「グロス」と「ネット」の違いとは?知らないと失敗する広告費の話

自社でWeb広告を運用するのが難しい場合、プロである代理店に運用をお願いすることになります。
その場合、発生する費用を「広告費」として捻出することになると思いますが、実はこの「広告費」については依頼するクライアント側と代理店側とで捉え方が違ってしまう場合があります。

今回は広告費の話でよく出てくる「グロス」と「ネット」という言葉、そして広告費について効果的な考え方について解説します。

広告費の「グロス」と「ネット」って何が違う?

「広告費」の話をする時には、まずそれが「グロス」なのか「ネット」なのかについて、双方の認識が一致していなければいけません。

「グロス」(Gross)とは

「グロス」という言葉には、総量や総計という意味があります。

広告業界では「広告配信をするにあたって使用した費用の総額」を示し、依頼主・クライアントの考えている「広告費」はグロスを指している場合が多いです。

つまり実際に広告媒体に支払う費用に加え、代理店に支払う費用や制作に関係する費用も含まれ、広告にかける全部の費用を含めて考えている場合があります。

「ネット」(Net)とは

「ネット」とは、純量や正味と言った意味があります。普段の生活では袋菓子に「NET 100g」等と書いてありますが、袋などを抜いたお菓子その物の重量が100gという事です。

広告業界では「広告媒体に支払う費用」を示し、代理店の考えている「広告費」はネットを指している場合が多いです。

ネットの広告費は単に「広告媒体に支払う費用」を指すことが多く、純粋に広告配信のためにかかる費用のことで、代行費用や関係する諸費用を含みません。代理店は広告費と言う言葉をこちらの意味で使うことが多いでしょう。

「マージン」(Margin)とは

マージンは「代理店の手数料」のことです。

この様に、同じ「広告費」と言う言葉でも、捉え方が違う可能性があるという事が分かりますよね。

もちろんプロである代理店がクライアントに寄り添って、広告費という考え方の認識の擦り合わせをすべきだとは思いますが、クライアント側でもこの事を理解しておいて損はありません。

大事なお金の事であるからこそ信頼関係に関わる事なので認識の相違が無いようにしたいですね!

ネットとグロスとマージンの密接な関係

上記で説明したように、ネットにマージンが乗ってグロスとなります

この事を理解をしていない人は実は多くて、「広告費」と言ってもネット次第で大きくマージンが変わり、結果的に総数であるグロスが変化します。

代理店に広告配信を依頼する際は、ネット、グロス、マージンを意識して広告費を設定する事が重要です。

アカウントの共有をそもそも貰ってないので、「ネットで本当はいくら使っているか知らないと」言う広告主さんもいるのではないでしょうか?

その点やはりレポートを出してくれたり、アカウントの共有が可能だったりするほうが、依頼する側のメリットは大きいでしょう。

実際の費用がどれぐらいかかるのか、例で確認してみましょう!

例1、2を見てわかる様に広告費が上がると、マージンは上がります。
広告配信が拡大するにつれてマージンも上がるので、どこかのタイミングで「マージンが高過ぎる」と感じるケースもあるかも知れません。

グロス基準でCPAをみていると失敗する理由

しかしここで注意しなければいけないことは、グロスの広告費だけを基準にCPAを見ると、大きな間違いをおかしやすいと言うことです

代理店を使うことで得られるメリットは、プロに依頼することによって成果が上がりやすくなることだけではありません。社内のリソースを運用以外に使う事ができる事も大きなメリットですよね。

つまり代理店に支払う手数料は、自社で広告運用を行う場合における人件費の側面もあるのです。

実際にグロスでCPAを見るということはどういうことなのか見て行きましょう。

例)
リピート通販 ダイエットサプリ(代理店手数料:25%)
商品単価:3000円 目標CPA10,000円
広告費(ネット):500,000円
CV件数:62件
CPA:8000円
リピート率10%
ライフタイムバリュー(1人当たり):100,000円

利益:-500,000円(ネット広告費)+620,000円=+120,000円

 
ネットの広告費で見た場合、12万円の利益が出たように思います。しかし、実際にはここに代理店のマージンが乗るため、

商品単価:3000円 目標CPA10,000円
広告費(ネット):500,000円
CV件数:62件
CPA:8000円
マージン:125,000円

利益:-625,000(グロス広告費)+620,000円=-5000円

 
5,000円のマイナスとなってしまいました。

この場合にグロスの広告費で広告の効果を見ていると「マージンを払っていては赤字になる、自社運用に切り替えよう」と言う判断になりかねません。

しかし、今や広告の運用は社内の既存社員に「ついでにこれもやって」と兼務で任せられるような単純な作業ではなくなっていますし、専任の担当者をつけるのであればその分の人件費や採用費がかかってくるでしょう。
その時には、5,000円くらいのマイナスではすまなくなるはずです。

また、「じゃあ、広告運用をやっても儲からないと言うことだから止めよう」と言う判断になると、ネットの市場を競合に取られてしまい、ビジネスの他の部分にも影響が出てくる可能性があります。

いかがでしょうか。もちろん広告費にかけた費用をトータルで見ても、利益が出るような運用が理想ではあります。

しかし、たとえそれが今すぐ大きな利益に結びつかないとしても、広告運用によって得られる利益は顧客データの獲得やマーケティングに役立つ情報、シェアの獲得などビジネスにとって有益なものがたくさんあります。

広告運用には積み重ねが重要です。あとで気づいてもすぐに取り返すことができませんので、広告費の費用対効果については、人件費的側面やマーケティング活動としての側面も含めて考えるのが効果的でしょう。

代理店との失敗しない付き合い方

「広告費」と言う言葉に対する認識、また費用対効果として考える対象の違いなど、少しの認識の違いで代理店との連携に大きなしくじりが起きてしまう可能性があります。

そのような事態にならないためにも、打ち合わせの最後や、電話の最後にはしっかり認識をすり合わせる時間を用意するようにしましょう。

例えば、代理店の担当者に「正しく理解が出来ているか、話してもらってもいいですか?」と質問してみてもいいと思います。

正しく理解しあえている状態がお互いにとって良い状態であり、成果が出やすい状態です。
多少の手間や時間は掛かりますが、その状態を作り出せるように工夫していけば、掛けた費用や労力から最大の成果を得ることができるようになるでしょう。

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