Google広告「最適化案」を鵜呑みにしてはダメな理由【2022年最新版】

  • 2022.9.21
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Google 広告を利用していると度々目にする”最適化案”の文字。

“最適化”と書いてあると「なんか成果良くなりそう。」と感じる方も多いと思います。

“最適化案”はGoogle 広告の管理画面で確認できますが、この”最適化”という言葉を鵜呑みにすると損をしてしまう事も度々あります。

でも一方で、”最適化案”の中には、本当に成果の改善に繋がるものも含まれています。

今回はそんなGoogle 広告の最適化案について、確認方法や活用方法・注意点についてご紹介します。

最適化案とは?

最適化案とは、Google 広告のパフォーマンス改善をサポートするためのものです。

実際に最適化案を見てみると、様々な種類のものがありますが、どの最適化案も、キャンペーンの目的を改善できるようにカスタマイズされた改善案が表示されています。
新しい関連機能を紹介するほか、入札単価、キーワード、広告を改善して予算を効率的に活用する方法が”最適化案”として表示されています。

最適化スコアとは?

最適化案を開くと”最適化案”のすぐ下に%表記の数字があります。これが最適化スコアです。

この数値は、該当のアカウントやキャンペーンの設定が、どれくらい「Google 広告にとって最適化とされる設定になっているか」を示す値です、

0%から100%で表示され、100%の時が最も「Google 広告のパフォーマンスを最大化できる状態」となります。

また下記の図のように、どの最適化案を適応することで、どれだけ最適化スコアが改善されるのかが確認できるので、どの設定がパフォーマンスを最大化する上でボトルネックとなっているのかが、ひと目でわかります。

最適化スコアの推奨スコア

最適化スコアは何%以上を目指しましょうという指標などはありません。

ご紹介したアカウントの事例だと、75.6%となっていますが、このスコアが高いのか低いのかという基準も特に定められていないので、
ご自身でこれくらいのスコアを維持しようという基準を決めることを推奨します。

「そんな事言われても、何を基準にすれば良いのか全然分からない…。」という方は、70%を一旦の基準とすることを推奨します。

70%という数値は、「Google 広告 PremiumPartner」に選出されるための指標としてGoogleが公表しているものなので、ある程度の参考になるスコアだと思います。
※弊社でもスコア70%は下回らないように、最適化案のチェックを行っています。

最適化案を確認し、適応した方が良いと思うものは適応を実施して、最適化スコアを上げていくことをおすすめします。

最適化案は非表示にすることも可能

この最適化案は適応したくないな…。と思うものがあったら「すべて非表示にする」を選択しましょう。
※1つしか最適化案が表示されて無くても「すべて」と表示されます。

運用広告には費用対効果がつきものです。

Google 広告が提示する最適化案は、必ずしもビジネスにとって最適という訳では無いので、
その点は注意を払って最適化案を見ることを推奨します。

最適化案活用のメリット

最適化案を活用していて良かったなと感じるポイントをまとめると下記になります。

・アカウントの改善ポイントがパッと見で分かる。
・費用対効果を悪化させる要因に気がつける。
・短時間で改善幅の大きいアクションを実行できる。

最適化案は、アカウント取得している「統計情報、設定、アカウントとキャンペーンのステータス、利用可能な最適化案の効果、最近の最適化履歴」に基づいてリアルタイムに算出されます。
なので、定期的に最適化案をチェックしていると、最適化案を見るだけで今このアカウントで何が起きているのかが分かるようになってきます。
今のアカウントの改善点を俯瞰するにはとても便利なものになっています。

また、最適化案では「入札戦略を変更することでCPAは同じでこれくらいCVを増やせる」「CVに繋がらない検索語句が増えてきているので除外しましょう」というような、すぐにでも取り入れたいようなものも表示されます。
これらを、適応ボタンを押すだけで設定変更できるので、短時間でパフォーマンスを改善するにはとてもおすすめです。

