広告の「CPA」とは?目標の設定方法、平均、改善方法について5分で解説

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山屋 竜之介

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CPA

CPAとは、「Cost Per Action」の略であり、1件のコンバージョンを
取るのにかかる費用
を表します。

今回はそんなCPAの意味、計算式、平均値などCPAをまるっと理解できるよう解説していきます。

CPAとは?

CPA(Cost Per Acquisition) とは、1件のコンバージョンを獲得するためにかかった費用を表しています。
ちなみにコンバージョンとは、売上に直結する商品購入やサービス契約だけではなく、会員登録、サイト問い合わせなども含みます。

CPAの計算方法

CPAは以下のように計算します。

インテリアショップのECサイトで家具の購入をCVとしたとき、
10000円の広告費を払って、家具が1つ売れた場合、CPAは10,000円となります。

さらに、この家具の単価が20,000円、単価に含まれる原価・諸経費の合計が5,000円だった場合、1商品を購入するために10,000円の広告費を使い、5,000円の黒字になります。

 

CPA4

CPAは、売上に対して「どの程度のコンバージョン単価で獲得できているか」を測ることができます。

業界別CPA平均について

では、CPAをどのくらいで獲得していけばいいのか、競合はいくらで獲得しているかということに着目し各業界でどの程度のCPAであれば良いのか紹介します。

BtoB 36,974円 家庭用品 30,495円
消費者サービス 22,677円 産業サービス 19,629円
出会い 20,549円 法律 18,831円
eコマース 16,661円 不動産 28,710円
教育 32,409円 テクノロジー 35,568円
雇用サービス 16,127円 旅行とホスピタリティ 21,579円
金融と保険 20,804円 合計平均 23,479円

1ドル=150円(2024/2/28現在)。検索、ディスプレイの平均値を算出。

参考:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]

全業界平均は23,479円と高くなっておりますが、あくまで全世界での調査かつ、広義での意味を想定しているので、自社のサービスCPAとずれることが多いことが考えられます。そのため、同じ家庭用品でも冷蔵庫と椅子では大きくCPAが異なります。

業界平均のCPAはあくまで一例です。場合によっては高いCPAになることもあるので自社の事業に合わせて目標CPAを設定しましょう。

お客様の商品・サービスに合った詳しいCPAやシミュレーションについては、こちらからご相談ください。

目標CPAの設定方法について

では目標CPAの設定方法について解説していきます。
目標CPAは「広告を配信しても売上が上がらない」「赤字になるということを防ぐ」ことに繋がるので、ぜひ参考にしてみてください。

まず、目標CPAは下記の設定する上で限界CPA(1件のコンバージョンを獲得するのに使える費用の上限金額)を設定する必要があります。

限界CPAの求め方

限界CPAは、損益分岐点となる売上高のうち、いくら(何割)を広告費に充てて、いくら(何割)を利益として確保するかによって決めることができます。

CPA1

限界CPAの算出方法

CPA2

上記の情報を元に限界CPAを計算すると、

限界CPA=(売上単価-商品原価-経費)×無料相談からの成約率

CPA3

1回の問い合わせで費やせる最高広告費は27,000円となります。

この金額を超えるようであれば、別の施策を実施し、限界CPAを超えないように運用していきましょう。

目標CPAの設定方法

限界CPAが定まったら、次は目標CPAを設定しましょう。

損益分岐点となる売上高のうち、広告費に充てる金額、利益となる金額を考える必要があります。

例えば限界CPA10000円、得たい利益が50%、原価・諸経費が2000円だった場合、目標CPAは3000円です。

10,000円×50%ー2,000円=3,000円

限界CPAは超えてはいけない赤字のラインになるので、目標とする利益を元に設定していきましょう。

CPAを広告運用の指標にすべきか

広告運用の効果確認の指標としてCPAはよく使われますが、必ずしもCPAを基準に広告運用すべきではありません。
何の指標を重視するかによって、指標とする値も変わります。

そのため、コンバージョンを設定すべき場合について解説していきます。

コンバージョン価値が変動しない場合はCPAを指標にすべき

コンバージョン価値が変動しない場合は大きく分けて2パターンありますので、それぞれ解説していきます。

セールなど金額変動が無い商品

商品購入時、毎回同じ売上が発生するため1コンバージョンを獲得するためにいくら広告費を掛けているかが明確になるためコントロールしやすいからです。

資料請求、無料相談などコンバージョン時に売上が発生しない場合

コンバージョン時に売上が発生しないので、コンバージョン価値も変動しないため、CPAが適していきます。

上記の場合、効果測定の指標をCPAに定めて行っていきましょう。

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広告効果測定の他の指標について

CPAで効果測定できない場合、他の指標もあるのでその指標と計算式について解説します。

CPC

広告を見たユーザーが1クリックするのにいくら費用がかかったのかを示すことができる指標です。CPCが低いほど広告の費用対効果は高くなります。

CPCを指標とする場合は、広告そのものにユーザーが興味を示すかを測りたい場合に使用する指標となります。

CPC=広告費÷サイトをクリックした数

CPO

1件の注文を獲得するのにかかった費用のことを表します。そのため、CPOが低いほど利益も高くなります。

逆にCPDが上がれば利益は減り、経営を圧迫するので事業を拡大するためにいちばん重要な指標となります。

CPO=広告費÷注文数(受注数)

