【事例公開】企業が実践すべきYouTubeチャンネル運営

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篠塚康太

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ビジネスのデジタル化が進むにつれ、リスティング広告や Facebook広告は競争が激化し、従来の手法だけでは成果を出しにくくなってきました。

そんな中、YouTubeチャンネルの運営を始める企業が増えています。社会情勢や生活様式の変化により、テレビを見ていた人が YouTubeを見るようになり、検索エンジンを使っていた人が YouTube内の検索を利用するようになりました。

企業がユーザーに情報を届けるために、もはやYouTubeは無視できないプラットフォームになっているのです。

デジタルアスリートは、自社のチャンネルを含め登録者ゼロから複数のチャンネルを運営し、売上・集客・ブランディングで成果を出してきました。この記事では、デジタルアスリートが実践した企業チャンネルの作り方から伸ばし方までをお伝えします。

 

今、企業がYouTubeチャンネルをやるべき理由

Web広告全体の費用が高騰傾向にある現在、動画を上げれば広告費無料で多くの人にリーチできることがYouTubeチャンネルの大きなメリットです。

例えばこのあとの事例で紹介するタベリナチャンネルでは月間3万回ほどの視聴回数があります。もしこれを広告で集めるとしたら、3万クリック=CPC100円で300万円かかりますが、YouTubeなら広告費はかかりません。

動画内でセミナーや講座の紹介を行った際には、広告:CVR1%以下、 YouTube:CVR2.7%とYouTube経由の方が高い成約率を示しました。

これは興味を持った人が動画で複数回接触し、CVの段階ですでに企業に信頼感や親近感を感じている効果だと考えられます。

このように、今YouTubeチャンネルの運営を始めることには、他のマーケティング施策で得られない大きなメリットがあるのです。

デジタルアスリートのYouTubeチャンネル事例

デジタルアスリートでは主に2つのチャンネルを運営しています。 Webマーケティングとゴルフのチャンネルで、ともに教育系のコンテンツです。

タベリナチャンネル

タベリナチャンネル URL

デジタルアスリートのコンサルタント・マーケターであるタベリナ(田辺理奈)が、Webマーケティングの基本からプロのノウハウ、さらに最新情報まで動画でわかりやすく発信しているチャンネルです。

チャンネル開設は2019年5月で2022年12月1日現在、登録者数は1.4万人です。 運営開始から順調に登録者数を増やしています。

現在は広告収入だけでなく、動画をきっかけとする

  • お問い合わせや相談
  • セミナーや講座への申込み(広告の2.7倍のCVR)
  • SNSのフォロワー増加やDMでの問い合わせ
  • 企業間コラボの機会

などが増加し、新たな受注経路となっています。

GOLFavo ゴルファボ

GOLFavo ゴルファボ URL

プロのレッスン動画を中心としたゴルフチャンネルです。
毎週月・水・土に、人気・実績のあるプロゴルファーによる独自の理論やおすすめの練習法、さらには話題のゴルフアイテムのレビュー動画などを配信。
初心者からシングルまで、すべてのゴルファーが楽しめるコンテンツが満載です。

チャンネル開設は2017年3月で2022年12月1日現在、登録者数は38.8万人です。
総視聴回数は1億を突破しました。

このチャンネルは元々1人の担当者が担当し、オウンドメディアと連動し動画コンテンツを公開しています。メディアのPV数は月間100万PV以上、YouTubeチャンネルも月間250万回以上を記録し、月間200万円規模の売上を上げています。

◆ゴルファボ(GOLFavo)メインサイト
https://pro-golfacademy.com/

企業チャンネルを始める方法

YouTubeチャンネルをやりたいと思ってすぐに始めると失敗します。 最初の段階で方針を決めて、そのうえで立ち上げの作業にはいっていくとスムーズに進められるはずです。

チャンネルのコンセプトを決める

「誰に」「どんな情報を」提供するか決めます。
コンセプトがあることで、投稿する動画に一貫性を 持たせ、他チャンネルと 差別化ができます。 また登録者や固定ファンの獲得につながります。

チャンネルのコンセプトを決めるとは、そのチャンネルが 「誰に」「どんな情報を」伝えるチャンネルにするかを決めるということです。
コンセプトを決めることで作成するコンテンツの方向性が定まります。

それにより作る動画の内容が決めやすくなったり、チャンネル内の動画に軸ができて固定ファンやチャンネル登録者の獲得、企業のブランディングにもつながります。

またコンセプトを決めるには、通常のコンテンツマーケティング同様、1人の人をイメージしたペルソナを決めることが効果的です。

1人の人の思考や生活シーン、興味や心理の動きを掘り下げることで、結果的に多くのユーザーの興味関心を満たし、悩みを解決するコンテンツを作ることができるのです。

チャンネルの基本設定を行う

チャンネルのコンセプトをチャンネル名やアイコン、バナー画像でわかりやすく伝えます。
企業チャンネルの場合、会社の印象や信用にも影響するので、見え方や与える印象に注意して作成しましょう。

チャンネル名

チャンネルのコンセプトやテーマがわかりやすい名前にしましょう。
同じジャンルの情報を扱う場合、すでに似たチャンネル名があるケースもあるので、事前に検索して確認すると安心です。チャンネル名は後から変更することも可能です。

