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日本で一番普及しているスマホのコミュニケーションアプリといえばLINEです。
2022年現在で国内月間利用者数が月間9,200万人を超えています。
LINEを使うユーザーの割合は86%に達しており、「アクティブ率の高さ」も特長です。
そのことから今やプライベートだけでなくビジネスでもLINEの活用が当たり前になってきました。とはいえ、まだまだLINEをただの連絡手段としてしか活用できていない企業も多くあります。
そこで、この記事では2020年以降、急激に増えたオンラインセミナーを例にとってLINEを活用してセミナー集客を自動化する方法について解説していきます。
この記事をみればLINEで自動化するにはどのように設計したらよいかを理解していただけるはずです。
目次
LINE集客を自動化するメリット・デメリット
前提として、セミナーを開催するうえで求められていることは、限られたリソースを効率的に使い、売上を最大化することだと考えられます。
集客を自動化すると図のように申し込みからセミナー終了後のフォローまですべて自動で対応することができるようになります。さらに図にはない部分でリマインドやサンクスメッセージなども送ることができるようになるのです。
もし、限られたリソースをうまく使っていきたい、ということであればLINEを使って自動化することが最適です。
LINEを使うメリットを端的に言うと工数の削減、デメリットは設計の複雑さが挙げられます。
自動化する最大のメリットは運営工数の大幅削減
工数を大幅に削減できる理由の一つがLINEの開封率の高さです。LINEの開封率はメルマガに比べて圧倒的に高く、一般的にメルマガが10〜30%に対して、LINEは60%と言われています。
そのため、送ったメールが見られずに情報が伝わらなかったり、後追いの電話を何度もかけたりといった運営の負担を大幅に削減することができます。
さらにツールなどを活用すれば、フォームの送信や申込データの管理、セミナー後のアンケートなど、通常のメルマガスタンドだけではカバーできない範囲まですべて自動化できるのです。
申し込み管理、電話、メール、アンケートの送付等に運営スタッフの時間をかける必要はありません。
自動化のデメリットは設計と構築の複雑さ
メリットが多いLINEを活用した集客の自動化ですが、あえてデメリットをあげるとしたら、初めてLINEで構築する際に、仕組みを考えて構築する部分で複雑さを感じるところです。
セミナーの集客から運営までのフローが決まっていたとしても、それをLINEでどう自動化させればよいのかは、LINEでの構築経験がないとイメージがわきません。
ただ、一度設計の仕方と構築を覚えてしまえば、その後いろんなシーンで活用できるので、その壁も得られるメリットと比べたらわずかだと言えます。
LINE集客を自動化する際に押さえるポイント
たとえば、飲食店で出される料理はお客様に美味しい食事を提供するために、調理工程から調理器具、素材までしっかりと計算されています。
同様に、LINE構築においても完成イメージに近づけるために準備が大切です。
実際の構築に入る前に押さえておきたいポイントは3つです。
集客からセミナー終了後までの流れを整理すること
さきほどの料理の例を使って考えると、完成イメージから逆算して、どの材料を使う、どんな調理法を選択する、どの順番で作るといった「レシピ」があります。
LINE構築においても完成形をイメージして、最初に「何」を「どのタイミング」で「誰」に送るといったことを考えることが重要です。
これまでにセミナー経験があれば、まずは集客からセミナー終了までどのような工程が必要かを洗い出してください。そのうえで、どの工程をLINEでどのように再現したいか整理しておくのです。
▼設計図サンプル
このようにどのタイミングでどのコンテンツを配信するかを明確にしておくことで、構築している時に迷うこと無く進めることができます。
LINEのツールを活用すること
レシピが固まったら次はどのように調理をしていくかです。
LINE構築でいうとどんなツールを活用するかということになります。
今回はLINE公式アカウントの配信・運用・管理をサポートするツール「Liny」を用いて解説します。
ただ、LINEのマーケティングツールはいろんな企業が出しているので、どこを使うかはLINEツールを通して何を実現したいかで決めていただいてかまいません。
ここで押さえておきたいのは、なるべくお金をかけずにすべて手作業で対応しようとすると、時間と手間がかかりすぎるということです。
本来売上を増やすために拡大していく前提にもかかわらず、数が増えたら使おうとすると、結果、時間と手間がかかってなかなか売上に結びつかないことになりかねません。
利用範囲によっては無料で使えたり、低料金で使えたりするツールもあるので、うまく使っていきましょう。
構築に必要な材料を予め揃えておくこと
全体像とツールが決まったら構築といきたいところですが、構築をする前に素材を揃えて置く必要があります。
素材というのはメッセージで送る画像だったり動画URLだったり、リンクの情報などです。これを先に用意しておかないと、構築の過程において素材不足などになり構築を中断する、もしくは、後日改めて同じ場所を編集する手間が発生します。
