インバウンドマーケティングとは|注目されている理由と成果を上げるポイントを分かりやすく解説

  • 2024.3.11
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なぜ今インバウンドマーケティングが注目されているのでしょうか。それは企業のマーケティング活動において、これまでメインとされてきたアウトバウントマーケティングの効率や成果が落ちてきていることが影響しています。

時代や顧客の変化に合わせて企業は、従来のマーケティング手法からインバウンドマーケティングに力を入れ始めています。顧客の変化に対応できないと企業は、新規ユーザーの獲得や既存顧客の囲い込みができず、簡単に潰れてしまいます。

この記事では、インバウンドマーケティングとはどのような手法か、従来のマーケティング手法と何が違い、成功させるにはどのようなポイントがあるのかを分かりやすく解説します。

※本記事は訪日外国人向けのマーケティングという意味での「インバウンドマーケティング」の記事ではありませんので、ご了承ください。

インバウンドマーケティングとは

インバウンドマーケティングとは、見込み客が企業の提供する価値あるコンテンツを通じて自然に関心を持ち、成果に繋げる手法です。

アウトバウンドマーケティングではターゲットに直接アプローチを行いますが、インバウンドマーケティングはSEOやSNSなどコンテンツマーケティングを活用し、ユーザーが情報を求めた際に自社サービスに辿り着くように促します。

この手法は営業負荷の軽減や質の高いリードの獲得など、企業に多くの利益をもたらします。インバウンドマーケティングの成果を最大化するためには適切な戦略と実践的な運用が必要です。まずは基本として、以下の5ステップを踏むことが推奨されます。

1・ペルソナの策定:サービス利用の理想の顧客像を明確にし、対象オーディエンスに合わせたコンテンツを作成します。

2・コンテンツ戦略の策定:価値ある情報を提供し、ユーザーの関心を引きます。具体的な課題解決に繋がるコンテンツは特に重要です。

3・マルチチャンネルでの展開:コンテンツを広範囲に配信し、多角的な露出を目指します。

4・リードナーチャリング:関心を持った見込み客を育て、購入に繋げるためのフォローアップを行います。

5・測定と改善:施策の効果を定量的に評価し、継続的に改善を行います。

1・ペルソナの策定

インバウンドマーケティングの戦略を考える上で、まず行うことは、自社の製品やサービスの対象となるペルソナはどのような人なのかを明確にすることです。

対象の顧客が明確になっていない、分からない状況では、適切なマーケティング活動を実施することは不可能でしょう。

2・コンテンツ戦略の策定

インバウンドマーケティングでは、ユーザーの関心を集めるために価値あるコンテンツを作成していきます。ペルソナの抱える課題や悩みの解決に繋がるコンテンツを作成していくことが重要です。

3・マルチチャンネルでの展開

昨今のインバウンドマーケティングにおいて、マルチチャンネルでの配信は必須でしょう。

SEOメディアだけでなく、各種SNSなども運用し、情報を拡散できるようにすることで、多角的な露出を目指します。Google検索で情報を探すユーザーもいれば、YouTubeなど動画で情報を得る層や、Instagram、Facebook、X(Twitter)などを中心に情報を集める顧客もいるでしょう。最大限のリーチするためには、商材やサービスに合わせ複数のチャネルでコンテンツを配信していきましょう。

4・リードナーチャリング

魅力的なコンテンツを配信し、顧客に認知されたとしても直ぐに購入までいかないケースはBtoBのビジネスでは多いのが実情です。

商品やサービスによってリードタイムは異なりますが、その間に問い合わせから無料相談をしたり、メールやLINEなどで定期的に顧客をサポートする必要があるでしょう。インバウンドマーケティングで成果を上げるには、獲得した見込み客を育て、購入まで導く必要があります。

