hagakure設計は広告を最適化する上で「最も重要なアカウント設計」である。

  • 2020.2.20
  • 2021.7.15
  • 75,186 Views

Google広告では様々なアカウントの構造を推奨されていますよね。
Hagakure・GORIN・MUGENなど・・・構造の名前が沢山あります!

こで今回は、アカウントの構造について解説していきます。

Google広告の運用において、推奨されるアカウント設計は複数あります。
それらはhagakure、GORIN、MUGENなどと名付けられていますが、基本的にはhagakureを軸にしたアカウント設計であり、GORINやMUGENはhagakureを基にステップアップしたものだと言えます。

つまり、大前提としてhagakureの構造を理解し正しく設定ができていないと、Google広告の運用のパフォーマンス改善に繋がりません。

この記事ではまずhagakure構造を理解し構築する方法をお伝えした上で、その他の進化したアカウント設計をご紹介します。

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hagakureが推奨される理由

データを集約することで機械学習が進む

従来の1グループ1キーワード(SKAGs)のアカウント構造では、コンバージョンデータが散らばっていました。
その点、hagakure構造にすることで同じグループにコンバージョンデータ蓄積されることになります。

このデータを元にGoogle広告の機械学習が進んでいきます。

広告グループ内に表示回数やコンバージョン数、クリック数などの情報量が蓄えることで、見込み客の性別、年齢層、活動時間帯、興味関心など様々な情報から適切な配信がされるように最適化していきます。

今までのように細かいスケジュール配信設定をしたり、手動入札で細かく調整をしたりしなくてもパフォーマンスが向上していきます。

もちろんデータが細分化されていた時の方が、hagakure切替時より数値が良い可能性もあります。

しかし長い目で見るとほとんどのアカウントは数字改善が進んでいきます。
そして管理工数を削減することができます。作業時間が短くなれば、その時間を本来集中して行うべき広告文やランディングページの改善、新たなマーケティング施策の策定に使うことができます。

パフォーマンスが改善できる

hagakureが登場する前までは、1グループ1キーワード(SKAGs)という設計方法が主流でした。

簡単に言うと1つのグループに対して1つのキーワードを設定することで、入札調整や広告文設定など細かく管理することです。

しかし、この構造にはデメリットが多くあります。

  • 大量のキーワードと広告文となり管理工数が増える
  • キーワード単位での入札調整が細かくなる
  • 広告グループやキーワードに表示回数に偏りが増える

細かい調整ができるのはメリットと考えがちですが、自動入札が始まってから大きく変化しました。
自動入札の精度が向上したことで、キーワード単位の細かい入札調整を手動で行うより自動調整行ったほうが、パフォーマンスが改善できるようになったのです。

ユーザーに正しく簡潔に情報を伝えられる

検索するキーワードは違ったとしても同じ検索意図の場合があります。
自社の広告運用をどこかの代理店に検索したいという意図の場合どんなキーワードが想定できるでしょうか。

例)
広告代理店 手数料
広告運用 委託
Google広告 代理店
Yahoo!広告 正規代理店

きっとこのようなキーワードで検索するかと思います。では、これらのキーワードの検索意図に違いはあるでしょうか。

実は「広告運用をどこかに委託したい」という意図は変わりません。
この意図に対して答えとなる広告が表示されることが、検索ユーザーにとっての正解になります。 アカウント構築方法について詳しくは下記の記事をご覧ください。

運用を行っていくと、様々なアカウント設計が運用者に渡されることがあります。 最近は、新規でアカウント構築することは少なく、以下のケースが多いでしょう。

  • 先輩担当者から引き継いだアカウント
  • 他代理店が構築したアカウント
  • インハウス運用から引き継ぎしたアカウント

実際に運用する際には、現状のアカウントの状況を理解するところから入ります。
その他、過去の運用状況などの引き継ぎも行います。

現状のアカウント設計でパフォーマンスによって、アカウントを構築し直すこともしないこともあります。

リスティング広告では「検索キーワードに対して広告を配信する」という仕組みになっています。
そのため検索するユーザーに対して正しい広告表示がされているかが重要です。

