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ロジックツリーとは、問題や課題解決に使用されるフレームワークです。
ロジックツリーを使用することで、問題や目標を整理して具体的なアクションプランを見つけることができます。
それによって適切なマーケティング戦略を立てやすくなります。
そこで、本記事では「ロジックツリーとは」について基本的なところから、種類ごとの作り方や実際に活用する方法を図と具体例付きで解説します。
課題の解決や目標の達成をしたい方におすすめです。
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目次
ロジックツリーを簡単に説明すると?
問題解決のためのフレームワーク
ロジックツリーは問題・課題解決のためのフレームワークです。
論理的思考を強化するためのトレーニングとしても使用されます。
しかし、仮想通貨市場のように変化が速い市場に対してはあまり効果的ではない場合があります。
仮想通貨市場ような投資市場は、投資家の心理によって短期間で大きく価格が変化することもあり、市場が急速に変化していくからです。
そのような場合は定期的にツリーを再構築したり、見直すことで市場の流れを追うような工夫が必要となります。
マーケティング現場でも売上低下や顧客離れなどの問題が発生することがあると思います。
その際にロジックツリーを使用して根本的な原因を洗い出すことができれば、解決策を導き出しやすくなります。
情報をツリー状に分解して全体像を整理
ロジックツリーは分解したい項目を頂点に置き、それを要素ごとに分解していくことで、全体像を把握することができます。
形はロジックツリーという名前の通りツリー状になり、下に行くほど具体的かつ詳細な情報になっていくのが特徴です。
マーケティング戦略を策定する際には、市場や競合分析など様々な情報を管理する必要があります。
そのような場合にもロジックツリーを使用して情報を整理することができます。
ロジックツリーの種類
Whyツリー:問題の原因を掘り下げる方法
「解決したい問題」を頂点に置き、それが起きてしまっている原因を掘り下げていく方法です。
最終的には、課題に対する具体的な問題点を洗い出すことが目的です。
立てたマーケティング戦略で期待通りの成果が得られなかった場合にも、その原因を明確にすることができます。
具体的な例は、本記事の「売上低下の原因分析」で図とともに紹介いたします。
Whatツリー:要素を分解して整理する方法
「分解したい項目」を頂点に置き、それを徐々に小さな要素に分解していく方法です。
最終的にはその項目がどのような要素から成り立っているのかを洗い出すことが目的です。
新製品の市場投入を検討する際などにも、その製品の特徴を細分化して分析することができます。
具体的な例は、本記事の「洋服の分類」で図とともに紹介いたします。
Howツリー:目標達成のステップを構造化する方法
「達成したい目標」を頂点に置き、その目標達成までのステップを掘り下げていく方法です。
最終的には、目標達成までのステップを洗い出すことが目的です。
新規案件に取り掛かる際には、クライアントの目標を達成するために必要な段階を構造化して、計画を策定することができます。
具体的な例は、本記事の「残業を減らすための効率化」で図とともに紹介いたします。
ロジックツリーの具体例
例1:売上低下の原因分析
whyツリーの例を「売上低下の原因分析」をテーマにして紹介します。
会社を経営しているAさんは会社の売上低下の原因をロジックツリーで分析したいと考えていたので、テーマに「売り上げの低下」を設定しました。
会社の売上が低下している原因を考えた結果
・A事業の売上低下
・会社全体の顧客数が少ない
・固定費の増加
があると分かったので、「それらを解決するにはどうするべきなのか」を次の段に書き込みました。
このようにwhyツリーでは、抱えている問題や課題を解決する具体的なアクションを洗い出すことができます。
例2:洋服の分類
whatツリーの例を「洋服」をテーマにして紹介します。
スタイリストのBさんは、ロジックツリーで服の種類を整理してから衣装を選択したいと考えていたので、テーマに「洋服」を設定してから
・上着
・ズボン
・シャツ
の3つの項目に分類し、それぞれを細かく分類することで、「洋服」にはどのような種類があるのかが分かりました。
このようにwhatツリーでは頂点にあるテーマを細分化して、情報を整理することができます。
これを使用することでマーケティング戦略の細分化や在庫管理などの最適化に繋がります。
例3:残業を減らすための効率化
howツリーの例を「仕事の効率化」をテーマにして紹介します。
