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Advantage+ショッピングキャンペーン(ASC)は、2022年10月1日より順次提供を開始している、Facebook広告で設定できるキャンペーンの一種です。
従来の機械モデルからアップデートし、広告の自動化を進めることで、パフォーマンスや効率性の改善が期待できます。
Advantage+ショッピングキャンペーン(ASC)と既存のキャンペーンは、どちらかに置き換えするものではなく、併用することで最大限の効果が得られます。
この記事では、Advantage+ショッピングキャンペーン(ASC)とは何か、既存キャンペーンとの違い、設定方法から設定のポイントなどを解説していきます。
目次
Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)とは
Advantage+ショッピングキャンペーン(ASC)は、2022年10月1日より順次提供を開始している、Facebook広告で設定できるキャンペーンの一種です。
Facebookの新しい機械学習モデルによって、ターゲティング、配信面、クリエイティブが自動化されます。
効率性を向上しながら、パフォーマンス改善とコンバージョン数の拡大が可能です。
Advantage+ショッピングキャンペーン(ASC)の特徴 | |
コンバージョン数の拡大 | より多くのコンバージョンを獲得できます。 |
パフォーマンス改善 | 機械学習を利用して、最もパフォーマンスの高い広告を配信が可能です。 |
効率性の向上 | 手動入力を最小限に抑えて、新鮮かつ高パフォーマンスなクリエイティブを最適化します。 |
従来の機械学習モデルからアップデートし、広告の自動化を進めることで、パフォーマンスや効率性の改善が期待できます。
従来のFacebook広告で作成できるキャンペーンとの違い
従来のFacebook広告キャンペーン(コンバージョン目的)との違いについて解説します。
ターゲティング・配信面・広告クリエイティブの設定が自動化
通常のキャンペーンでは、自分でターゲティングや配信面の設定を決める必要がありました。
Advantage+ショッピングキャンペーン(ASC)では、配信先の国と広告クリエイティブを設定するだけで広告配信が自動で可能です。ターゲティングは機械学習によって成果が見込まれるユーザーに対して自動で設定されるため、オーディエンス設定の工数が大幅に削減されます。
アカウント設定もプロセスを簡素化し、AIを活用してターゲット設定を行うことで、手動設定を最小限に抑え、ビジネスにとって最も価値の高い顧客の特定を行っています。
複数の広告クリエイティブ形式に対応
複数の広告クリエイティブ形式に対応していることで、静止画、動画、カルーセル広告など、様々な形式の広告を一つのキャンペーンで運用できます。
従来のキャンペーンでは広告セットで行っていたターゲティング設定に応じて、入稿するクリエイティブを選定・作成する必要がありました。
しかし、この作業工数が無くなるため、広告主は今まで以上に柔軟な広告戦略を立てることができるようになります。
従来のキャンペーンの比較一覧
Advantage+ショッピングキャンペーン(ASC)と通常のFacebook広告のキャンペーンにはどのような違いがあるか一覧にすると下記の通りです。
Advantage+ショッピングキャンペーン(ASC) | 従来のキャンペーン(CV目的) | |
機械学習 | 改良された機械学習モデル(ターゲットセグメント情報を配信のアルゴリズムに組み入れ) | 従来の機械学習モデル |
キャンペーン | 同じ国をターゲットにしたキャンペーンは8つまで | 制限なし |
広告セット | 1キャンペーンあたり1広告セット | 制限なし |
入札 | 自動入札のみ | 手動で設定する |
最適化 | 購入イベントのみ(配信の予算で最大の購入CV、最小の購入CPAとなることを目指す) | いずれかのPixelイベント(入札戦略に基づいて最適化に設定したイベントのCVを目指す) |
オーディエンス |
ターゲットを自動で設定(国のみ指定する) | ターゲットを手動で設定する |
配信面 | 自動配置のみ | 手動で設定する(自動配置を選ぶことも可) |
クリエイティブ |
ユーザーごとに最適な広告フォーマット、クリエイティブ、配信先を自動で決定 | 手動で設定する |
1広告セットあたり最大150のクリエイティブ(クリエイティブ数が多いことが推奨) | 制限なし(最大6件が推奨) | |
1つの広告セットでDynamicとStaticをサポート | – | |
同じPixelを使用しているパフォーマンスの良い既存コンバージョン目的/カタログ販売目的キャンペーンの広告(自動化されていない)を抽出して使用することが可能 | – |
Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)の設定方法
Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)の設定方法は次の通りです。
キャンペーンの目的を選択
「Advantage+ ショッピングキャンペーン」を選択
広告セットの内容を設定
画面に表示されるメニューに従って、下記の広告セットの内容を設定します。
・キャンペーン名
・ コンバージョンの場所
・ 地域(国単位)
・ 新規・既存顧客の予算割合
・ 予算と掲載期間
・ 最適化と配信