Googleの目指す方向として、検索した際に適切な情報を簡潔に伝えることをゴールとしています。
つまり、これを達成するためのアカウント構造になっているかを考える必要があるのです。

この基本となる考え方がhagakureです。 hagakureは同じ検索意図と思われるキーワードを、同じグループ内に設定することで機械学習を進める設計なのです。

hagakure構造のアカウント設計方法

アカウントがhagakure構造になっているかチェック

hagakure構造では前述した通り、検索意図が近しいものは同じ広告グループにまとめることが大前提です。

検索した意図に合わせて、広告文の表示を切り替えることで適切なメッセージを伝えることができます。

まずは現在のアカウントに対して設定がされているか確認してください。

  • アカウント内に重複キーワードが複数ある
  • 日額制限にかかっているキャンペーンがある
  • グループが細分化しすぎている
  • 手動入札での運用に依存している
  • デバイス別でキャンペーンを分けている
  • 複数のキャンペーンや広告グループで構成されている

どれか1つでも当てはまるのであれば、現時点ではhagakure構造としては正しく設定ができていません。

インプレッション損失をなくす集約型のアカウント設計にする

ではhagakureはどんなアカウント設定を具体的に推奨しているのでしょうか。

・アカウントをできるだけシンプルな構造にする
・同様のキーワードでのインプレッション損失を減らす

これがhagakureの本質です。
極論を言うなら同じ商品で同じページに集客を行うのであれば、1広告グループに集約することです。

この設定を行うことでコンバージョンデータは1つに集約されることになり、今運用している商材やサービスにとってコンバージョン傾向が高いユーザーに対する学習が進んでいきます。

このようにまとめることでインプレッション損失を防ぐことができます。
さらに今までは、新しいキーワードを追加する場合にどのグループに入れるか悩むことがあったかと思います。
しかし、hagakure構造なら同じ意図を持つキーワードは同じグループに追加するだけで問題ありません。

ただし、商材やサービス内容によっては、キーワードごとに広告文を出し分けしたいケースもあると思います。その場合は、広告カスタマイザを使用して設定を行います。

広告カスタマイザはキーワードごとに広告文を設定することができます。これによりキーワードと広告文との関連性が高まり、品質スコアの改善を進められます。

設定自体には工数はかかりますが、パフォーマンス改善には非常に重要な設定になるので、時間をかけてでも設定することをオススメします。

例えば下記のようなキーワードにおいては意図が異なるためメッセージを分けるべきです。

A:広告代理店 手数料
B:広告代理店 改善事例

どちらも広告運用に携わるキーワードとしては同じですが意図は異なります。

A:広告代理店 手数料
意図:広告代理店に依頼した時の手数料の相場が知りたい。
設定すべき広告文例:「手数料10%から依頼できる広告代理店」  

B:広告代理店 改善事例
意図:広告代理店を選ぶ基準として改善事例があるかを知りたい
設定すべき広告文例:「改善事例多数の広告代理店」

 
この設定を行うことで、キーワードと広告文の意図が繋がりクリック率の改善を促すことができ、最終的に品質スコアの改善に繋がります。
参考:Google公式ヘルプ

hagakure構造からさらにパフォーマンスを伸ばす次のステップ

Google広告の推奨アカウント設計について調べてみると、GORINやMUGEN、3A、Seach Excellenceなど様々な種類が出てきます。

これらはすべて、hagakure構造でしっかり運用を行ってデータを蓄積したという前提で行う施策です。

・パフォーマンスは合っているのでさらに新しい顧客にもアプローチしたい
・コンバージョンデータ多くなり最適化されたアカウント
・広告予算をもっと使っていきたい

このように自動最適化が進んできてから徐々に次の設計に進めてきましょう。

Googleは下記のアカウント設計を公表しています。赤色のhagakureから徐々に上のアカウント設計にグレードアップしていきましょう。

※薄い黄色はあくまで設計ではなく、最新情報やリマインドとして発表された内容です。

簡単に各Googleの発表内容を説明します。

GORIN(2016年頃)

