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目次
フロントエンドとバックエンド
フロントエンド
英語でFront(前の)という意味のとおり、最初に見込み客に提供する「商品・サービス」のことを言います。フロントエンドは、フロントエンド商品と呼ばれることも多く、主に集客に用いられ、新規顧客獲得のために使われる考え方です。
バックエンド
対してバックエンド(バックエンド商品)は、英語でBack(後ろの)という意味のとおり、フロントエンド商品提供後に販売する「商品・サービス」のことを言います。フロントエンド商品後に販売する商品であるため、フロントエンド商品に納得してもらわないと購入されないという特徴があります。
フロントエンドとバックエンド、それぞれの役割
フロントエンドの役割
フロントエンドとは、新規のお客さんに初めて買ってもらうための、いわば客引きのための商品です。この商品が無いと、まずなかなかお客が集まらず、いつまでたっても売れない、という状況になってしまいます。
そのためフロントエンド商品はサービスの本当の価値を知らない顧客にとって魅力的なものでなければなりません。スーパーでいうと安売りの卵やもやしがこれにあたります。顧客はたまご特売や激安もやしなどの文字にひきつけられ、スーパーに足を運ぶことになります。
バックエンドの役割
フロントエンドの目的が新規顧客獲得であるのに対し、バックエンドの目的は「利益の確保」「収益の最大化」にあります。新規顧客獲得のためには無料クーポンや格安商品を売り出すため、当然ビジネスとしては赤字になります。そのため多くの企業では、バックエンド商品によって総合的に利益を出しているのです。
バックエンドがない=ビジネスの戦略が無い
バックエンド商品がないことはビジネスとして収益をもたらさないと同意義です。
ビジネスにとって利益は血液みたいなものですので、利益なしに活動を続けることはできません。たとえフロントエンド商品を購入した顧客ができても、バックエンド商品がなければ収益はあがらないのです。
バックエンドマーケティングのポイント
フロントエンドとの一貫性を保つ
フロントエンドの目的は魅力的なオファーで新規顧客獲得を行うことですが、その後のバックエンド商品に繋がらなければ意味がありません。
新規顧客を集めた後は、バックエンド商品を購入したいと思ってもらう必要があります。そのためバックエンド商品が欲しくなるようにフロントエンド商品を作成する必要があるのです。
バックエンドはフロントエンド商品と一貫性があることが重要です。
一貫性がないとバックエンド商品を売ることは難しくなります。
バックエンド商品の一部をフロントエンド商品にしたり、バックエンド商品を体験として売り出すもケースも多いです。つまり、バックエンド商品を売るために、フロントエンド商品を作るのです。
顧客生涯価値(LTV)を最大化する
たとえば、あなたが2,900円のフロントエンド商品を用意したとします。
これを1個売るのに広告費が4,000円かかるとして、1個の原価が500円だとすると、以下のような式ができます。
2,900円-4,000円-500円=▲1,600円
CPAが4,000円、利益が▲1,600円ということは、1個売るたびに1,600円の赤字が出ます。当然、売れば売るほど赤字が増えていきますよね。
ですが、バックエンドマーケティングを活用することにより、ビジネスは成り立ちます。
この1個2,900円の商品を買った人に今度は10,000円のバックエンド商品を売ります。
ここで重要なポイントは、すでに顧客になっている人に売るのでリピートする際は広告費がゼロになるということ。
しかし、全ての顧客がリピートするとは限りません。
そのため、仮にフロントエンドを買った人のうち、20%の人がバックエンドを買ったとします。
すると、10,000円×20%=2,000円。
つまり、一人当たり2,000円の追加利益が生まれることになります。
フロントエンドで▲1,600円、バックエンドで2,000円。合わせて400円の利益。
バックエンド商品2回目の購入・・・バックエンド2,000円。
バックエンド商品3回目の購入・・・バックエンド2,000円。
バックエンド商品4回目の購入・・・バックエンド2,000円。
バックエンド商品5回目の購入・・・バックエンド2,000円。
ここまで合計すると8,400円の利益。
CPA4,000円で集めたお客さんが最終的には10,000円の利益=顧客生涯価値(LTV)をもたらしてくれることになります。
バックエンド商品が魅力的で、顧客に満足されるものであれば新たに広告費をかけなくてもどんどん利益を出していくことができるということです。
このように、いかにしてLTVを最大化できるかを考えてバックエンドマーケティングを行うかが重要になってくるのです。
フロントエンドとバックエンドの事例
フロントエンド商品とバックエンド商品の意味と目的について理解したところで、実際の事例について見ていきます。
■マクドナルド
フロントエンド:無料クーポン
バックエンド:セットメニュー、高単価商品、リピート
ファストフード店の中でもマクドナルドは特にフロントエンドを重視している企業と言えるでしょう。多種多様のクーポンを期間限定メニューと共に配ることで、顧客の来店を促しています。実際に来店した後は、セットメニューや単価の高い商品により利益を最大化させています。
■HuluやAmazonPrime
フロントエンド:2週間の無料お試し期間
バックエンド:有料継続
HuluやAmazonPrimeなどの月額定額制のビデオオンデマンドを始め、スマホアプリなどでもフロントエンドとバックエンドは大きな役割を担っています。
定期契約をためらうユーザーに対して、まずは無料体験を提供することで、契約への敷居を下げ、新規顧客獲得を実現しています。フロント商品(無料体験)に満足したユーザーは、その後のバックエンド(有料継続)へと引き上がる訳です。
■ドモホルンリンクル/再春館製薬所
フロントエンド:無料お試しセット
バックエンド:優良商品の定期購入
「初めての方にはお売りすることができません。」
というCMでお馴染みですが、まず商品に興味を持ったお客様に対して、直接商品を売るのではなく、無料お試しという形で商品を使って頂き、気に入ってもらえれば購入をして頂くというシステムになっています。
化粧品は実際に使ってみないと使用感が分からないことも多く、アレルギーのある方にとっては、不安になり購入することを躊躇してしまいがちです。
再春館製薬所では、正にこの不安要素を取り除いた形でお客様と接しており、新規顧客獲得からバックエンド商品購入への流れを上手く作っています。
まとめ
このように、身の回りのいたるところには「フロントエンド」、「バックエンド」が存在し、ビジネスを考える上では収益を最大化する「バックエンドマーケティング」は欠かせない大切な戦略です。
新規顧客を集めたら、次はバックエンドの販売に繋げる必要があります。
もちろん、利益の最大化といっても単純に高額商品を売ればいいというものでも利益率を高い商品を売るということでもありません。「本命商品」であるバックエンド商品をいかに売り込むかがバックエンドマーケティングのポイントともいえるでしょう。
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