ASCでは、コンバージョンポイントは自動で「購入」が設定されます。対象となるMetaピクセルで購入のイベントの設定がない場合、コンバージョンに合わせて広告配信が最適化されない可能性があります。あらかじめ購入イベントの設定を行いましょう。
▼イベントは、ビジネス設定→データソースに移動し概要から確認することができます
広告を設定
広告の設定方法は2種類あります。
既存の広告をインポートして設定する
すでに既存キャンペーンで広告を配信しており現状取れているCPAやCVを改善できる場合、「おすすめの広告」→「既存広告」でインポートすることが可能です。
「現在おすすめの広告はありません」と表示される場合
この場合は広告アカウント内におすすめの広告が無いため、通常キャンペーンと同様に広告を入稿しましょう。
Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)の注意点
Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)を配信する際は、次の点に注意が必要です。
専用のキャンペーンを作成する必要がある
既存のキャンペーンを複製することはできないため、Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)専用のキャンペーンを作成する必要があります。
詳細なターゲティング設定ができない
ターゲティングは完全に自動です。狙いたい層を決めて運用するには不向きです。
CPAが高くても焦らない
初めは、AIが学習を進めるためにCPAが高くなる可能性があります。ASCに初めてチャレンジする場合は、最低でも2週間ほどはテスト期間を設け、様子を見るのが良いでしょう。
CPCは通常の配信と同等の可能性がある
CPAが改善するため、CPCも改善すると思われがちです。しかし、実際には通常配信と同じくらいのCPCになることがほとんどです。その理由は、ASCではCPMは上がるがCTRが上がりやすくなるといった傾向があるためです。
CPAは改善するものの、ROASが悪化する可能性がある
ターゲティング設定ができないのでCPAは改善するものの、気づけばROASが悪化していたといったケースがあります。
特に無形商材に関しては、初回無料→その後費用がかかって採算をあわせるケースがある為、CPAが改善しているからと安心せず細かくROASを確認しながら進めると良いでしょう。
また高額商品に特化したキャンペーンを別途運用するなど、目的に応じてキャンペーンを使い分けていきましょう。
Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)運用のコツ
ASCキャンペーンを効果的に運用するコツを6つ紹介します。
◯既存キャンペーンと併用する
◯クリエイティブの最適化を図る
◯動画と静止画が1広告セットに含まれるようにする
◯クリエイティブは20本ほど用意し、10本ほど稼働させて様子を見る
◯週1回以上の差し替えは控える
◯「地域の除外」「最低年齢の引き上げ」設定を行う
既存キャンペーンと併用する
ASCのほうが機械学習のプロセスが優れていると思われがちですが、そうではありません。ASCでターゲットグループの優先順位を決める際に使われているのは、過去に蓄積されたデータです。
よって、ASCと既存のコンバージョンキャンペーンはどちらかに置き換えるのではなく、併用することで最大限の効果が得られます。
ASCの予算は、既存のコンバージョン広告の10〜30%ではじめ、成果に応じて予算を増やし、最大50%にするのが良いと言われています。
クリエイティブの最適化を図る
クリエイティブを設定する際に「おすすめ広告」のオプションを利用しましょう。
管理画面に「過去7日間で予算をより多く使ったクリエイティブ」や「より購入に繋がる可能性のあるパフォーマンス重視のクリエイティブ」がおすすめされます。これらの素材を利用することで高確率で良いパフォーマンスが得られます。
おすすめの広告は、一定の間隔で更新されます。パフォーマンスを確認しながら、継続的にチェックしましょう。クリエイティブは最大150種類の追加が可能です。
キャンペーンの最適化の為にも、できるだけ多くのクリエイティブをアップロードしましょう。
動画と静止画が1広告セットに含まれるようにする
1広告セットに、静止画と動画が必ず含まれるようにしましょう。1広告セットには6〜10クリエイティブを設定します。
動画を使用することで静止画だけでは配信できない「動画専用の面」に配信されます。そのため、動画だけに反応する層を取りこぼさないためにも、両方の面への配信が必要です。
クリエイティブは20本ほど用意し、10本ほど稼動させて様子を見る
Facebookの推奨は150本ですが、直ぐに準備ができない場合は、まずは20本ほど用意して進めましょう。
初めは10本を稼働させ、結果が良い場合はそのまま継続して初めの10本を使用します。結果が悪い場合は、残りの10本を稼働させます。
参照:Meta公式ヘルプセンター「Advantage+ ショッピングキャンペーンでできること」
週1回以上の差し替えは控える
機械学習を進めるためにも、差し替えは週1回程度に留めましょう。しかしどのクリエイティブでもCPAが高騰してしまう場合は、現状のクリエイティブでは改善が見込めないため差し替えを検討しましょう。
「地域の除外」「最低年齢の引き上げ」設定を行う
広告セットがありませんが、広告アカウント単位で「地域」「年齢」について設定することができます。
(ただし、広告アカウント内の全てのASCキャンペーンに設定されてしまうので注意しましょう)
