒体広告とは異なり、予算に制約がなく、広告主様に合わせた金額から始められるようになり、手軽に広告を配信することが可能になりました。

動画広告の需要が高まっている中、多くの広告主様が動画広告を活用していますが成果が見込めない動画広告のままでは意味がありません。

そこで本記事では、YouTube広告の成果を最大化するための様々なターゲティング手法や効果的な活用方法についてご紹介します。

YouTube広告のターゲティング方法

YouTube広告の配信はGoogle広告と同じ管理画面から行います。 よって、YouTube広告のターゲティング方法はGoogle広告に基づいたものになります。

Google広告を触ったことがある方はお気づきかと思いますが、YouTube広告のターゲティング方法は、ほぼディスプレイ広告と同じです。

YouTube広告について「詳しく理解できていない」「ターゲティング精度とかどうなの…?」という印象を持っている方もいるかもしれませんが、ディスプレイ広告と同じ基準で配信ができるので、ターゲティングの組み合わせなどを行えば見込みの高い配信は可能です。

YouTube広告には、大きく分けて「オーディエンスターゲティング」「コンテンツターゲティング」の2種類があります。

必要に応じてオーディエンスターゲティングとコンテンツターゲティングを併用するとより高い広告効果が期待できます。

※既に広告配信を行っているのに現状の結果に満足が行っていない場合は、誤ったターゲティングをしている可能性があります。
設定すべき箇所に対して過多や不足が起きていないかを確かめるために、ひとまず現在のターゲティング項目を改めて把握し、問題点を洗い出しましょう。

オーディエンスターゲティング

オーディエンスターゲティングは「人」に対して行うターゲティング手法です。

オーディエンスターゲティングを指定すると、広告の表示対象とするユーザーを指定できます。

オーディエンスとは、特定の興味や関心、意図、ユーザー属性を持つと Google が推定したユーザーのグループです。

オーディエンス
ターゲティングの種類
内容
ユーザー属性グループ広告を表示したいユーザー層の年齢や性別、子供の有無、世帯収入を指定。
詳しいユーザー属性大学生、住宅所有者、最近子供が生まれたユーザーなど、共通の特徴を持つユーザー層へさらにリーチ。
興味・関心【アフィニティセグメント】
すでに強い関心を持っているユーザーへ動画広告を表示し、ブランドの認知度を高めたり購入を促す。
【カスタムアフィニティセグメント】
テレビ広告のように広い範囲ではなく、ブランドに合わせてよりターゲットを絞ることができる。
※例)野球道具を販売している企業が「スポーツ好きな人」ではなく、「子供が野球をしている親」にリーチしたい場合などに利用できる。
【ライフイベント】
引越し、大学卒業、結婚などの人生の節目や、購入行動やブランドの好みが変わるときにアプローチ。
【購買意向の強いセグメント】
広告主様が提供するサービスや商品に似たものを探しているユーザーへアプローチ。
【カスタムセグメント】
最近Google 検索で使用した検索語句に基づいてユーザーへアプローチ。
データセグメントYouTubeチャンネルをGoogle広告アカウントとリンクさせ、接触履歴をもとにユーザーへリーチ。
広告主様のサイトやアプリと接触したことがあるユーザーへ広告を表示することも可能。
カスタマーマッチ既存の自社データを使用して、YouTube等を利用しているユーザーへリーチや再アプローチ。
類似セグメント

データセグメントまたはカスタマーマッチと似た特徴を持つ新規ユーザーをターゲティングし、最も成果の高いユーザーへより多くリーチ。

▼ 「興味・関心」とは

表示されたカテゴリからトピックを選択し、そのトピックに関心があるユーザーをターゲットに設定します。
そのユーザーが別のトピックに関連するページにアクセスしている時でも広告が表示できるようになります。

コンテンツターゲティング

コンテンツターゲティングは「広告の配信場所(表示場所)」を指定するターゲティング手法です。

特定のプレースメント、トピック、キーワード、デバイスを指定することでユーザーと強い繋がりのあるコンテンツやWebサイトに広告を表示できます。

コンテンツ
ターゲティングの種類
内容
プレースメントチャンネル、動画、アプリ、ウェブサイト、サイト内のプレースメントをターゲットに指定。
プレースメントには以下のような要素を指定できる。
・YouTubeチャンネル
・YouTube動画
・Googleディスプレイネットワーク上のウェブサイト
・Googleディスプレイネットワーク上のアプリ
トピックYouTubeとGoogleディスプレイネットワーク上の特定のトピックを動画広告のターゲットに指定。
選択したトピックに関連するさまざまな動画、チャンネル、ウェブサイトに広告を表示できる。
キーワードキーワード(単語やフレーズ)に基づいて、YouTubeの動画やチャンネル、Webサイトに動画広告を表示。
デバイス

