戦略・戦術の違いとは?わかりやすい事例つきで解説します

  • 2018.8.16
  • 2022.8.18
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「戦略・戦術という言葉は聞いたことがあるけど、違いがイマイチ分からない」

この記事を読んでいるあなたは、恐らくそう思っているのではないでしょうか。

確かにこの2つの言葉は似た意味に思えますが、実は明確に定義が異なります。
そして、この戦略・戦術の定義をキチンと理解し、明確に使い分けられるようになると、会議の際にどちらの話をしていたか分からなくなることが無くなりますし、何より日々の仕事の精度も上がります。

今回は、戦略・戦術の意味の違いや関係性、良い戦略・戦術を立てるポイントなどを、具体例も交えて紹介していきます。

記事を読み終わる頃には、戦略・戦術の違いが明確に分かるようになりますから、ぜひ最後までご覧ください。

戦略と戦術の違いとは

戦略と戦術は、似て非なるものです。ここでは、両者の違いを明確にし、関係性を明らかにしていきましょう。

戦略とは方向性

戦略は、一言で言えば方向性です。言い換えれば、企業や個人が、時間やお金などの限られた資源を集中投下する対象を決定することを意味します。

例えば、ネット書店だったらAmazon、スマートフォンだったらApple、アパレルだったらユニクロといった具合に、私たちは特定の分野において第一想起する企業があるはずです。

しかし、各社は初めから有名だったわけではなく、自分たちが使える経営資源をそれぞれの得意分野に集中投下し、成功を収めているからこそ有名になりました。

もしユニクロが有名になる前に、アパレル以外に、ネット書店やスマートフォンなどにも力を分散させていたら、今と同じ地位は築けなかったでしょう。
また、同じアパレルの中でも、ファストファッションの分野に特化したからこそ、大きな成功を収めています。

このように、戦略とは、その企業や個人が目的を達成するうえで、注力する方向性を定めることです。

戦術とは具体的なアクションプラン

戦術は、戦略に沿って立案される、具体的なアクションプランのことです。1つの戦略に対して、複数の戦術が組み合わされることも多いです。

もしあなたがアパレル店員だとしたら、季節ごとに行われるキャンペーンや、店内のポスター掲示、SNSによる情報発信など、日々の活動がまさに戦術そのものです。

大切なことは、行き当たりばったりでただ行動するのではなく、戦略を起点として、そこに沿ったアクションプランを立てることです。

例えば、今期の戦略が客単価を上げるためのセット販売を強化することなのに対し、日々のSNS投稿で一点ものばかり案内していたとしたら、戦略と戦術がズレてしまっています。

このようなことが起こらないように、常に戦略に立ち返って、どんな戦術を取るべきかを試行錯誤する必要があります。

なぜ、戦略と戦術の両方が必要なのか?

戦略と戦術の違いが明確になったところで、こんな疑問が浮かんでいる方もいるかもしれません。

「そもそも、戦略と戦術って、両方必要なの?」

結論から言うと、戦略と戦術は両方必要です。というのも、戦略と戦術が揃わなければ、目的・目標を達成できないからです。
どちらか一方が欠けているケースを、それぞれ事例を交えて紹介します。

戦略はあるけど、戦術がないケース

あなたは飲食店のオーナー経営者だとします。今年の目玉商品(戦略)は、「チーズハンバーグ」に決まり、店長にも詳細を伝えます。
試作品の満足度も高く、これなら大ヒット間違いなしと意気込んでいたところ、いっこうに新商品の売上が上がりません。

不思議に感じたあなたが店舗の視察に行ってみると、メニュー表が前のままだったり、PR用チラシも店内に貼っていなかったりで、お客さんが新商品の存在に気づいていないことが分かりました。

いくら良い戦略を立てたとしても、戦術がなければ結果には結びつきません。

戦略はないけど、戦術だけ決まっているケース

あなたは先ほどと同じ飲食店のオーナー経営者だとします。
今期は販売不振が続き、何とか巻き返しを図らなければいけません。 そこで、良いアイデアが思い浮かばないあなたは、とにかく新規顧客を獲得しようと、店舗の認知拡大を目的にWeb広告に注力することにしました。

