「3ヶ月で社内人材をプロのWeb広告運用者に!」
講師2名が明かすマーケター育成法

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デジタルアスリート株式会社

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デジタルアスリートでは今、Web広告運用の未経験者や若手マーケターを対象とした対面型のWebマーケター育成サービス「リスキリングシップ研修」を実施しています。

その内容は、3ヶ月間、週3日間にわたり研修施設で座学+実技研修を実施するというもの。これまでにも多数の未経験者を、即戦力として活躍できるWebマーケターに育て上げてきました。

今回の記事で登場するのは、この研修で講師を務める大和田千尋さんと篠塚康太さん。「マーケターに向いている人とはどんな人か?」というテーマを軸に、人材育成にあたって大切にしていること、実際の受講生がどのように成長しているのかについて、対談形式で語り合いました。

大和田 千尋

デジタルマーケテイングに強い組織を作るというミッションの下、デジタルアスリートの人事責任者として従事。マーケ人材に特化した評価制度設計や教育スキームの構築を行い、新卒の教育期間を6分の1に短縮すると同時に離職率を3分の1に減らすことに成功。そのほか、クライアントの評価制度設計や人材育成に多数の実績を持つ。現在はリスキリング支援事業の部長として、Webマーケティング業務におけるリスキリングサービスを複数立ち上げている。リスキリングシップ研修においては全体統括およびマインド研修の講師を務める。

篠塚 康太

2019年、デジタルアスリート株式会社に移籍。自部署のマーケティングを統括する傍ら、Webマーケターを育成する講座の講師も務める。マーケティング設計、リード獲得、オウンドメディア構築、セミナー企画など、マーケティング業務全般を網羅的に担当。リスキリングシップ研修においては、マーケティング全体設計およびクリエイティブ作成・デザイン領域を指導。

 

Webマーケターに向いている人とは?

――おふたりは多数のマーケターとともに働き、マーケターの育成にも関わっています。マーケターに向いている人の特徴は何だと思いますか?

大和田:素直で、学ぶ意欲がある方。そして情報感度と継続性が高い方がマーケターに向いていると思います。Webマーケティングの世界は変化が非常に速く、新しいトレンドやノウハウが次々と登場するので、常に自分で情報を収集し続けなければなりません。そのため、高い情報感度と継続性が欠かせないわけです。

さらに、マーケティングは答えがない仕事でもあります。広告コピーひとつとっても、どれが当たるかはやってみないとわかりません。そこで欠かせないのが素直さと学ぶ意欲。自分のやり方にこだわらず、他者の成功事例やアドバイスを素直に受け入れ、学び続けられる人が、長く成果を出せるマーケターになれると思います。

篠塚:私もほとんど大和田さんと同じ意見ですね。答えがない中で成果を出し続けるためには、知的探求心や好奇心が必要でしょう。もちろん私たちもたくさんの成功事例やナレッジを駆使して広告を運用するのですが、どんなケースにも通用する完璧なセオリーなど存在しません。成果を出すために、知識・技術をアップデートし続ける人だけが、成功できる世界だと思います。

大和田:スキル面でいうと、最低限のITリテラシーはやはりあったほうが良いでしょう。パソコンを使った業務を全くしたことがない方だと、研修にもついていくのが難しいかもしれません。

篠塚:スキルといえば、コミュニケーションスキルも重要ですね。マーケティングは消費者の心理を探り、どう伝えたら心に響くかを考える仕事。相手の気持ちが汲み取れるということは大事な要素です。

大和田:その通りですね。私はリスキリングシップ研修で、主にビジネスパーソンとしてのマインドや「思考力」を強化する研修を担当していますが、ものごとを多角的にとらえる思考力はマーケターに欠かせないスキルだと考えています。「相手が何を求めているか」を想像する力は、訓練によっても向上できるものです。

