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最近ニュースなどで若い年代が「Z世代」と呼ばれているのを聞いたことがあるのではないでしょうか。
Z世代とは2023年時点での10~20歳半ばの若者世代のことを指します。
今や世界の全人口のうち3人に1人が「Z世代」となっており、ビジネスの世界でもZ世代の存在感は年々大きくなっているので、正しいZ世代向けのマーケティング方法を身につける必要があります。
Z世代のことを知らずに従来通りのマーケティング手法を用いたままでは、若者層からの売上の獲得を逃してしまうかもしれません。
本記事では皆様にZ世代マーケティングについての理解を深めていただくために「Z世代と他の世代との違い」「Z世代マーケティング注目を集めている理由/特徴/意識すべきポイント」「企業の成功事例」などを紹介していきます。
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目次
Z世代とは
Z世代の定義
Z世代は、1990年代後半〜2010年生まれの2023年時点で10~20歳半ばの若者世代を指す言葉で、近年注目を集めています。
Z世代の語源はアメリカでは、「ジェネレーションZ」と呼ばれています。
その他の世代との違い
Z世代の他に「X世代/Y世代/α世代」なるものが存在します。
年代 |
年齢 |
|
X世代 |
1965年~1980年生まれ |
40歳頃~50代後半 |
Y世代 |
1981年~1995年生まれ |
20代後半~40歳頃 |
Z世代 |
1990年代後半~2010年頃生まれ |
10歳頃~20代後半 |
α世代 |
2010年頃生まれ~ |
0~10歳頃 |
X世代
高度経済成長期やバブルの時期、経済的に日本が大きく成長する時代で生まれ育ち、アナログからデジタルへの変遷を経験しています。
戦後に生まれた世代として「所有はステータスを表現するもの」と考える人が多くいます。
ちょうどZ世代の親に当たる世代でもあります。
Y世代
ミレニアル世代とも呼ばれるY世代は、インターネットの普及と共に成長してきた世代です。
X世代に比べてモノが流通しているため、「所有」ではなくものから得られる体験や消費に価値を感じる人が多くいます。
Z世代
Z世代は、真のデジタルネイティブ世代です。
生まれた瞬間にデジタルデバイスがあるのが当たり前の世代のため、Z・Y世代とは価値観が大きく異なります。
インターネット上の情報収集能力も高く自分で調べる力を兼ね備えているため、一貫したコンセプトやストーリーが感じられないと離れていってしまいます。
α世代
Z世代の次の世代として、徐々に注目が高まっているのがα世代です。
Z世代と同様に生まれた時からデジタルデバイスに慣れている世代です。
より高度なプログラミング教育などにも幼い頃から触れているため、高度なITリテラシーを兼ね備えています。
なぜZ世代マーケティングは注目されるのか
Z世代マーケティングが注目を集めている3つの理由を紹介します。
①全世界では3人に1人がZ世代 |
全世界では3人に1人がZ世代
2019年時点の国連の統計調査によれば、全世界の人口に占めるZ世代の割合は約32%。つまり3人に1人はZ世代であることが分かっています。
しかも、Z世代の大半は2023年時点で学生のため、これから社会進出を果たすことを考えると世界の消費の中心になっていくことは明らかです。
情報拡散による影響力が大きい
SNSやインターネット上で話題となり、多くの人から注目を浴びることを「バズる」といいますが、この「バズ」によって拡散された情報は最近の消費者行動に対して大きな影響力を持っています。
Z世代はSNSやインターネット上で情報発信をすることに特に抵抗がありません。
Z世代の情報発信力を上手く活用することができれば、企業の広告塔的存在として情報を拡散してもらえ、企業・サービス・商材に関わらずバズらせることが可能になるのです。
また、Z世代の中でバズったものがテレビなどの様々なメディアに取り上げられ、Z世代に限らず全世代から注目を集めることにも繋がります。
今までの世代と価値観が違う
Z世代の人たちは、生まれた時からデジタルデバイスが日常に溶け込んでいる、いわゆる「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代です。
そのため、それ以前の世代とは価値観がまるで異なり、デジタルデバイスがあるのが当たり前、という価値観で物事が進んでいきます。
裏を返せば消費者へ商品・サービスを届ける企業側としては、Z世代のこういった特徴を捉え、これまでとは異なるコミュニケーションを取らなければ選ばれない時代に突入しているとも言えます。
まさに、「大デジタル時代」の幕開けとも言えるかもしれません。
Z世代の特徴
次に、Z世代の人たちが持つ7つの特徴に触れていきます。
①自分の価値観を大切にする ②承認欲求が強め ③効率性を重視する ④社会問題に関心がある ⑤インターネットを中心に情報収集 ⑥体験や共感を重視する ⑦コストパフォーマンスを気にする |
自分の価値観を大切にする