PC、スマホなどデバイス別に広告配信場所を設定。

複数のコンテンツターゲティングを組み合わせることでより幅広いオーディエンスにリーチできます。
Google 広告のコンテンツターゲティング設定を管理するには、広告管理画面ページの左側のメニューより「コンテンツ」をクリックします。

注意点 「指定外の場所でも広告が表示される可能性がある。」

プレースメントでGoogleディスプレイネットワーク指定しても、YouTubeの掲載可能な場所に広告が掲載されることがあります。
また同様に、プレースメントでYouTubeを指定しても、Googleディスプレイネットワークの掲載可能な場所に広告が掲載されることもあります。

このように設定外の場所で自動的に広告が表示される可能性があります。

Web広告に関するお悩みは、
デジタルアスリートにぜひご相談ください。

これまで1800社を超える企業様をご支援の中で得られた知見を基に、経験豊富なコンサルタントが貴社の戦略設計からWeb広告の最適解をご提案いたします。

YouTube広告の効果を高めるターゲティングのポイント

YouTube広告の効果を高めるために、以下の項目は必ず実施するようにしましょう。

・配信目的を決める
・フリークエンシーキャップを1~3回に設定する
・リマーケティングを行う

・プレースメントの除外設定をする

それでは、一つずつ解説をしていきます。

配信目的を決める

まず初めにYouTube広告を配信する目的を明確にしましょう。
売上を目的にするのか、商品・サービスやブランドの認知拡大を目的とするのかによって、ターゲティングの方法が異なります。

目的は、主に「認知」「検討」「行動」の3段階に分けられており、各ステージに応じた手法を実施することが重要です。

YouTube ads_purpose

参照元:YouTube広告ガイドブック

「認知」を目的とする場合

まだ、自社の商品・サービスやブランドを知らないユーザーに対して認知度を高めたい場合は、次のようなオーディエンスターゲティングを活用しましょう。

・ユーザー属性グループ(詳しいユーザー属性)
・カスタムセグメント
・アフィニティセグメント

アフィニティセグメントでは、関連するトピックにすでに強い関心を持っているユーザーにアプローチをすることができます。必要に応じて、ユーザー属性と組み合わせることで効果を高められます。

また、カスタムセグメントでは、自分でURL・キーワードなどを入力して、自社商品やサービスと相性の良さそうなターゲットへアプローチをすることができます。

この認知の段階では、ターゲットを絞りすぎないようにすることがポイントです。

「検討」を目的とする場合

動画広告を見たユーザーが実際に商品・サービスについて検索をしたり、サイトに訪れたりと「比較検討対象」として認識をしてもらうために次のオーディエンスターゲティングを活用しましょう。

・購買意欲の強いセグメント
・ライフイベント
・カスタムセグメント

購買意欲の強いセグメントでは、自社の商品・サービスと類似したアイテムを熱心に調査し、購買意欲の高いユーザーに対してアプローチすることができます。

またライフイベントでは、人生の重要な節目である引越し、結婚などのライフイベントに際して、購買行動が変動する見込みのあるユーザーに対してアプローチすることが可能です。

例えば、家具を扱っているところであれば、引っ越しを選ぶことで、自社の家具が選択肢のなかに入る可能性が高まります。

この検討の段階では認知を目的とする時よりも、確度を上げたターゲティングをすることがポイントです。

「行動」を目的とする場合

動画広告を見たユーザーに商品・サービスを購入してもらうことや店舗に来店して貰えるように、次のオーディエンスを活用しましょう。

・データセグメント
・類似セグメント
・カスタマーマッチ
・カスタムセグメント

データセグメントにおいては、以前広告主の動画を閲覧したユーザーや、頻繁に自社のウェブサイトを訪れる関心度の高いユーザーに対して広告をターゲティングすることが可能です。

