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目次
そもそも、Google広告の目標コンバージョン単価とは
目標コンバージョン単価は、Google広告スマート自動入札戦略のひとつです。
この入札を利用すると、指定した目標コンバージョン単価以下で、コンバージョンを最大限に獲得できるように入札単価が自動調整されます。
簡単にまとめると、「目標とするCPAを守りつつコンバージョン件数を増やせる」という、とても賢くて有り難い入札戦略です。
毎日のアカウントチェックで発覚した大事件
Google検索広告の指名キャンペーン(ブランド名キャンペーン)に目標コンバージョン単価を導入していたアカウントで、検索クエリのチェックを行っていたところ事件は起こりました。
こちらがその時チェックしていた画面です。
拡大します。
平均クリック単価、¥33,974。
なにか見間違いかな?と現実逃避したくなりましたが、管理画面の表示は変わらず「1クリックに約34,000円かけちゃいました」と言っています。
一番高いキーワードに意識を持っていかれますが、2つ目以降のキーワードもCPC15,000円超え、7,800円、6,900円…と通常ではありえない数字が並んでいます。
なんとこの日、たったの4クリックで合計64,450円も消費しているではありませんか…。
このキャンペーンに設定している目標CPAは5,500円でした。
つまり、1クリックで目標CPAの6倍以上のコストをかけています。
さすがに、いくらなんでも異常値なのではないか。ということで、朝から最悪の気分になりながらサポートに問い合わせを行いました。
以下が問い合わせ内容です。(実際のクエリは隠しています)
入札戦略が目標コンバージョン単価のキャンペーンについて、CPCの異常高騰が見られる原因を教えてください。
キャンペーンに設定している目標CPAは5,500円です。
最大でもCPC5,500円以内でないと目的達成にはならないと思うのですが、下記クエリが異常値です。
アカウントID:***-***-****
検索キャンペーン:*************
広告グループ:*************
対象クエリ:
********* CPC¥33,974
********* CPC¥15,732
********* CPC¥7,815
********* CPC¥6,929
Google広告さん「問い合わせもらった件、異常ではないよ。」
調査の結果、翌日Google広告サポートから返答がありました。
以下、返答の全文です。
専門部署にて調査しましたところ、結論から申し上げますと、通常の挙動でございます。
目標コンバージョン単価制の仕組みとしまして、目標コンバージョン単価を設定しているキャンペーン全体もしくは広告グループ全体での、コンバージョン単価実績が目標コンバージョン単価に収まるよう、システムが自動でクリック単価を調整いたします。
そのため、クリック単価が高騰することはあり得ると考えられます。
詳しくは下記ヘルプページをご確認いただけますと幸いでございます。
Google 広告ヘルプ「「目標コンバージョン単価制」入札戦略について」
なお、3 月 30 日時点の広告グループレポートを拝見しましたところ、
該当の広告グループのコンバージョン単価は ¥ 1,214 であり、広告グループの目標コンバージョン単価が ¥ 5,500 だったため、目標内でコンバージョンを獲得できているようでございます。
もしクリック単価の高騰を防ぎたい場合は、入札戦略を「クリック数の最大化」や「個別クリック単価制」にご変更いただくか、
現在ご設定いただいているポートフォリオ入札戦略にて調整していただく方法となります。
しかしながら、ポートフォリオ入札戦略の使用は自動入札戦略の最適化の部分に影響を及ぼす可能性があるため、Google では推奨できかねております。
ご案内は以上でございます。
その他、ご不明な点、ご質問等ございましたらお気軽にお申し付けください。
要約すると、
「広告グループ全体orキャンペーン全体で、設定されている目標CPA以内になっていれば、クリック単価が高くなることはあるよ」
「あなたのアカウントは広告グループでみると目標CPAをクリアしているので問題ないですよね」
とのことです。
4クリックで6万以上使って、問題ないわけあるかー!!!!!という感じですが、Google先生が仰ることなので引き下がるしかありません。
今後、二度と同じようなことが発生しないように対策を取りました。
対策その1:上限CPCの設定
いくら管理画面上のCPAは合ってますよねと言われても、1クリックに何千円も何万円もかけるのはさすがに無理なので、上限CPCを設定することにしました。
目標コンバージョン単価では上限CPCを設定できないため、ポートフォリオ入札戦略を活用します。ポートフォリオ入札戦略なら、目標CPAと上限CPCを両方設定することができます。
