なぜマーケターの採用は失敗するのか?求めるマーケティング人材を採用するコツ

  • 2023.6.2
  • 2023.10.20
  • 3,396 Views
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最近では、TikTokやInstagramなどのプラットフォームのユーザー数も増え続け、マーケティングの領域はますます広がっています。

さらに、コロナ禍を経てオフラインでのマーケティングと同じくらい、Web広告などのオンライン上でのマーケティングがますます重要となっており、マーケターの需要は急速に増加しているのが現状です。

しかし、マーケター市場は売り手市場であり、優れたマーケターを採用することがますます困難な状況です。よって、求める人材を採用できない企業が増えています。

そこで、この記事では、優秀なマーケターを採用できないその原因と、マーケターの採用における失敗の要因や、マーケティング人材の採用を成功させるための方法について説明します。

なぜ、マーケターの採用は失敗するのか

まずはじめに、なぜマーケターの採用は失敗するのか、その原因について解説をしていきます。

そもそも人材が不足している

株式会社BLAMが、マーケティング事業に携わる100名を対象にマーケティング人材に関する調査をした結果、9割以上(98%)のマーケターが自社の人材不足を感じていることが分かりました。

特にマーケティング全体の戦略を設計できる人材が不足していると感じる人が半数以上(51%)です。
業種ごとに見ても事業会社(48.4%)、代理店(57.1%)問わず、戦略設計担当者の不足が顕著な結果となっており、マーケティング業界を通して人材育成が求められています。

主な調査結果は下記の通りです。

・自社の人材不足を感じているマーケターが9割以上(98%)
・不足しているマーケターベスト3は「マーケティング戦略設計(51%)」「サイト・クリエイティブ制作(31%)」「SNSアカウント運用(30%)」
・マーケティング代理店に戦略設計を求めるマーケターは4割以下(38.7%)

 

参照元:【マーケティング人材に関する調査】9割以上のマーケターが社内の人材不足を実感

このような人材不足の結果となった要因の一つは、急速なデジタルマーケティング市場の拡大です。インターネットが普及し始めたのは1990年代の後半で、この20年で大きな変化があり、2020年のインターネットの広告費は、とうとうマスコミ4媒体の広告費にならびました。

マスコミテレビというメディアは80年以上の歴史がありますが、デジタルマーケティングは比較的新しい分野であり、その始まりからわずか20年しか経っていません。

そのため、デジタルマーケティングのスキルは他の広告手法と比べてまだまだ若く、常に研究が進められ、成功のための確固たるノウハウを持った人材はまだまだ不足しています。

参照元:「2020年インターネット広告媒体費」解説。4マス媒体とほぼ並んだ「2.2兆円超」の内訳は?

そして、マーケターに求められるスキルは「広告運用ができる」という断片的なスキルだけではありません。

  • 商品・サービスの内容を理解する知識
  • 商品・サービスの価格やメインターゲット、サブターゲットを見極めるための調査・分析力
  • ターゲットの心理変化を想定したうえでのコピーライティング力
  • 広告や宣伝の戦略策定と実行

など、多角的な能力が要求される専門的な職業です。そのため、全てができるマーケターは常に不足しています。

これまで4大メディアで活躍してきたマーケターが、デジタルツールの知識や経験が少ないことに悩まされて参入できていないことも人材不足の原因として挙げられます。

このようにWebの知識も要求されるデジタルマーケティングの人材は希少性が高く、取り合いに
なっているのが現状です。

企業が求めるマーケター像とのミスマッチ

企業が求める人材とは異なる人が採用され、実際に働き始めてから「予想と異なる」という状況が生じることがあります。

この問題の背後には、マーケターという概念が個人によって異なるという課題が存在します。

例えば、マーケターと聞くと「あらゆるマーケティング手法に精通し、戦略を立案し指揮をとることができる人」と想像するかもしれません。または「SEOによる上位表示記事の執筆やWebサイト制作、成功したSNSキャンペーンの実績を持つ人」とイメージするかもしれません。