ところが、月に数十万円の広告費用をつぎ込んだにも関わらず、顧客は増えるどころか減少してしまいました。

理由はシンプルで、戦略も何も決めずに手当たり次第に広告を打っていたため、一貫性の無いメッセージを送りつける形になり、既存顧客の心も離れていってしまったからです。

このように、戦術だけが決まっている状態では、ムダに労力だけがかかってしまうことがあります。

マーケティングの世界は戦術論であふれている

マーケティングの世界に目を向けてみると、世の中に発信されている情報は、戦術論に関するものが大半です。これは、戦術の方が目に見えやすく、情報として発信しやすいという特性があるからでしょう。

しかし、戦術はあくまでも、戦略があるからこそ成り立ちます。

すなわち、ただ単にSEO対策を始めたり、広告運用をしたりしても、小手先の戦術だけをなぞる形になるため、成果は発揮しづらくなります。

ついつい戦術論に頭がいきそうな時は、「この戦術は、どんな戦略のために行うもの?」と自問してみることをおすすめします。また、戦略的な視点も踏まえた総合的なアドバイスを受けたい場合は、広告代理店に相談してみるのも1つの手です。

戦略・戦術の具体例

戦略・戦術のイメージが掴めてきたところで、実務ではどのように使用するのか、具体例を用いて解説します。
戦略・戦術の中でも頻繁に出てくる、経営戦略・戦術および、マーケティング戦略・戦術を題材に紹介します。

経営戦略・戦術

経営戦略は、会社全体の戦略を担うため、最上位の概念となります。

その中でも重要な項目の1つが、主力事業の取捨選択です。
選択しだいでは会社が大きく傾きかねませんので、お客様や競合の動向を探りつつ、慎重に決定する必要があります。

例えば、ある製造業の会社の社長が、今後の介護需要の拡大を予測して、介護業界に力を入れていこうと決定したとします。すると、エース営業マンに介護業界の開拓を託したり、介護業界向けの試作品を作る専門チームを結成したりと、戦術が具体的に決まっていきます。

特に中小企業においては、戦略は全て社長が決めて、戦術は一般社員も含めて話し合って決めていく、というパターンも多く見受けられます。

マーケティング戦略・戦術

マーケティング戦略では、より上位概念である経営戦略に沿って、具体的に顧客にどのようにアプローチをかけていくかを決めます。

経営戦略・戦術のパートで紹介した介護事業に力を入れようとしている製造業の例で、今期は見込客との接点構築に集中するといったマーケティング戦略を打ち出したとします。

するとおのずと戦術は決まってくるため、新規顧客との接点が持ちやすいブログ運営を始めたり、関係性を深めるためにメルマガを打ったり、アクションプランが明確になってきます。

まずは戦術の候補を可能な限りピックアップし、過去の経験や他社の事例研究などを踏まえ、自社にとって最適な方法を選んでいきます。

良い戦略・戦術を立てる際のポイント

良い戦略・戦術を立てる際には、いくつか注意するべきポイントがあります。
今回は、これだけは押さえてほしい、4つのポイントを紹介します。

目的を忘れない

1つ目は、そもそもの目的を忘れないことです。
当たり前と思われるかもしれませんが、意外と忘れてしまっているケースが多いです。

極端な例ではありますが、企業としての存在意義を忘れ、ただ単に金儲けをしようと思えば、詐欺まがいの戦略・戦術を立てることにもつながってしまいます。

また、目的が異なれば、戦略や戦術も変わってきます。例えば、世界一を目指すのと、地域No.1を目指すのでは、戦略・戦術は異なるはずです。

そのため、戦略・戦術を考える以前に、そもそもどんな目的のために戦略・戦術が必要なのかを明確にすると良いでしょう。

戦略→戦術の順に考える

2つ目は、戦略→戦術の順番で考えることです。
なぜなら、この順番で考えないと、無意味な時間やお金をひたすら費やすことになるからです。

例えば、知人からWeb広告をやると良いと話を聞き、Web広告の運用をスタートします。しかし、数か月経っても、いっこうに成果につながりません。

そこでふと冷静になると、自社がターゲットとしている層は60代の方で、Webよりもチラシや新聞、ラジオをよく利用する世代だと気づきました。

つまり、いくらWeb広告の成果を改善しようとしても、そもそもWebを見ない層にアプローチをしている時点で失敗していることが分かります。

間違った努力をしないためにも、必ず戦略→戦術の順番で考えていきましょう。

正しい現状把握を行う

3つ目は、戦略・戦術を立てる前に、正しい現状把握を行うということです。
というのも、正しい現状把握をしなければ、優れた戦略・戦術が机上の空論で終わってしまうことがあるからです。

