【誰でもわかる】プロダクトローンチとは?メリットや方法を徹底解説

  • 2019.10.24
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マーケティングに携わっていれば「プロダクトローンチ」という言葉は必ず耳にすると思います。

「プロダクト」と「ローンチ」を直訳すると「プロダクト=製品」を「ローンチ=売り出す」という意味であり、それらを合わせた「プロダクトローンチ」は製品を売りだす。という意味合いになります。

ただし、プロダクトローンチという言葉を使う時はある特定の販売手法の事を指して使用します。

それは、「商品を売り出す前から商品を買ってくれるであろう見込み客を集め、定期的な情報を伝えて購買意欲を高めた上で商品のセールスを仕掛け、一定の期間に爆発的な売上を創る販売手法」です。

急に話がややこしくなってきましたね・・・
ですが、実際にやる事としてはシンプルな4つのステップにまとまっています。

今回はプロダクトローンチの基本的な考え方と仕組みを解説していきます!

プロダクトローンチと商品販売、何が違うの?

通常の商品販売との大きな違いは、
・ユーザーに情報を与えて購買意欲を高める「教育」のプロセスがある
・商品をリリースした時の「爆発的な売上」が見込める

というところです。

商品のリリースから数日間で数百万~億単位での売上も見込めてしまうのがプロダクトローンチと呼ばれる手法です。

また、普通の商品を販売する場合には、商品がリリースされてからCMや広告などで「新発売!こんな商品がでましたよ!!」と打ち出し、どれだけユーザーを獲得できるか?に広告費などを投資していきますが、プロダクトローンチの場合は、商品のリリース前に広告などを打って、どれだけ良い見込み客を多く獲得できるかに投資していきます。

ここにもプロダクトローンチの特徴があります。

プロダクトローンチは大きく分けて4つのステップがあり、そのステップの中で、広告媒体に支払う広告費を投資するのは最初のステップだけ。

それ以降は獲得した見込み客に対して「仕組み化されたアプローチ」を仕掛けて商品の販売に繋げていきます。

販売までの工数がかかる分、販売時にはそれまでかけた工数に見合った売上が返ってくる。
そんなマーケティング手法がプロダクトローンチです。

プロダクトローンチのメリット/デメリット

工数をかけただけ売上が返ってくるのならば、誰しもがプロダクトローンチをやりたくなるところですが、当然プロダクトローンチにも美味しい話だけでなく苦い事情もあります。

ここでは、プロダクトローンチのメリットとデメリットについてみていきます。
 

【メリット】
「短期間で爆発的な売上」が得られること。これまでプロダクトローンチをやらずに売上を上げてきたのであれば、上手くいくと「売上額の桁が変わる」レベルで、爆発的な売り上げが出ます。
「中小企業がたった2週間のプロモーションで億の売上を立てた」といわれても、プロダクトローンチを組んでいるのであれば、おかしな話では無いという事です。

 

【デメリット】
「短期間で爆発的な売上」はプロダクトローンチが成功した時に限ります。
失敗すると商品をリリースするまでにかけた工数が返ってこなくなり、プロモーション準備にかけた費用などが丸ごと赤字になる覚悟」が必要です。
※どんな準備が必要かは後述していきます。

また、「短期間で爆発的な売上」プロモーション期間中は、働きづめの日々を過ごすことになります。その強いストレスで「売上は立つけどもうやりたくない。」というような経営者も多くいるようです。

 

プロダクトローンチがオススメの商品とは?

プロダクトローンチは爆発的な売り上げを作り出す事ができるマーケティング手法ですが、販売する商品によって相性があります。

特にプロダクトローンチをオススメできるのは、無形商材を取り扱っている企業です。

例えば、英会話教材やビジネススキルを学ぶセミナーなどのサービスが無形商材にあたりますが、これらの商品は物販のように商品のスペックや品質を明示することが難しいです。

テレビであれば、画素数/画面のサイズ/消費電力量などで商品の品質を明記できるので、商品が良ければ売れます。

ただし、英会話教材などは、いくら良い情報がまとめてある教材であったとしても、その教材の良さをユーザーに伝えるのはとても難しいです。
少なくともその教材のパッケージをみて、どれだけ自分の英会話スキルが向上するかを測ることはできません。

そんな、商品スペックを伝えるのが難しい商品を販売する際には、ユーザーにその商品の価値を伝えていき「この商品が欲しい!」という心理状況になるまでユーザーを教育をする必要があります。

そのユーザー心理の変容を体系化して引き起こしていくのが、プロダクトローンチの考え方です。

それでは、プロダクトローンチを実施する際にどのようにしてユーザーを購買行動に誘導していくのか、具体的な4つのステップに分けて見ていきましょう。

プロダクトローンチ ‐実施の4ステップ‐

ステップ1.プレローンチ 「見込み客を集める」

プロダクトローンチで一番最初に行うことが「見込み客を集める」事です。これを「プレローンチ」といいます。

Web業界ではプレローンチの「見込み客」の事を「リスト」と表現することも多々あります。現代の「見込み客を集める」=「メールアドレスを集める」という事になるからです。手元に溜まっていく見込み客のメールアドレスは後々大きな資産になってきます。

