品質スコアを上げようとするのは間違い?成果を出すための活用方法

  • 2018.4.2
  • 2022.5.24
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リスティング広告を運用していて、入札単価を強めているのになかなか上位に表示されないということはないでしょうか?

そのような時は「品質スコア」がどのくらいかを確認してみると良いかもしれません。

品質スコアとは広告の品質を評価する「目安」となる指標です。
品質スコアは掲載順位や成果に直接結びつくことはありませんが、品質スコアから、広告の改善点のヒントを得ることができます。

「品質スコアを上げるために改善する」というよりも、品質スコアを参考にして、成果を出すための運用改善をすることが重要です。

この記事では、

・品質スコアはどのように決められるのか
・品質スコアが高いとどんな傾向があるか
・品質スコアの使い方
・品質スコアが「高い」「低い」の基準はどこか
・品質スコアから分かる改善方法

を解説します。

この記事を読めば、広告のパフォーマンスを上げるための、品質スコアの捉え方や活用方法が分かります。是非最後までお読みください。

リスティング広告の品質スコアとは

品質スコアとは、簡単に言うと、ユーザーの求めている情報と広告がどのくらい合っているかを評価した指標です。

品質スコアは各キーワードごとに決定され、数値が10に近づくほど広告の品質が高いと評価されていることになります。

ちなみに、Google広告では「品質スコア」、Yahoo!プロモーション広告では「品質インデックス」という呼び方をします。

広告のパフォーマンスに直接影響があるのは「広告ランク」

実は、広告の掲載順位に直接影響しているのは品質スコアではありません。広告掲載順位は、「広告ランク」によって決められます。

広告ランクは、次のように決定されています。

広告ランク=入札単価×品質スコア+広告表示オプションなどのフォーマット

つまり、掲載順位に直接影響するのは広告ランクであり、品質スコアは広告ランクに影響する1つの指標ということです。

品質スコアを決める3要素

品質スコアは、以下の3つの要素によって決められ、それぞれ「平均より上」「平均値」「平均より下」の3段階のステータスが表示されます。

・広告の関連性
・推定クリック率
・ランディングページの利便性

それぞれ、どのようなものか見ていきましょう。

広告の関連性

「広告の関連性」とは、設定したキーワードと広告のメッセージが合致しているかを評価する指標です。ユーザーの探している情報と広告の内容が合っているかどうかが見られます。

広告の関連性のステータスが「平均より下」の場合は、広告文やキーワードが具体性に欠けるか、同じ広告グループに関連性の低いキーワードが入ってしまっている可能性があります。

推定クリック率

「推定クリック率」とは、設定されたキーワードのクリック率と広告の掲載順位を考慮して、「このキーワードの未来のクリック率はこのくらいになるだろう」と算出されるクリック率です。
あくまでも推定ですので、必ずしも正確なクリック率を表しているというわけではありません。

また、キーワードには広告向きのキーワードと、自然検索向きのキーワードが存在します。自然検索向きのキーワードを設定していると、ユーザーの検索意図と異なるわけですから、広告のクリック率は下がります。

ですので、推定クリック率は、そのキーワードが広告向きか自然検索向きかを判断する指標の目安としても活用できるでしょう。

ランディングページの利便性

「ランディングページの利便性」とは、広告のリンク先であるランディングページに、ユーザーにとってどのくらい有益な情報が載っているかを表す指標です。

ユーザーにとって有益な情報とは、自分が知りたい情報が載っているということですので、広告の関連性と同じく、設定したキーワードと関連性の高い内容であることが求められます。

また、情報の信頼性が高いかどうか、PCやスマホなど各デバイスでの操作がしやすいか、申し込みしやすいページの作りかどうかなど、内容の品質や機能面も考慮されます。

品質スコアは診断ツールであり、成果ではない

もちろん品質スコアは高いに越したことはありませんが、リスティング広告で最も追うべき指標は成果(コンバージョン)であり、品質スコアを高めることが目的になってはいけません。

Google広告のヘルプページでも、品質スコアはあくまでも診断ツールであり、主要パフォーマンス指標(KPI)ではないと記載されています。

注意するべきなのは、管理画面に表示される品質スコアは、オークションの際のリアルタイムの品質評価を直接反映したものではないという点です。(中略)品質スコアはあくまで、オークションにおけるパフォーマンスを診断した総合的な指標と考えましょう。