Z世代は、自分の価値観を大切にする人が多く、「好き」という価値観が合う人同士でつながっていく傾向が見られます。
例えば、音楽1つ取ってみても同じアーティストが好きな人とは積極的につながる、という行動特性が他の世代に比べて強いことが分かっています。
このように、自分自身の好きという価値観を大切にし、同じ価値観を持っている人と積極的につながっていくのがZ世代と言えます。
承認欲求が強め
承認欲求が強いこともZ世代の特徴です。というのも、普段からSNSを使用しているため、より多くの人から「いいね」を貰いたい意識があるのです。
Z世代のスマホ利用時間は、それ以前の世代と比べても突出しており、2022年時点で30代の人たちの約2倍もの利用時間であることが分かっています。
それだけ、常に誰かとつながっていたい、自分の価値観を分かって欲しい、という欲求を持っている人たちが多いことが分かります。
効率性を重視する
Z世代は効率性を非常に重視します。
生まれた時からデジタルデバイスがあることが当たり前で、効率的に物事を進めていくことが普通だと思っているからです。
良い点に着目すれば、物事のムダに気づきそれを改善しようとする意識があると言えますが、逆に、少しでも非効率的だと思うことには最初から手をつけない可能性も高くなります。
社会問題に関心がある
生まれた時からインターネット環境が当たり前のZ世代は、小さい頃から社会問題について触れる機会も多いです。
また、行動を選択するうえで単なる目先の利益以上に、社会的意義があるかどうかを重要視する傾向があり、社会問題に対して強い関心を持っています。
Z世代の学生が就職活動をする際に、SDGsなどの社会的取り組みに従事しているかを気にするケースも増えています。
今後、Z世代の優秀な人材を獲得しようとすれば、単に業績が良いというだけでは強みになり得ません。
インターネットを中心に情報収集
Z世代はデジタルネイティブと呼ばれているだけあって、インターネットを中心とした情報収集が中心となっています。
電通若者研究部が行った調査によれば、Z世代はテレビよりもYouTubeを見るケースが多いことも分かっています。
情報の信ぴょう性に対する警戒心も高く、一度得た情報を複数の媒体を使って検索し、納得できるまで調べる人も多いです。
体験や共感を重視する
Z世代が行動を選択する際には、単なるメリットだけでなく、そこで得られる体験や共感を重視する傾向にあります。
例えば、バッグ1つを購入するにしても、単に機能性に優れているだけでは魅力を感じづらく、そのバッグが出来るまでのストーリーなどに深い関心を寄せています。
というのも、Z世代は生まれた時からモノに溢れた環境で生活をしてきており、モノに対する欠乏感はあまり感じていません。
一方、リーマンショック、東日本大震災、終身雇用の崩壊などショッキングな出来事を立て続けに経験したことから、多くのモノを買うよりも自分の価値観に合ったモノを必要な分だけ買いたいというニーズが高いと言われています。
コストパフォーマンスを気にする
Z世代はコストパフォーマンスを気にする人が多いことも特徴です。
インターネット環境に慣れ、知りたいことはすぐに知れる環境が当たり前だと思っているため、余分な時間やお金をかけることを極端に嫌います。
そのため、職場の飲み会や地域の行事など、X世代以前は慣習として誰も疑問に思っていなかったような取り組みも、ムダだと思えば平気で断る人も多いです。
Z世代マーケティングで意識すべきこと
Z世代マーケティングで意識するべきことを紹介していきます。
①ストーリーや想いを伝える |
ストーリーや想いを伝える
Z世代に商品の魅力を伝える際には、単なるスペック推しではなくその商品・サービスの裏に隠されたストーリーや想いを伝えると効果的です。
例えば、エチオピアの高級皮を使ったバッグで知られるアンドゥ・アメットは、バッグデザイナーの鮫島氏自身が青年海外協力隊での活動を通して、大量廃棄が当たり前のデザイン業界に疑問を感じたところからスタートしたという強烈なストーリーを持っています。
このように、製品の機能性を超えるストーリーや想いがあるからこそ、Z世代は商品を購入してみたいと思うようになります。
リアルな体験を提供する
インターネットに慣れているZ世代だからこそ、リアルな体験には価値を感じやすくなっています。
USJをV字回復させたことでも知られている株式会社刀CEOの森岡毅氏が関わったことでも知られているネスタリゾート神戸では、悪路をバギーで走り回る「ワイルド・バギー」や透明な球体の中に入って丘を転がり落ちる「キャニオン・ドロップ」など、リアルな体験が楽しめるアトラクションが目白押しです。
広大な自然を活かし、リアルな体験を追い求めた成功事例として参考になります。
情報発信は複数媒体で行う
Z世代は自分で情報を収集することに慣れているため、一度得た情報をもとに、各々が普段からよく使う媒体で調べなおすことがあります。
そのため、1つの情報媒体だけでなく、複数の媒体で情報発信をすることが有効です。
具体的には、YouTube、Twitter、Instagram、TikTok、LINE、HP等、ユーザーが使用する媒体に合わせて展開する必要があります。
