【運用初心者向け】リスティング広告のロジックツリー全59項目|プロのノウハウ入り

  • 2020.11.18
  • 2021.11.15
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リスティング広告の運用において、「現状に対して何をすべきかがわからない」という場面は多く訪れます。
そういう時には「ロジックツリー」を参考にしましょう。

達成したい目的と現状を照らし合わせ、どういう改善施策を打つべきか?
ロジックツリーを理解することで、たとえ運用経験が浅くてもその判断を容易く行えるようになります。

この記事では、リスティング広告(検索広告)を運用改善していくためのロジックツリーの紹介と、複数改善ポイントがある際の優先順位の付け方までを詳細に解説しています。

これを読むだけで、運用経験が浅い人でも長くリスティング広告を運用してきた広告代理店のノウハウを元に、アカウント運用改善を進められるようになるでしょう。

リスティング広告におけるロジックツリー

まず、大枠のロジックツリーとしては上図の通りです。 CVを増やすために関係する指標、CPAを改善するために関係する指標を簡潔にまとめています。

リスティング広告の改善ポイントは大きく「クリック数・CPC・CVR」の3点

ロジックツリーは目的達成のために活用されるものなので、まずはリスティング広告の目的を改めて確認します。

リスティング広告の目的は、最終的には利益を上げることです。
細分化すると様々な目的がありますが、リスティング広告運用者に主に科せられる目的としては、「コンバージョン(CV)の最大化」もしくは「獲得単価(CPA)の削減」が大部分を占めていると思います。 赤枠に注目すると「CVR」が重複しているため、大枠としては「クリック数を上げる」「CPCを下げる」「CVRを上げる」の3点となります。

そしてそれぞれ、その解決策として実施できる施策は非常に多く存在します。運用経験が浅い場合、選択する施策が偏ってしまったり、そもそも他の方法を知らない…ということになりがちです。

この記事では、「クリック数を上げる」「CPCを下げる」「CVRを上げる」の3つのポイントについて、その解決策をロジックツリーとして明確化します。

「クリック数を上げる」ロジックツリー詳細

クリック数を上げる場合は、「どう表示回数を上げるか」「どうクリック率をあげるか」がメインの視点となります。

例えばクリック率を改善しようと考えた際、「とにかく広告文テストする」という考えで進めてしまう方が多いですが、実はそれ以外にも実行できる施策は非常に多く存在します。

以下のロジックツリーではクリック数を上げるための要素全てを網羅しているので、そもそも取り組んでいないことがないか?という点もチェックしてみてください。

※画像クリックで拡大してご確認頂けます

項目が多いため、「どこから手を付けたらいいのか?」が問題となりますが、もしまだ実施していないなら優先して必ず実施した方が良い施策が以下の部分です。

①広告文を増やす

グループに広告文が1つしか入っていない。という場合には必ず2~4つは作成し、テストできる環境にしましょう

②広告表示オプションを設定する

未設定の場合、設定できそうな項目は必ず設定しましょう。

③入札調整

入札しているCPCが低すぎて、そもそも広告が表示されていないという場合は、検証が進まないため表示されるように調整する必要があります。

「CPCを下げる」ロジックツリー詳細

CPCを下げる場合、「クリック単価の入札を下げる」というのが最も簡単で手っ取り早い対応です。しかし、単純に入札を下げただけでは、表示回数が減ってしまったり掲載順位が下がってしまうなど、様々な弊害が発生する可能性があります。

入札を調整する以外にも、CPCを下げる方法は存在しますので、ロジックツリーを元に取り組めそうな施策をチェックしてみましょう。 ※画像クリックで拡大してご確認頂けます

「CVRを上げる」ロジックツリー詳細

CVRの改善は、

  1. 管理画面での調整
  2. ランディングページそのものの改善

という形で、施策は大きく2パターンに分かれます。
CVRに関しては管理画面の調整では限界がありますので、広告運用をしていう上ではランディングページの改善スキルも身につけておくことが非常に重要となります。 ※画像クリックで拡大してご確認頂けます

CVRが低い理由としては、「検索したキーワード」とそこに表示された「広告文」から、ユーザーが「こういう情報がありそうだ」とクリックして開いたLPに、求めていた情報がない(=ギャップを感じる)という場合に離脱が起こりCVRが低下します。

キーワードと広告文、そして広告文とLP(主にファーストビュー)にズレは無いか?という点は注意して見ていきましょう。 広告文テストに夢中になっていると、LPとギャップが起こっていた…ということはやってしまいがちです。

やるべきことが複数ある場合の優先順位の付け方

リスティング広告運用に課題が複数存在する場面では、アカウントに対する改善インパクトが大きいかどうかで優先順位を付けるべきです。
課題が複数あるにも関わらず、ひとつずつしか施策に取りかかれない場面は多いです。その際、どの改善施策から手をつけるべきかの判断がとても重要になります。 実行しやすい施策から取り掛かってしまいがちですが、仮に多少改善したとしても、根本的に改善しないと大きく数字は変わらないという結果に陥ってしまいます。