5・測定と改善

各施策の効果を測定し、改善を続けることがインバウンドマーケティングで成果を出すために重要です。具体的に、SEOのオウンドメディアについて考えてみましょう。PV数に問題があるのか、アクセス数は競合サイトと比べあるのに問い合わせ数が少ないのか(サイト設計や導線が悪い)、または問い合わせから獲得したリードを成約まで導けていないのかなど、課題を分解し、それぞれで原因を追究し改善する必要があります。

これらの5つのステップにより、会社のマーケティング活動は効率化され、従来のアウトバウンドマーケティングに代わる手法として機能します。企業が直面する課題の解決に繋がる適切なインバウンドマーケティングの実施は、今日のBtoB市場での競争力を高め、営業活動をより効果的にするための重要な鍵となります。

インバウンドマーケティングが重要視されてきている理由

現代のマーケティング戦略では、インバウンドマーケティングの重要性が日に日に増してきています。

その理由は、インターネット環境が整い、人々が様々な情報を手軽に得られるようになったことが影響しています。従来は、テレビ、新聞、ラジオなどに代表されるような一方的なマーケティング活動が主流でした。ただ現在では、対象の顧客が多く時間を使っているメディアで価値ある情報を配信していく必要があります。

それだけユーザーのニーズが多様化しているということに加え、顧客が価値を感じるコンテンツを通じて自然にサービスや商品に関心を持たせる手法は、BtoBマーケティングで特に効果を発揮します。

では実際にインバウンドマーケティングは、どのような効果をもたらすのでしょうか。まず考えられるのは、質の高い潜在顧客を引き寄せることができるマーケティング戦略ということです。SNSやオウンドメディアなどのデジタルプラットフォームを活用し、企業が提供する価値の高いコンテンツで関心を持たせ、顧客からの自発的なアクションを促進します。さらに、関心を持っている顧客へのアプローチなので、営業活動が効率的になり、営業の負担を軽減します。

この手法により、企業は広告に依存することなく、見込み顧客に自社のサービスや製品の魅力を伝えることができます。価値ある情報を提供することで信頼関係を築き、長期的な顧客関係を構築できます。また、競合他社と差別化を図り、市場での優位性を保つためにインバウンドマーケティング戦略は不可欠です。

BtoBマーケティングの担当者にとって、インバウンドマーケティングの導入はデジタル時代の新たな顧客獲得方法といえます。受け手の疑問を解消し、価値提供を最前線で行うことで、より効果的なマーケティング活動に進化させる必要があります。それが、インバウンドマーケティングの重要性の理由です。

インバウンドマーケティングのメリット

 

究極の営業効率化である
顧客が主体的に行動するためコンバージョン率が高い
顧客と長期的な関係を築き、企業へのロイヤリティを高める

インバウンドマーケティングは究極の営業効率化でもあります。従来のマーケティング活動では、営業担当者の業務領域は広くリードの創出から抽出まで行い商談し、受注まで導かないといけませんでした。そのため商談だけに注力できる状況ではありません。インバウンドマーケティングでリード創出から抽出までをマーケターが担当することで、営業担当者は商談の成約率を上げることに集中することが可能となります。

インバウンドマーケティングは特に、コストパフォーマンスの面で多大なメリットがあります。従来のアウトバウンドマーケティングに比べ、インバウンドマーケティングを採用することで、顧客自らが価値を認識し、興味を持って接触してくるため、広告費を削減し資源を効率的に配分できます。ターゲットを絞ったコンテンツを通じた効果的なコミュニケーションのためコンバージョン率を向上させます。

顧客との長期的な関係を深める上でもインバウンドマーケティングは非常に有効です。一方通行でなく、対話を重視するアプローチによって顧客ロイヤリティを育み、ブランド価値を高めます。インバウンドマーケティングは、コスト削減、関心の高い見込み客の獲得、顧客関係の構築といった複数の面で、BtoBマーケティングにおける有力な手法です。

アウトバウンドマーケティングとの比較

アウトバウンドマーケティングは、企業から直接潜在顧客へ接触し、製品やサービスを推進する手法です。テレマーケティング、メール送信、広告など、企業が情報を主導的に発信する営業活動が特徴で、従来はこれが主流でした。

