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チャットボットとは、ユーザーとの会話を通じて質問に自動的に返答するプログラムです。
チャットボットには、種類があり仕組みが違うことを知っている人は少ないのではないでしょうか。
チャットボットを導入すると、マーケティング業務におけるリサーチの時間短縮や、お問い合わせ業務の効率化など、たくさんのメリットがあります。
弊社でも、チャットボットを導入してSNSの数値改善や業務の効率化を図った事例があります。
本記事では、チャットボットの種類とその仕組みに加えて、マーケティングや通常業務での応用についても詳しく解説します。
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目次
チャットボットとは
チャットボット(Chatbot)とは、チャット(Chat)とロボット(Robot)を組み合わせた言葉で、ユーザーと会話を通じて質問に回答するプログラムのことです。
チャットには、インターネットを利用したリアルタイムコミュニケーションという意味があり、SlackやChatworkが代表例です。
ロボットは、一定のタスクや処理を人間に代わって自動化するプログラムのことを指します。
チャットボットは、1960年代に、アメリカのコンピューター科学者であるジョセフ・ワイゼンバウム(Joseph Weizenbaum)が開発したELIZAが源流だとされています。
当時のチャットボットは回答が限定的で、ビジネスに広く普及することはありませんでした。
しかし、2000年代になるとハードウェアとソフトウェアが進化し、チャットボットがビジネスやアプリケーションで広く使われるようになりました。
チャットボットで馴染みのあるものといえば、企業や飲食店などの公式LINEです。
公式LINEに「営業時間は?」と質問すると「〇〇時~〇〇時までです!」という返信が返ってきます。
つまり、ユーザーの質問に対して人間が事前に学習させた情報を基に、自動で回答するシステムをチャットボットといいます。
チャットボットは今まで人間にしかできなかった作業や処理を代行できるため、企業の業務効率を高める効果が期待されています。
チャットボットのメリット
ここではチャットボットを導入することで得られるメリットを5つご紹介していきます。
問い合わせ業務の効率化とコストカット
チャットボットを導入することで、社員の負担になっていた問い合わせ業務を自動化でき、その時間や費用をカットできます。
たとえば、時給2,500円で1日3時間問い合わせをするバイトを雇っている会社だと考えます。
1年間で240日勤務しているとすると、費やしている時間は720時間(240日×3時間)となり180万円(720時間×2,500円)も、問い合わせ業務に割いていることになります。
しかし、チャットボットを導入すれば問い合わせ対応に費やしていた費用がカットできます。
そのほかにも、チャットボットは多くの場面で活用できます。
・年中無休でユーザー対応できる
リアルタイムな回答でユーザー満足度が向上し、売上に直結しやすくなります。
・同時に多数の問い合わせに対応できる
ユーザーの待ち時間が少なくなり、ユーザー満足度が向上します。
・回答のクオリティに差が出ない
人的原因による回答の差で、ユーザーへの悪印象やクレームの発生を未然に防止します。
・問い合わせ数の増加
ユーザーが連絡先などを入力する際の項目や工数が減り、問い合わせフォームよりも格段に問い合わせしやすくなります。
チャットボットによりお問い合わせ業務が効率化され、売上向上や人件費削減にも繋がっていきます。
会話データの蓄積
チャットボットを使用すれば、膨大な会話データを蓄積できます。
ユーザーの質問はすべてリアルタイムで保存されているため、いつでも振り返りができます。
会話データの蓄積ができることで、通常の問い合わせでは気付けない、普段気付けないユーザーの隠されたニーズを発見することにも繋がります。
業務の属人化防止
チャットボットを導入することで、特定の社員だけに問い合わせ業務が集中することを防げます。
問い合わせ業務でよく起こりがちなことが、業務の属人化です。
知識のある社員しか答えられないような質問をされると、当然ながら回答できる者は限られてしまい、業務量が極端に偏ってしまう可能性があります。
それもチャットボットを導入すれば、質問に対して自動で答えてくれて、誰かに業務が集中することを防いでくれます。
事前準備の効率化
チャットボットを導入することで、学習や企業分析などのマーケティング施策を行う前の事前準備を効率良く行えます。
RAG型チャットボットによるもので、企業の情報(HPやLP)などを学習させることで、質問すれば回答してくれるプログラムを作成できます。
RAG型チャットボットについては後ほど詳しく説明していますが、事前に学習したデータを基に回答を生成するものです。
人間が調べるよりも速く正確な情報を提供してくれるので、事前準備の効率が上がります。
ユーザーとのエンゲージメント向上
エンゲージメントとは、親密度と言い換えられることもありますが、ユーザーとの関係値のことです。
エンゲージメントが高まると、ユーザーのファン化が進み、売上にも繋がりやすくなります。