「ここが少しでも改善すれば、全体にも影響がある」というような施策から優先的に実施することで、大きな改善効果を出すことができます。

優先順位の付け方・考え方の事例

例えば、下記のようなアカウントを運用しているとします。

目標値:  
予算 ¥350,000  
目標CPA ¥10,000  
目標CV 35件 アカウント数値:

表示回数クリック数広告費CTRCPCCVCPACVR
80,0001,840350,0002.30%190938,8890.50%

目標CPA1万円、CV35件に対し現在のCPAが約39,000円、CV9件ということで大きく乖離しています。
このCPAのまま目標CV件数を取りに行くと、必要予算が130万以上になってしまうので現実的ではありません。

CPAが半額になれば、目標にはまだ届きませんがCVは倍になりますので、このアカウントはCPAの改善が急務となります。

※CPAの上振れ具合によっては、件数を先に取りに行く判断をする場合もあります。これは広告しているサービス内容やビジネスモデルに寄って変わるため、ここでは割愛します。

ロジックツリーを元に考えると、CPAを改善するには「CPCを下げる」と「CVRを上げる」必要があります。それぞれ試算をしてみましょう。

・CPCを下げた場合

表示回数クリック数広告費CTRCPCCVCPACVR
160,1833,684350,0002.30%951819,0000.50%
304,3487,000350,0002.30%503510,0000.50%

CPCを50円まで下げられれば、目標は達成します。
仮に一旦現在からCPA半分になるところを目指した場合、CPC95円まで下げられれば達成します。

計算上はこの通りですので、「じゃあ取り急ぎ入札単価を下げればいい」と考えてしまいがちですが、それは危険な判断です。

運用者であれば既知の部分ですが、入札単価によって広告の掲載順位が変わります。広告の品質なども関わってきますが、いきなりCPCを190円から50円に下げた場合、掲載順位が著しく下がり、「そもそも表示されない」「クリックされなくなる」という別の問題が発生してしまいます。

CPCを下げるためには広告の品質スコアを改善するという手もありますが、現在のCPC190円から50円まで下げるのは、かなり厳しい道のりです。

・CVRを上げた場合

表示回数クリック数広告費CTRCPCCVCPACVR
80,0001,840350,0002.30%1901819,0001.00%
80,0001,840350,0002.30%1903510,0001.90%

CVRを1.90%まで上げられると目標達成、CVR1%への改善でCPA半分になる計算です。
商材やキーワードによって大きく変動しますが、検索広告でのCVR平均値は「1~2%程度」が目安となります。

目標CPA1万円ほどの商材であれば、平均値を参考にしてもそう大きく差はないと考えると、現在のCVRは平均値よりも半分以下ということになります。

CVRが平均値よりも著しく低いということは、何かしら大きな問題を抱えているということになります。まずは平均値まで改善するだけでCPAは半分以下になりますので、最初に取り掛かるべき改善は「CVR」ということになります。

“インパクトの大きさ”を考慮した場合、何から取り掛かるべきか?

CVRを改善するために出来ることは数多くあります。
どれからやるべきか?の判断は、ひとまず「より多くの費用を使っていて、足を引っ張っている箇所」を基準に見ていきます。

例えば、性別データを見たときに、「男性:女性の費用割合が7:3、CVRは女性の方が男性より高い」という状態だったとします。

性別広告費CVCPACVR
男性248,000642,2220.45%
女性105,000331,6670.60%

この場合、「男性への配信に予算の7割を使用している」のに「CVRが低い」という状態ですので、「男性を配信対象から除外する」「男性のCVRが上がるようにLPを改善する」ということから取り掛かることで、成果に結びつきやすくなります。

 

思い切って男性を除外してしまう手もありますが、現在広告費の7割を男性で使用しているため、まるごと除外してしまうのは機会損失が大きそうです。
この場合は男性からの流入の中で、CVRを引き下げている原因を特定して改善するのが良いと判断します。

ちなみに、予算の3割しか使っていない女性向けの施策を行った場合、CVが倍になったとしても全体のCV数はあまり増えません。 (女性からのCVRが改善した場合)

性別広告費CVCPACVR
男性248,000642,2220.45%
女性105,000619,0001.00%
合計350,0001229,1670.62%

(男性からのCVRが改善した場合)

性別広告費CVCPACVR
男性248,0001319,0001.00%
女性105,000331,6670.60%
合計350,0001621,8750.88%

女性向けの改善を行った場合、合計CV件数は9件→12件(+3件増加) 男性向けの改善を行った場合、合計CV件数は9件→16件(+7件増加) 実施している施策としては同じ内容だったとしても、対象が違うだけで成果が倍以上変わってきます。

これが、「インパクトの大きいところを優先する」理由です。

まとめ

リスティング広告は常にアップデートされており、時代も変化していきます。
アカウント運用改善にできることは常に移り変わっていきますが、基本として出来るところは大きく変わりません。

ロジックツリーを見ながら運用していくことで、自分ならではの、そしてそのアカウントならではのロジックツリーが出来上がっていくことでしょう。 是非活用してみてください。
>>詳細・完成版ロジックツリー [ ダウンロード ]

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