引用元:品質スコアについて – Google 広告 ヘルプ

品質スコアの数字を上げようとするのではなく、「どうやったら成約に至るか」「どうやったらユーザーにとって有益な広告になるか」を考え、品質スコアは目安的な参考値として使用することがベストだといえます。

品質スコアが高いとどんな傾向があるか

先ほどお伝えした通り品質スコアはあくまでも目安の参考値ですが、品質スコアが高くなることで広告ランクが高くなり、広告のパフォーマンスに良い影響を与えることが考えられます。

また、品質スコアは「ユーザーの求めている情報と関連性が高いか」ということをはかる指標にもなりますので、品質スコアが高い広告はパフォーマンスも良いという現象も起こり得ます。

品質スコアが上がったからと言って必ずしも広告のパフォーマンスが上がるわけではありませんが、品質スコアが高いと、下記のようなメリットを得られることがあります。

掲載順位を上げやすくなる

品質スコアが高いと、広告ランクが高くなり、広告の掲載順位を上げやすくなります。
一般的には上位に表示されるほどクリック率が高くなるので、同じ入札単価でもよりクリックを集めやすくなるでしょう。

クリック単価を抑えられる

品質スコアが高くなれば入札単価を強めなくても広告ランクが高くなり、上位表示をすることができます。上位表示をすることができればクリック率が高くなるため、広告費を抑えたままクリック率を上げることができ、クリック単価を抑えられます。

また、リスティング広告には、キーワードごとに検索結果の1ページ目に広告を出せる最低入札単価(First Page Bid)があります。1ページ目に出そうとするのであれば、この最低入札単価を上回るように入札することが必要です。

品質スコアが高いと、入札単価が低くても広告ランクが上がるため、First Page Didも低く抑えることができるのです。

広告表示オプションが表示されやすくなり、クリック率が上がる

広告表示オプションは、設定すれば必ず表示されるとは限りません。Google広告のヘルプページには、以下の場合に広告表示オプションが表示されると記載があります。

・広告表示オプション(または広告表示オプションの組み合わせ)を表示することで、掲載結果の向上が見込まれる場合。

・広告の掲載位置と広告ランクが十分に上位である場合。

引用元:広告表示オプションの表示可能性を高める – Google 広告 ヘルプ

入札単価が同じ場合、品質スコアが高くなれば広告ランクも高くなります。そのため、品質スコアが上がると、広告表示オプションが表示されやすくなり、その分クリック率も上がることが見込めます。

インプレッションシェアを向上できる

Google広告の管理画面には「インプレッションシェアの損失」という指標があります。これは、「本来広告が表示される可能性があったのに、実際には表示されなかった割合」を示しています。

インプレッションシェア損失の原因は、予算不足と広告ランクが低いことの2つに分けられます。つまり、品質スコアが高くなれば広告ランクを上げられますので、広告ランクが低いことが原因で起こるインプレッションシェアの損失を防ぐことができるのです。

品質スコアの「高い」「低い」の基準はどこか

では、品質スコアを「高い」「低い」と判断する基準はどのくらいなのでしょうか。

前述の通り、品質スコアは成果ではなく、診断ツールとして使う指標です。そのため、すべてのキーワードで品質スコアを10にするのは非現実的ですし、その分の工数を他の改善点に充てた方が効率的です。

一般的には、5~7くらいであれば、品質スコアは「標準」となります。
5を下回っているキーワードがあれば、キーワードや広告、ランディングページに改善の余地があるかを確認するようにすると良いでしょう。

その際、実際のパフォーマンス(コンバージョン数やコンバージョン単価)が良いというのであれば、特に改善をする必要はありません。

実際にパフォーマンスはそこまで悪くないけど、品質スコアが1~3になることもあります。

「クリック率悪いな、コンバージョン出ないな」
→「品質スコアを見てみよう」
→「【広告の関連性】が【平均より下】になっている」
→「キーワードのグループ分けや、広告文がキーワードとマッチしているか確認してみよう」

このように、パフォーマンスが悪い場合の要因を探る手段の1つとして品質スコアを使ってみましょう。

では、品質スコアが低く、広告のパフォーマンスも低い場合はどのような対応をすれば良いのでしょうか。続いて、品質スコアの指標を参考にした、広告の改善方法について解説します。