リアルタイムでコミュニケーションを取れるチャットボットは、ユーザーと企業の接点を増やします。
また即レスで正確な情報を提供できるため、信頼感や安心感に繋がり、よりユーザーとの距離が近くなります。
チャットボットが、企業とユーザーのエンゲージメントを向上させる一助になっていることは確かです。
チャットボットのデメリット
チャットボットには先程ご紹介したメリットだけではなくデメリットもあります。
ここではチャットボットを導入するうえでのデメリットを3つご紹介していきます。
導入費用がかかる
人工知能(AI)搭載型か非搭載型か、また提供する会社によって費用は大きく変わりますが、非搭載型は0~5万円程度、人工知能搭載型であれば100万円程かかるものもあります。
チャットボットでさまざまな費用を削減できますが、導入で費用がかかるので注意が必要です。
本当にチャットボットが必要なのか、また必要でない機能は何かをしっかりと把握して選択しましょう。
導入と運用に手間がかかる
初期設定で、AI型であれば学習データや膨大な情報を学習させる必要があり、非搭載型でも詳しいシナリオやルールを設定しなければなりません。
また運用段階でも、チャットボット自体のメンテナンスや、新しい回答の設定などにかなりの手間がかかります。
時間や手間といった、目に見えないコストもかかることがデメリットの一つです。
複雑な質問に弱い
チャットボットは、複数の質問に対して一気に回答できないことが多いです。
たとえばサブスクに対する質問をユーザーがするときに、「料金と契約期間について知りたい」と聞かれた場合、回答を設定していなければ料金についてしか答えられません。
予測している質問であり、回答を作成できているのであれば問題ありません。
しかし作成できていない場合は、ユーザーが何度も同じ質問をするのは面倒だと感じ、満足度の低下につながってしまう可能性もあります。
できるだけ多くの回答を作成し、答えられなかった場合は随時追加していく必要があります。
チャットボットの種類と仕組み
チャットボットに種類があり、それぞれ仕組みが違うということはご存知でしょうか。
大きく分けてチャットボットの種類はルールベース(シナリオ)型とAI(機械学習)型に分けられます。
ルールベース型
ルールベース型は、あらかじめ決められたシナリオ(順序)を辿って回答を選ぶ単純なシステムなため、比較的安価で導入可能です。
AI型
AI型は、学習機能を持っているためユーザーからの質問の意図を理解し、適切な回答を生成できる柔軟性がありますが、その分導入に費用がかかります。
ここではチャットボットの種類とその仕組みについて詳しく解説していきます。
ログ型(ルールベース型)
ログ型チャットボットは、ユーザーとの蓄積した会話データを基にして質問に対する最適な回答を自動返答していくシステムです。
特徴は、使用頻度が高ければ高いほど会話データが蓄積されて答えられる質問が増えていくという点です。
同じような質問が多いと、類似する質問に対する回答から適切なものを見つけ出すことができます。
逆に使用頻度が低いものだと、精度がなかなか上がっていかないということにもなります。
後に紹介するAI型と似たシステムですが、明確な違いはログ型チャットボットはあくまで登録されているものから回答を出します。
ログ型チャットボットはカスタマーサポートに使われることが多く、不具合などの問い合わせには過去の問い合わせから類似のものを見つけ出し回答できます。
選択肢型(ルールベース型)
選択肢型チャットボットは、提示された選択肢の中からユーザーが選択していき答えにたどり着くものです。
特徴は、事前に設定された質問にのみ回答するので、間違った答えが出ないという点です。
また従来のチャットボットとは異なり、ユーザーが文字を打ち込む必要がないため、比較的質問のハードルが低いのも特徴です。
たとえば、飲食店でネット予約をする際、「日にち→人数→時間→コース→名前」のように回答の流れが決まっている場合に最適です。
予約が「20名以上・子ども連れ」のように複雑な場合は対応できないこともありますが、「15名以上は団体席・子どもは〇〇円」のような正確なシナリオが用意できていれば問題ありません。
辞書型(ルールベース型)
辞書型(ハッシュ型)チャットボットは、単語とそれに対する回答を事前に登録しておき、そのデータの範囲内で答えを提示します。
例を挙げると、「入館料」という単語に対して「小学生以下〇〇〇円、中学生以上〇〇〇円」という回答ができます。
辞書型チャットボットは、定型的な質問に対して迅速に回答できるため、自動応答のFAQやカスタマーサポートでよく使われます。
特徴は、単純なシステムのため導入が比較的安価で行える点です。
逆に、登録していない単語には回答できないので、定期的に追加更新を行わなければなりません。
ELIZA型(ルールベース型)
ELIZA型チャットボットは、事前に登録されたキーワードやフレーズに対して回答する対話型ボットになります。
チャットボットの源流といわれているELIZAのようなもので、精神科医との対話を模倣したDOCTORというスクリプトを基に動作しています。
たとえば、DOCTORは「嬉しい」とチャットが来たら「どうして嬉しいの?」と回答をします。
この回答の形からもわかるように、ELIZA型チャットボットはただ質問に答えるのではなく、ユーザーの感情を引き出して対話を進めることが目的です。