CPR

1件の注文を獲得するための「顧客からのアクション」にかかった広告費用を示します。
顧客が購入に至る前のアクションとして「資料請求」「無料相談」などが挙げられ、これらの申し込み件数の割合を測るための指標として使われる事が多いです。

CPR=広告費÷申し込みの件数

ROAS

かけた広告費用に対してどれだけの売上があったかを示す指標です。
例えば、月の広告費が100万円で300万円の利益があった場合ROASは300%になります。

EC通販などの販売サイトなどで季節や時期によって売上が左右する商材を扱う場合にROASを基準にすることで、どのタイミングで広告をかければいいのかが分かります。

ROAS=売上÷広告費用×100

CPAだけでなく、これらの指標を用いることで広告成果の計測を行うことができます。

CPAを使った効果測定の方法

実際にCPAを広告の管理画面で確認する方法について解説していきます。

今回は、Googleの検索広告を行っている場合を例に取り上げます。キャンペーン階層を開き、

「表示項目」→「コンバージョン単価」の項目をクリック→管理画面に反映されます。

CPA5

CPA6

管理画面上には以下の赤枠のように反映されるので、この項目を設定しておけばCPAを確認することができます。

CPA7

高騰した場合、CPAの下げ方

広告運用を行ったときに、書道でCPAが上がる場合があります。この場合、CPAを抑える方法が2つあります。

クリック単価を下げる施策

品質スコアを確認し、広告やLPの品質に問題が無いか調べます。
品質スコアは、1~10までの数値を表しており10に近いほどスコアは良くGoogleからの評価は高いです。
▼品質スコアの調べ方
Google広告にログイン後、「検索キーワード」をクリック。
CPA5
中央上部にある「表示項目」をクリック→「表示項目を変更」→「品質スコア」をクリック
CPA6

上限CPCを設定する

上限CPCとは、1クリックの費用の上限額として設定する入札単価です。そのためクリック単価を一定の値に制限することでCPAをおさえることできます。しかし、上限クリック単価を設定することでページの上位に広告を表示できなくなる可能性があるので、現状のクリック単価を見て設定するようにしましょう。

コンバージョン率を上げる施策

次にコンバージョン率を上げる施策を紹介します。

広告分の見直し

限定表現などを盛り込み広告文を作成できているかなど、CVに繋がるユーザーを取りこぼしていないか確認します。

キーワードの見直し

CVに繋がらないキーワードで配信していないか確認します。
管理画面の設定キーワードから、過去3ヶ月ほどでコンバージョンが発生していないキーワードが無いか確認し、あれば除外しましょう。

LPの改善

CV獲得できているキーワード、広告文とLPとの関連性があるかを確認する。
特にFVで表示する内容について差異が無いか調べることで、ユーザーの離脱を防ぎましょう。
▼広告におけるCPAの解説についてはこちらから

CPAは低く設定すればいいわけではない

CPAの数値が低ければ、利益率が上がりますが、他の指標や全体の売上も下がります。

同じ商材で、コンバージョンポイントを「問い合わせ」「会員登録」とした場合

CPA7

CPAのみに着目した場合、キャンペーンBの方が獲得効率が良いと表示できますが、最終的な売上の部分を見るとキャンペーンAのほうが良くなります。

理由としては問い合わせのほうが顕在層のユーザーが多く、商品購入への確度が高いためです。
会員登録ですとメールアドレスなどの個人情報を入力するだけで良いためハードルが低く商品購入への確度も低くなる傾向があります。

CPAを下げることばかりに気を取られてしまうと、このように最終的な売上が低くなる可能性が高いのでKPIを見ながら広告の効果検証を行っていくのが重要です。

CPAの改善事例について

商品理解とWebマーケティング全般の支援を行い、CPA95%改善

業界:美容製品

課題

過去にWeb広告を配信していたが伸び悩んでいた

実施内容

記事LPをランディングページとして活用、事例広告を活用。また広告の初期設定からLP制作までまとめて実施したこと、広告配信後の改善もスピード感を持って実施

結果として、配信前CPAが12万円→5,423円まで改善することが実現した。

▼参考記事

深い商品理解とWebマーケティング全般の支援で、CPAを20分の1以下に

LP運用サービスを実施することでリード獲得のCPAが約1/3に

業界:IT業界

課題

広告以外の制作は外注していたが、事業の理解が乏しくあまり改善されないことに懸念を感じていた

実施内容

アカウント構造の変更で新規ユーザーの獲得、リードに繋がりそうな訴求やUSPといったリサーチを実施、LPの改善をほぼ毎月のように行うことで毎月の問い合わせ数を3倍にCPAを約1/3に改善をすることに成功した。

▼参考記事
LP運用サービスで売れる市場の発掘と差別化を実現!リード獲得数が拡大しCPAは既存の約1/3に!

今回の事例で使用されたLP改善サービスの詳細はこちらから

まとめ

CPAは、広告運用を行う上では重要な指標ではありますが、必ずしもCPAを元に施策を進める必要はありません。コンバージョンポイントによって追うべき施策も異なるのでLTVやコストを考えた上で適切な指標を設定していきましょう。

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Writer

山屋 竜之介 記事一覧

デジタルアスリート入社後、半年間、リスティング広告を始めとした10種類以上の広告媒体の知識を学び、運用を実施。業界問わず様々な案件の効果改善に努める。

その後大手広告代理店にて、テレビ局などのクライアントを対象とした案件にて広告運用を実施。自社と他社での広告運用経験を活かし、現在は主に自社サイトやメディアの管理、記事作成などのコンテンツ制作を担当している。

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