Third Party Cookie廃止の影響と対策、そして代替案「SandBox」・ 新アルゴリズム「FloC」とは何か

2020年1月、GoogleはChromeにおけるThird Party Cookieのサポートを「2022年までに段階的に廃止する予定」と発表しました。世界的な主要ブラウザであるChromeの Cookie廃止は、これまでCookieの恩恵を受けていたWeb管理者やユーザーにとっては見過ごせない問題になっています。 なぜThird Party Cookie終了にGoogleは踏み切ったのか、そして今後展開される代替技術「Privacy Sandbox」とはなにか、広告代理店や運用者、企業担当者(インハウス)はどう時代の合わせて動いていくべきかをまとめました。

そもそもCookieとは?

Third Party Cookie終了に関して、実施される意図や今後の世の中の動きについて見ていく前にまずはそれぞれの専門用語の振り返りをしましょう。

まず「Cookie」とは、Webブラウザ上のログイン情報やサイトへの訪問回数などのユーザーデータを記録し、一度ログインしたサイトへの再ログインの簡略化や、訪問者の行動を追跡する際に使われる仕組みのことを刺します。

そしてCookieにはFirst Party CookieとThird Party Cookieの2種類が存在します。

①First Party Cookie
First Party Cookieとは、ドメイン毎に付与されるCookieのことです。あくまでドメイン毎に付与されるもののため、サイト間を横断することができないのが特徴です。また、主な用途としてはユーザーが一度入力した情報を記憶し、次回以降の入力を省略する際などに用いられます。 

②Third Party Cookie
Third Party Cookieとは、ユーザーが訪問しているWebサイトのドメイン以外から発行されているCookie、つまりFirst Party Cookie以外のCookieを指します。これらはサイトドメイン毎に付与されるものではないため、サイト間を横断して記憶、追跡(トラッキング)を持続させることが可能です。

主な用途として、ユーザーへのリマーケティング、リターゲティング広告の殆どがThird Party Cookieを参照しています。そして今回2022年にGoogle Chromeでサポートが廃止されるのは後者、Third Party Cookieの方になります。

ここまでで察しの付いた方もいらっしゃると思いますが、結論端的に言うと、Third Party Cookieを使用して配信している広告は、ターゲティングやコンバージョン測定など、ほぼほぼすべての面で精度を失う、悪影響が出ると考えられます。

Google社の調査では、Third Party Cookieを廃止することにより、広告主の収益が平均的に52%落ち込むことを公表しています。また世界で6割のシェアを誇るGoogle Chrome上でこのThird Party Cookieが廃止されることの重大さがわかっていただけるのではないでしょうか?

また広告経由での収益が経営の大きな柱となっているGoogle自体がなぜこのような減収施策を打つ必要があるのか?そこには直近世界各国で進む「プライバシー保護」の観点が大きく関与しています。

何故Third Party Cookieを廃止するのか。

なぜGoogleはCookieを廃止するのか。結論これはThird Party Cookieがプライバシーの観点から問題視されていることが大きな要因です。

そもそもThird Party Cookieを活用すると、サイトを横断してのトラッキングが可能であり、パーソナライズされた広告を出稿することができます。わかりやすい例でいうとリマーケティング(リターゲティング)配信が該当し、全世界でビジネスシーンにおいてその恩恵を受けてきた人たちは多数存在します。

その一方で、ユーザー側は自分自身のどのデータがどのように活用されているかの把握が難しく、その共有範囲も十分にコントロールできていないのが現状となります。

この点がプライバシーを重視するユーザーの間で問題視されるようになり、Apple社が提供するブラウザ「Safari」や「Firefox」などでThird Party Cookieをブロックする機能が2017年以降実装されるようになりました。

今回の「Third Party Cookie廃止」を語る上で欠かせない要素、直近Web業界を騒がせ続けている「ITP」もこの流れを組んで導入されたものになります。

参考:THE DEATH OF THE 3RD PARTY COOKIE AND TRACKING AS WE KNOW IT: A PRACTICAL APPROACH TO PREPARE FOR THE CHANGES

・ITP(Intelligent Tracking Prevention):ブラウザ「Safari」上でThird Party Cookieを始めとしたトラッキングを防止する仕組みのこと。Apple社がユーザー情報保護の考えの元2017年9月に発表・導入したのが始まり。