この手法は、不特定多数にアプローチ出来たり成果が比較的早く見込める点でメリットがあります。デメリットとしては、広告では継続的に多くのコストがかかり、企業の一方的な発信の為、ユーザーが拒否感を感じやすいことなどが考えられます。多くの方が、急に営業電話がかかってきたり、見たくもない広告を見せられたり、企業に対して不快に感じた経験があるのではないでしょうか。

一方でインバウンドマーケティングでは、ターゲットのニーズに合わせて良質なコンテンツなどを通じて見込み客を引き付ける受け身な手法です。

良質なコンテンツは積み上がり価値が一定持続するため長期的なコスト(主に広告費)を抑えたり、配信するコンテンツのテーマを絞るため狙ったユーザーを集めやすいなどのメリットがあります。デメリットとしては、成果が出るまでに時間がかかります。SEOメディアであっても、SNSメディアであっても多くのユーザーに影響力を発揮するまでに時間が必要になります。また広告とは違い、直ぐに結果が出ないこともあり施策が間違っていても気が付かない、成果が出る前に挫折してしまうなどが考えられます。

これら2つのマーケティング手法には、それぞれメリット、デメリットがあります。最強なのは2つの手法を組み合わせることです。組み合わせることで、お互いのデメリットを補うことが可能となります。商品やサービスの認知が低い初期フェーズではアウトバウンドマーケティング(主に広告)を活用し、その間に並行してインバウンドマーケティングの仕組みを整えコンテンツを継続して配信していきます。インバウンドで顧客を獲得できるようになってきたら徐々に広告費を減らすなどして利益率を改善していくなども良いでしょう。

アウトバウンドマーケティングの限界

近年、消費者の情報収集手段が増え、情報過多の時代になりました。これにより、企業が消費者に直接アプローチするアウトバウンドマーケティングの効果は下がっています。顧客の抵抗も強まり、従来の手法での成果獲得が難しくなっています。実際のところ、訪問販売や営業電話に嫌悪感をいだいた経験のある方も多いのではないでしょうか。

BtoBマーケティングの責任者や担当者は、効率的かつ競合と差別化できる手法を常に求めています。これに応えるため、インバウンドマーケティングが注目されています。この方法では、顧客が自ら企業のコンテンツに関心を持ち、接触してきます。その結果、関心ある見込み客と効果的なコミュニケーションが可能です。

インバウンドマーケティングは、セミナーやホワイトペーパー、業界レポートなど有益な情報を提供し、見込み客の興味を引き製品やサービスへと導きます。見込み客が自ら情報を探し、関わることで、セールスプレッシャーなしに信頼関係を築ける環境が生まれます。また、マーケティングオートメーションツールを使って見込み客の情報を定量的に管理し、無駄のない営業活動を助けます。

アウトバウンドマーケティングの時代はあったものの、今はその限界を理解し、新たな営業戦略としてインバウンドマーケティングにどう移行するか、併用させるか具体策と実践例を探ることが重要です。

コンテンツマーケティングとの違い

 

インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングは非常に近い概念です。具体的には、インバウンドマーケティングの手法としてコンテンツマーケティングが含まれるといったイメージです。

アウトバウンドマーケティングと異なり受け身なマーケティング手法のため、商品やサービスの見込み顧客にまず認知してもらう必要があります。受け身であるがゆえに有益な情報を発信して認知を広げることに有効なコンテンツマーケティングは、インバウンドマーケティングでは必須といってもいいでしょう。

なぜならアウトバウンドマーケティングであれば、新聞やチラシ、雑誌、テレマーケティング、テレビやラジオCM、看板広告、電車の中吊り広告などコンテンツを継続的に配信し続けなくても対象とする顧客にリーチできる可能性があります。しかしインバウンドマーケティングの場合は、継続的に主にWeb上に顧客自ら関心を持つような高品質な情報を提供することでしかリーチすることができません。