また、カスタマーマッチを利用することで既存顧客に対してリマーケティングを行うことができます。

効果的な動画広告をカスタマーマッチによって最適化すると、コンバージョン率が向上することも明らかになっています。

この動の段階では、類似ユーザーへのアプローチやリマーケティングなど、購入の可能性が高いユーザーを絞り込むことがポイントです。

フリークエンシーキャップを1~3回に設定する

フリークエンシーキャップとは、ユーザーごとに同じ広告が何度表示されるかを制限する項目です。

同じ動画広告が何度も繰り返し表示されると、ユーザーには否定的な印象を与えてしまう可能性が高まります。

また、動画自体も飽きられやすくなるためフリークエンシーキャップは1~3回に設定し、さらに定期的に動画を更新することをおすすめします。

リマーケティングを行う

自社のYouTube動画・チャンネルに訪れたことがあるユーザーに対して、広告配信をする設定をしましょう。

リマーケティングを設定することにより、詳細なターゲティング設定ができ、興味関心のあるユーザーに絞ってアプローチが可能です。また広告の無駄撃ちが減り、費用対効果も高まります

YouTube広告では以下の行動を行ったユーザーに広告を配信できます。

・チャンネルの動画を視聴
・特定の動画を視聴
・チャンネルの動画を(広告として)視聴
・特定の動画を(広告として)視聴
・チャンネル登録
・チャンネルホームページにアクセス
・チャンネルの動画を高く評価
・チャンネルの動画を再生リストに追加
・チャンネルの動画を共有

参照元:YouTube ユーザーにリーチを拡大する

プレースメントの除外設定を行う

プレースメントでは、特定のYouTubeチャンネルや動画などを指定し、広告を配信・除外することができます。

YouTubeには様々な動画があるため、中には自社ブランドのイメージダウンに繋がる動画に広告が配信されることがあります。

「このYouTubeチャンネル・動画には広告を配信させたくない」という場合は、除外設定を行ないましょう。

プレースメントの設定は、定期的に広告が配信された場所を確認し、自社ブランドにそぐわなかったり、コンバージョンに繋がらない動画に配信されている場合は、除外をしましょう。

YouTube広告の事例紹介

ここからは、YouTube広告を実際に運用して成果の上がった事例をいくつかご紹介します。

治療家向けのセミナーのリスト取り

こちらの案件では検索広告などで3,000円近くであったCPAを、YouTube広告で1,200円まで改善できました。

YouTubeで「○○セミナー」と検索すると、いろんなセミナー集客の動画が出てきます。 その大半はセミナーの内容の一部を動画にしたもので、多くの方がその動画で獲得が出来ているようです。

これなら既にセミナー集客をやっている方なら直ぐに実践できるのではないでしょうか。

ちなみにターゲティングは業種に対するアプローチを行ったのでアフィニティカテゴリーを採用し、スポーツ・フィットネスのカテゴリーに向けて配信を行いました。

また、その中にも小カテゴリーとして20個近くのカテゴリーがあるので、先ずは全部を選択して配信をし、成果の良い小カテゴリー3つにまで配信を絞り最適化しました。

美容液の物販

こちらのCVポイントは、美容液の定期購入です。

CVに費用が発生する場合、ユーザーも慎重になるので動画のクオリティが必要になってきます。
この時は美容液のプロモーション動画を使用してYouTube広告を配信しました。

結果としては、目標のCPA8,000円に対して、3,000円で獲得ができました。

こちらのターゲティングは購買意向の強いユーザーを採用しました。

物販の場合には対象商材の関連商品を買っている人に向けて、「この商品もいいですよ!」といったアプローチをしていくのが比較的獲得しやすい方法です。

美容液を買う人が他に買っていそうなものをカテゴリーから選択して、後は最適化をかけていく流れです。

具体的には「スパ、美容サービス」や「日焼け対策商品」などのカテゴリーで配信を行い最適化をしていきました。

YouTube広告 ターゲティングの注意点

ターゲティングをする際には、次の2点に気を付けましょう。

・出稿不可のコンテンツがある
・ターゲットを絞りすぎない

それでは、この2点について詳細を解説していきます。

① 出稿不可のコンテンツがある

Googleが広告として不適切と判断した動画は出稿できません。

下記が出稿不可のコンテンツです。

・危険または中傷的なコンテンツ
・露骨な性的コンテンツ
・報酬を伴う性的行為
・児童への性的虐待の画像
・国際結婚の斡旋
・ファミリーコンテンツに含まれる成人向けのテーマ
・衝撃的なコンテンツ(暴力的な言葉、残酷または嫌悪感を与えるようなものなど)
・デリケートな事象(社会、文化、政治に大きく影響する事象など)
・動物への残虐行為(動物への残虐行為や不当な暴力を助長するコンテンツなど)
・不正入手された政治的資料

