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リスティング広告の運用をする際にまず行うことはキーワードの選定ですが、その際にもう1つ必要な作業が「マッチタイプ」の設定です。
マッチタイプとは、設定したキーワードとどのくらい関連性がある検索語句に広告を表示させるかという「広告掲載の範囲」をコントロールするためのものです。
マッチタイプが適切に設定できていないと、広範囲に広告を表示しすぎて広告費を無駄にしてしまったり、逆に表示機会を限定しすぎて収益の機会を逃してしまったりするリスクがあります。
しかし、このマッチタイプについて、実際どのように使い分けたら良いのかよく分からないという方は少なくありません。
そこで、ここでは各マッチタイプの特徴から、効果的なマッチタイプの使い分け方までを解説します。 具体例を交えながら解説しますので、「こういった時はどのマッチタイプを使えばいいの?」といった疑問も解決できます。
この記事を読めば、きっとマッチタイプを適切に使い分け、リスティング広告で成果が出せるようになりますので、ぜひ最後までお読みください。
※2021年7月に絞り込み部分一致は終了し、フレーズ一致に集約されました。
これによりフレーズ一致は検索語句の語順を指定するものから、検索語句の検索意図を指定するマッチタイプに変更されます。 フレーズ一致でどのような検索語句が反応するかは公式の最新情報をご確認ください。
フレーズ一致と絞り込み部分一致の変更について – Google 広告 ヘルプ
目次
マッチタイプ4種類の特徴
マッチタイプには、「部分一致」「絞り込み部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」の4種類があります。まずは、各マッチタイプの設定方法と特徴をお伝えします。
部分一致
部分一致は、設定したキーワードに関連性があると検索エンジンが判断した検索語句に広告が表示されるマッチタイプで、最も広い範囲に広告が掲載されます。
広いユーザーに対して広告を表示させることができるので、訴求のチャンスが広がり新しいニーズを発見することもできます。
一方で、CVの見込みが薄い検索語句からのアクセスも集まりやすいため、常にどんな検索語句からクリックをされているかをチェックし、無駄なアクセスが集まっているキーワードは除外するなどのメンテナンスをする必要があります。
・表示される範囲: 例)「保湿 化粧水」を部分一致で設定した場合
「保湿 クリーム」「乾燥 化粧水」などの関連性がある検索語句にも広告が表示される可能性があります。
例)「札幌」を部分一致で設定した場合 「札幌」の他、「北海道」といった語句にもヒットします。
絞り込み部分一致
絞り込み部分一致は、半角プラス(+)をつけたキーワードと類似パターンが検索語句に含まれる場合に広告が表示されるマッチタイプです。
絞り込み部分一致をかけたい語句の前に半角プラス(+)をつける
・表示される範囲:
例)「+保湿 +化粧水」と設定した場合 「保湿 化粧水 おすすめ」「化粧水 保湿」などのキーワードに広告が表示されます。
例)「+札幌 観光」と設定した場合
表示される:「札幌 観光」「札幌 観光地」
表示されない:「北海道 観光」
フレーズ一致
フレーズ一致は、“ ”(半角引用符)で囲まれたキーワードと同じ語順のフレーズと類似パターンが検索語句に含まれる場合に広告が表示されます。
フレーズ一致させたいキーワードを半角引用符 “ ”(半角引用符)で囲う
・表示される範囲:
例)「“保湿 化粧水”」と設定をした場合
表示される:「保湿 化粧水 ブランド」「化粧水 保湿」
表示されない:「保湿 安い 化粧水」
完全一致
完全一致は、[](半角角括弧)で囲ったキーワードと全く同じ語句やその類似パターンの検索語句に対して広告が表示されるマッチタイプです。
※キーワードの類似パターンとは
マッチタイプを使うことで広告の表示範囲をコントロールすることができますが、全てのマッチタイプにおいて設定したキーワードの類似パターンの検索語句にも広告が表示されます。
キーワードの類似パターンには以下のものがあります。
■意味が同じで語順のみが異なる語句