また日本だと「個人情報保護法」が上記を取り締まる上での法律となりますが、海外ではこのプライバシー保護の観点から「GDPR」、「CCPA」といった取組が古くよりされてきており、世界的にこの個人情報の取り扱い規制が強まり続けていることが、今回Googleが「Third Party Cookie廃止」に至った要因の1つとなっています。

・GDPR(General Data Protection Regulation):「EU一般データ保護規則」2018年5月25日にEUで施行された個人情報の取り扱いに関する法令。

・CCPA(California Consumer Privacy Act):カリフォルニア州消費者プライバシー法。2020年1月に施工され、単独の州でありながら先進国TOP5に入る経済規模を誇り、GDPは 2017年で2兆7470億ドル。世界的に有名なIT業界が集約するこの州に済む住民を対象とした法令。

・改正個人情報保護法:世界各国で個人情報保護に対する法整備が敷かれ始めた点を背景に2003年に制定された個人情報保護法が、2020年6月に改訂されたもの。個人を特定できる指名や住所情報、またこれらに紐づく情報を個人情報とし、取得の際はユーザー同意取得が前提となる。※cookie単体自体は個人情報とみなさない点がGDPRと異なる。

Third Party Cookie廃止の影響の矛先

Third Party Cookieが廃止される背景については上述しました。それでは続いて、我々広告代理店やThird Party Cookieを活用したWebサービスが受けるだろう影響について下記に簡潔にまとめ、解説していきます。

①リマーケティング(リターゲティング)配信の機能停止

今後Third Party Cookie廃止に伴い、リマーケティング(リターゲティング)配信はその機能を停止していくとされています。なぜならリターゲティング広告は、ターゲティングにThird Party Cookieを採用しており、一度アクセスしたWebサイトのCookie(訪問履歴)を元に、サイト訪問ユーザーに対してパーソナライズされた関連広告を配信していく仕組みとなっているからです。

また下記に各広告媒体毎の変化をまとめています。

・リスティング広告(検索連動型広告)
Google広告やYahoo!広告など、リスティング広告(検索連動型広告)に関しては、Third Party Cookieではなくデータ計測にFirst Party Cookieを採用しています。そのため今回のThird Party Cookie廃止の影響は大きく受けないとされています。

また今後は各媒体のリマーケティング配信ではなく、「Google Analytics リマーケティング」を活用していくことが推奨されています。
※Google Analyticsは、First Party Cookieを採用しているため、リスティング広告と同様に影響はないと考えられます。

加えてYahoo!に関しては、Yahoo!メディア上での配信については問題無いとされていますが、 YDAのYahoo!外(提携サイト先)においては影響が出る可能性が高いです。

・Facebook広告
こちらに関してもGoogle広告同様に、Facebookフィードやアプリ上での広告傾向に関しては影響が無いと考えられています。しかし、Audience Networkに含まれる外部ネットワークへの配信に関しては影響が出ると考えられています。

また直近iOSのアップデートにより、ユーザーがAppに対してオプトイン(トラッキングを許可)、またはオプトアウト(トラッキング拒否)を迫られた際、後者を選んだ場合、ユーザーをトラッキングできなくなり、効果計測に含まれないor含まれたとしても取得できるデータが制限されるため、安心できない状況は続くとされています。

・DSP、アドプラットフォーム
自社独自のプラットフォームを持たず、Third Party Cookieによるリターゲティングや行動ターゲティングを主体とする媒体は影響を多いに受けることになるため、各媒体に問いかけ最新情報を随時取得していく必要があります。

②DMPなどのアドテク

こちらも上述のDSP、アドプラットフォーム同様に一部影響を受ける可能性があるため注意が必要です。

③アフィリエイト

アフィリエイトも成果の計測にCookieが使用されてきた背景があります。そのため今回のThird Party Cookie廃止の影響で、今まで通りの数値計測は難しくなることが想定されます。

成果計測周りは主にASP(アプリケーションサービスプロバイダ)が行っていますが、今回のCookie廃止への対応が不十分であれば、アフィリエイターは本来得られるはずの報酬を受け取れなくなる可能性も十分にあります。そのため各ASPはCookieに依存しない新たな計測方法を考える必要があるでしょう。

参考:Effect of disabling third-party cookies on publisher revenue

実際に今回のThird Party Cookie廃止におけるアドテク業界への影響度合いを、Googleが調査した結果が上記となります。調査結果によるとcookie廃止を想定したトラフィックは、既存のcookie有りでのトラフィックと比べて平均52%収益が低くなったこともわかっています。

