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目次
ペルソナマーケティングとは?
ペルソナマーケティングとは「架空の消費者(=ペルソナ)」を作り上げ、そのペルソナに突き刺さる商品開発、プロモーション戦略といったマーケティング手法をあわせたものです。
消費者像をイメージすることは商品開発では珍しくありませんが、ペルソナとは「漠然とした消費者像」ではなく、「明確な消費者像」にしていきます。
例えば、ペルソナを40代男性、東京住み、既婚などの漠然としたものではなく、45歳男性、既婚で子供は二人、仕事は商社勤務で部長職、趣味はゴルフという趣味や思考まで落としこんで行きます。 この一人の男性だけに売ることを考えて商品を開発、プロモーションをするのがペルソナマーケティングです。
「そんなので本当に売上が伸びるの?」・・・そう思いますよね。 ところが、これまでにペルソナマーケティングによって急成長を遂げた企業、大ヒット商品を生み出した企業は数多くあります。
今回はそんなペルソナマーケティングの事例と実践方法について解説していきます。
ペルソナマーケティングをしていない会社はどうなる?
「遠くの国で起こっている戦争より、自分のニキビが気になる」 そんな現代の自分のことしか興味のない時代では「あなたの為のもの」というメッセージがなければヒットはしません。
たった1人にヒットしないものは、大勢にもヒットしないのです。 広告の業界でも、様々な種類の広告が飛び交っています。
しかし、自分が注目するものは自分の興味や自分に関連するものだけ。人間は自然と頭の中で、自分に必要かそうではないのかを選択しています。
だからこそ、万人受けするものではこの時代で自分には関係無いと判断されてしまう可能性があります。
例えば、気になる女性とデートをする際も、相手が好きな食べ物やどんな雰囲気のお店が好きなのかを把握してお店を予約すると一気にあなたの印象はよくなり、「私の為に考えてくれる人」というイメージが定着します。 みなさんの行きつけのお店や美容院ははあなたの顔を覚えてくれていて居心地がよかったり、今までの髪型を把握した提案をしてくれたりなにか付加価値があるはずです。
同様にペルソナを作っている会社と、ペルソナを作っていない会社では「私の為のもの」という点でおのずと自分の為に考えてくれる会社を選んでしまうのです。
だからこそ、この「あなたの為のもの」といったような1人に向けたペルソナに向けたメッセージをしていない会社は自然と売れない、未来のない会社になるのです。
ペルソナマーケティングで大成功! 10年で売上高42億円!「スープストック」の事例
三菱商事初の社内ベンチャーとして生まれた、食べるスープをコンセプトにしたスープ専門店「Soup Stock Tokyo」。
創業わずか10年で、売上高42億円を達成。2017年の時点では54店舗を展開するという成長を続けているんです!
「Soup Stock Tokyo」がここまでの成長を遂げた裏にはペルソナマーケティングが関係するのです。
「Soup Stock Tokyo」を成功に導いたペルソナ「秋野つゆ」
創業者の遠山さんは、「秋野つゆ」という37歳の都心で働くキャリアウーマンという架空の人物のペルソナを作り上げました。
そして、ペルソナの特徴として独身か共働きで経済的に余裕があり、装飾性よりも機能性を重視していて、シンプルでセンスのいいものを日頃から求める。
フォアグラよりもレバーが好き、プールでは平泳ぎではなくクロールで泳ぐ、というようなペルソナの属性をつけていきました。 性格面では、社交的だが自分の時間も大切にしたい!人生を楽しみたいという人物設定まで行いました。
ペルソナを活用したマーケティング戦略
しかし、ただペルソナを作るだけでは成功はしません。 「秋野つゆ」を満足させる形で、さまざまな施策を積極的に打ち出し、メニュー、店舗の場所や雰囲気を考えていきました。
価格は、「経済的に余裕があり、シンプルでセンスのいいものを追求するタイプでこだわりがある」という人物の傾向に従い、価格はレギュラーカップが630円という高めの値段に。
立地は、都心で働くキャリアウーマンが多くいそうな駅チカや、オフィス街のみ出店をおこないました。
1人の人に向けて作った店が売上高42億円の店になる
「秋野つゆ」という人物のみ考えて作った店が・・・ なんとわずか10年で売上高42億円、店舗数52店舗という成功を収めるまでになったのです。
このように1人の人に向けたメッセージは自然と沢山の人の心を掴み、より買ってくれる可能性の高い「秋野つゆ」と似た人を集めたのです。それだけではなく、狙っていた層にも反響がありました!