例)「靴 男性用」と「男性用 靴」 つまり、完全一致であっても、語順が逆になる検索語句は表示されるということです。
■機能語(助詞や接続詞など)の追加と削除 例)「東京のホテル」と「東京ホテル」
■類語や言い換え 例)「スイムウェア」と「水着」
このように類似パターンのキーワードにはどのマッチタイプでも広告が表示されるため、細かく全ての表記パターンを設定する必要はありません。
効果的なマッチタイプの使い分け方
最初は部分一致で広くアプローチしよう
取りこぼしを無くすため、基本的には最初は部分一致でキーワードを設定し幅広くアプローチしましょう。
部分一致での配信は、コンバージョン数が多くなることが期待できるほか、新しいニーズや成果の良い検索語句を発掘できるメリットがあります。
検索語句レポートを見て成果の良いキーワードがあれば、キーワードとして設定しても良いでしょう。
ただし、「化粧品」など、検索ボリュームが多く、検索意図が明確でないBIGキーワードは、CVの見込みが薄いキーワードに予算を多く割いてしまう可能性が高いため、注意が必要です。
このようなBIGキーワードは、単一で使わずに「化粧品 ファンデーション」など、別のキーワードと組み合わせて設定するようにしましょう。
部分一致以外を利用するケース
それでは、部分一致以外のマッチタイプはどのように使用すれば良いのでしょうか。 他のマッチタイプを使用する場合は、大きく分けて以下の3つが挙げられます。
①予算が限られている時
先ほどお話したように部分一致は広範囲に広告が表示されますが、予算が限られている時にはCVの見込みが高いキーワードに優先して予算を使用したいですよね。そういった場合には、他のマッチタイプを使用して絞り込みましょう。
②クリック単価が高い時
特に、クリック単価が高いキーワードは注意が必要です。予算がどのくらいかにもよりますが、あまりにもクリック単価が高いキーワードを設定する際には、初めから部分一致ではなく絞り込み部分一致やフレーズ一致を使用する場合があります。
③ピンポイントに広告を出したい時
また、パフォーマンスが良いキーワードにピンポイントに広告を出したい時にも絞り込み部分一致、フレーズ一致、完全一致を使います。
一番有効的なのは、部分一致と絞り込みのマッチタイプを両方設定し、絞り込みの方の単価を高めに設定する方法です。
こうすれば絞り込みの方が優先されるため、キーワードの取りこぼしを防ぎながら、確度の高いキーワードに予算を多くかけることができます。
検索語句レポートを見て、CV数が多い、CPAが安い、CVRが高いキーワードを見つけたら、それを絞り込み部分一致やフレーズ一致でも設定すると良いでしょう。
注力キーワードは完全一致で設定する
パフォーマンスが良いキーワードには、部分一致以外のマッチタイプで単価を高めに設定するとお伝えしました。
その中でも、特に高いパフォーマンスが期待できるキーワードは完全一致で設定するのがおすすめです。
また、実際に検索語句レポートを見てパフォーマンスが良いキーワードを探す前に、あらかじめほぼ確実にコンバージョンが出ることが分かっているキーワードがあります。 それは、自社の社名や商品名です。
このような社名や商品名のキーワードは、「指名キーワード」と呼ばれています。
社名や商品名を指名して検索するユーザーはすでにあなたの会社や商品を知っていて、購入する前提で検索をしている可能性が非常に高いです。
ほぼ確実にコンバージョンが獲れる指名キーワードは、部分一致の他に完全一致でも設定をして確実に広告を出せるようにしましょう。
マッチタイプ使い分け事例
実際にあったスポーツ教材のお客様の事例で、マッチタイプによるパフォーマンスの違いを見てみます。
レポートを見てみると、完全一致の方がCVRは高い一方で、部分一致の方が表示回数・クリック数の母数が多いため、CV数が多くなっています。
このように複数のマッチタイプをうまく組み合わせて使用することで、CV数の最大化と効率化が両立できるのです。
除外キーワードを設定しよう
部分一致で設定したキーワードのパフォーマンスを調整するには、除外キーワードを設定する方法があります。
