【YDA】Yahoo!ディスプレイ広告の特徴や他の広告との違い、ターゲティングなどを5分で解説

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岡田 康佑

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Yahoo!ディスプレイ広告(旧称:YDN)は、2020年7月よりすべての利用者を対象に、Yahoo!ディスプレイ広告(運用型)(YDA)にリニューアルされました。従来のYDNは2021年6月23日に提供終了されています。

引用元:https://marketing.yahoo.co.jp/service/yahooads_renewal.html

また、ディスプレイ広告には、上の図のように「運用型」と「予約型」があり、「予約型」はYahoo!プレミアム広告という純広告配信がリニューアルしたものになります。

この記事では主にYahoo!ディスプレイ広告(運用型)について、リニューアルの内容や機能、特徴について解説していきます。

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ディスプレイ広告とは

そもそもディスプレイ広告とはどのようなものでしょうか。
ディスプレイ広告とは、下図のように、Webサイトやアプリの画面に表示される広告です。

一般的には画像やあらかじめ作成したバナーを使用し、出稿をすることが多いですが、その他にもテキストや動画を使用した配信も可能です。

検索広告と比較して低いクリック単価で出稿でき、配信ボリュームもターゲティング次第では月間数百万回以上獲得できることもあります。

Yahoo!検索広告(YSA)との違いは、配信面とターゲット層です。

YDAで出稿できるディスプレイ広告の特徴としては、Yahoo! JAPAN、およびYahoo!と提携しているWebサイトに表示されます。
また、自身の欲求(ニーズ)にまだ気づいていない、潜在的なユーザーへアプローチするできます。

対して、YSAで出稿できる「検索連動型広告」は、ユーザーが意図をもって検索行動をおこなった検索結果画面に広告が表示されるため、自身の目的や欲求がすでに明確に把握できている顕在層へとリーチするのが特徴です。

Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)とは

YDAとは「Yahoo!ディスプレイ広告(運用型)」の略称です。
Yahoo!広告のサービスの一部でYahoo!、Yahoo!の提携サイト上にディスプレイ広告を出稿できる媒体です。

YDNからの変更点

冒頭でも記載した通り、2020年4月にはすべての広告代理店に、2020年7月よりすべてのアカウントに提供が開始されました。YDNは2021年6月23日に提供を終了しました。

オークションで重要視される要素が変わる

今まではクリック数が最大化されることが目的になっていたため、広告の品質を決める要素は一律で予測クリック率が大きく影響していました。

しかしYDAでは、広告の品質を決める要素として「目的ごとに最適な予測アクション率」が大きく影響するようになりました。

たとえばキャンペーン目的を「コンバージョン」にした場合、コンバージョンの獲得を基準にした予測アクション率の高い広告の品質が高いと判断されやすくなり、キャンペーンの中で表示されやすくなります。

簡単に言えば、これまではコンバージョンは獲得しやすいものの、予測クリック率が低くあまりキャンペーン内で勝っていなかった広告が、コンバージョン目的のキャンペーンでは勝ちやすくなるというイメージです。

推奨キャンペーン構造の変更:広告掲載方式別から目的別へ

YDNではインフィード、ブランドパネルなど広告掲載方式別にキャンペーンを分ける形でしたが、YDA では分ける必要がなくなりました。
1つのキャンペーン内で、インフィードの広告枠にも、ブランドパネルの広告枠にも配信できるようになっています。

ターゲティングの追加と廃止

YDNで配信できた「インタレストカテゴリー」の機能は廃止になり、YDAでは使用することはできません。

代わりに「オーディエンスカテゴリー」という類似機能が使用できます。
オーディエンスカテゴリーの説明はインタレストカテゴリーとほぼ差異はなく、特定のカテゴリーに興味・関心を持ったユーザーに対して広告を配信できるターゲティング機能です。

オーディエンスカテゴリーは「興味関心」「購買意向」「属性・ライフイベント」の3つのグループにわかれています。

既存機能がグレードアップした点

自動入札の機能改善

YDNでは過去30日間で15件以上のコンバージョンがないと、自動入札を設定できませんでしたが、YDAではこの制限がなくなり、コンバージョンが0件でも自動入札を設定できるようになりました。
そのため、多くのコンバージョンを獲得した状態で使用するとより良い結果を得られます。

