CVに繋がるYouTube広告シナリオの作り方‐二人の男編‐

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清水 雄飛

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成果に繋がるYouTube広告を作りたいけど、どんな動画を作れば良いのか分からない……。 そんな悩みを抱えている方も多いと思います。

そこで、今回は成果に繋がる動画広告の作り方シリーズとして、汎用性の高い動画広告シナリオの型をご紹介します。

世界で最も売れた伝説のレター

最初に種明かしをすると、今回ご紹介する動画シナリオの型は、ある有名なレターを元にしたものです。 売れる動画は共通して、動画でしっかりとセールスを行っているものです。

なので、売れる動画シナリオを作成するとなった場合に参考にするべき内容は、しっかりと構成が練られたセールスレターになります。

「たった1つの手紙で20億ドル以上稼いだ方法」と聞いたらピンと来る人も多いでしょう。 手紙一つ書くだけで、日本円にして約2000億円の売上があがるなんて夢みたいな話です。

このレターは米国の経済紙「ウォールストリート・ジャーナル」で使われた、「2人の男のストーリー」と呼ばれるセールスレターです。

「2人の男のストーリー」は、1974年から現在まで、48年間も使われ続けているコピーで、動画広告だけでなく、雑誌や折込チラシなどはもちろん、記事LPやセミナーなどでも活用されています。

何故「2人の男ストーリー」は人の心を動かすのか?

2人の男ストーリーをご存知でない方のために少しだけ冒頭部分をご紹介します。

25年前の春、二人の若者が同じ大学を卒業しました。 この二人には、共に成績が良好で、共に人柄も良く、共に将来の夢と希望に満ち溢れています。 大学を卒業する多くの若者がそうであるように……

参照元:フォレスト出版‐ウォールストリート・ジャーナル‐

こんな冒頭から始まるのが2人の男のストーリーです。

このセールスレターは、1974年にアメリカの経済紙『ウォールストリート・ジャーナル』に依頼されて、マーティン・コンロイ(Martin Conroy)というコピーライターが書き上げました。

そして、このレターはその後、内容はほとんど変わらず、28年間も使われ続けたそうです。 この1通のセールスレターがウォールストリート・ジャーナル誌にもたらした売上は、総額で20億ドル以上とも言われています。

まさに世界一稼いだセールスレターです。 このセールスレターは効果が実証されている、とても有名なセールスレターなので、多くのコピーライターが、この型を活用してセールスレターを作っています。

2人の男のストーリーは「PASONAの法則」の代表例

みなさんは、「PASONAの法則」をご存知でしょうか? コピーライティングの型として知られるこの法則は下記のような要素で成り立っています。

・Problem:問題定義
・Agitation:扇動
・Solution:解決策
・Narrow down:絞り込み
・Action:行動

問題提起をし、問題を煽り立て、欲求が高まったところで、解決策を提示し、対象者を絞り込み限定性を出し、行動させる。

「2人の男のストーリー」が20億ドルもの売上をもたらしたのは、このPASONAの法則の要素が詰まっていたからだと言われています。

二人の男のストーリーが売れる理由

このセールスレターの型は、現状の問題を鮮明に認識させる事ができるような構成になっています。 広告やセールスを受けて行動しない人の多くは、自身の問題を問題だと認識していません。

なので、この商品やサービスがあなたに必要だと力説しても、「自分には関係ない」と思い、行動しないのです。 しかし、この「2人の男のストーリー」はまず初めに、人生に大きな違いが出てしまった2人の男ストーリーを通して、「あなたの人生も、この男のようになっているかもしれない」と、問題を認識させています。

問題を認識することで読み手は不安を覚え、不安を感じている相手に対して、解決策を提示するので、行動を促すことができる。 という構成です。

YouTube広告に活用する際の注意点

「2人の男のストーリー」は、何十年も売れ続けている有名な型であり、しっかりと法則にしたがって、シナリオを作成すれば、売れる動画が作れると思います。

ただし、問題点があります。

それは、「二人の男のストーリー」はあまりにも有名なので、この型をそのまま使うと「またこの動画か……。」とスキップされてしまう可能性があるということです。

なので、冒頭のキャッチになるカットは別途用意しつつ、動画の途中から「2人の男のストーリー」を組み込んでいくパターンを推奨します。

・動画の冒頭では、興味を引くことにフォーカスした動画を作成
・興味を引き立てた上でセールスに入るタイミングで「2人の男のストーリー」を使う

この2点を押さえて、以前弊社が制作した動画があるので参考として掲載します。

この動画では、冒頭で「これから新しい情報を届けます。」というメッセージのカットを利用して、その後に「2人の男ストーリー」に繋げています。

まとめ

YouTube広告で成果を出すには、コピーライティングがとても重要です。 また、コピーライティングには沢山の売れる型や法則があるので、それを参考にすれば、売れる動画を作る事はそう難しくないはずです。

ですがその時に、本当にそのまま流れを転用すれば良いのか?ということを、是非考えてみてください。

動画のあくまで掲載先はYouTubeであり、YouTubeでは、今の時代に合わせたキャッチーなコンテンツも求められます。

ターゲットの興味関心を引く冒頭のカットと、コピーライティングの型を組み合わせていくこと、これを意識して動画シナリオの作成を実践してみてください。

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デジタルアスリート株式会社
ウェビナーマーケティング部 課長
Google広告 Gold Product Expert
2018年 デジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に新卒入社。Google、Facebook、LINEなど計20種以上の広告媒体で広告運用に従事。
デジタルアスリート随一の分析マニア。 現在はYouTubeに専門特化部隊として動画マーケティングの研究を実施。
DRMの考え方をベースにYou Tubeの攻略を進めており、担当する案件では他の広告媒体の数値を大きく超える成果をYou Tubeで量産している。
不安・不満などを抱えている方に、素晴らしい商品・サービスを届け、より多くの方に幸せにする事を信条として、広告のプランニング・制作・運用を行っている。
座右の銘は「利他の心」。

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