「無駄クリックを無くすため、部分一致ではなく他のマッチタイプしか使わない」としてしまうと、機会損失のリスクが高くなります。
そのため、部分一致のキーワードが広がりすぎる場合には、除外キーワードを設定することが有効です。
検索語句レポートを確認し、パフォーマンスが悪いキーワードや、明らかにCVの見込みが無いキーワードを除外キーワードに設定することで無駄な露出を防ぎましょう。 除外キーワードは、ツールバーのキーワード>除外キーワードから設定できます。
左上の+ボタンを押すと、新しい除外キーワードを設定することができます。 効率の良いやり方は、検索語句を費用順に並び替え、費用が多くかけられている検索語句から順にパフォーマンスをチェックしていく方法です。
多くの費用が割かれているのにCVが1件も入っていない、もしくは商品とは全く関係のない検索語句は除外していきましょう。
なお除外キーワードも、配信キーワードと同じようにマッチタイプが設定できます。 部分一致で除外をしてしまうと、広告出稿したいキーワードまで除外してしまうことがあるので気をつけましょう。
除外キーワードの設定については、検索語句レポートのパフォーマンスを見ながら設定していくとお話しましたが、配信前にあらかじめ除外設定をしておく「除外キーワードリスト」もあります。
この除外キーワードリストに入れるキーワードは、「多くのクリックが集まるとあらかじめ分かっている、商材と関係ないキーワード」です。
除外キーワードリストに入れるキーワードは商材によって異なりますが、一般的には下記のようなキーワードを除外することが多いです。
▼除外キーワードリストとしてあらかじめ除外しておくキーワード例
・2ちゃんねる
・ねとらぼ
・画像
・認知度の高い競合名
・ブログ
・記事
・ニュース
・(店舗ビジネスの場合)店舗とは関係無いが、名前が似ている地名(茨城と茨木等)
・コロナ
このようにあらかじめある程度の検索ボリュームがあると予想されるキーワードを除外しておくことによって、初めから無駄クリックを減らすことができます。
複数のマッチタイプ・キーワードを設定するとどれが優先されるのか
検索語句に対して、登録した複数のキーワードがヒットする場合、どのキーワードが選ばれるのでしょうか。
これには、いくつかの優先順位の基準があります。
検索語句と同じキーワードが優先される
検索語句と完全に同じキーワードが使用されている場合、そのキーワードが優先的に表示されます。
例えば、「女性 帽子」「女性 帽子 かわいい」というキーワードが両方部分一致で設定されていた場合、「女性 帽子」のキーワードで検索された場合には、部分一致キーワードの「女性 帽子」が優先されて表示されます。
完全一致が優先される
「女性 帽子(部分一致)」と「[女性 帽子](完全一致)」など同じキーワードが複数のマッチタイプで設定されている場合は、完全一致のキーワードが優先的に表示されます。
広告ランクが高いキーワードが優先される
それぞれのキーワードには、広告の掲載順位を決める広告ランクが設定されています。同じ広告グループで複数のキーワードが検索語句と一致した場合は、広告ランクが最も高いキーワードが優先して表示されます。
参考:Google広告ヘルプ「同じ広告グループで類似するキーワードを使用している場合について」
まとめ
マッチタイプは広告の表示範囲をコントロールするためのもので、部分一致>絞り込み部分一致>フレーズ一致>完全一致の順に、表示範囲を絞り込むことができます。
最初から絞り込んでしまうと機会損失のリスクがあるので、最初は部分一致で広めに配信をし、除外キーワードの設定をして調整していくことをおすすめします。
特にパフォーマンスが良いキーワードを決め打ちするためには、絞り込み部分一致、フレーズ一致、完全一致のマッチタイプを部分一致と組み合わせて使用すると効果的です。
また、マッチタイプと合わせて、類似パターンや複数キーワードの優先順位の仕組みも理解しておくことで、リスティング広告を効果的に運用することができます。 マッチタイプの使い分け方に迷ったら、ぜひこの記事を読み返しながら設定をしてみてくださいね。
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