ビューアブルベースのフリークエンシーキャップ

YDNのフリークエンシーキャップはインプレッション基準でしたが、YDAではビューアブル(視認範囲)基準になりました。
インプレッション基準とビューアブル基準でどう変わるのか、具体例を交えて説明します。

・インプレッション基準の場合
インプレッションは、その広告がユーザーに見られていない(スクロールして見えるところに表示された)としても、1インプレッションとしてカウントされます。

・ビューアブルインプレッション基準の場合
ビューアブルインプレッションは、広告の50%以上の範囲が1秒以上連続して表示された場合に1カウントされ、インプレッション基準に比べて精度が高くなったと言えるでしょう。

YSAとYDAのメリットの違いとは

YSAは成果に直結するが、拡大しにくい

YSAで出稿できる「検索連動型広告」のメリットは、すでに「購買意欲の高いユーザー」に向けて配信されるため、広告主が求める成果に直結しやすいことがあげられます。

しかし、月間での市場の検索ボリュームに上限があるため、ある程度アカウントが成長すると成果の上限が定まり、頭打ちになりやすい傾向があります。

また掲載順位をオークション形式で入札し、常に上位の広告枠を競合他社と奪いあう形になりますので、1クリックあたりにかかるコスト(クリック単価)も高くなりやすいです。

とくに市場が成熟しているレッドオーシャンであればあるほど、1人当たりの顧客獲得単価(CPA)は高くなります。

YDAは配信ボリュームを増やし、潜在層にも広告を出せる

それに対し、YDAで出稿できるディスプレイ広告に関しては、Yahoo!と提携しているWebサイトすべてが配信対象になるため、配信ボリュームは検索広告の比ではありません。

しかし潜在層向けの配信になるため、YDA上のさまざまなターゲティング手法を駆使し、潜在層を顕在層に変える仕組みづくりが必要です。

その分、一度成果の出る傾向や広告手法が確立してしまえば、月間の配信ボリュームも多いため、短期的ではありますが検索広告を凌駕する成果を得られることがあります。

※ただし市場は常に変化するため、一度当たったとしても日々の改善は欠かせません。

GDNとYDAの3つの大きな違い

では、同じディスプレイ広告であるGoogleディスプレイ広告(GDN)とYDAには、どのような違いがあるのでしょうか。

使用する画像サイズ

ディスプレイ広告では主に画像を使用した掲載が多くなりますが、その中でもバナー画像のサイズ(縦×横)がGDNとYDAとでは異なります。

それぞれ個別に画像を用意するのは大変なので、まずはGDN、YDA両方に共通する画像サイズを用意することをおすすめします。共通の画像サイズは下記になります。

300×250
336×280
728×90
160×600
468×60
320×50(スマホ)
320×100(スマホ)

※(スマホ)と書いてあるものはスマホ画面にのみ表示されます。

この中でも最もボリュームが出やすいと言われているのが「300×250」です。このサイズをはじめに用意することをおすすめします。 

掲載場所

GDNとYDAではそれぞれ掲載されるサイトが異なります。

GDNは自社サービスがなく、YouTubeやBIGLOBEなどが主な掲載先となります。
また、掲載サイトでなくとも、Googleの広告枠(Googleアドセンス)があるサイトではGDNが配信され、広告枠に合わせて入稿したクリエイティブの中から適切な画像を選定して配信してくれます。

一方、YDAはAmebaや朝日新聞、bing、まとめNAVERなど、数多くの連携サイトへ出稿できるメリットの他に、月間平均500億PVを誇る日本最大級のポータルサイト、Yahoo! JAPAN上の広告枠に出稿ができます。

Yahoo!メールやYahoo!ニュースなど、普段多くの社会人が目にするサイトや、Yahoo!関連サービスにもYDAを介してディスプレイ広告が配信できるため、幅広いユーザー層にリーチできるのが特徴です。