GORINはhagakure構造の設計に対して、収集したコンバージョンデータに対して精度の高いオーディエンスを組み合わせることによりパフォーマンス改善が期待できる設計です。

・自動入札の導入
・アトリビューションモデルの活用
・オーディエンスリストの活用

コンバージョンした顧客情報に対して、さらに年齢や性別、興味関心などのオーディエンスを追加することにより、さらに学習データの精度を高めて最適化をかけていきましょうというのがGORINの考え方です。

3A(2018年頃)

3Aは、GORINのアカウント構造に移行するように再度Googleが提唱したものです。つまりGORINに対するリマインドです。

3Aは、Automation(スマート自動入札)、Attribution(アトリビューションモデルの変更)、Audience(オーディエンスリストの活用)、この3つの頭文字を取ったアカウント構造戦略のことを指します。

アカウント設計を見直すというよりは、推奨の設定がされているかを再度Googleが周知した内容です。

Automation(スマート自動入札)
手動入札なのであれば、戦略に応じて自動入札を活用してください。ビジネスの目標を達成するための戦略を用意しています。

Attribution(アトリビューションモデルの変更)
今までの運用形式ではラストクリックをコンバージョンとすることが主流でしたが、ファーストクリックも含めてコンバージョンに影響しているものは正確に評価をしましょう。

Audience(オーディエンスリストの活用)
購入者のオーディエンスを使ってより、獲得見込みが高いユーザーへのアプローチをしていきましょう。

MUGEN(2019年頃)

GORINにて溜まったコンバージョンデータから、新たにリーチ拡大を行い、今までアプローチできていなかった層からコンバージョン件数を増やす構造となっています。

MUGENで追加される要素は3つです。
・リーチ
・動的検索広告(DSA)の実装
・レスポンシブ検索広告(RSA)の実装

GORINで求めているCPAをクリアした後に、新たな顧客へのアプローチを広げていきましょうというのがMUGENの考え方です。

レスポンシブ検索広告(RSA)については下記をご参照ください

Search Excellence(2020年頃)

MUGENまでのアカウント構造について、Googleの最新の考え方をまとめています。
新たに追加された最適化スコアの指標なども含めて、よりビジネスにあったGoogle広告でのポートフォリオ戦略を固めるといった内容が記載されています。

まとめ

hagakureを中心としてアカウント構造について説明しました。一番大切なことは、最適化がかかりやすい仕組みを整えていくという視点です。

現在運用しているアカウントが極端に細分化されすぎていないか、そしてコンバージョンデータが分散されていないか。現時点ではパフォーマンスは良くてもさらに良くなる可能性を秘めています。

まずはhagakureからしっかり推奨の構造につくっていき、GORIN→MUGENとステップアップしていきましょう。

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名川 聡

デジタルアスリート株式会社 D2C戦略部 部長
音楽活動のために上京したが、SEO関連の仕事でアルバイトをする中で、インターネットビジネスに興味が湧き、2012年12月にデジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に入社。
リスティング広告の集客代行から商材のクリエイティブまで 様々な業務を行っている。
50万~1000万円以上の案件を幅広く運用。 約5年間のリスティング広告運用代行及びコンサルティングを経験。
現在はEC商材において、記事制作から広告運用まで幅広い最新広告手法を使いながら、実績作りや新しい媒体開拓を行っている。

プライベートでも、自家製の梅干しや味噌を作るほど健康ジプシーであり、Web集客同様に自身の健康においても常にPDCAを回している。

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