篠塚:そうした総合的な思考力やマインド面まで向上できるのは、当社の研修ならではの特長かもしれませんね。そういう土台があってこそ、専門的なマーケティング設計や具体的な広告運用のスキルが活かされるのでしょう。

受講生の主体性を引き出す研修で、現場に通用するプロを育成

――デジタルアスリートの研修を経てとくに成長されているマーケターの方に、共通する特徴はありますか?研修中に気づいたことがあれば教えてください。

篠塚:主体的に学ぶ姿勢のある方は、その後の成長も早いですね。疑問に感じたことを自分なりに調べたり、講師に質問したりする。そういう姿勢は、答えがないマーケティングの仕事には不可欠だと思います。我々講師陣も、受講者の想いに応えるため、研修時間が終わった後もサポートを続けています。

研修では課題も出しているのですが、実はこの課題のボリュームも少し多めに設定しているのです。研修時間以外でも、自分で主体的に時間を作ってスキルを磨くという習慣をつけてもらうために、あえて負荷を重くしているわけですね。

大和田:とくに成長される方の特徴としては、意外に「遊び心がある人」という要素もあります。これは当社で活躍しているマーケターにも共通しているのですが、忙しい中でもゲームや漫画、スポーツ、芸術活動などの趣味を楽しんでいる人ほど、仕事でも結果を残している。

たとえば真面目な人が広告コピーを書くと、何となく面白みのないコピーになりがちです。プライベートを楽しんでいる人が書くコピーには、豊かな発想力や遊び心が感じられることが多いのです。

篠塚:答えがない仕事だからこそ、既存の枠組みを取っ払って新たな着想にたどりつくことが重要ですよね。よく遊ぶマーケターの引き出しの多さには驚かされます。

大和田:引き出しの多さといえば、研修中のアウトプットが多い人はその後の成長が早い気がします。とにかく手を動かして成果物をつくり、それを講師に見せて意見を乞う。いわゆる「壁打ち」の頻度を高めて、自分の成長を早められる人ですね。

あとは、ほかの受講生と積極的にコミュニケーションをとり、自主的にシェア会や飲み会を開いたりする人も資質アリ。マーケターは社内外のさまざまな人を巻き込む仕事ですので。

――これまでの研修の中で、特に印象に残っている受講生の成長エピソードを教えてください。

篠塚:スケジュールの都合が合わず、ほかの受講生よりも1週間遅れて参加した受講生のことが印象に残っています。彼は広告運用の未経験者だったので、参加したばかりの頃はいつも自信がない様子で、積極的に講師や受講生に関わろうとしませんでした。

ところが、途中から周りの受講生に触発されて意識が変わり、知識の豊富な受講生に教えてもらったり、講師へも積極的に質問をするように変化したのです。研修終了時にはスキル面・メンタル面ともに見違えるほど成長し、現在はプロのWebマーケターとして広告運用の成果を出しています。

――未経験者も成長しやすい環境ということですね。大和田さんは研修している中で、どのようなときに受講生の成長を感じますか?

大和田:私は研修でクリティカルシンキング(客観的・多角的な視点で問題を分析し、解決する思考力)を教えていて、この講座を通じて飛躍的に成長する受講生をたくさん見てきました。クリティカルシンキングを用いると、幅広い視野で問題をとらえ、客観的な根拠に基づいた意思表示ができるようになり、講座の発言の仕方から受講生が理解できているかが良くわかるのです。

この業界では、お客様を支援するとき、どうしても広告運用のテクニックにばかり偏りがちなのですが、課題は広告だけとは限りません。市場、商品、消費者へと視野を広げたり、Webサイトのクリエイティブに目を向けたりと、多様な要因から課題を解決することがマーケターには求められます。私は社内のメンバーにもクリティカルシンキング研修を実施していますが、多くの社員が視野の広がりを実感してくれているようです。