品質スコアから分かる改善方法

品質スコアを決定する3つの指標を考えると、品質スコアが低く広告のパフォーマンスも悪い時には、以下の改善をすると、広告のパフォーマンスも改善することがあります。

・キーワードと広告の関連性を上げる
・推定クリック率を上げる
・ランディングページの利便性を上げる

それでは、具体的にどのような方法があるのかを見ていきましょう。

キーワードと広告の関連性を上げる

キーワードと広告の関連性を上げる一番簡単な方法は、「広告文にキーワードを入れる」ということです。検索キーワードが広告文に入っていればユーザーも自分が探している情報があるということが分かり、クリック率も高くなります。

また、検索クエリレポートを見て、実際の検索語句とズレているようであれば、広告グループを分けて別のキーワードを入稿し、そのキーワードに合った広告文を別で設定するという手もあります。

クリエイティブを改善し、クリック率を上げる

推定クリック率は、過去や現在のクリック率が指標となっています。そのため、現在のクリック率を上げれば推定クリック率を上げることができます。

クリック率の改善には、広告文や画像など、クリエイティブの改善が必要です。ユーザーがクリックしたくなるような魅力的なクリエイティブを作成しましょう。クリック率を高める広告文作成のポイントは、以下のようなものがあります。

・ユーザーが求めている情報(キーワードに合った情報)を入れる
・【期間限定】【40%オフ】など、お得な情報を入れる
・具体的な数値を入れる
・ユーザーがメリットと感じること(効果、簡単さ、悩みの解決など)を入れる

ランディングページの利便性を上げる

「ランディングページの利便性」を上げるには、具体的に以下のようなことをチェックしてみましょう。

ただし、ランディングページの改善は品質スコアを上げるためではなく、コンバージョンを獲得するために行うものです。品質スコアは参考値として、「どうしたらコンバージョンが増えるか」という判断軸で改善をしていきましょう。

・キーワードとの関連性が高いかどうか

・商品やサービスに関する有益な情報が記載されているか

・独創的でオリジナリティのあるサイトか
→他のサイトには無い便利な機能やコンテンツがあるかなど

・ビジネスの透明性、信頼性は十分にあるか
→会社概要やサイトの運営者情報、プライバシーポリシー、特商法についてなど、商品や会社の情報をしっかり記載しましょう。

・スマートフォンやパソコンで簡単に操作ができるか
→注文しやすいボタンの位置やデザインになっているか、ポップアップなどで邪魔をしていないかを確認しましょう。

・ページスピードは遅くないか
→以下の「PageSpeed Insights」というサイトでページの読み込み速度を検証してみましょう。

PageSpeed Insights

デジタルアスリートの場合は、スマホ、PCそれぞれで60以上を合格点としています。

これらは、品質スコアの指標を参考にして挙げられる改善方法であり、すなわちチェックリストのようなものです。
そのため、これらの施策をやったからといって必ずパフォーマンスが上がるわけではありません。やみくもに上記の改善策を実施するのではなく、本当にその項目がパフォーマンスに影響しているのかを確認しながら、改善をしていきましょう。

まとめ

まとめると、リスティング広告の品質スコアは広告ランクに影響するもので、広告ランクが上がれば広告の掲載順位が上がります。
したがって、品質スコアを高くすることができれば、同じ入札単価でも掲載順位を上げやすくなり、クリック率・クリック数を高めることができるのです。

しかし、品質スコアはあくまでも広告の品質を診断するための指標でしかないため、品質スコアを上げることを目的に運用をしてしまうと、本来時間を使うべき優先度の高い施策を見落としてしまいます。

品質スコアは指標の1つであるという認識をし、数字だけにとらわれず、ユーザーにとって有益な広告になることを意識して運用していきましょう。

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岡野歩美

デジタルアスリート株式会社 ウェビナーマーケティング部 プロデューサー 新卒でWebコンサルタントとして入社し、約1年後に入社前からの夢だったコピーライターに転身。 現在はコピーライティング、Web制作ディレクション、コンテンツマーケティングをメインとして担当し、Webマーケティング全体を支援するプロデューサーとして活動中。 休日はひたすら漫画を読んでいるか、1人カラオケか、Twitterをやっています。 Twitterが好きすぎて、社内のTwitterイベントを企画してしまいました。 言葉の可能性を信じ、「お客様のサービスの価値が最大限伝わるライティング」を追求し続けています。

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