予算配分

GDNでは「広告配信方法の設定」で、「標準」と「集中化」を使い分けることで、一日の予算を早い時間帯で使い切るか、それとも一日を均等にした出稿できるペース配分か設定できます。

気をつけるポイントとしては、もし「集中化」を選択してその日一日の設定した予算の上限に達した場合、出稿自体が自動的にストップしてしまうためそれによる機会損失が生まれやすい点があげられます。

なので、よほどの理由がない限り「標準」で配信されるのが無難でしょう。

一方YDAでは、基本的に予算を1日24時間、1時間単位で均等に慣らして配信をしますが、市場のニーズが一時的に高まり表示回数が多くなったときは、システムが自動で判断し露出を拡大する動きを見せることもあります。

広告費が決まっているアカウントでの運用の場合は、予算管理が重要になってきますので、システム特性を理解した上で運用されることをおすすめします。

YDAターゲティングの種類

またYDAターゲティング配信の種別としては細かいですが下記があげられます。

サイトリターゲティング

LP(ランディングページ)やHP等、自社サイトを訪れたことのあるユーザーに対して、YDAを介して後追いを行い広告配信するターゲティング手法になります。

一度サイトを訪問したことがあるユーザーに向けた配信になるため、ディスプレイ配信の中でも最も成約に繋がりやすいターゲティング設定と言えます。

サーチターゲティング

こちらはGDNにはない、YDA独自のターゲティングとなります。

ターゲティングの仕組みとしては、ユーザーがYahoo!上で検索したことのある、過去の検索キーワード履歴に基づいて配信をおこなうようになっています。

事前にターゲティングする検索キーワード履歴(一般的にはサーチキーワードと呼ばれる)を、運用者がリスト化(サーチキーワードリスト)する手間がかかりますが、顕在層が起こした検索行動に基づく配信となりますので、リターゲティングに続き反響を得られやすい配信手法です。

※尚、サーチキーワードはYahoo!が用意したものから選定する必要がありますので、中にはターゲティングしたいキーワードがそもそも存在しないケースもあります。要注意です。

プレイスメントターゲティング

プレイスメントターゲティングは、特定のサイト(URL)を指定し、YDAを介して広告を配信するターゲティング手法です。

その他にも自社のサービスと関連性の低いサイトを指定して広告がそこに出ないようにプレイスメントリストを作成し除外をすることで広告費を抑えた配信も可能です。

サイトカテゴリー

サイトカテゴリーはYahoo!がサイトごとに設定している特定のカテゴリーに対し、YDAを介して配信するターゲティング手法です。

カテゴリーは数多くあるため、たとえば食品系の商材であれば食品カテゴリーの中で親しいものを選択して配信すると成果が出やすいでしょう。

オーディエンスカテゴリー

こちらは、Yahoo!側がカテゴライズしたカテゴリー(分類・ジャンル)に興味があるユーザーに対し、YDAを介して配信するターゲティング手法です。

特定のジャンルに興味があるかどうかは、Yahoo!側がユーザーの閲覧記録を元に、自動的にカテゴライズし決定しています。

より潜在層に向けた配信となりますので、クリック単価は初動3~5円等で配信されることをおすすめします。

デモグラフィックターゲティング

ユーザーの性別や年齢、住んでいる地域から対象ユーザーをYDA上で絞って配信する手法です。

自社のターゲット(ペルソナ)が明確になっているとターゲティングしやすい配信です。

※オフライン(Web以外)で得られた情報から立てたターゲット(ペルソナ)設定では、オンライン(Web上)では反応が得られにくいなど、提供するサービスは同じでも結果が異なる場合もあります。
そのため、こちらもターゲットを明確にするために初期は充分なテストが必要になるケースもあります。