よく「続きが気になる方はメールアドレスを入力してお申し込みください!」のようなサイトを見たことがあるかと思いますが、そのようなサイトの大半はプレローンチの為のサイトになります。

例えば、広告運用のセミナーを行っている企業にとって、「広告運用手法のノウハウが詰まった電子書籍を無料でプレゼントします!」というプレローンチを行った際に反応したユーザーはかなりの見込み客になるはずです。

その見込みの高いユーザーに対してアプローチを仕掛けていく事によって、短期的に爆発的な売り上げを上げていくのです。

また、プロダクトローンチを行う際に一番広告費をかけるのがこのステップになります。なぜなら見込み客の数が多ければ多いほど、商品をリリースした際に商品を購入してくれるユーザーが多くなるからです。

プロダクトローンチの設計がしっかりとしていれば、毎月数百、数千といった見込み客を集めていき、継続的な収益を獲得していく事も夢ではありません。

ステップ2.リレーションシップ「情報を継続的に発信してユーザーを教育する」

ここではプレローンチで獲得した見込み客に対して継続的な情報発信を行っていき、見込み客に自社の事を信頼してもらい、自社の製品の素晴らしさを認識してもらいます。

メルマガやステップメールなどで商品の情報を小出しに開示していく事で、ユーザーの期待感を膨らませ、購買意欲を高める事がこのステップでの目的になります。

営業マンのセールストークやWebでいうならランディングページの情報を小出しに発信していくイメージです。

また、このステップで重要なことはユーザーとの関係性構築(リレーションシップ)を図ることです。一方的な情報発信では見込み客が「もう飽きたよ・・・」と離れていってしまうので、ユーザー側からのコメントを促したりして、ユーザーと企業側の関係値をつくっていけると次のステップの成果が大きく変わってきます。

まずは興味関心を惹き、情報発信の中で「ここなら信頼できるかも?」と思わせ、ユーザーの熱量をギリギリまで高めていくことが大切です。


  

ステップ3.ローンチ 「商品をリリースする」

リレーションの段階でユーザーの熱量を高めたら商品をリリースします。

プレローンチからリレーションの流れでユーザーはその商品に対して、とても高い期待を抱いているので、セールスをかけた際のユーザーの反応率が圧倒的に違います。

またセールス一回では決めきれないユーザーもたくさんいるのでセールスのタイミングになったら何度もセールスをかけていくことが大切です。

事前予約を開始しました!

販売スタートです!!

追加販売が確定しました!!!

のような形で何回もユーザーに対してアプローチをすることで、教育をしたユーザーを刈り取っていきます。

また限定性などを付けて一気にセールスを仕掛けていくのも非常に重要です。
ユーザーにこのタイミングの逃したら買えない。という状況を作って購入するかしないかの2択を迫ることで売上は大きく変わります。人間後伸ばしにできることは、後伸ばししたくなるものです。
「限定価格○○円!!※残り〇日でこのセールは終了します。」のような形で期限を切ってセールスをかけていきましょう。

プレローンチとリレーションで商品の購買意欲が高まったユーザーに決断を迫るのがセールスのステップで重要なことになります。

ステップ4.ポストローンチ 「商品リリース後にやること」

商品のリリースが終わった時には上手く行けば起きな収益を得られているはずです。
ただそこで急にこれまで続けていた情報発信をやめてしまうと、見込み客からの印象は地に落ちます。

また今回は都合が合わず商品を購入しませんでしたが、中には教育課程を経てその商品に対してものすごく興味関心を持っている人がいるかもしれません。

そんな見込み客を野放しにするのは非常にもったいないです。

そのため商品のセールスがひと段落した後も情報提供を続けていくことが大切になります。

商品を購入した方の口コミを届けてみたり、次回セールスのお知らせをしてみるなど、ユーザーとの関係性を繋ぎとめていくことが大切です。

なぜならその見込み客は次の商品の見込み客になってくれる可能性もあるからです。
プロダクトローンチを行うごとに徐々に自分の手元にあるリストを拡大していくことができればセールスの時の爆発力も徐々に上がっていきます。

一回では終わらせず何度も継続的な利益をもたらすためには、売れたら終了ではなく、売れた時点で次の投資を始めるくらいの気持ちでいた方が良いです。

プロダクトローンチの例

ここまでプロダクトローンチの話をしてきたところで、具体的な事例について見ていきましょう。

今回は弊社リスティングプラスが行っているプロダクトローンチの事例を紹介します。
弊社が行っているプロダクトローンチも例外なく、これまで説明した流れを踏襲したものとなっています。

①プレローンチでメルマガを集める

まずプレローンチでは、メルマガのリストを集めていきます。

方法は様々でFacebook広告などでWeb集客全般を学べる電子書籍などを無料でプレゼントしています。
そしてダウンロードする際にメールアドレスを入力してもらいます。