ユーザーと良好な関係が築ければ、SNS上で自社の商品・サービスをPRしてくれるなど、副次的な効果も狙えます。
目的に応じて適したチャネルを選定する
Z世代は目的に合わせて「このSNSでは〇〇の情報を集めたい。」「あのSNSでは□□に関する情報を発信したい」などのように複数のSNSを使い分けています。
SHIBUYA109 lab.の調査によるとZ世代は以下の通りにSNSを使い分けています。
「この世代には〇〇のSNSでプロモーションしていこう」という考え方ではなく、
Z世代はSNSをチャネルごとに使い分けているという前提も持ち、「このSNSにはどんな目的をもって使うユーザーが多いのか」「自社ではどんな方法で各SNSのテンプレートに沿った方法で情報提供ができるか」を考えプロモーションを行っていくべきと言えます。
情報の信憑性を高める
Z世代は情報の信憑性性にも非常に気を遣います。
企業側が自社に都合の良いコミュニケーションを取ろうとしていることを肌感覚で理解しているからです。
そのため、自社発信だけの情報に頼らず、権威性のある統計データを引用したり、実際にサービスを利用しているお客様とコラボするイベントを開いたり、より開かれたコミュニケーションを取っていくことが重要です。
悪いことは隠すのではなく、認識して修正していく姿勢を見せた方が、Z世代には好印象だと言えます。
流行りやトレンドを取り入れる
イメージしやすいかもしれませんが、やはり流行りやトレンドはいつの時代も若者から生まれることがほとんどで、「現在の若者=Z世代」となっています。
また、Z世代は幼い頃からスピード感のある情報変化の中で育ってきているため、他の世代よりも流行りやトレンドに敏感な世代と言えます。
Z世代の多くがSNSを通じて情報を収集しているので、企業側も流行りやトレンドを取り入れるという視点からSNSに対応することがZ世代マーケティングを行っていくための必要不可欠な項目と言えます。
思わず投稿やシェアをしたくなるシステムを作る
注目される理由でも触れた通り、Z世代は投稿や情報をシェアすることに抵抗がなく、むしろ常日頃から身の周りの人と情報共有することを望んでいて、自分の個性やライフスタイルを表す一つの手段になっています。
こちらから一方的に情報提供をするだけでなく、Z世代のユーザーが思わず誰かに共有したくなる仕組みを作ることができれば、情報拡散範囲をさらに広げることができます。
具体的には人気がでそう、注目を集めそうな内容の投稿やキャンペーンを行うことが有効的です。
SNSで「#(ハッシュタグ)」を使用したキャンペーンや、特定のコンテンツを投稿し獲得したいいね数などを競い合うコンテスト型のようなモノなどの、ユーザーが参加することで成立する施策などが挙げられます。
Z世代マーケティングの成功事例
①Z世代の現役高校生と共同開発した例
カンロ株式会社(以下、カンロ)はZ世代の現役高校生とタッグを組み「飴」を再開発しました。
近年、見た目的にも映える「グミ」がSNSを中心に話題となる中で「飴」のトレンドはここ数年停滞しており、若年層には“飴はあまり魅力のないお菓子”と感じられてしまっている現状がありました。
カンロはまず、社員間同士の座談会だけでなく現役高校生との座談会を開催し、Z世代の飴に対する率直な意見を洗い出すことに着手しました。
さらに“今を生きる10代”という分野のプロフェッショナルである現役高校生でモデル/タレントの3名を『キャンディディレクター』に任命し、商品のコンセプトやメッセージ、飴のフレーバーからパッケージまで、約半年間にわたり会議や試作を重ねながら開発しました。
②Z世代のコンプレックを逆手に取り進めた例
株式会社パイロットコーポレーション(以下、パイロット)は「じぶんの字がキライな人のための文具店」を開催しました。
パイロットが行った調査によるとデジタルネイティブなZ世代はその「半数近くが自分の字が嫌い」ということが判明しました。
その一方で、手書きの文字を受け取ることには好印象と捉える人も多くいることが判明したのです。
そこでZ世代向けに自分の書く文字の癖や特徴を“個性”として捉え、自分らしい文字を肯定することで、書く楽しさを感じてもらうことを目的としたイベントを開催しました。
まとめ
本記事では「Z世代マーケティング」に取り組んで際に理解しておきたい「Z世代と他の世代との違い」「Z世代マーケティング注目を集めている理由/特徴/意識すべきポイント」「企業の成功事例」などを紹介しました。
Z世代は真のデジタルネイティブ世代として、これまでとは価値観が大きく異なる世代なだけに企業側も今までと同じ感覚でコミュニケーションを取っていては、ライバルに大きく差をつけられてしまう可能性があります。
Z世代の特徴を人によっては自己中心的な価値観を持っているとも捉えられますが、そこは視野を広く持ち、新しい世代に受け入れられる情報発信をしていきたいものです。
全世界では3人に1人がZ世代と言われています。
ぜひこの新しい世代に対して理解を深め、寄り添ったマーケティングを意識し新たな層からの獲得に取り組んでみてください!!
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