2020年に宣言されたThird Party Cookieの廃止ですが、移行までの猶予は当時から数えて2年間となっていました。時期は多少前後する可能性が高いですが、とはいえ2022年以降上述したサービスは多大な影響を受けることが考えられます。もはや対岸の火事ではありません。しっかり危機感をもって動き始めることが重要になってきます。

Third Party Cookie廃止後の問題

ここまでThird Party Cookieが廃止されることで起きる媒体やツールの構造への直接的な影響について解説してきました。続いて、ここからはThird Party Cookie無き後に起きる、問題について説明していきます。

オーディエンスデータの制限

前述したITPにより、既にサイト訪問ユーザーの追跡が制限され、Third Party Cookieは24時間、First Party Cookieは訪問後7日以降できなくなるといった形で影響は出ていますが、今後Third Party Cookieが完全に廃止されることによって、より顕著に下記オーディエンスデータの取得が困難になります。下記で実際に影響が出ることが予想される項目について簡潔にまとめてみました。

・フリークエンシーやリーセンシー計測
これまで単一ユーザーに対して同一の広告がでないようにフリークエンシーを制限し、またクロスセルやアップセルなどを目的にリーセンシーを区切ってユーザーへアプローチするなど、Third Party Cookieを用いてブラウザを跨いでパーソナライズされた情報の提供をおこなってきた企業も多いのではないでしょうか。

しかし今回の廃止にあたり、Cookieを用いて個別のユーザーに対するアプローチがより一層困難になることが明らかになりました。

・クロスデバイストラッキングができなくなる
また近年は技術革新や各種SNSの台頭などにより、ユーザーの行動遷移は昔と比べてより複雑になってきました。そして実際の行動の1つにスマートフォンやタブレット、パソコンなどデバイスを跨いだ後にCVにいたるといった導線が特定の業界やマーケティング戦略の中に組み込まれていることも珍しくはなくなりましたが、こちらも今回のThird Party Cookie廃止によりユーザーのトラッキングが難しくなります。

また単にトラッキングが出来なくなる点も脅威ではありますが、中長期的には顧客体験(ユーザーエクスペリエンス)の創出も難しくなることがわかっています。

・CV(ビュースルーCV)データが反映されない
また上記と同様に、Third Party Cookie廃止により、広告媒体毎の貢献度計測も難しくなります。現に今後実装されていく背策の中に、ユーザー主体のオプトイン、オプトアウトがあると述べましたが、例えオプトインを選択したとしても、ビュースルー計測が最大24時間を超えるとトラッキング不可になるなど、ほぼほぼデータの取得ができなくなることも明らかになっています。

・ABテストへの影響
加えて広告の成果改善のために行われるABテストにおいても同様の事がいえます。一度テストを経験したユーザーがいたとしても、Third Party Cookie付与後24時間が経過するとCookieが失効されるため、対象を正確に除外することができなくなり、同一ユーザーが複数回テストに接触することになります。するとテスト検証の統計的な分析に必要なユーザー母数の中に重複がたやすく含まれる形になるため、これまで以上に時間とコストをかけ、慎重に検証を進める必要がでてくる、すると成果最適化までの道のりもこれまで以上に長くなることが想定されます。

セグメント精度が悪化し、ユーザーのカスタマージャーニーの不透明化が進む、また既存のアトリビューションモデルが壊れ、長期的なユーザーへのアプローチが困難になることから、Third Party Cookie廃止前後で同等の成果を得るためにかかる広告費の増大も懸念されます。

なんらかの対策をしない限り、マーケティングに必要不可欠な顧客データの質は落ちます。取得可能なデータ総量が減少すること自体が、企業がマーケティング戦略を練り、実行する上で大きな壁になり得るのです。

企業が今後早急に取り組むべき課題

以上のことから、これまで収集できていたデータが見れなくなる、透明度が低くなることで既存のカスタマージャーニーマップやマーケティング戦略が崩れ、企業によっては戦略の立て直しが必要になることは明白です。

上述した通り、Third Party Cookie廃止後は個人を追うことが事実上難しくなります。そうすると見込み客の姿がぼやけ、どのようにアプローチしたらいいかが確実に不明瞭になります。こういった背景を受けて今後各企業、マーケターが求められるのは「ユーザーの属性ベースでのマーケティング戦略」になるといわれています。

またその属性を把握する上で重要になってくるのが、顧客リストなどのデータ、いわゆるZero Party Data、First Party Dataを持っているか否かになります。