地域の除外の設定方法
配信に適さない地域がある場合は除外しましょう。
広告アカウントにログイン後、ビジネス設定→広告設定→アカウント管理をクリック。
「オーディエンス管理」をクリックした後、「特定のロケーションでのみ宣伝できる」をオンにすることで、配信する地域を限定できます。(都道府県・市区町村別で設定することができます)
最低年齢の引き上げの設定方法
商品に適した年齢層に絞り込みを行いましょう。
広告アカウントにログイン後、ビジネス設定→広告設定→アカウント管理をクリック。
「オーディエンス管理」をクリックした後、「年齢制限付きの商品またはサービスを宣伝している」をオンにすることで、配信する最低年齢を設定できます。
これらの設定により、より効率的な配信が可能になります。ただし、過度な絞り込みはAIの学習機会を減らす可能性があるため、バランスが重要です。
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Advantage+ショッピングキャンペーン(ASC)の改善事例
ASCキャンペーンを複数同時配信することでCPA1/2に改善
ASCキャンペーンは自動配信であるため、運要素が強く初動の配信ではCPAが高騰、CVもあまり獲得できないこともあります。
しかし、同じキャンペーンを5つ配信することでCPAが2倍以上の差が出ています。
ある程度獲得出来る層が決まっていることが前提ですが、初動で複数キャンペーン走らせることでCPAが良いキャンペーンに集約させる方法も1つの手です。
商材:家電用品
CVポイント:商品購入
キャンペーン | クリック数 | CV数 | CPA | 金額 |
ASC① | 1,512 | 3 | 49,048円 | 147,144円 |
ASC② | 1,698 | 2 | 73,392円 | 146,784円 |
ASC③ | 3,883 | 13 | 33,173円 | 431,246円 |
ASC④ | 1,784 | 5 | 32,192円 | 160,959円 |
ASC⑤ | 1,669 | 2 | 61,243円 | 122,486円 |
商材の特性上、年齢性別を絞らないといけない案件でもASCキャンペーンのほうがCVが取れる
美容系の商材である程度CVを獲得できる層が決まっておりましたが、ASCキャンペーンを配信したところ通常キャンペーンよりASCのほうがCPAが良い結果となっています。
通常キャンペーンのターゲティング:女性、年齢40代
キャンペーン | CTR | CPC | CPA |
通常キャンペーン | 1.4% | 202円 | 44,000円 |
ASC | 2.1% | 183円 | 13,000円 |
Advantage+ オーディエンスに類似ターゲティングをかけ合わせることでCPA半分に!
Advantage+ オーディエンスとカスタムオーディエンス(今回リスト類似1%)を組み合わせることで通常のASCキャンペーンに比べて、CPA半分で取れています。
事例:化粧品
種別 | CPA | CVR |
通常ASC | 11,099円 | 1.82% |
類似1%オーディエンスASC | 5,308円 | 1.12% |
その他にも弊社で運用している通常のFacebookキャンペーンとASCキャンペーンを比較したところ、下記の商材でCPAおよびCVRの改善がみられました。
事例: 化粧水
CPA・CVRともに改善
種別 | CPA | CVR |
通常 | 9,507円 | 2.46% |
ASC | 6,533円 | 3.18% |
事例: セミナー集客A(節税関係)
CPA・CVRともに改善
種別 | CPA | CVR |
通常 | 18,284円 | 2.77% |
ASC | 9,963円 | 3.78% |
事例: セミナー集客B(学習関係)
CPA・CVRともに改善
種別 | CPA | CVR |
通常 | 32,364円 | 1.32% |
ASC | 15,543円 | 1.75% |
事例: 家電販売
CPA・CVRともに管理画面上は改善したが実数値が悪く停止
種別 | CPA | CVR |
通常 | 20,176円 | 0.52% |
ASC | 12,503円 | 0.72% |
ASCキャンペーンを導入することで必ずしも成果が改善するとは限りません。通常キャンペーンと比較しながらテスト運用することで、数値改善が見られれば継続、そうでなければ停止し他の商材でテストしていきましょう。
弊社の実績ですが、訴求が異なる場合は、キャンペーンごとに分けて設定するほうが成果が良い傾向にあります。
Facebook広告はキャンペーン及び広告セットごとに学習データが集約されていくため、訴求が異なる場合は、キャンペーンごとに学習データを蓄積させることで機械学習を働きかけやすくしています。
まとめ
Advantage+ショッピングキャンペーン(ASC)は、従来の機械モデルからアップデートし、広告の自動化を進めることで、パフォーマンスや効率性の改善が期待できます。
Advantage+ショッピングキャンペーン(ASC)と既存のコンバージョンキャンペーンは、どちらかに置き換えするものではなく、併用することで最大限の効果が得られます。そのため、両方を使って顧客にリーチするのが良いでしょう。
是非、この機会にAdvantage+ショッピングキャンペーン(ASC)を設定して、広告の最適化を図っていきましょう。
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