例えば、同業他社でテレビCMを使ったPRが上手くいっており、そのやり方を真似ようとしたとします。しかし、自社が捻出できる予算が月に十数万円程度という企業では、そもそもテレビCMを行う財務的な余裕がありません。

もちろん、制限を掛けずにアイデアを出すこと自体は価値がありますが、あまり現実的ではない議論ばかりをしても時間のムダですので、自社の立ち位置は正確に把握しておくべきです。

特に、予算、組織体制、知見・ノウハウの有無などは確認しておくと良いでしょう。

個人知より集団知

4つ目は、個人知より集団知を結集するべきということです。特に、ワンマン気質の方の場合は、部下の話を聞くという意識をより強く持つ必要があります。

なぜなら、一人では会社の全ての状況を把握することは現実的に不可能であり、アイデアの広がりにも限界があるからです。

例えば、SONYが開発した世界的大ヒットゲーム「プレーステーション」は一社員のアイデアから誕生しています。1994年に発売され、全世界で1億台以上を販売した大ヒット商品も、一社員の意見を潰していたら生まれていなかったということです。

上記は極端な事例ですが、様々な視点から意見を挙げることで、新しい発想が生まれます。ぜひ、部下の意見を否定せず、まずは聞いてみるというスタンスを持ってみてください。

戦略・戦術を巧みに使った企業事例

戦略・戦術のイメージがかなり鮮明になってきたところで、戦略・戦術を巧みに使って成功を納めた企業事例を紹介します。

USJ|コンセプトの転換&いつ行っても違うワクワク感

2001年に開業した大阪のUSJ。しかし、相次ぐ不祥事の影響などもあり、初年度に約1100万人を記録した入場者数は、2010年には約750万人にまで減少します。

しかし、当初のコンセプトであった「映画のテーマパーク」という戦略を転換し、ハローキティやピンクパンサーなどのキャラクターを次々に投入していき、お客さんが欲しいものを提供するテーマパークへと変貌を遂げていきます。

2014年には、ハリーポッターエリアの開設で過去最高の入場者数を更新し、その後も勢いが止まることはなく、時代のニーズにマッチした戦術(新エリアの開設)を展開しています。

一度来場したお客さんも、来るたびに変化するUSJに、ますます期待が高まる好循環が生まれています。

ユニクロ|アパレル業界のコストリーダーを支える生産体制

今や世界的な大企業となったユニクロは、アパレル業界において「コストリーダーシップ戦略」を取っています。なお、コストリーダーシップ戦略とは、コストを下げることによる競争優位性を働かせる経営戦略です。

ユニクロはこの戦略を実現するために、生産・物流・販売までの全行程を自社で行うことでコストを下げようと、SPA(specialty store retailer of private label apparel)という戦術を導入しました。

その結果、今や他の追随を許さない、圧倒的な業界地位を築き上げています。

セブンイレブン|POSシステムの導入が物流業界を変えた

コンビニ業界国内最大手のセブンイレブンは、アメリカでレジの打ち間違いや不正防止の目的で使用されていたPOSシステムを1982年に導入し、世界で初めてマーケティングに活用しました。

この戦術により、発注担当者は地域の行事や天気などを考慮して発注を行い、実数との差を見て次の仮説に役立てるというデータマーケティングの仕組みが確立しました。

セブンイレブンが今の地位を築いているのも、データを駆使し、顧客に求められるものを提供し続けてきたからだと言えます。

戦略・戦術を正しく使い分けチームを勝利に導こう

戦略と戦術は、似て非なるものです。

戦略・・・方向性。企業や個人が、時間やお金などの限られた資源を集中投下する対象を決定すること。

戦術・・・戦略に沿って立案される、具体的なアクションプラン。1つの戦略に対して、複数の戦術が組み合わされることも多い。

この両者はいずれも重要で、片方だけでは、目的・目標の達成には不十分です。

また、良い戦略・戦術を立てるうえでは、次のような視点も忘れてはいけません。

  • 目的を忘れない
  • 戦略→戦術の順に考える
  • 正しい現状把握を行う
  • 個人知より集団知」

慣れるまでは大変かもしれませんが、感覚が掴めてくると、戦略か戦術、どちらの話をしているのか明確に区別できるようになってきます。
ぜひ、戦略・戦術を正しく使い分けて、チームを勝利に導いてください。

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