そのため、インバウンドマーケティングを成功させるための中核をコンテンツマーケティングが担っていると考えても相違ないでしょう。もちろんコンテンツマーケティングでリードを多く獲得したとしても、その後の顧客とのコミュニケーションを最適化できなければ多くの企業が望むような成果を上げることは難しいことは言うまでもありません。

▼コンテンツマーケティングについて、より詳しく知りたい方はこちらから

インバウンドマーケティングの実践方法

BtoBマーケティングの責任者・担当者が営業効率の向上と差別化戦略の強化を目指す際に、欠かせないのがインバウンドマーケティングのアプローチです。ただし、手法を導入するだけでは不十分です。企業がインバウンドマーケティングを成功に導くための戦略とステップを解説します。

企業ごとに特有のニーズや顧客層があるため、マーケティング活動でターゲットの明確化は必須です。効果的なインバウンドマーケティングを行うには、以下の3つの主要ステップを極めることが求められます。

① 対象顧客の多い場所で、コンテンツメディアを作成する

② ウェブページやLPを最適化し、リードに変換する

③ リードを育成し、商談機会へとつなげる

まず、検索エンジンやソーシャルメディアの最適化でターゲットに見つけられるコンテンツを構築することが一つ目のステップです。次に、ウェブページやランディングページを最適化し、訪問者をリードに変換するプロセスを確立することが重要です。最後に、リードを効果的に育成し、営業機会へとつなげる手法が必要です。

インバウンドマーケティングは、広告やプロモーション以上に深い関係構築を目指し、見込み客の意識と信頼を得て自然に製品やサービスへの興味を引き出し、結果的には持続可能なビジネス成長へと貢献します。しかし3つのステップ以前にインバウンドマーケティング戦略を構築する上で、注意しなければいけないことがあります。

目的・課題を明確にする

効果的なインバウンドマーケティング戦略を構築する上で不可欠な最初のステップは、マーケティングの具体的な目標を明確にすることです。目標は、ウェブ集客の増加、リード生成の成功、見込み客の育成、売上の向上など、マーケティング担当者が直面する課題です。

これらの目標を達成するには、マーケティングとビジネスのミッションを一致させることが重要です。透明で一貫したビジョンがあると、チームは効率的に動けるため、各アクションが組織の大きな目標へ貢献します。目標設定後の次のステップは、目標達成のためのコンテンツ計画を策定することです。コンテンツはインバウンドマーケティングの中心要素で、潜在顧客を引き寄せるためには適切な情報提供が不可欠です。

自社の現状を把握する

自社のマーケティング戦略を立てるためには、現在の市場における自社の立ち位置を正確に把握することが必要です。競合他社との違いを認識し、それを踏まえて自社の強みを活かし、弱みを改善することが重要です。その際、営業活動でターゲットとなる顧客のペルソナを定義し、彼らのニーズと価値感を理解することがセールス成果につながります。

現状分析は目標達成の起点を明らかにするために価値があります。各段階でデータを集め、それに基づく意思決定を行う必要があります。

戦略を立案する

インバウンドマーケティングを成功させるためには、戦略の立案というステップが重要です。これは単なる行動計画ではなく、ビジネス目標を達成するための戦略的な指針を意味します。まず、コンテンツマーケティングの指針を設定することから始めましょう。サービスが何か、それを市場にどのように訴求し価値を届けるかを明確にすることが必要です。

この段階では、顧客のニーズに合致する高品質なコンテンツを提供する方策を練り上げます。加えて、SEOを最大化するための適切なキーワード選定に注力したり、SNSなど複数のチャネルを通じてより多くの潜在顧客にリーチする戦略も考慮することが重要です。既存の顧客分析から学んだことを基に、具体的かつ効果的な戦略を計画し、より精緻なマーケティング活動に繋げてください。