どちらのタイプの人材も確かにマーケターですが、前者を求める企業に後者が応募してくると、ミスマッチが生じます。

企業は拡販に関してはマーケターに任せれば問題ないと考える傾向がありますが、全体像を把握できる人材は非常に貴重であり、簡単に見つけることはできません。

企業はどのようなスキルを求め、どのような業務を任せるのか、求職者は自身の能力や経験について十分に確認しあっていないことが原因となっています。

企業のリテラシーの低さ

企業がデジタルマーケティングの人材を採用しようとするのは、社内にデジタルマーケティングに精通した人材が不足しているからです。

しかし、マーケティングの知識がない人が採用の判断をすると、失敗することがあります。

例えば、Webサイトの上位表示を目指すために、SEOの得意なマーケターを採用しようと考えたとします。しかし、採用者に知識や経験がなければ、面接に訪れた個人が本当にSEOに長けているかどうかを正確に判断することは難しいでしょう。

もしかしたら、その企業にとってはWebサイトの上位表示ではなく、他の施策の方が優先度が高い可能性もあります。しかし、企業内にマーケティングの知識を持つ人材がいなければ、面接で候補者の能力を評価することも、求める仕事内容を明確にすることもできません

さらに、マーケティングの経験が十分でない場合、予算獲得などでも失敗する可能性があります。例えば、300万円を提供し、その2倍の売上を達成するよう依頼したとします。

しかし実際に、売上を上げるために必要な広告費を計算すると、マーケターに残る余裕のある資金はほとんどなく、優秀なマーケターであればその案件を受けることはないかもしれません。

企業には、少なくとも1人以上デジタルマーケティングの知識を持つ人材が必要です。そうでなければ、優れたマーケターを採用することは困難でしょう。

それでは続いて、このような状況下でも、自社に合う優秀なマーケターを採用するポイントを解説していきます。

自社に合う優秀なマーケターを採用するポイント

求めるマーケター像を明確にする

マーケターの役割は幅広く、マーケターの中でも職種が細分化されています。大別すると以下の3つのフェーズに分かれており、このような職種があります。

戦略設計(職種例:CMO、商品企画、事業マネージャー、プロダクトマネージャーなど)
施策実行(職種例:SEOプランナー、広告運用者、SNSマーケター、ライターなど)
分析・改善(職種例:リサーチャー、データアナリスト、データサイエンティスト)など

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戦略設計、施策実行、分析/改善の各フェーズで役割と職種が異なります。

求める人材のスキルや経験、果たしてもらうべき役割を明確に記載しなければ、企業は望む人材を採用することはできません。採用担当者は自社が求めるスキルを正確に理解し、そのスキルを持つ人材にアプローチする必要があります。

アンマッチを防ぐためには、主に以下の事項を明確にしておくことが重要です。

・求人の目的は何か
・入社後、どのような成果を期待するのか
・入社後、現在のメンバーとの連携はどうなるのか

これらを事前に明確にしておけば、面接時にすぐに求める人材かどうかを判断することができます。

報酬・年収は適切な金額を提示する

他社との比較検討の段階で潜在的な転職候補となるためには、他社よりも優遇される必要があります。

マーケターにはマーケティング力や幅広い知識だけでなく、さまざまな能力が求められており、平均年収は500万円を超えています。

さらに、豊富な経験やキャリアを持つ優れたマーケターになると、年収が1000万円を超える場合もあります。自社の求める業務に対して提示する年収が適切であり、他社と比較しても優れた待遇を提供できるかを見直しましょう

マーケティングの重要性を上げる

多くの企業では、マーケティングにまで手が回っていない場合もあります。

しかしそのままでは、マーケティングの知識や能力に優れた人材を採用することができず、マーケティングで競争力を維持することができない状況に陥ってしまいます。

マーケティングの成功には、マーケティング業務に対する責任感や持続的な考え方が重要です。

そのため、マーケティングの責任を担う役職を設けたり、マーケティングを専門に担当する部署を新設したりすることで、企業内でのマーケティングの優先順位を高めることが重要です。