ユーザーの言葉をそのまま繰り返したり、質問に被せて質問を投げかけたりするので、言語に対して実際の理解はありません。
機械学習型(AI型)
機械学習型チャットボットは、高度な自然言語処理能力(NLP)を駆使し、ユーザーの言語を理解し生成するものです。
特徴は、難しい質問をされても蓄積されたデータを基に、ニーズを把握し適切な回答を導き出す点です。
また機械学習型チャットボットは、ユーザーからの言語を理解できるため、使用者からの具体的な意見により大きな改善が見込めます。
たとえば「回答をもっと具体的にして」「もっと簡単に話して」などの意見があると、次の質問からそれに沿った回答になりやすいです。
そしてAI型は自然言語処理能力を駆使して、新しい答えを生成できます。
ユーザーの質問の意味を詳しく理解し、過去のものから適切な回答を生成するため、幅広く質問に答えられます。
RAG型(AI型)
RAG(Retrieval-Augmented Generation)型チャットボットは、事前に学習させた検索対象となるデータベースから情報検索を行い、その結果を基に文章を生成して回答する仕組みです。
たとえば、RAG型チャットボットにおもちゃの説明書を学習させたとします。
おもちゃの使い方がわからないときに、「〇〇の使い方を教えて」と尋ねると即座に回答を出してくれます。
またRAG型チャットボットは、リアルタイムで外部からのデータも取得しているため、常に新しい情報を提供できるのも大きな特徴です。
ハイブリッド型
ハイブリッド型チャットボットは、ルールベース型とAI型を組み合わせた両方の特徴を持ちます。
簡単な質問には決められた事前に用意していた回答をし、予測できていなかった難しいものに関してはその場で学習し、過去のデータから適切な答えを導き出します。
具体的な例を挙げると、カスタマーサポートでのお問い合わせで「入場料は?」には答えられるが「入場料とアトラクションと食事の値段は?」という複雑な質問が来た場合は有人チャットに切り替えられます。
AI対応と有人対応を切り替えられるのがハイブリッド型チャットボットの大きな特徴です。
ユーザーの質問によって対応を変えることは、問い合わせにおいてユーザー満足度を上げる要素となります。
自社での導入事例
デジタルアスリートでは、チャットボットを導入して業務の効率化や、SNSマーケティングにて大きな成果を上げた事例があります。
ここでは、自社でチャットボットを導入した事例をご紹介します。
「Notebook LM」で業務効率化
私たちデジタルアスリートでも、業務効率化を図るために「Notebook LM」というチャットボットを使用しています。
「Notebook LM」とはGoogleの提供する、事前にアップロードした資料や情報を基に回答を作成するチャットボットツールです。
GoogleドキュメントやPDFなどさまざまな情報を学習することができ、Notebook LMに質問をすれば学習した情報の中から回答を出してくれます
自社のマニュアルを学習させ、膨大な量のマニュアルの中から求めている情報をピンポイントで探せるようになりました。
以前は膨大な量のマニュアルから「経費の事前申請」を探すとなると時間がかかっていました。
しかしチャットボットに聞けば、マニュアルを瞬時に探し出し、設定をすれば申請の注意点も回答と同時に出してくれます。
それにより、マニュアルを探す時間が短縮され、その時間を業務に使うことができるようになりました。
広告×iステップで数値を大きく改善
弊社では「ありゆか」という名前で、Instagram運用を行っています。
そこでチャットボットの導入をしたところ、驚くほどの成果が出ました。
まず、「iステップ」というInstagramの投稿に対するコメントやDMに、自動返信するチャットボットを導入します。
そして、Instagramの広告機能でリール動画をより多くのユーザーに届くようにしました。
そのリール動画内で、「〇〇とコメントで〇〇をプレゼント」のようにコメントを促しました。
そうすると、多くのユーザーが特典を受け取り、リール動画のみならずプロフィールから別の投稿も閲覧するようになったのです。
リール動画に対するコメントのみならず、プレゼント後のDMでファン化を促し、エンゲージメントを向上させた結果です。
この施策を打ったところ、上記画像にもある通り月間リーチ数2,740倍・プロフアクセス数108倍・新規フォロワー175倍という成果が出ました。
こちらが広告×チャットボットの施策で成果を出した一例になります。
チャットボットという即自動返信で、特典を配布できるものがなければ、できなかった施策です。
まとめ
チャットボットは導入することで業務効率が上がったり、マーケティングにおいてエンゲージメント向上の一助となったりとたくさんのメリットがあります。
しかし、導入時のコストだけでなく、運用していく人的コストもかかってくるなど、費用面でのデメリットもあります。
もし、チャットボットを導入してみたいと考えているのであれば、より合ったものを選ぶために、本当に費用対効果は合うのかという点を意識して選択していきましょう。
Webマーケティングの成功確率を高めるには…
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