また今見ていただいているこのリスマガもプレローンチの一つとも言えます。

きっとリスマガを読んでいるとページ下部の方で「Web広告マーケティング大全」のPDFダウンロード画面を見かけたことがある人もいるでしょう。。
そこからメールアドレスを登録される方も多数いるので、そのような方には弊社から最新の広告業界の情報などをメルマガで送っています。

②リレーションシップを築いていく

リレーションシップを築いていくにあたり一番多く使うのはメルマガです。
メルマガで如何に質の高い情報を届けて、購読している方との関係性を築いていくかを考えてメルマガの配信を行っています。

その中では、超最新のノウハウや、広告業界の動向、無料セミナーの招待などをメルマガを読んでいる方にお届けして購読者にリスティングプラスを信頼してもらえるように努めています。
そして弊社の運用改善、広告テストの中でまとまったノウハウが出てきたら定期的にセミナーの案内をしています。

③セールスをかける

弊社の場合はセミナーのご案内がセールスにあたります。

普段からメルマガを購読していただいている方々に限り特別価格で案内するなど。
弊社も例外なくプロダクトローンチのテンプレートにそって、限定性を持たせた案内を送っています。

弊社は特にリレーションシップに力を入れていて、お陰様で開催するセミナーは毎回満員御礼で迎えることができています。

④ポストローンチをしっかりと

ポストローンチはアフターケアというような意味合いが強いですが、弊社の場合はあまりポストローンチとリレーションシップを切り分けずに情報提供を行っています。

一度Webのセミナーに参加されたことがある方には、きっと他の媒体であったり他の手法でも、価値のある情報提供ができると考えているからです。

弊社ではセミナーが終わった後、当然お礼のご連絡をさせていただきますがその後はいつも通りの最新情報の共有などを行っています。

Web業界は突き詰めるとそんな数時間のセミナーでは伝えきれないものも出てきます。
そのため一つのセミナーのプロモーションが終わったことには別の視点での話などを、すぐにお届けしてより強固な関係性構築を図っています。

これまで何度も数百人規模のセミナーを実施しています、そのたびに満員の会場を目にすることができるのも、普段の関係性構築がしっかりとできているからではないかと考えてます。

プロダクトローンチをもっと詳しく学べる書籍をご紹介

プロダクトローンチの本『ザ・ローンチ』

こちらはプロダクトローンチを開発したジェフ・ウォーカー (Jeff Walker)氏の著書です。
「ザ・ローンチ」で検索してみればわかりますが、正直言ってプロダクトローンチの基本はこの本1冊読めば、ほぼ理解できます。

プロダクトローンチの生い立ちや、全体像と具体的なやり方などが、まるっと学べるのでプロダクトローンチを学びたいという方はこちらの本を読んでみると良いかと思います。

マーケティング用語が全く分からないという方には少々難しい内容かもしれませんが、多少はマーケティング分かるよ。という方であれば問題なく読み進められます。

プロダクトローンチはメリットが大きいですが、失敗した時のデメリットも大きいです。
そのため、開発者の著書を読んで守破離の守から身につけていくことがオススメです。

プロダクトローンチを実践する注意点は?

プロダクトローンチを実践するにはかなり入念に準備をしなければいけません。それこそ、いざセールスを仕掛けたときに全然反応が来ない場合それまでかけた苦労が水の泡になってしまいます。

そのためこれからプロダクトローンチをやってみるという方は小規模のものから実践してみるのがおすすめです

ここでいう小規模というのはプレローンチもそうですしセールスの販売価格も抑えめに設定して、まず自分が設計したプロダクトローンチで反応が獲れるのかを試してみることが大切です。

もしそこで反応が出たのであれば徐々に販売価格を上げていき、見込み客の数を増やしていき事業を拡大していきましょう。

まとめ

プロダクトローンチは短時間で爆発的な売り上げを作り出すことができるマーケティング手法です。

ただし、繰り返しになりますがその分失敗した時のリスクも大きいです。
まずは基本的なプロダクトローンチの型と事例を調べて、自社に当てはめたときにどのような設計ができるかを考えて、少額でテストしてみることをオススメします。

また、プロダクトローンチで一番大切なところは、いかに優良な見込み客を集められるかということと、その見込み客との関係性を築けるかというところにつきます。

自社が提供できる価値の中で、その関係性をどう構築していくのかということに一番時間をかけてプロダクトローンチの設計をしてください。

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清水 雄飛

デジタルアスリート株式会社
ウェビナーマーケティング部 課長
Google広告 Gold Product Expert
2018年 デジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に新卒入社。Google、Facebook、LINEなど計20種以上の広告媒体で広告運用に従事。
デジタルアスリート随一の分析マニア。 現在はYouTubeに専門特化部隊として動画マーケティングの研究を実施。
DRMの考え方をベースにYou Tubeの攻略を進めており、担当する案件では他の広告媒体の数値を大きく超える成果をYou Tubeで量産している。
不安・不満などを抱えている方に、素晴らしい商品・サービスを届け、より多くの方に幸せにする事を信条として、広告のプランニング・制作・運用を行っている。
座右の銘は「利他の心」。

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