参照元:Google広告ポリシーヘルプ 不適切なコンテンツ

広告出稿企業のイメージに悪影響を及ぼす可能性が高いため、事前に確認をして注意をしましょう。

② ターゲットを絞りすぎない

ターゲティングについては、最初は過度に絞り込まないように注意しましょう。

確かにYouTube広告においてターゲットを絞ったほう方が見込み顧客を獲得しやすいのは間違いないです。

しかし、あまりにも限定的なユーザーに焦点を当てると、顧客になり得るユーザーを見逃す可能性があります。

例えば、健康関連の商品で40〜50代の女性をターゲットにする場合、実際には30代の人々にも需要があるかもしれません。
しかし、ターゲティングを過度に絞り込むと、顧客になり得るユーザーに情報が届かないため、購買の機会を逃してしまう可能性があります。

そのため、最初は幅広い範囲で設定し、定期的に予算や成果などの状況に合わせてターゲットを見直すことが重要です。

まとめ

本記事では、YouTube広告のターゲティング方法や成果を最大化させるためのポイントとして以下を中心にご紹介しました。

・オーディエンスターゲティングは広告を表示させる「人」に対してのターゲティング手法。

・コンテンツターゲティングは広告を表示させる「場所」に対してのターゲティング手法。

・YouTube広告を配信するときは「認知」「検討」「行動」の3つの目的から考える。

・フリークエンシーキャップを設定する。

・リマーケティングを行う。

・プレースメントの除外設定を行う。

YouTube広告は、やみくもにやれば成果が上がるというものではありません。 他の広告と同様にテストから入って試行錯誤しながら改善することが必要です。

その第一歩として重要なのが、ターゲティングを使いこなす事です。
ターゲティング設定は獲得プロセスの一部ですが、そこが上手くできていないと後ろが総崩れになってしまいます。

YouTubeで広告を出稿したいという場合には、どのユーザーに対してどんな動画を配信して目的を果たしていくのかを明確にして、テストを実施していきましょう。

さらにYouTube広告について知りたい方はこちらから↓ 

カテゴリー別記事

YouTube広告

少ない広告費でテレビ並みに露出できる

YouTube運用の基本から最新の広告ノウハウまで公開

無料資料ダウンロード

 

勝てるメッセージとシナリオで成果を出し続ける
「YouTube広告運用マスターガイド」

YouTubeで企業チャンネルが成功するために実践した施策を公開します。

資料ダウンロード

 

1,800社以上の支援実績に裏づけされた
『LPO大全』(実行手順シートつき)

1,800社を支援する中で気づいた『LPO』の重要性と正しい手順・ノウハウを公開します。

資料ダウンロード

 

YouTube動画マーケティングがわかる
企業チャンネル最新攻略法

YouTubeで企業チャンネルが成功するために実践した施策を公開します。

資料ダウンロード

MAIL MAGAZINE

               

最新のマーケティング情報をお届け。デジタルアスリートのメルマガでしか手に入らない情報を受け取りましょう。

清水 雄飛

デジタルアスリート株式会社
ウェビナーマーケティング部 課長
Google広告 Gold Product Expert
2018年 デジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に新卒入社。Google、Facebook、LINEなど計20種以上の広告媒体で広告運用に従事。
デジタルアスリート随一の分析マニア。 現在はYouTubeに専門特化部隊として動画マーケティングの研究を実施。
DRMの考え方をベースにYou Tubeの攻略を進めており、担当する案件では他の広告媒体の数値を大きく超える成果をYou Tubeで量産している。
不安・不満などを抱えている方に、素晴らしい商品・サービスを届け、より多くの方に幸せにする事を信条として、広告のプランニング・制作・運用を行っている。
座右の銘は「利他の心」。

記事一覧を見る