・Zero Party Data
オーディエンスデータを勝手に取得するのではなく、ある個人が広告主に対して意図的に共有するデータ、企業が適切に要求して得たデータを指します。Zero Party Dataは調査企業のフォレスター(Forrester)が昨年2020年11月に命名した用語で、現在注目を浴びているものとなります。たとえば、ある個人が自分と関係のある何らかのオファーを広告主から受けるのと引き換えに、その広告主に自分のデータを使うことを許諾するといったケースが当てはまるでしょうか。これはオーディエンスが「個人情報を守りたい」と考える一方で、「ブランドに自分のことを分かってほしい」とも思っている、という分析に基づいています。
またデメリットとしては、簡単に手に入るデータではないため、①収集が大変、②コストがかかる、③既存オーディエンスのデータしか取れないという点が挙げられます。
 
・First Party Data
こちらは、広告主が自社チャネルで自動的に収集するオーディエンスのデータです。Zero Party Dataは、First Party Dataの一種ともいえるでしょう。ただし、Zero Party Dataの場合は、オーディエンスが自分たちの好みや心象について、興味のあるブランドに対して意識的に共有するデータです。First Party Dataに多い、いわゆる推測データよりも、同意のうえで提供されたZero Party Dataのほうが正確なものになります。

 
具体的に属性ベースでのマーケティングといっても、そもそものデータが無いと打ち手は限られ、戦略設計は難しくなります。またGoogleやAmazon、Facebookなどの大企業は既に十分な顧客情報を得ていますが、中小零細企業はいかがでしょうか。

今回世界的にThird Party Cookieを活用したターゲティング依存の世の中からの脱却が始まろうとしていますが、再度顧客起点マーケティングを実施するためにも、上述したデータを持っているかが今後の企業の成長速度や戦略策定にも差を付けます。

特に顧客から自動的に収集したデータよりも、適切に1人1人の顧客に要求したもの、Zero Party Dataの価値は、取得もFirst Party Dataより難しい分、貴重で情報の精度は極めて高くなります。

これまで以上に自社サービスに興味関心を抱くユーザーのニーズや要望を拾い上げる、顧客とのコミュニケーションの重要性が高まっていくことはいうまでもありません。

Third Party Cookie廃止後の対策

以上より、今後は総じて「自社の顧客データ活用度の重要性が高まる」ことが明らかになっています。分かりやすく分割すると下記4つのような活動が起点となるため、今の内から準備を進めておく必要があるでしょう。

①自社データ活用
②独自オーディエンスの確立とデータベースの構築
③ハウスリストの管理
④データベースを活用するための戦略設計

 
では、実際に顧客と関係性を築きつつ、カスタマージャーニーとマーケティング戦略構築・再構築に必要な情報を収集するために、今後より重要度が高まる手法とはなんなのでしょうか。下記で紹介していきます。

・One to Oneコミュニケーション
Third Party Cookieが廃止された後に広告主や代理店が重要視しなければならないのは、取得したFirst Party Cookieの価値の最大化になります。自社で運営するメディアの戦略設計の重要度を上げ、顧客体験を改善する仕組みづくりにしっかりと時間を割くようにしましょう。
 
またこの顧客1人1人に寄り添ったコミュニケーションの質を上げることで、First Party Cookieよりも貴重なZero Party Cookieの取得にかかるコストや時間も上手に削減することができるようになります。

・コンテンツマーケティング
リマーケティング配信が使えなくなり、媒体から取得できるオーディエンスデータが制限されることにより、今後取得できる個人のユーザー情報の質は、Third Party Cookie廃止後どうしても下がってしまうことが想定されます。
 
だからこそ自社で、First Party Cookieが取得することもできるコンテンツマーケティングの需要が伸びていくことが想定されます。サイトへのログインIDやメールアドレスなどユーザー同意の元取得できたデータは今後より貴重で自社の財産になりえるのです。
 
またそうなると、改めてSEOやリスティング広告(検索連動型広告)などのキーワードターゲティングの重要度が高まります。
 
加えてその仕組みを活用するための戦術として、ホワイトペーパーなどのオファーを用意し、Google AnalitycsやGoogle広告でのオーディエンスデータと連動することで、全体のWeb施策の効果性を高めることができるようになります。

・メールを使ったCRM施策
Third Party Cookieがなくなっても、メールを使った施策はさほど大きな影響を受けることはありません。ただし、今後より一層貴重になってくるFarst Party Dataを取得できるツールになるため、マーケティング視点での重要度は高くなることが想定されます。
 