実際に構築をしてみるとわかりますが、素材が足りないために作業が中断されるとものすごく非効率です。従って、構築が始まる前に必要な素材は全部揃えておいてください。
今回の全体像を整理するとこのようになります。
STEP01:集客の全体図を描く 集客から開催までにどんな工程があるのか整理しておく |
▼
STEP02:必要な工程をLINEで設計する STEP01で描いた全体図LINEのどの機能を活用して再現するか、 |
▼
STEP03:素材の作成 LINEの配信で使う画像や文章を作成する。 |
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STEP04:シナリオの設定 各テンプレートをどのタイミングで送るのか、 |
▼
STEP05:リマインダの設定とテスト配信 セミナーまでのリマインドメッセージやセミナー後のサンクスメッセージまで設定。 |
LINE集客を自動化する際の具体的な手順
準備が整ったら、あとはレシピのとおりに調理していくだけです。
ここまで進んで構築がようやくスタートします。
セミナー申し込み用のフォーム作成
最初にLINE登録後、セミナーに申し込みをするためのフォームを作成しておきます。これはシナリオを作成する時にフォームを指定する必要があるため、先に作っておいたほうがいいからです。
イメージとしてはこのようなフォームになります。
こちらはデフォルトのデザインですがコーポレートカラーやターゲットに合わせて色味などカスタマイズすることも可能です。
▼フォームサンプル
また、もしセミナー終了後にアンケートを実施するのであれば、同じようにフォームとして作成しておくことをおすすめします。
メッセージテンプレートの作成
次に実際に送るメッセージのテンプレートを作り込んでいきます。
メッセージは通常のテキストでも作成できますが、予め画像を作っておけばリッチコンテンツとして送ることも可能です。
もちろん通常のテキストと画像だったり動画も組み合わせることができます。
各工程で必要なメッセージのテンプレートをすべてこのタイミングで作ります。
▼メッセージサンプル
自動化するためのシナリオ作成
テンプレートを作ったらあとはそのテンプレートをシナリオで組むだけです。
ステップメールを組むイメージに近いかもしれません。
1通目を何分後、2通目を何分後、3通目は一日後のように時間と経過日数の設定ができます。
また条件分岐も可能で、たとえば、
・フォームに送信した人には追加のメッセージを送らない
・アンケートの回答結果によって送るメッセージを変える
・動画を見た人にはメッセージを送る
など、ユーザーの状況によってメッセージを変えられるため、申込済みの人に申し込みの催促をすることもないため、ユーザーに不快感を与えることもありません。
これを運営スタッフが手作業でやったら管理も煩雑になりますが、LINEツールを使うことで自動でできるのです。
▼シナリオサンプル
セミナー前後のリマインド作成
セミナー参加者の着席率を高めるために事前に連絡することも運営が行う作業の一つですが、これもLINEツールを使えば予め設定できます。
たとえば、
・セミナー開催日の3日前にオンラインセミナー用のURLを送る
・セミナー前日に明日の開催をリマインドするメッセージを送る
・セミナー終了後にお礼のメッセージを送る
など予め設定しておくことで、すべて自動で行ってくれます。
セミナー終了後にアンケートを送ることも仕込んでおくことができて、しかもLINEツールのフォームから送ったデータはスプレッドシートと連携するのでデータを手作業で管理する必要もありません。
アンケートフォームを作った際に自動返信メッセージで特典の情報を記載しておけば、アンケート回答者のみに特典を送ることも可能です。
▼リマインダ設定サンプル
まとめ
セミナー集客を実施する企業は多く、それだけ集客の手段として使われていることからチャレンジしたいと思うかもしれません。
その時に運営のノウハウがなければ一つずつ手作業で対応し、運営工数が逼迫してしまいますが、少数精鋭の企業こそツールを活用して効果的な運営をしていくことが重要です。
今回はLINEを使った集客の自動化を解説しましたが、実際セミナーで成功するためにはセミナーのコンテンツも大事になってきます。
以前紹介した【成功事例】セミナーセールスで瞬発的に売上を作る方法の記事も併せてご覧いただくことで、集客からセールスまでの仕組みを作ることができるため是非併せてお読みください。
デジタルアスリート株式会社
セールスマーケティング部 次長
某メガバンクのグループ会社でネットバンキングに携わる。
ベンチャー企業でIPOを経験した後、2019年デジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に入社。
自社の見込み客・新規問い合わせ獲得、自社メディアの運営を行うマーケティング組織を統括。また自社のノウハウ・ナレッジを伝えるセミナー講師としても活動している。
Writer
篠塚康太 記事一覧
デジタルアスリート株式会社
セールスマーケティング部 次長
某メガバンクのグループ会社でネットバンキングに携わる。
ベンチャー企業でIPOを経験した後、2019年デジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に入社。
自社の見込み客・新規問い合わせ獲得、自社メディアの運営を行うマーケティング組織を統括。また自社のノウハウ・ナレッジを伝えるセミナー講師としても活動している。