これによって、マーケティングの知識やスキルが向上していきます。

マーケティングツールで補えないか検討する

そもそもマーケターの採用の必要性や仕事の内容について、再考する必要があります。

人材の採用や関係維持にはコストがかかります。人件費に費やすコストを代わりにマーケティングツールに投資することで、長期的には人件費を削減することができます。

また、作業ごとに外部に委託することで、全体的には人件費削減に繋がる可能性もあります。

したがって、本当にプロのマーケターに依頼すべき仕事なのか、ツールを使用して簡略化できることなのか、作業を外部に委託すべきなのか、再評価する必要があります

これにより、最初に求めたスキルを持つ人材が不要であることに気づいたり、勤務日数もそれほど必要がないことに気づいたりすることができ、稼働後のミスマッチを減らすことができます。

優秀なマーケターを採用する方法

Webマーケターを採用する際には、デジタルマーケターの人材不足や採用担当者の知識不足など、多くの課題が立ちはだかります。

実は、そういった課題を抱えた企業であっても、優秀なWebマーケターを採用できる方法が存在します。
それでは、具体的にどういった方法があるのか、代表的な方法について見ていきましょう。

転職エージェント

マーケターとのマッチングを容易にする手段として、転職エージェントを活用する方法があります。

転職エージェントは、企業が求める人材をエージェントから紹介してもらう人材紹介サービスの一種であり、求人広告を出すのではなく、希望する人材を紹介してもらえます。

たとえば、優れたマーケターを採用したい場合、その要件をエージェントに伝えることで、専門性の高い人材を探してもらうことができます。採用活動や人材探しの手間を省くことができます。

また、エージェント側が優れたマーケターかどうかを一定程度判断してくれることもあり、優秀な人材の採用が容易になるという大きな利点があります。

求人・採用サイト

求人・採用サイトは、Webマーケターだけでなく、様々な人材の採用に役立つツールです。一般的な求人・採用サイトは、求人誌とは異なり、全国からアクセス可能なため、より多くの人々に目に留まります。

閲覧者数の増加に伴い、応募者数も増えるため、より優れたWebマーケターを見つけやすくなります。

さらに、他社のWebマーケター募集の求人を参考にすることも大きなメリットです。他社がどのような条件や単価でWebマーケターを募集しているかを参考にすることで、マーケティングに詳しくない採用担当者でも、一定の内容で求人を作成することができます。

もちろん、具体的な募集要件については、自社の課題に合わせて作成する必要がありますが、求めるマーケターのイメージを具体化する上で有益な参考資料となるでしょう。

リファラル(紹介)

優秀で自社に適した人材を採用する手法の一つとして、リファラル採用があります。
リファラルとは、簡単に言えば「社内外の関係者から人材を紹介してもらう採用手法」のことです。

例えば、自社の従業員に「マーケターを採用したい」と相談した際に、その従業員の人脈を通じて直接マーケターを紹介してもらう場合などがリファラルに該当します。

リファラルの利点は、採用コストを削減できることです。
人材を採用するにはさまざまなコストがかかりますが、関係者からの紹介ならば基本的にコストをかけずに人材を採用することができます。

さらに、自社の事業内容について理解している可能性が高い人材を紹介してもらえることで、費用対効果の高い採用手法として多くの企業で採用されています。

副業(複業)マッチングサービス

マーケターを採用したい場合には、副業マッチングサービスの活用がおすすめです。これにより、彼らが本業で得た知識やスキルを活かすことができ、即戦力として期待できます。

また、既に本業で活躍している人材を採用することができる上に、副業という形で仕事を依頼できるため、契約の自由度が高いという利点もあります。

例えば、「一部のマーケティング業務を依頼したい」という場合、スポット的な業務のみを依頼することもでき、短期契約も可能です。

まとめ

マーケティングに関する知識や経験を持ち、組織の成長を促進するために重要な役割を果たすマーケターの採用は、現代のビジネスにおいて非常に重要です。しかし、市場競争が激化している現代では、自社に合ったマーケティング人材を見つけることは難しくなっています。

自社に合った優秀なマーケターを採用するには、次の3点を押さえましょう。

・求めるマーケター像を明確にする
・報酬・年収は適切な金額を提示する
・自社内でマーケティングの重要性を上げる

また、マーケティングツールで補えないかを検討してみましょう。マーケティングツールを活用し、一部の業務をマーケターに委託するのも一つの方法です。

マーケターを採用するには、転職エージェントや求人・採用サイト、リファラルやマッチングサービスを活用します。

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