戦術を選定する

目的、自社の現状、それを達成するための戦略が決まったら、実際に何を実行していくか戦術に落とし込んでいく必要があります。具体的には、長期的な顧客関係構築を目指し、ブログ記事、ホワイトペーパー、電子書籍、セミナー、動画など多様なコンテンツの計画的な展開が重要です。

施策の選定と実行では、市場のニーズや業界のトレンドを読み、顧客に一歩も二歩も先行する価値あるコンテンツを提供することで、ブランドの権威性と信頼性を築きます。施策を選定する際には、同業、他業界での成功事例、経験豊富な専門家の意見や最新マーケティングトレンドを取り入れつつ選定をすることが重要です。

PDCAを回し続ける

インバウンドマーケティングを実行する中で、たとえ目的を定め、市場を分析し、戦略・戦術を立てたとしても計画通りに進むことはあまりありません。なぜなら同業他社も同じようにマーケティング活動を行い日々競い合っているため、上手くいかないケースも実際多いでしょう。そこで重要になるのが、計画(Plan)、施策の実行(do)、施策の評価(Check)、改善(Action)を繰り返し行うことであり、計画、施策を日々ブラッシュアップすることで、目標としている成果へと近づけていきます。

インバウンドマーケティングを成功させるポイント

インバウンドマーケティングを取り入れるメリットは、ここまで記事を読んだ方は納得できるかと思います。しかし、既に多くの企業がインバウンドマーケティングを取り入れている中で、上手くいかない企業が多く存在することも事実です。以下でインバウンドマーケティングを成功させるポイントを説明します。

インバウンドマーケティングのどのフェーズにいるか認識する

インバウンドマーケティング、セールス、カスタマーサクセス向けのソフトウェアを開発、提供するHubSpot(ハブスポット)は、企業のインバウンドマーケティング実践を以下のような3つのフェーズで分けて表現しています。

HubSpotの共同者のブライアン・ハリガン氏によると「参考になる情報の詰まったリッチコンテンツを作成すれば、多くの人が関心を寄せ、好きになって」くれると言います。リッチコンテンツの提供する場所は、SNSやブログなどのオウンドメディアなどが代表的です。自社が今行っている施策が3フェーズの中で、どこを目的にしているかをしっかりと把握することで、明確な意図をもってマーケティング施策を実行できるでしょう。

引用:HubSpot公式

1. Attract(惹きつける)

価値のあるコンテンツを対象顧客に提供し、適切に相手の心をつかみ頼りになる存在として印象付けをします。Attract段階の戦略では、ターゲット顧客を惹きつけるためのコンテンツ作成や開発が中心となります。顧客にアプローチする最初の手段として代表的なものは、ブログ(オウンドメディア)、SNS投稿など、価値のあるコンテンツを作成し公開します。

ここで代表的な施策は、SEO対策(検索エンジン最適化)や各種SNSアカウントの最適化などです。

2 . Engage(信頼関係を築く)

顧客の課題や目標に合わせた情報や解決のソリューションを提供することで、将来的な成約の可能性を高めます。Engage段階の戦略では、ターゲット顧客と信頼関係を構築するためにコミュニケーションをはかることが重要となります。

具体的には、作成したコンテンツにから獲得した問い合わせに対して、丁寧に対応していくことが大切です。そうすることで、自社と相性の良い顧客と成約する可能性が高まります

3 . Delight(満足してもらう)

製品やサービスを使い顧客が問題解決できるように、必要な支援を行い顧客に満足してもらうことが重要です。Delight段階の戦略では、購入後のアフターサポートなど長期にわたって顧客の満足度を保ち、支援し続けます。

具体的には、チャットボットなどでの無料相談や、アフターフォロー、顧客アンケートなどから製品やサービスの改善を繰り返すことなどが考えられます。顧客満足度を追求し、継続的なファンになってもらうことが理想です。特にBtoBサービスなど対象の顧客が絞られる場合、製品やサービス、会社に対しての評価が商品判断に重要な要素となるため、顧客と関わる担当者は常に丁寧な対応が求められます。