ノンターゲティング

ノンターゲティングは、すべてのユーザーを対象にYDAを介して広告を配信する手法です。

非常に低単価で出稿ができる反面、ターゲティング設定を一切行わないため、認知度UPが基本となり、直接的なコンバージョンはあまり見込めない場合があります。

しかし、直接CVを狙う場合は、CVのハードルが低い(物販ではなく、リスト取りなど)の案件であればYDAノンターゲティング配信は比較的有効です。

YDAを実施すると良いケース

では、どのようなタイミングでYDAを展開することが多いかですが、一例として以下の例があげられます。

・GDNで取れているターゲティングがあり、GDN上では最大限の配信ができている。
・YSA(Yahoo!の検索広告)での成果が良い。

基本的には予算に余裕があれば実施することをおすすめします。

世界的な規模で見るとGoogle利用者のほうが多いため、Googleから始めるという運用者は多いのですが、GoogleとYahoo!では使用者が違うため、別のユーザーにリーチすることが可能です。

また、使用者の特徴として若年層は「Google」、高年層は「Yahoo!」という年齢の構図や、会社勤務は「Google」、専業主婦は「Yahoo!」など職業によっても違いがでているため、狙っているターゲットが高年齢層や主婦層なのであれば、積極的にYahoo!の媒体にチャレンジする価値があります。

参考:ネット検索でGoogleを使う人、Yahoo!を使う人の特徴を分析してみた

YDAの広告掲載方式

続いて、YDA上での広告掲載方式について解説していきます。
基本的にYDAでは下記が使用可能です。

・ターゲティング
・インフィード広告
・動画

ターゲティング

基本的にターゲティングでは配信したいターゲット層(年代、性別、興味関心等)を運用者が手動で設定した上で広告出稿を行います。

※また一切ターゲティングを行わない、ノンターゲティングという手法も使えますが、それだけでは不特定多数のユーザーに広告を配信することになるため、求める成果が初期は出にくい可能性が高いです。
加えて予算消化のペースも早くなるため初期の設定はおすすめしません。

事前に実施する際は、使用するクリエイティブ(画像)や、入札単価を事前にしっかり練り込んでからの配信を推奨します。

インフィード広告

ネイティブ広告の一種とも言われ、記事コンテンツ等のフィードに自然に広告を配信できます。こちらはGDNにはなくYDA独自の配信方法です。

インフィード配信は各種YDAのターゲティング方法と掛け合わせて使用できるため、出稿するターゲット(セグメントや掲載面)を事前にYDA上でより細かく設定することが可能です。

動画

動画では、Yahoo!のアプリ内にあるインフィード広告の掲載面にYDAを介して広告を掲載できます。

動画に関しては、広告を表示させるセグメントを細かく設定することはできますが、掲載面をより絞り込むことはできません。

また、「動画」という名前からわかるように、この広告掲載方式を選択した場合は、該当のキャンペーン上では動画広告しか配信できません。

※こちらは通常のアカウント上では使用できないケースもあります。どうしても動画を使用した配信を実施されたい場合は、広告代理店のみが所有しているYDA代理店アカウント内に、新規でアカウントを作成することで配信が可能になります。

※通常のキャンペーン(ターゲティング等)と、動画配信用のキャンペーンとで分けることでどちらも配信が可能です。

まとめ

最初はさまざまなターゲティングがあり、複雑で難しいように見えますが、各種ターゲティングをうまく使いこなせると大きな成果がYDAでは見込めます。

成果の比較的出やすい、サイトリターゲティング、サーチターゲティングなどからまずは実際に配信してみたり、GDNですでに実施している配信があるのであれば、YDAでも同じ種類の配信を試してみたりすることをおすすめします。

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岡田 康佑 記事一覧

デジタルアスリート株式会社
ウェビナーマーケティング部 課長
レジャー業界に新卒で入社し7年勤務。内後半4年は販促、広報の責任者として従事し、施設の年間集客数を昨対比125%以上の増を3年連続で達成した。
その後デジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に入社し、Web広告の運用やWeb広告を中心にWebマーケティングのコンサルティングなどを行っている。
コンサルに入り、2年で売上を6億→20億、集客数3万→10万に伸ばすなどの実績がある。
元々Webというよりオフラインの広告を扱うことが多かったためWeb広告は一つの手段として最適な案を考えるようにしている。相談に乗る、人に何かを教えるということが好き。
海鮮が好きなので車を出してでも近場の店より海沿いの店に行くことが多く、休日はよくドライブがてらどこかにいくかテニスをしている。

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