また今後はThird Party Cookieに影響されないMAツールやデータプラットフォームを活用し、取得したリストを整理、連絡先のセグメントとパーソナライズされたオファーの提供をすることで、これまでリマーケティング配信上で取り組んでいたクロスセルやアップセル施策を打つことができるようになります。

・Cookieに依存しないメディアとチャネルの有効活用
いわゆるTVCMや新聞広告、屋外広告などが該当します。データやオーディエンスの透明性が薄れてしまうブラウザベースの施策外の施策になるため、Third Party Cookie廃止後においては広告費の「安全な投資先」になるといってもいいかもしれません。
タクシー広告、デジタルサイネージなど新しい媒体の台頭も時代の波風にのって加速することも想定されます。

・Second Party Data
Second Party Dataとは、自社が保有しているデータではなく、特定のパートナー企業から得ることができる外部データを指します。ユーザーから直接提供されたデータではないものの、ビジネスにおいて直接的な関係があるメディアオーナーが運営するプライベートマーケットプレイスを経由することで合法的に利用することが可能になります。

参考:1st, 2nd, & 3rd party data and its effect on your ROI

GDPRやCCPAなど早くから個人情報の取り扱いに注意を払い、規制を設けてきた欧米諸外国では早期より有効活用されてきたデータ区分ではありますが、自社顧客データ(First Party Cookie)と他社提供元が所有・提供する顧客データ(First Party Cookie=Second Party Cookie)を比較することで、新たな販売機会の創出、獲得、顧客ロイヤリティの向上に活用されてきました。

データそのものを販売するベンダーも今後増えるとともに、Third Party Cookie廃止により減少する顧客データの補完とビジネスの拡大を目的とした2社間でのパートナーシップ締結などが今後日本でも加速していくことが想定されます。

多大なる影響が予測されるThird Party Cookieの廃止ですが、では今後、宣言元のGoogle自体はどのようにこれら問題に対処していくのでしょうか?収益の大半を広告事業から生み出しているからこそ、Googleは自分で自分の首を絞めているようにも見てとれますが、そこはしっかりと「代替案」を立て、対策を進めているようです。

Third Party Cookieに変わるその「代替案」とは一体なんなのでしょうか?

Cookieに代わる新システム「Privacy Sandbox」

現在、Third Party Cookie依存からの脱却、代替え案としてGoogleではCookieに代わるシステムとして「Privacy Sandbox(プライバシーサンドボックス)」と呼ばれる構想を進めています。https://www.chromium.org/Home/chromium-privacy/privacy-sandbox

「Privacy Sandbox(プライバシーサンドボックス)」はCookieで問題視されていた個人情報保護、プライバシーの保護の観点から下記3つを原則において設計されています。

①透明性:個人情報がどのように集められ、どのように広告に用いられているかをユーザーが容易に確認できる「透明性」が維持されていること。
②選択肢:ユーザーに、個人情報の取り扱いや好ましいWeb体験に対する「選択肢」があること。裏で勝手に個人情報が扱われることがなくなること。
③コントロール:ユーザーが、自身の個人情報の扱われている範囲について把握し、提供範囲を「コントロール」できる状態であること。

 
2020年8月に同プロジェクトを立ち上げられ、既に移行に向けた実験の実施と結果の公表もされていますが、同社はこの取り組みを、Chromeブラウザ内における広告ターゲティングの許可を継続しつつ、不適切なトラッキングを減らすための一手段であると断言しています。

構想が実現すると、Cookieの代わりに5つのAPIを用いてデータトラッキングを行い「Cookieではなくブラウザベースで計測やターゲティングを管理する」ことができるようになります。また下記がその各APIの名称となります。

【5つのAPI】
①「トラストAPI(trust API)」
②「トラストトークン(trust tokens)」
③「プライバシーバジェットAPI(privacy budget API)」
④「イベントコンバージョンメジャーメントAPI(Event conversion measurement API)」
⑤「PIGIN(referring to private interest groups, including noise)」

参考:A more private way to measure ad conversions, the Event Conversion Measurement API

例えば広告のコンバージョン測定に関する情報は④のAPI経由で情報取得ができるようになり、スパムや詐欺への対策に関しては、②のAPIによって対象が人間か機会によるものなのかを識別することができるようになります。