プロフィール写真

98×98px以上、4MB以下の画像を設定してください。推奨サイズは 800×800pxです。設定から変更が反映されるまで時間がかかることがあります。

チャンネルアート

画像はJPGかPNGで用意し、最小で2048×1152pxの大きさが必要です。 デバイスによって見え方が変わるので、確実に表示したいチャンネル名は中央にデザインしましょう。

動画をアップして公開する

まずは1本動画を公開することが重要です。YouTubeにはPCからでもスマホアプリからでも動画を簡単にアップロードできます。動画のタイトルや説明が重要なポイントです。

YouTubeへの動画のアップロードは、PCからでもスマホアプリからでも簡単に行なえます。それぞれ下記の場所から動画のアップロード画面に移動でき、その後は表示される内容に入力していくだけです。

PCの場合:画面右上のカメラマーク
スマホアプリの場合:アプリホーム画面中央の+マーク

この時に重要なのは動画のタイトル動画の説明欄です。
ユーザーが動画を見るかどうか、自分の欲しい情報が有るかどうかを判断する重要な要素なのでしっかりと内容を入れましょう。

デジタルアスリートが実施している施策

企業がYouTubeチャンネルを始めることは、多くの人が考えるより簡単です。

しかし、企業のYouTubeチャンネルとして登録者を増やし、売上アップやブランディングなどビジネスでの成果に結びつけるなら、ただ動画をアップし続けるだけでは不十分です。

ここからは、新しいチャンネルの登録者数を1,000人に到達させるため、デジタルアスリートが行っている施策を紹介します。

YouTube SEOを考えたキーワード設定

YouTube内で動画を見てもらうためには、ユーザーが検索するキーワードをタイトルや説明欄に記載し、検索結果に表示させることが大切です。

コンテンツの内容も検索キーワードから推測されるニーズや疑問・質問に応えている必要があります。

さらにキーワード自体もある程度の検索ボリュームがないと、いくら動画を作っても検索されず誰にも見られないという結果になってしまいます。

YouTube内でのSEO対策のためにも、

  • キーワードの検索意図やニーズに対する理解
  • ある程度検索ボリュームのあるキーワード

これらを踏まえた、タイトルや説明欄への記載、コンテンツの選定が必要です。

サムネイルのテクニック

◆魅力的なサムネイルを作る5つのルール
①少ない文字数で内容を伝える(20文字程度)
②強調する言葉に優先順位をつける(画像の1~3)
③見やすいフォントを使う
④文字を縁取ったり背景をつけて視認性を上げる
⑤サムネイルは動画から切り出すのではなく、専用に撮影する

YouTubeでは検索結果に出た動画をクリックして視聴するかどうかは、「サムネイルで80%決まる」と言われます。

YouTubeチャンネルの運営を開始する企業が増え、どのような業界でも、似たようなテーマや題材を扱った動画がすでに上がっているというケースが増えています。

そんな中で、自社の動画を選んで視聴してもらうためにも、魅力的でわかりやすいサムネイルを作成しましょう。

サムネイルのクリック率の相場は、一般に3〜4%と言われます。
クリック率が5〜8%程度あれば優秀、理想としては10%以上欲しいところです。

高いクリック率を目指すためには、さまざまなパターンのサムネイルデザインをテストする必要があります。

データを検証しPDCAを繰り返す

キーワードやサムネイルでポイントを押さえても、それだけで視聴回数や登録者数を伸ばすことはできません。

基本を押さえたら、あとは仮説を立ててテストを行い、データを検証してPDCAサイクルを回す必要があります。データはYouTubeアナリティクスで確認できます。動画を上げたままにするのではなく、つねに改善を心がけましょう。

またこのようにコツコツと改善を繰り返せば、チャンネルの総再生時間や動画の視聴維持率を上げられます。

視聴維持率は、10分くらいの動画で40%、30分くらいの長尺の動画で20〜30%程度が目安になります。すると、YouTubeのブラウジング機能によって、チャンネル登録者以外のユーザーにもおすすめ動画として表示されるようになるのです。

ブラウジング機能によって1週間で40万再生増、登録者6万人増となった事例もあり、企業チャンネルが登録者数を伸ばすには絶対に活用したい機能です。

まとめ

動画に対して敷居が高いと感じるかもしれませんが、一番重要なのは動機です。
これは動画に限らず、オウンドメディアだったりSNS運用だったり中長期的に取り組まなければならないものすべてに当てはまります。

興味はあるものの長続きしない、成果が出ない場合、ほとんどが「なぜ、この施策を実行するのか?」が明確になっていないからです。 冒頭でも述べたようにYouTubeチャンネルの運営を始めることには、他のマーケティング施策で得られない大きなメリットがあります。

今までやりたいと思っていたけど二の足を踏んでいたという方は、動機を明確にした上でチャレンジしてみましょう。

Writer

篠塚康太 記事一覧

デジタルアスリート株式会社
セールスマーケティング部 次長

某メガバンクのグループ会社でネットバンキングに携わる。
ベンチャー企業でIPOを経験した後、2019年デジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に入社。
自社の見込み客・新規問い合わせ獲得、自社メディアの運営を行うマーケティング組織を統括。また自社のノウハウ・ナレッジを伝えるセミナー講師としても活動している。

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