このときは1,000円を上限CPCとして設定しました。
実はCPC高騰事件が発生する2~3週間ほど前に、上限CPCが設定できると知り一度設定していました。そのときは、過去の平均クリック単価200円程度を基準に考え、上限CPCを300円にしました。
すると翌日から広告の表示回数・クリック数が激減してしまい、機会損失を生んでしまいました。
異常CPCも特に発生していなかったこともあり、そのときは上限設定を外してもとに戻しておいた方が良いという結論に至りました。
(もうちょっと上限CPCのラインを探って継続設定しておけばよかったと後悔…)
そのため、通常のCPCの感覚としては高すぎるくらいですが、上限CPCは1,000円にて設定を行いました。
対策その2:目標単価の見直し
今回、CPCが異常高騰してしまった状況を整理すると以下の通りです。
・対象キャンペーン内の広告グループは2つ
・設定していた目標CPA:5,500円
・実際管理画面で出ていたCPA:400円~600円
※マイクロコンバージョンを導入していた為、実際のCPAより安く出ている
Googleさんからの返答に、「広告グループorキャンペーンで目標CPA以内である」という表現がありましたが、このアカウントは元々マイクロコンバージョン(以降MCV)を導入する前から目標コンバージョン単価の入札戦略は利用しており、途中でMCVを導入していました。
これにより、元々管理画面にあがっているCPAは3,000円~5,000円ほどでしたが、MCVを導入したことで見かけのCPAが1/10ほどになっています。
つまり、設定している目標CPAが実際のCPAよりも高くなりすぎていた、という状況でした。
そのため、Google広告さんに「目標CPAまでめっちゃ余裕あるやん!」と勘違いをさせてしまい、気を失うような超強気な攻めの入札をされてしまったのだと予想されます…。
実際の購入ベースでの成果(CPA)としては横ばいか改善していた為、特に設定側の目標コンバージョン単価には変更を加えていませんでしたが、数日間で異常に高いCPCが立て続いてしまった為、実際の管理画面数値に沿うように設定単価を修正しました。(5,500円→500円)
※月末に異常高騰が続いた為、月間でCPAを見て余裕があると判断して攻めた入札が行われた、という可能性もあるかと思います。
対策その後、解消できたこととできなかったこと
上限CPCの設定と目標単価の修正という対策2点を実施後、1クリック数千円~数万円という異常な数字は出なくなりました。
しかし、指名キャンペーンという本来CPCはあまり高くならない配信にも関わらず、CPC400~500円など高いものが目立つ状態は続いていました。
CPAももっと改善したい、というレベルだった為、目標コンバージョン単価のキャンペーンを停止し、元々使っていて停止済だった拡張クリック単価のキャンペーンを復活させて配信切り替えを行ったりもしました。
結果、CPCは平均150~180円と抑えられたものの、配信ボリュームが半減してしまう…という事態になってしまいました。
入札戦略・目標コンバージョン単価との付き合い方、注意点
現在、このアカウントに行った調整は以下の通りです。
・指名キャンペーンを目標コンバージョン単価と拡張クリック単価の2パターン同時配信
・目標コンバージョン単価には高めの上限CPCを設定(1,000円)
数百円だと制限がかかってしまい配信ボリュームが著しく減ってしまう
これまでの経験を元に、目標コンバージョン単価を利用する際の注意点としては以下が挙げられます。
・上限CPC設定なしで配信する場合はクエリチェック・CPCチェックをしっかり実施
・目標コンバージョン単価のキャンペーンでは、キャンペーン全体で見るとCPCはそれほど高くない為、一部の高騰しているCPCには思い切って目を瞑る覚悟をする
(アカウントの細かい部分に意識を向けるのではなく、アカウント全体の実際のパフォーマンスを見る)
・不安な場合は、最初から上限CPCを高めに入れておく(簡単に制限がかかってしまう為、これ以上はさすがに・・・くらい思い切った価格を上限に設定する>実際の配信結果を見ながら上限価格を調整)
実際の目標CPA、アカウント上のCPA、平均クリック単価、予算、、、などの状況によって調整内容は変わってくるため、導入後は日々細かく調整&検証が必要だと思います。
そのアカウントにとって最適な調整ができるまで、根気よく付き合っていきましょう。
Google先生によると、上限CPCを設定すると「最適化に影響を及ぼす」とのことなのですが、私のように4クリックで6万消化みたいなのは目も当てられない為、日予算が大きいアカウントについては上限を入れておいた方が安心かと思います。
とは言え、コンバージョン数を伸ばすにはとても便利な機能ですので、上手く付き合って成果を伸ばしていきましょう!
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