マーケティング業界の「グロス」と「ネット」の違い。正しく理解していても事故が起きるワケ

  • 2018.11.15
  • 2022.4.22
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マーケティング業界の「グロス」と「ネット」の意味、正しく理解しているでしょうか。言葉の意味を理解していても、「グロス」と「ネット」にまつわる「事故」はよく発生します。

あなたが「事故」を起こさないためにも、「グロス」と「ネット」についての正しい知識と、起きやすい事故について理解しておきましょう、

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「グロス」と「ネット」の違い、正しい知識

Web広告やマーケティング業界でよく耳にする「グロス」と「ネット」は、「広告予算」のことを指しています。

「グロス」(Gross)とは

「グロス」の広告予算、これは「広告配信をするにあたって使用した費用の総額」を示しています。

元々、「グロス」という言葉には、総量や総計という意味があります。

媒体側に支払う広告費に加え、広告代理店に支払う運用手数料なども含まれる金額を「グロス」と称し、広告主やクライアントの考えている「広告費」は、実際のところ「グロス」である「広告配信をするにあたって使用した費用の総額」を指しているケースが多いです。

「ネット」(Net)とは

「ネット」は「媒体側に支払う広告費」を示します。

「ネット」とは、純量や正味と言った意味があります。コンビニやスーパーで購入出来る袋菓子には「NET 100g」等の記載があります。外装の袋などの重さを抜いたお菓子そのものの重量が100g、という意味です。

広告業界では「媒体側に支払う広告費」を示し、広告代理店に支払う運用手数料などは含みません。代理店の考えている「広告費」はネットを指しているケースが多いです。

「マージン」(Margin)とは

「マージン」は「代理店に支払う手数料」を示します。

つまり「ネット」と「マージン」を合わせた費用が「グロス」ということになります。

この図だけを見ると「グロス」「ネット」「マージン」の意味はシンプルで、一見何の事故も起こらないように見えます。

認識違いによって起きやすい事故の例

「グロス」「ネット」「マージン」を誰もが理解していても、起こる事故があります。その例をご紹介します。

「ネット」なのか「グロス」なのか認識を合わせる

最もよくある事故の例が「広告費」「広告予算」の解釈違いです。

広告主・クライアントが広告予算を広告代理店に伝えるとき、それは主に「グロス」であるケースが多いですが、この前提を広告代理店が認識していない場合があります。

クライアントが「広告予算は100万円で」と広告代理店に伝えたとします。

この場合、広告代理店はこの100万円は「ネット」、つまり「広告費=媒体側に支払う費用」という認識になり、
①広告費100万円+②運用手数料 をクライアントに請求することがあります。

クライアントは「グロス」の認識で「広告費は100万円で」と伝えました。
①広告費+②運用手数料の総額が100万円になる認識です。

「広告費」や「広告予算」をクライアントは「グロス」、広告代理店は「ネット」で考えている前提がある故の事故です。

このような認識違いの事故を起こさないためにも、広告予算が「グロス」「ネット」どちらを指しているのか、必ず毎回確認しましょう。

前回「ネット」で伝わっていても、今回担当者が伝えたのは「グロス」の数値だった、ということもよく起こります。何度も言いますが、必ず、毎回、確認しましょう。


「グロス」に含まれている費用の内訳を理解する

「グロス」には「ネット」である広告費と「マージン」である広告代理店の運用手数料が含まれている、と説明しましたが、「マージン」に運用手数料以外の費用が含まれることにも留意が必要です。

例えば、広告に使用する動画や画像の制作費などです。
これらの制作費も「グロス」に含まれるという認識を持つ広告主・クライアントに対し、代理店は制作費などは「グロス」に含まれない、「広告予算」以外の「制作費」であると認識しているケースがあります。

この場合も前述の「グロス」と「ネット」の解釈違いと同じ事故が起こります。
これが「グロス」と「ネット」の正しい意味を知っていても、事故が起こる理由です。

「グロス」と「ネット」の解釈違い・認識違いは企業やその担当者によって異なる、というのが現状です。事故を起こさないためには都度「認識のすり合わせ」が不可欠となります。

「グロス」と「ネット」見方によって異なる数字と注意点

「グロス」と「ネット」について、それぞれの数字を確認することによって見えてくるものがあります。

具体的に栄養補助食品サプリの例を用いて説明しましょう。

リピート通販 栄養補助食品サプリ(代理店手数料:25%)
商品単価:3,000円 目標CPA10,000円
広告費(ネット):500,000円
CV件数:62件
CPA:8,000円
リピート率10%
ライフタイムバリュー(1人当たり):100,000円
利益:-500,000円(ネット広告費)+620,000円=+120,000円

「ネット」で数字を見た場合、12万円の利益が出たように思いますが、代行手数料が25%のこの場合、マージンとそれを踏まえた利益は以下の数字となります。

マージン:125,000円
利益:-625,000(グロス広告費)+620,000円=-5,000円

結果、5,000円の赤字です。

この場合、広告主としては「マージン」、つまり代理店に支払っている手数料を削減したいと考えるかもしれません。「マージン」を抜くことで赤字が黒字になる、と考えられるからです。

しかし「マージンを支払わない」=広告代理店に依頼しない、ということは「自社運用になる」ということになります。

ここで考える必要があるのは「自社運用で同様の成果が出せるか」ということです。
自社に広告を最適化出来る運用者がおらず、同じ予算でそれまで獲得出来ていたCVが減ったとしましょう。

リピート通販 栄養補助食品サプリ(代理店手数料:25%)
商品単価:3,000円 目標CPA10,000円
広告費(ネット):500,000円
CV件数:41件
CPA:12,000円
リピート率10%
ライフタイムバリュー(1人当たり):100,000円
利益:-500,000円(ネット広告費)+410,000円=-90,000円

自社運用により、それまで8,000円だったCPAは12,000円まで上がりました。
結果、赤字は90,000円まで膨らんでいます。

優秀な運用者を採用して自社運用を!と考えたとしても、人件費がかかります。
毎月広告代理店に支払っていた120,000円よりも高い費用を、今度は給与として支払い続ける必要があります。

広告費の費用対効果については、人件費的側面やマーケティング活動としての側面も含めて考えるのが妥当と言えます。

まとめ

「グロス」と「ネット」の意味だけでなく、「広告費」や「広告予算」に対する少しの認識の違いによって起こりうる事故について、ご理解いただけたかと思います。

このような事故を起こさないためにも、ミーティングや電話の際にはしっかり認識をすり合わせる時間を用意するようにしましょう。そしてそれを文面に残しておくのも重要です。

正しく理解し合えている状態がお互いにとって良い状態であり、成果が出やすい状態です。
多少の手間や時間は掛かりますが、その状態を作り出せるように工夫していけば、掛けた費用や労力から最大の成果を得ることができるようになるでしょう。

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