ITコンサルタント会社で勤務するCさんは、ロジックツリーで仕事を効率化する方法を見つけたいと考えたので、テーマに「仕事の効率化」を設定しました。
次に、何をすれば仕事が効率化されるかを考えた結果
・資料の作成を速くする
・提出資料の修正を減らす
・パフォーマンスを上げる
が必要だと分かったので、最後に「それらを実現するためにはどうするべきか」を書き込みました。
このようにhowツリーでは実現したい目標に向けて行うべきアクションを洗い出すことができます。
これによって目標達成に向けた具体的な計画の策定が可能になります。
広告運用におけるロジックツリーの活用
広告運用においても、問題や課題を解決するのにロジックツリーを使用できます。
ここでは、リスティング広告の成果が悪いときに配信設定で”どのようなことをすべきか”を細分化したロジックツリーを紹介します。
まず、「配信設定の改善」を頂点に置くと、「KW(キーワード)の見直し」、「配信時間・地域の見直し」、「オーディエンス設定の見直し」に分類することができます。
これをさらに細分化していき、最終的にはどうすべきか具体的な行動が出てきます。
このようにロジックツリーを使うと、多くの情報を整理して具体的な行動を洗い出すことができます。
CVR、CPCなどの改善ロジックツリーに関してはこちらの記事をご確認ください:リスティング広告のロジックツリー59項目
ロジックツリーを作成する3つのステップ
1.主題(課題・テーマ)を明確にする
ステップ1は「主題を明確にする」です。
主題はマーケティングの現場でいうと、そのプロジェクトの課題や目標です。
具体的な項目を頂点に置くことで分解の工程を減らすことができるため、ツリーが複雑化して見にくくなるのを防ぐことができます。
分解の工程を減らすことができるのは、ロジックツリーの方向性が定まり、不要な枝分かれ部分を作る必要が無くなるからです。
これによって必要最小限の分解で結論に至ることが可能となります。
次に、設定する主題の「良い例」と「悪い例」を紹介します。
「会社を良くする」というテーマを設定した場合(悪い例)
このテーマから分解を始めた場合、
・会社の雰囲気
・会社の売上高
・会社の設備
・会社の信頼
・会社の場所
など「良くする項目」が無数に考えられてしまいます。
こうすると、ツリーは複雑化して不要な枝分かれまで作成してしまう可能性もあるので、見づらいロジックツリーになってしまいます。
「売上高を増やす」というテーマを設定した場合(良い例)
このテーマから分解を始めた場合、
・A事業の売上高
・B事業の売上高
のように具体的な項目に分解できます。
つまり、具体的な項目を頂点に置くと、具体的な要素に分解されて情報も整理されやすいということです。
このようにすることで、無駄な枝分かれのない見やすいロジックツリーを作成することができます。
2.主題を分解して要素を洗い出す
テーマを設定したら、細かい要素に分解していきます。
主題に設定した課題や目標を細分化していくということです。
この時に、どこまで分解すべきか悩んでしまう方もいるかと思いますので、ロジックツリーを終了させる基準を紹介します。
ロジックツリーを終了させる基準は、
whyツリー・howツリー・whatツリーのどれを使用するかによって異なります。
そこで、種類別にロジックツリーを終了させる基準を紹介します。
「売り上げの低下」というテーマを設定した場合の終わり方(whyツリー)
前の章で紹介したwhyツリーの例を使用して「whyツリーの終わり方」を解説します。
whyツリーでは、解決したい問題を頂点に置き、それを詳細に分解していきます。
最終的には、以下の画像のように、「具体的なアクション」を洗い出すことができれば終了です。
※ツリー作成の方法から確認したい方は「売上低下の原因分析」で再度ご確認ください。
「仕事の効率化」というテーマを設定した場合(howツリー)
前の章で紹介したhowツリーの例を使用して「howツリーの終わり方」を解説します。
howツリーでは、達成したい目標を頂点に置き、それを詳細に分解していきます。
最終的には、以下の画像のように目標達成のための「具体的なアクション」が出てきたら終了です。
※ツリー作成の方法から確認したい方は「残業を減らすための効率化」で再度ご確認ください。
「洋服」というテーマを設定した場合(whatツリー)
前の章で紹介したwhatツリーの例を使用して「whatツリーの終わり方」を解説します。
whatツリーでは、分解したい項目を頂点に置き、それを細かい要素に分解していきます。
最終的には、これ以上分解できない要素まで分解できれば終了です。
※ツリー作成の方法から確認したい方は「洋服の分類」で再度ご確認ください。