自社研修の実績に基づく、短期間マーケター育成システム

――大和田さんはデジタルアスリートの新入社員研修を大幅に改善し、研修期間を6分の1に、離職率を3分の1に減らした実績があります。この研修改善の背景を教えてください。

大和田:以前のデジタルアスリートでは、6ヶ月間の新入社員研修を実施していました。また、一人前のマーケターになるには現場で3年ほど経験を積む必要がありました。

しかし、新卒社員の割合が増えるにつれ、人材育成をさらに早め、研修期間をコンパクトにしなければならないという経営上の課題に直面したのです。研修改善後には、研修期間は1ヶ月にまで短縮され、入社後1年ほどで一人前に成長できるようになりました。

――目覚ましい成果ですね。具体的にどのような改善を行ったのでしょうか。

大和田:以前の研修は主にOJTでした。一方、改善後は研修施設をオフィスと別に用意し、研修に集中できる環境をつくったのです。OJTでは先輩社員が業務の片手間で仕事を教えることになりますし、新入社員も知識の吸収に集中できません。しかし、研修施設で密度の高い教育を行うようになってからは、新入社員のスキルアップは目に見えて早くなりました。

また、研修は課題をクリアしなければ卒業できないため、必ず一定のレベルに達した状態で現場に配属されることになります。そのことが現場での成長をも促進することになり、ひいては離職率の低下にもつながったのでしょう。ちなみに、リスキリングシップ研修のプログラムもこの新入社員研修がベースとなっており、研修会場も同じ場所を使用しています。

――篠塚さんはリスキリングシップ研修でマーケティング設計を主に教えています。研修の中で特に大切にしていることや、工夫していることは何でしょうか。

篠塚:受講者の経歴は人それぞれで、スタートラインも違います。まずは一人ひとりのスキルに合わせ、指導のレベルを調整することに気をつけていますね。もうひとつ大切にしているのは、良い意味で「お客様」扱いしないこと。お客様だからといって遠慮して指導を甘くしてしまったら、受講者がレベルアップできないからです。

リスキリングシップの講師は、いわばアスリート向けのパーソナルトレーナーのようなものです。身体能力と同じで、マーケティングスキルも負荷をかけなければ成長できません。「もうだダメかもしれない」という限界を突破することで、本当の成長ができると考えています。

――最後に、受講生への想い、人材育成への想いについてお話しください。

大和田:私はもともとマーケターではなく、営業や人事の領域でキャリアを積んできました。だからこそ思うのですが、マーケターというのは数ある職種のひとつにすぎません。でも、Webマーケティング業界は拡大を続けており、マーケターとしてのスキルはキャリア構築の上で必ず役に立ちます。マーケターの経験を積んだのち、デザイナーや営業など、ほかの職種にキャリアチェンジすることもできるでしょう。

しかし、全く別の業界でキャリアをスタートした人が、いきなりマーケターに転職することは簡単ではありません。事実、コロナ禍の最中、私は採用担当者として魅力的な転職希望者とたくさん出会いましたが、残念ながらIT・広告経験の乏しさゆえに採用に至らないケースが多くありました。

また、私自身も転職経験が複数あり、「もっとスキルを身につけておけば」と悔やんだことがあります。ひとりでも多くの方に、そうした後悔をすることなく、自分らしいキャリアを切り拓いてほしい。そのためにも、引き続きマーケター育成をがんばっていきたいと思います。

篠塚:マーケターを目指す方々には、一人ひとり異なるバックグラウンドがあるはずです。ある人は家族を守るため、またある人は自分の人生を豊かにするために、マーケターを目指しているかもしれません。しかし、人生のストーリーを思い描く中で、スキルがないという理由で前に進めないこともあるでしょう。これはとてももったいないことだと思います。

マーケティングのスキルは、一度身につければ活躍の場面が大きく広がる価値の高いもの。思い描く人生を実現するための武器として、ぜひ多くの方にマーケティングスキルを身につけてほしいと願っています。

 

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