また、CVの日時についても正確な時間をそのままダイレクトに送信してしまうとユーザー個人の特定が可能になってしまうため、イベントCV計測APIではデータを定期的に集計・反映する仕様となっているようです。

上記のECを取り上げた図だと、まず1つ目のCV(サインアップ)を計測した場合データが送信されるのは実際のCV日から期間が空いた広告クリックの2日後にデータが送信されます。その後2つ目のCV(靴の購入)では、広告クリックから7日後、3つ目のCV(Tシャツの購入)を見ても同様に、実際のユーザー購入日とCVデータの取得日の間に期間が空く形で、パーソナライズデータの特定を防ぎます。

加えて、広告の興味関心ターゲティングに関しては、「FLoC(Federated Learning of Cohorts、群れの連合学習)」と呼ばれるAPI、アルゴリズムが「Privacy Sandbox」にて採用されることになっています。

参考:FLOC-Whitepaper-Google.pdf

FLoCは、大まかに言うと、「同じ関心を持つ匿名ユーザーの集合体」という意味で、名称のFLoCも英語で(群れ)を表す、flockを意図しています。このアルゴリズムにより、個々のユーザーを追跡せずに、個々人のプライバシーを保護したまま、広告主とパブリッシャーに成果を提供することが可能になると公表しています。

また類似オーディエンスの集団のことを、「Cohori(コホート)」と称し、個々のユーザーの仮名IDを使わず、共通の関心事をもとに分類されたユーザー集団の行動を観測します。

例えば、自動車広告を考えると、広告主は従来、多様な自動車購入関連サイトを訪問するユーザーをそれぞれ追跡するCookieに依存していたが、今後は自動車を買うことに興味がある集団を対象にしていくイメージとなります。

広告主の有力業界団体はGoogleに対して、この代替的な仕組みの効果が証明されるまで、Third Party Cookieの廃止を先送りするよう要望してきました。これに対し、Googleは今年1月、集団化システムは、有効に機能し得るとの試験結果を公表しています。

想定を超える精度の検証結果が既に得られ始めていることから、Third Party Cookieの廃止は着実に進行していることをしっかり広告関連の事業者は確認し、また進展を追っていく必要性がさらに高まったといっても過言ではないでしょう。

※Googleが行った実験によると、検証は既に始まっており、想定よりも順調とのこと しかし実装にはまだまだ時間がかかりそうです。

広告代理店、運用者は何をすべきか

今回実際に実用段階にステージを移しつつある「Privacy Sandbox」と、廃止に向けて進むThird Party Cookie依存についてはご理解いただけたと思います。では、今後迎える未来にむけて我々広告代理店、運用者はどのように対策や準備を進めるべきでしょうか?
以下3点補足してみます。

①情報を伝える

まずは状況をしっかり伝えることから始まります。広告業界のプロであっても今回の変更に関しては理解が追いつかない点があります。そのため各広告主に対して、正しい情報と対策、そのアップデートについて継続的に伝達を続けていく必要性があります。

②既存のビジネスモデルの変革を促す
またThird Party Cookie廃止により、これまで見立ててきたペルソナ、顧客層に関するデータに変化が起きることが想定されます。リマーケティング配信なども使用が困難になることが想定されるため、マーケティング担当者は、より関連性の高い適切なデジタル体験を消費者に提供するためにも、早急にコンテキスト・ターゲティングの考え方を
取り入れるべきです。

海外ではビジネスモデルを変えることができない企業が存続できないことは明らかだとまで断言仕切っている方もいらっしゃるぐらいでした。

③コンバージョン計測とターゲティングについての理解を深める
また重要なのが上記となります、しっかりと仕組みを理解し、既存の計測手段等がまるっと刷新されるぐらいの勢いで情報理解と仕組みを把握しておくことが必要になるでしょう。

まとめ

2020年1月14日(アメリカ時間)に発表されたChromeブラウザでのThird Party Cookieのサポート終了宣言から早1年が経過しました。当初「2年以内」に打ち切ると計画を発表しており残す期間も1年前後となりました。

今後展開される代替技術「Privacy Sandbox」は、2021年4月公開予定の「Chrome 90」から実装予定となっています。広告代理店、運用者はこの大きな転換に備えて、しっかりと今の内からできる対策を進めていきましょう。

参考The Privacy Sandbox
参考プライバシー サンドボックスの可能性を検討する
参考Potential uses for the Privacy Sandbox
参考Building a privacy-first future for web advertising

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