ITP対応できてる?コンバージョン計測ができなくなっているかも。

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清水 雄飛

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ITPとは

ITPとはIntelligent Tracking Preventionの略称です。
これは、プライバシー保護を目的に実装された機能で、Cookieの働きを制限することで個人情報のトラッキングを防ぐ働きを持ちます。

こちらの機能が実装されているのは、現時点ではApple社のブラウザ「Safari」のみです。
とは言え、日本のiPhoneユーザーの割合を考えると到底無視できない事象です。

ITP1.0の実装当時は、サードパーティデータのCookieのみが制限の対象でしたが、2019年に実装されたITP2.1以降はファーストパーティCookieも制限の対象になっているので、対応が遅れると自社で回している広告に大きな影響がでてきます。

スマートフォンへの配信がメインの場合は要注意

現状ではITPの対象はSafariに限定されたものです。
よって、日本の市場を考えるとスマートフォンへの配信をメインで行っている企業はITPについて敏感に対応していく必要があります。

2020年1月時点で日本のiPhoneのシェア率は56.8%ほどとなっており、日本の半数以上がSafariに触れているという状況です。

もし、自社の流入デバイスを把握していない場合はGoogleアナリティクスなどアクセス解析ツールを使用してモバイル・タブレットからの流入が多いかどうかを調べてみる事を推奨します。

ITPが広告に与える影響

リマーケティング広告への影響大

リマーケティング広告はCookieデータを利用して配信する広告手法になるので、ITPの影響をかなり受けてしまいます。

ITPが機能しているSafariに対しては2020年2月時点では、24時間で追跡ができなくなってしまいます。

業種によりますが、リマーケティング広告ではサイト訪問から数週間は十分な費用対効果が見込める配信です。

ただ、その追跡が24時間しかできないとなると、かなりの機会損失になってしまいます。

CV計測も難しくなる

CookieからCV計測を行っているものは24時間以内でしか追跡が効かなくなるので、CVの計測が難しくなります。

また1つのサイトで完結するCV計測であれば分析はできますが、複数のサイトを跨いだ場合はCookieを読み込むことができないので、どこから来たデータなのか計測ができず分析が難しくなります。
※クロスサイトトラッキング、クロスデバイストラッキング等が該当

正しく計測されたデータが無いと分析改善もできません。
そうなると大きな機会損失に繋がってしまうので、Web広告をやる上でITPの対応はマストで実施した方が良いでしょう。

ITPの対応方法

ここからは、しっかりとした計測を行うために主要広告媒体でどのようにITPに対応すればよいかをお話ししていきます。

Google広告のITP対応

Google広告のITP対応は、グローバルサイトタグ、イベントスニペットタグを設定する事が現状できるITP対応になります。

グローバルサイトタグ、イベントスニペットタグについては、現在デフォルトで発行されるタグになっているので、新規で設定した方や最近タグの更新を行った方は問題ありません。

もし、旧Google AdWordsの時から同じタグを使用しているという方は、一度使用しているタグが、グローバルサイト・イベントスニペットタグになっているか確認する事をおすすめします。

Yahoo!広告

Yahoo!の場合も最新のタグを設定していれば問題ありません。

2020年2月現在でYahoo!の管理画面からタグの発行をすると、「リニューアル版」「従来版」の2つの表示があります。
こちらの「リニューアル版」にある、サイトジェネラルタグ・コンバージョン測定補完機能タグを使用する形でタグの設置が、現状できるITP対応になります。

サイトジェネラルタグは全ページに共通して貼り付けるタグで、コンバージョン測定補完機能タグは、コンバージョンタグとセットで使用するタグです。

細かな設定方法は管理画面やYahoo!のヘルプに記載してありますので、そちらをご確認ください。

参考:Yahoo!サイトジェネラルタグについてヘルプページ

その他媒体について

Facebook/Instagram、LINE、SmartNewsなど主要媒体と言われているものは他にもありますが、ITPについては各媒体が対策を練っているようです。

そのため、Google、Yahoo!と同様になりますが、基本的に最新のタグを使用していればできるかぎりのITP対応は実施していると考えて問題ありません。
なので、まずは自社が使っているタグが最新か確認しましょう。

ちなみに、2020年2月現在ではITP2.3までバージョンアップしているのですが、このITP2.3に対応しているのは、criteo、A8、Adobe等の媒体とアドエビス等の計測ツールとなっており、Google、Yahoo!、Facebook等の媒体はITP2.3にはまだ対応できていません。

各媒体もITPのバージョンアップに合わせてアップデートが入ると思いますが、これもあくまでイタチごっこなので、利用者としてはその競争にできるかぎりついていくという事が重要です。

まとめ

ITP2.3の要点は次のとおりです。

・ITPは、Appleがユーザーのプライバシー保護を目的としたトラッキング防止機能
・ITP対応環境では、一部のサブドメインのリファラー情報が取得できなくなる
・ITP2.3では、Cookieの代替策である「localStorage」も1st party cookieと同様に扱われる
・Appleだけでなく、Googleも3rd party cookieの使用をやめる予定、次世代の標準になる可能性がある
・社内サーバー情報を書き換えることで「CNAME対応」を行い、一部のツールや広告の計測がITP下でも可能

現在のITP環境では、完璧にコンバージョン計測を行う方法はないと言ってよいでしょう。ですが、アドエビスのCNAME対応を行ったり、実際の顧客データを詳細に分析するなど、データの欠損を最小限に抑える努力が必要です。

また、Googleが新しいコンバージョン計測方法を開発した場合、広告主側も適応する必要が出てくるかもしれません。

最新情報を見逃さないよう、常に情報を追っていきましょう。

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デジタルアスリート株式会社
ウェビナーマーケティング部 課長
Google広告 Gold Product Expert
2018年 デジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に新卒入社。Google、Facebook、LINEなど計20種以上の広告媒体で広告運用に従事。
デジタルアスリート随一の分析マニア。 現在はYouTubeに専門特化部隊として動画マーケティングの研究を実施。
DRMの考え方をベースにYou Tubeの攻略を進めており、担当する案件では他の広告媒体の数値を大きく超える成果をYou Tubeで量産している。
不安・不満などを抱えている方に、素晴らしい商品・サービスを届け、より多くの方に幸せにする事を信条として、広告のプランニング・制作・運用を行っている。
座右の銘は「利他の心」。

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