だからこそ、商品や、広告などを考える時の基準となるペルソナマーケティングはビジネスにとって必要不可欠なのです。そして、自分のビジネスはどのようなコンセプトなのかを考えることも大切です。
売上が上がる!ペルソナの作成方法とは
早速ペルソナを作ってみたいと思った方のために、ペルソナ作成の手順をご紹介します。 そしてペルソナ作成の前提として、以下を考えることが大切です。
・自社にとって都合がいいだけの理想の顧客像を描かない
・実在する人物かのようなリアリティのある人物像を描く
この点を踏まえて、ペルソナを作成してください。
ターゲットに関する情報を集める
多くの場合、すでにざっくりとしたターゲットは決まっているでしょう。 そこでまずはそのターゲットに近しい人に関する情報・データを収集します。 この情報収集をしっかり行うことで、実在する人物かのようなリアルなペルソナを作ることが可能です。
集めた情報を元に一人の顧客像に落とし込む
様々な要素を組み込み実際の人物像の作成を行います。
年齢(年代) 性別 職業 勤務先(役職や仕事の概要) 年収(年収) 家族構成 結婚(婚姻歴などパートナーの有無) 居住地 性格 教育(最終学歴) 趣味 1日の過ごし方(行動パターンをもとに行動シナリオ作成) 消費行動 価値観 口癖 悩み 愛読書(雑誌) よく見るWebサイト 情報の入手先(情報収集行動) デバイス いつ見るのか どこで見るのか
ペルソナ像はどんな商品・サービスが響くのかを徹底的に考える
ここまで落とし込むことができたのであれば、もうゴールは近いです。ではこのペルソナ像の趣味嗜好からどんな商品だったら興味をもってくれるのかを徹底的に考えます。
ペルソナを設定するだけでは、まだ成功はしません。ペルソナにマーケティングの要素をプラスしてこそ成功します。 だからこそ、このペルソナがどうしたらよろこぶのか、どんな場所で買い物するのか、広告であればペルソナは生活の中でどのような広告媒体を目にする機会が多いのかを考えていきましょう。
①②③の以上が簡単なペルソナマーケティングの方法です。
もっと上手にペルソナが作成できるワンポイント!
「これ以上掘り下げれない・・・」 「なにに関心があるのかまでわからない」 そんな時はSNSでユーザーのつぶやきや投稿、Yahoo!知恵袋で検索をするとユーザーのリアルな情報を得ることができるのでおすすめです!
そしてペルソナを作成する時は、ペルソナの立場になるのではなく目線にたつことが大切です。
立場になることは簡単ですが、目線で考えることは難しいです。 そしてペルソナの目線にたった時、どんな商品だったら買うのか?どんな広告文ならクリックをするのかを考えることが大切です。
そして、そのペルソナの目線で考える為にも、普段から自分が購入したものに対して「自分はなぜこの商品を買うのか」といったマーケティングの本質を考えることを意識しましょう。
あなたが昼休みに買ったその「ペットボトルのお茶」にも、沢山の中からそのお茶を選んだ理由があるのです。 「自分はなぜこの商品を買ったのか」 「なぜ沢山あるなかでここを選んだのか」 それこそがマーケティングの本質です。
だからこそ、ペルソナの目線に立って考える上で、普段から「自分はなぜこれを選んだのか」を考える癖をつけることがいいペルソナを生み出すポイントです! ぜひ実践してみてください!
ペルソナマーケティングは集客にも有効◎
パルソナマーケティングが有効なのは制作物だけではありません。 Web集客にもペルソナマーケティングは大きく影響を与えます。
世の中にはたくさんのキャッチコピーや広告クリエイティブがありますが、全ての人に刺さるコピーやクリエイティブというのは存在しません。 広告は、必ず何かしらセグメント分けされた対象に対して、ピンポイントに刺さるような言葉や画像を発信します。
うまく刺さるものを生み出せるかどうかは、対象となるユーザー像をどれだけ明確にイメージできているかにかかってきます。ユーザー像がぼんやりしていると打つ広告もぼんやりとしてしまい、誰にも刺さらないので誰も買ってくれません。
せっかく広告費をかけるのであれば費用対効果は高い方がよいはず。しっかりとペルソナ設定した広告文を考えて配信していきましょう!
ペルソナマーケティングでタダで売上を倍増しよう!
現代では、ユーザーを管理画面上での数値で判断している会社は多いです。 しかし、目の前の売上だけを見ている会社は成長はしません。
ペルソナがいれば、「この施策をしたらこの人は喜ぶのか?」と自問自答することができ、本当にユーザーのためになる商品や、サービスが生まれます。基準があれば考えるのも楽! 成功した「秋野つゆ」さんのように細かいペルソナを設定し、その人物を喜ばせることだけを考えてビジネスを考えましょう。
本当にユーザーに求められているものを世の中を生み出す為にも「ペルソナマーケティング」は必須スキルといえるでしょう。
ぜひこのスキルを使って、あなたのビジネスをよりよいものにしていってください!
デジタルアスリート株式会社
ウェビナーマーケティング部 部長
成長できる環境とWEBの楽しさ、社員の人柄に惹かれて2018年にデジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に新卒として入社。
1年後にFacebook広告メインの運用チームの課長を努め、現在は運用代行をメインとした部署の部長をしています。
「現状維持は衰退」ということをモットーに、クライアントによりよい価値を提供できるよう、 サービスも社内の取り組みもマネジメントも市場のニーズにあわせて常に工事中です。
趣味はオーディション番組を見ることで、人が成長していく過程の心が揺さぶられる瞬間が大好きです。
Writer
有馬 由華 記事一覧
デジタルアスリート株式会社
ウェビナーマーケティング部 部長
成長できる環境とWEBの楽しさ、社員の人柄に惹かれて2018年にデジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に新卒として入社。
1年後にFacebook広告メインの運用チームの課長を努め、現在は運用代行をメインとした部署の部長をしています。
「現状維持は衰退」ということをモットーに、クライアントによりよい価値を提供できるよう、 サービスも社内の取り組みもマネジメントも市場のニーズにあわせて常に工事中です。
趣味はオーディション番組を見ることで、人が成長していく過程の心が揺さぶられる瞬間が大好きです。