3.要素間の関連性を整理する
ロジックツリーにおいて、すべての要素は繋がりを持っている必要があります。
上にある要素と関連性のある要素に分解できているかを確認しましょう。
また、whyツリー・howツリーの場合は出てきたアクションに優先順位をつけて整理することも課題の効率的な解決に向けて重要なステップです。
優先順位をつけることによって、ロジックツリーで得られた情報を最大限に活かしましょう。
これによって、より効果的なマーケティング戦略を立てられるようになります。
書き方のポイントと注意点
包有関係・因果関係の形になっているか
ロジックツリーで出てきた要素はすべて包有関係・因果関係の両方の条件を満たしていなければいけません。
包有関係とは「上の要素=下の要素の合計」になっている必要があるということです。
下の要素をすべて足したら上の要素を完成させられるかを確認しましょう。
因果関係とは「上の要素が原因、下の要素が結果」の関係になっている必要があるということです。
この関係が反対になってしまうと、ロジックツリーを正確に作成できない可能性があるので注意しましょう。
MECE(ミーシー)の原則
ロジックツリーはMECE(ミーシー)の原則に則って作成しなければいけません。
MECEとは
・Mutually(相互)
・Exclusive(限定的)
・Collectively(全体)
・Exhaustive(網羅的)
からなる言葉で、
「重複せず、かつ漏れなくアイディアを出す」
という意味です。
例えば、職業を要素に分解する際に「主婦、学生、アルバイト、正社員」のように分解するのがMECEの原則に沿った方法です。
「主婦」だけが抜けてしまったりしないように漏れなく分解する必要があります。
この「MECEの原則」を意識してロジックツリーを作成しましょう。
ロジックツリー作成ツールを3つ紹介
エクセル
ロジックツリーはエクセルで作成できます。
作成の手順は以下の通りです。
①挿入>②SmartArt>③階層構造>④ロジックツリーの形の図を選択
以下の画像の番号順に選択していくことでロジックツリーを作成できます。
Lucidchart
Lucidchartはフローチャートのような作図や資料作成を行えるWebサイトで、作業はサイト上で行うことができる上にチームでの同時編集も可能です。
Lucidchartでロジックツリーを作成する手順は以下の通りです。
空白の文書>テンプレート>決定木サンプル
Lucidchartでは共同編集も可能なので、チーム内で案を出し合いながらロジックツリーを作成することができます。
Xmind
Xmindはマインドマップの作成、ブレインストーミング機能を備えたアプリです。
Xmindでロジックツリーを作成する手順は以下の通りです。
①ロジック図>②新規作成
XmindではLucidchart同様にチームでの共同編集が可能です。
ピラミッドストラクチャーとロジックツリーの違い
ピラミッドストラクチャーとは?
ピラミッドストラクチャーは、下画像のように結論を頂点に置いて、その下に根拠と理由を展開することで論理構造が正しいか確認する手法です。
結論に対する根拠に不足している部分がないか確認するために使用されます。
これは、プレゼンテーションの資料の確認などに使用されることが多いフレームワークです。
以下は「ジムに通うべき」という主張を頂点に置いた場合のピラミッドストラクチャーです。
頂点に「結論」その下に「根拠」が2つあり、根拠の下にはそれを説明する「理由」が置かれる構造になっていて、論理の正確性を確認することができます。
使用目的の違い
ロジックツリーと似ているといわれるピラミッドストラクチャーですが、この2つは何が違うのでしょうか。
・ロジックツリー:課題解決に使用できるフレームワーク
・ピラミッドストラクチャー:論理構造の確認に使用できるフレームワーク
という違いがあります。
どちらを使用するかの判断基準
どちらのフレームワークを使用したら分からないという方に向けて、その判断基準を紹介します。
・ロジックツリー:課題解決に使用できるフレームワーク
・ピラミッドストラクチャー:主張に対する根拠に不足がないかを確認したいとき
上記の判断基準で適切なフレームワークを使用し、業務に活かしていきましょう。
まとめ
今回はロジックツリーの基本的な概要とその種類、具体例について紹介しました。
ロジックツリーは専用のソフトを使用したり、紙に書くことで誰でも使用できるフレームワークです。
自分の目的に合った種類のツリーを選択し、ぜひ業務に活かしてみてください。
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