最適化案に表示される種類

まずはじめに、広告アカウントに表示される最適化案は、そのアカウントの状況に合わせてカスタマイズされた内容が表示されます。

そのため、これから紹介する全ての種類の最適化案が表示されるわけではありません。
また、配信して間もないアカウントなどでは、アカウントの情報が不足しており、最適化案が何も表示されないこともあります。

その上で、どのような内容が最適化案として表示される可能性があるのかをご確認ください。
※量が多いので「普段見ていない項目あるかな?」という視点で読んでみてください。

広告と広告表示オプション

「広告と広告表示オプション」に関する最適化案は、広告の調整や新しい広告の作成、成果の高い広告の絞り込みなどに付いての内容が表示されます。
傾向としては、広告のCTRの向上に繋がるような内容がおすすめされる事が多いです。
▼最適化案の種類

・レスポンシブ検索広告にアセットを追加する
・広告に電話番号表示オプションを追加する
・広告にコールアウトを追加する
・サイトリンクに説明を追加する
・動的画像表示オプションを追加する
・広告に画像表示オプションを追加する
・動画に商品を追加する
・ファインド広告を改善する
・リードフォーム表示オプションを広告に追加する
・広告に価格表示オプションを追加する
・レスポンシブディスプレイ広告を追加する
・レスポンシブ検索広告を追加する
・広告にサイトリンク表示オプションを追加する
・広告に構造化スニペット表示オプションを追加する
・動画広告を追加する
・広告に住所表示オプションを追加する
・「後日店舗受取可」機能を導入する
・自動作成アセットを有効にする
・不承認となったファインドキャンペーンのアセットを修正する
・アプリ広告の有効性を改善する
・レスポンシブディスプレイ広告を改善する
・レスポンシブ検索広告を改善する
・広告のローテーションを最適化する

自動化されたキャンペーン

「自動化されたキャンペーン」の最適化案では、キャンペーンの管理をシンプルにするための内容がおすすめされます。
現時点では表示される内容は1つのみで、自動入札、ターゲティング、広告作成の成果を最大限高める配信P-MAXに関する情報が表示されます。
▼最適化案の種類

P-MAXキャンペーンを作成する
このキャンペーンタイプを使用するとコンバージョンに至るユーザーを、Googleの利用可能な広告枠全体で増やしながら、目標に対する最善の結果を得るのに役立つため。

入札単価と予算

「入札単価と予算」に関する最適化案では、目標に応じた最適な入札戦略の案内や、予算制限の発生を知らせてくれます。
また計測関連の情報に関してもこの最適化案として表示がされます。
▼最適化案の種類

・来店をコンバージョンに追加する
・予算を調整する
・目標コンバージョン単価を調整する
・広告費用対効果の目標値を調整する
・「クリック数の最大化」を使って広告費用対効果を高める
・「コンバージョン数の最大化」を使って、広告費用対効果を改善する
・「コンバージョン値の最大化」を使って広告費用対効果を高める
・「目標コンバージョン単価」を使って広告費用対効果を高める
・「目標インプレッションシェア」を使って広告費用対効果を高める
・「目標広告費用対効果」を使って広告費用対効果を高める
・グローバルサイトタグの問題を解消する
・「アカウント単位の目標」にFirebaseアプリコンバージョンアクションを含める
・未使用の予算を振り替える
・新規顧客を重視して最適化する
・予算を引き上げる
・今後のトラフィック増加に備えて予算を引き上げる
・入札戦略の目標を設定する
・目標コンバージョン単価を設定する
・今後のトラフィック増加に対応できるように目標コンバージョン単価を設定する
・今後のトラフィック増加に対応できるように目標広告費用対効果を設定する
・Googleアナリティクス4プロパティを設定する
・コンバージョン損失に対応するため同意モードを導入する
・コンバージョントラッキングを設定する
・拡張コンバージョンを設定する
・アプリ内コンバージョントラッキングを設定する
・グローバルサイトタグを設定する
・データドリブンアトリビューションでコンバージョントラッキングをアップグレードする

キーワードとターゲット設定

「キーワードとターゲット設定」に関する最適化案では、商品やサービス関心を持つ可能性があるキーワードやオーディエンスのおすすめや、逆に効果の低いキーワードの削除などがおすすめされます。
▼最適化案の種類