組織全体でインバウンドマーケティングの考え方を取り入れる

インバウンドマーケティングの考え方を会社全体で採用することで、営業活動の質が向上し、市場での競争力を高めることが可能です。

この戦略を成功させるには、経営層から現場のスタッフまで、インバウンドマーケティングの理念を社内共通の価値観として定着させることが必要です。具体的には、勉強会を定期的に開催したり、オウンドメディアやメールマガジンで成功事例を共有したりすることなどが効果的です。さらに、アウトバウンドマーケティングとの違いを理解し、両者を適切に組み合わせるバランス感覚も重要です。

各部署がマーケティングの重要性を認識し、業務を通じて顧客との接点を強化する文化を築くと、マーケティング活動は組織全域で効果を発揮します。

例えば、SaaS業界では組織全体で連携してインバウンドマーケティングのPDCAを繰り返しています。カスタマーサポート部門はユーザーからのフィードバックを迅速に処理し、製品開発のエンジニアに顧客の声に基づいた機能追加やシステムの改善を促します。セールスはマーケティング部署が獲得したリードを受注につなげるために顧客属性はどうなのか、どの流入経路の受注率が高いのかなどを分析して営業効率の最大化を目指します。

結論として、マーケティング活動の最適化は組織全体での協力やコミュニケーションが不可欠であり、インバウンドマーケティングの重要性を共通認識とし、戦略として推進することが非常に重要です。

インバウンドマーケティングの成功事例を紹介

弊社デジタルアスリートは、広告代理事業がメイン事業のため、お客様へアウトバウンドマーケティングのご支援が中心です。しかし自社事業の中で広告だけに頼ることは難しい分野もあることは事実です。そうした背景がある中で、インバウンドマーケティングを実際に取り入れることで成果をあげることができた事例を紹介します。

タベリナInstagramアカウントでの事例

こちらのInstagramアカウントでは、Webマーケティングを学び始めたばかりの人にもやさしく理解してもらえることをコンセプトに、図解を使い分かりやすく説明することを意識しています。その理由は、タベリナさん自身がマーケティングを学び始めのころ苦労した経験からだそうです。このアカウントから自社サービス(manabie)の無料登録ユーザーを1投稿で58件集めることができました。インバウンドマーケティングなしで広告だけで無料のユーザーを集めたとしてもCPAが想定より高かったり、ユーザーの質が悪かったりになりがちです。

https://www.instagram.com/taberina_ch/

ユーザーを短期的で集められたポイント

①商材と普段の投稿の親和性がある

このInstagramアカウントをフォローしてくれているユーザーは、Webマーケティングを学びたい、スキルを身につけて市場価値を上げたいなど、Webマーケティングを学べる動画育成プログラムである(manabie)と親和性が高いため、登録してくれる方が多かったと考えられます。

その他、Instagramアカウントをフォローしてくれているユーザーの中には、YouTubeの「Webマーケティングが学べる!タベリナチャンネル」も見てくださっている方も多くみえました。マルチチャンネルでのユーザーに有益なコンテンツ配信を続けていたことも信頼関係を構築できたポイントです。

https://www.youtube.com/@taberinach

②コメントDMでの質問などフォロワーの方と距離間の近さを大切にしている

ユーザーのエンゲージメントが良くなるだけでなく、どのような投稿を見たいかストーリズで聞いたり、フォロワーに何を求められているかは常に気を付けてコンテンツを配信していました。

MAツール活用でインバウンドマーケティングを効率化しよう

BtoBマーケティングにおいて、営業成績に直結する効果的なインバウンドマーケティングは、競争が激化する昨今のビジネス環境では必須といっても過言ではありません。

インバウンドマーケティングを成功させるためには、MA(マーケティングオートメーション)ツールの活用が有益となります。この章ではMAツールの特徴からメリット、弊社が取り入れているHubspot(ハブスポット)についても紹介します。

