
動画広告の市場規模は拡大を続け、現在1,843億円ともいわれています。
その中でも、急激に成長を遂げているのが「動画リワード広告」です。
動画リワード広告は、2018年は前年比約2.4倍の170億円、2022年には2018年比約2.2倍の378億円規模にまで拡大すると言われている注目の広告配信手法です。
これからも大きく成長が予測されている広告手法なので、「動画広告は知っているけど、動画リワード広告のことがイマイチわからない…」という方は、しっかり理解しておきましょう。
目次
動画リワード広告とは
動画リワード広告とは、アプリ内で使用可能なアイテムやポイントをユーザーに付与する代わりに、約15秒~30秒程度の動画広告を表示する広告フォーマットのことを指します。
自動的に再生が開始される動画広告とは異なり、動画リワード広告は動画の視聴を希望したユーザーにのみ動画を再生します。
動画を視聴したユーザーには報酬として、ゲーム内で使用できるアイテムやコンテニューの権利、ツール系アプリの場合は有料の機能を限定的に使用できるようになるといったメリットがあるのです。
アプリのインストールを成果地点としたブースト広告とは異なり、動画視聴に対して報酬を与えるという仕組みになっています。
AppleやGoogleなどのプラットフォームはリワード広告について「ランキングの形式に影響を与える」として批判的です。
しかし、動画リワード広告はアプリ内で使用できるという限定付きのため、グレーゾーンに位置しており、そのため多くの企業が続々と動画リワード広告に参入しています。
動画リワード広告市場が拡大した背景
動画広告は費用対効果が明らか
動画広告全体の話ですが、2012年にはわずか50億円程度の規模だった市場が、わずか5年で約880億円という14倍の市場規模に達しています。
ここまで急激に市場規模が拡大した背景には、TVCMなどと比較して「費用対効果が明らか」という点が挙げられます。
従来のように、テレビCMによってただ認知度を高めるだけでは、大金をかける割にそのCMにどれだけの効果があったのかあまりにも漠然としています。
しかし、動画広告であれば「どのくらいの割合でWebサイトに遷移したか」「何人が動画をシェアしたか」といったことが数字として把握でき、データも蓄積できるので次の施策を打ちやすいのです。
スマホやSNSの普及に伴うユーザー行動の変化
スマホを1人1台持つようになり、ユーザーの生活が大きく変化しました。直接人と人が会わなくてもネット上で関係を築けるようになっています。
それを牽引するのがSNSです。「誰かと繋がっている」という感覚がコミュニケーション欲求を満たし、あっという間に大きな影響力を持ちました。
それに伴い、ユーザーは暇があればSNSにログインし、誰かと繋がっているだけに収まらず欲しい情報を得たり、ネットで繋がっている人の行動をチェックしたりするようになりました。
つまり、ネット上にある無数のサイト・メディア・アプリの中でも、SNSは突出してユーザーの滞在時間が長いのです。
SNSは今、ユーザーへの影響力がテレビCMよりも大きく、さらに費用対効果も高いと考えられています。
動画広告は「シェア」「いいね!」「ライク」などと相性が良く、多くの人に一瞬でリーチすることができるため、広告主にしてみれば願ってもいないメディアです。
無料で動画を配信できるプラットフォームのYouTubeとの相乗効果もあり、飛躍的に動画市場は拡大しました。
アプリ市場の拡大
動画リワード広告はアプリ内にのみ表示する広告です。そのため、動画リワード広告が拡大した背景には、アプリ市場の拡大も大きく関係しています。
その証拠に、動画広告市場が急拡大している中、アプリ市場も比例するかのように年々拡大をしています。アプリ市場は2016年から2021年にかけて2倍になるという見込みもあるほどです。
動画リワード広告市場が拡大している背景はそれだけではありません。他の動画広告と比較するとユーザーの許容度が高いのです。
なぜなら動画リワード広告は、報酬が得られるうえ視聴が強制的ではなく「見るか・見ないか」の選択があるからです。
アプリ内で報酬をもらうために、自分で動画広告を見ることを選択しているため、他の広告に比べると心理的な負担が軽くなるのです。
動画リワード広告を導入している業種とは?
動画リワード広告を出稿する広告主の傾向として、ゲームアプリでの出稿割合が圧倒的に多く全体の過半数を占めます。中でも主なアプリはカジュアルゲームです。
ゲームは、モバイル上において「すべての年齢層が最も時間を消費しているコンテンツ」です。1日平均55分もモバイル上のゲームに費やしており、この数値はSNSよりもかなり長いことが分かっています。
近年、手軽に手にできるというスマホの性質からカジュアルゲームをする中年男性が増え、30代~40代で全体の30%もの比率を占めています。仕事やプライベートなど忙しい年代であるにも関わらず、これだけの高い割合でカジュアルゲームをしているのです。
また、最近の傾向としては、LIVE動画やキュレーション動画といった非ゲームアプリの出稿も増えつつあり、コンプレックス商材や金融系なども見られるようになっています。
さらに、大型タイトルを取り扱う会社が動画リワード広告に興味を持ち始め、今後はさらなる拡大が見込めるでしょう。
動画リワード広告にしかないメリット
すでに、「テレビCMと比較して費用対効果が明確」「市場が拡大傾向にある」「ユーザーの許容度が高い」というお話をしてきました。
しかし、それ以外にもメリットはあります。
掲載方式が多種多様
従来のバナー広告ではアプリ内に広告を追加するだけのため、掲載方法がワンパターン化していました。
一方、動画リワード広告はアプリ内のコンテンツと組み合わさり、掲載方法が何パターンにもなります。
例えば、カジュアルゲームをしている際、従来のバナー広告では一般的にプレイ画面の上下部に固定で掲載されます。
しかし、動画リワード広告の場合は1回のプレイが終了してライフがなくなったときに表示させ、視聴の対価としてライフをプレゼントしたり、プレイ中の合間に表示させてアイテムをプレゼントしたりと掲載方法が多種多様なのです。
ゲームに熱中している人であればあるほど、逆に動画リワード広告が表示されるのを期待しています。なぜなら、ゲームをしている人はわずか数十秒程度という短い動画を見るだけでプレゼントがもらえるからです。
そのため、通常は表示されれば邪魔扱いされる広告が、動画リワード広告の場合だと視聴への対価があるので他の広告と比較して許容度が高いだけでなく、求めるユーザー数も多いのです。
視聴完了率が高い
動画リワード広告の視聴完了率は、平均的なCTRは4%前後で、動画の視聴完了率は85%と高くなっています。
また検証によって約98%がボットなどではなく人によって確かに視聴されているということも明らかになっています。
つまり動画リワード広告は、言うなれば「邪魔な広告」ではなく「求められている広告」ということがこの検証結果からもわかります。
動画リワード広告まとめ
最後に、動画リワード広告を簡単にまとめるとこのような感じです。
・アプリ内に掲載される動画広告である
・ユーザーに視聴の選択権がある広告フォーマットである
・視聴の対価としてアプリ内で使える限定のプレゼントを付与する
・最近の傾向として非ゲームアプリの出稿も増えている
・広告であるにも関わらずユーザーの許容度が高い
ちなみに、配信先については配信するアプリとの相性があるので一概には言えないですが、「AdMob」や「maio」の人気が高いようです。
冒頭でも触れましたが、動画リワード広告は今後も大きく拡大することが見込まれているので、商材が当てはまる方は一度検討してみてはいかがでしょうか。
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