・オーディエンスを追加する
・新しいキーワードを追加する
・カスタムオーディエンスを作成する
・動的検索広告を作成する
・Google検索パートナーを使ってリーチを拡大する
・Google動画パートナーを使ってリーチを拡大する
・新しいオーディエンスにアプローチする
・カスタマーマッチリストを更新する
・競合する除外キーワードを削除する
・広告配信に使われていないキーワードを削除する
・重複するキーワードを削除する
・オーディエンスソースを設定する
・要件を満たしているショッピングの全商品をターゲットに含める
・顧客リストをアップロードする
・カスタマーマッチリストをアップロードする
・既存のキーワードを部分一致にアップグレードする
・ディスプレイネットワーク対応を使用する
・最適化されたターゲティングを使用する

問題の修正

「問題の修正」に関する最適化案は、名前の通り、アカウントで発生している問題の通知を修正案をおすすめしてくれます。
アカウント全体の健全性と掲載結果を改善するのに役立ちます。
▼最適化案の種類

・各広告グループに広告を追加する
・各広告グループにキーワードを追加する
・ショッピングキャンペーンに商品を追加する
・認定に関する問題を修正する
・不承認となったファインドキャンペーンのアセットを修正する
・ショッピングキャンペーン内の不承認となった商品を修正する
・低い目標コンバージョン単価を修正する
・一時停止中のMerchantCenterアカウントを修正する
・ディープリンクの不適切な設定を修正する
・重複するアプリキャンペーンを修正する
・広告のリンク先の問題を解消する
・広告文の問題を解消する
・オーディエンスターゲティングを修正する
・コンバージョン率の減少が報告されたコンバージョンアクションを修正する
・コンバージョントラッキングの問題を修正する
・コンバージョントラッキングタグの問題を解消する
・MerchantCenterアカウントの一時停止を回避する

最適化案の種類はとても多く全て覚えようとするととても大変です。
ですが一方でパフォーマンスを最大化するには必要なことであることも分かると思います。

これらをアカウント状況を見て、自動で最適化案として表示してくれていると考えると、この機能はかなり便利なものだと言うことがわかります。

最適化案の注意点

冒頭でもお伝えしましたが、この最適化案は「Google 広告」の機能を最大限活かすために最適な案内をしてくれる機能です。

ですが、それが必ずしも自分のビジネスにマッチしているとは限りません。

例えば、キーワードの追加が最適化案にでてきた時に、
関連性はあるものの、CVRの見込みが薄いと想定されるキーワードが最適化案として表示される事があります。
これを適応すると、表示回数やクリック数は増加が見込めますが、CPAで見ると自身のビシネスでは許容できない数値になることもあります。

ですので、最適化案が表示されたとしても、必ず自分のビジネスにとって、この最適化案は適応するべきなのか?を考えた上で適応をすること。
そして、自分のビジネスにはマッチしないなと思った場合には非表示にすることをおすすめします。

まとめ

今回はGoogle 広告の最適化案・最適化スコアについてご紹介しました。

記事内でお話した通り、上手く使えばアカウントの現状を簡単に診断できるとても良い機能ですが、
全てを鵜呑みにするとあまり良くない結果に繋がることもある機能です。

便利な機能であるからこそ、自分の判斷でそれがビジネスにとって最適なのか?という問いを立てながら活用してみてください。

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清水 雄飛

デジタルアスリート株式会社
ウェビナーマーケティング部 課長
Google広告 Gold Product Expert
2018年 デジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に新卒入社。Google、Facebook、LINEなど計20種以上の広告媒体で広告運用に従事。
デジタルアスリート随一の分析マニア。 現在はYouTubeに専門特化部隊として動画マーケティングの研究を実施。
DRMの考え方をベースにYou Tubeの攻略を進めており、担当する案件では他の広告媒体の数値を大きく超える成果をYou Tubeで量産している。
不安・不満などを抱えている方に、素晴らしい商品・サービスを届け、より多くの方に幸せにする事を信条として、広告のプランニング・制作・運用を行っている。
座右の銘は「利他の心」。

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