HubSpotは、マーケティング、営業、コンテンツ管理、カスタマーサービスの業務をつなぐために欠かせないソフトウェア、連携機能、リソースを備えたカスタマープラットフォームです。 HubSpotの統合型プラットフォームにより、企業にとって何よりも大切な顧客と向き合うことに集中でき、ビジネスの成長を加速できます。

(引用元:Hubspot

▼MAツールの主な機能

  • リード管理機能
  • ランディングページ・フォームの作成
  • 分析・レポート作成
  • 広告連携、データ抽出
  • メール作成・配信
  • システム連携
  • 自動シナリオ作成

MAツールのメリット

インバウンドマーケティングにおいて、MAツールを活用するメリットについて確認していきましょう。

マーケティング施策を横断的に分析できる

MAツールは、顧客情報、タッチポイント別の製品やサービスの購入率などを分析することができます。どの施策が費用対効果が高いのか、継続的に売り上げに貢献しているかなど詳細な分析することで、マーケティング戦略の改善に繋げることが可能になります。

マーケティング施策の自動化ができる

あらかじめMAツールで顧客の行動をトリガーに自動でメールを送信するなど設定することができます。例えば、セミナー申し込みした見込み顧客には、あらかじめ設定しているメールを自動で送信するなどです。そのためマーケティング施策の効率化が可能です。

社内の担当者にHubspotの使い心地を聞いてみた

上記の内容は、一般的にMAツールのメリットとして良く語られることですが、実際にMAツールを活用する担当者はどのような印象なのでしょうか。社内の担当者にHubspotを導入して良かったことなど詳しい聞いてきたのでまとめます。

Hubspotを導入してよかったこと

ツールの導入する前は、顧客の情報をスプレッドシートでまとめていた。情報を探す際にチャットを遡る、以前の担当者に聞くなど非効率な情報管理をしていたが、Hubspotを導入後顧客情報を蓄積することができ、社内での情報共有が容易になった。また以前は営業部しか情報を知らないなどもあったが、現在は別部署の社員も同じように情報を調べることができるようになっている。

その他、ツールで分からないことがあったり、実現したいことがあった際に、リアルタイムでチャットで担当者に質問することができるのも大変便利だと語っていました。また広告の管理画面では、実際の数値とずれることがあるがHubspotでは実数値が正確に把握できる点も良いとのことです。

Hubspotでできること

マーケティング活動においてほぼできないことはないのでは?というくらい機能が充実している。具体的には、営業管理、マーケティング、カスタマーサクセスまでなんでも対応できる。個人別の営業成績を細かく確認できたり、広告媒体と連携して流入経路別の成果などを把握することも容易となった。このツールがないとマーケティング活動が円滑に進まない、人の手を返すことにより情報の不備が発生してしまうとのではと感じている。

まとめ

消費者の製品やサービスの選び方や購買行動が変化したことにより、企業は従来のアウトバウンドマーケティングからインバウンドマーケティングへの移行が求められています。この記事で紹介したインバウンドマーケティングを成功させるポイントを実践して、目標とする成果の達成を目指していきましょう。

従来のアウトバウンドマーケティングの効果が落ちてきている
そのため企業はインバウンドマーケティングに力を入れざるを得ない
BtoB企業はインバウンドマーケティングと相性が良い
インバウンドマーケティングを成功させるには、目的を定め自社がどのフェーズにいるかを認識しPDCAサイクルを回していくことが重要
MAツールを活用し、マーケティング活動を効率化していこう
アウトバウンドマーケティングとインバウンドマーケティングを組み合わせるのが最強

 

 

 

 

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SEOチーム所属河合晃典
デジタルアスリート株式会社

異業種から中途でデジタルアスリート株式会社に入社 デジタル広告の運用、大手広告代理店で広告運用を経て自社メディアのライター・運用に携わる 保有資格:Google広告認定資格、YMAA・KTAA認定資格

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