ディスプレイ広告の平均クリック率は?成果を出すディスプレイ広告の6つの攻略法

  • 2013.4.17
  • 2023.9.12
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ディスプレイ広告を始めたもののなかなか成果が出ない時、まずチェックする指標のひとつに、「広告のクリック率が低くないか?」ということがあります。

しかし、そもそもディスプレイ広告のクリック率ってどのくらい出るものなのでしょうか?高い低いの基準はどのくらいなのでしょう?

また、よく誤解しがちなのが、「クリック率を高める=成果が出る」ということです。広告の成果は「コンバージョン」なので、クリック率を高めることは手段であって目的ではないということを忘れてはいけません。

この記事では、ディスプレイ広告の平均クリック率とクリック率の高め方に加え、ディスプレイ広告で成果を出す方法をまとめました。

今のクリック率が低いかも・・・と不安に思いつつ基準がなくて判断できない方、ディスプレイ広告でなかなか成果が出ずお困りの方はぜひ参考にしてください。

ディスプレイ広告のクリック率はどのくらい?

まずは、ディスプレイ広告の平均クリック率を知って、自社のクリック率が平均と比べて高いのか低いのかをチェックしてみましょう。

商材によって変わるが平均約0.6%

結論から言うと、ディスプレイ広告の平均クリック率は「商材によって変わる」というのが正確な回答です。しかし、全商材を合わせて平均にすると約0.6%ほどになるでしょう。

以下は、WordStream社が調査したGoogle広告のディスプレイ広告の商材別のクリック率です。

(左)PCとモバイルを合わせた平均クリック率
(右)モバイルのみの平均クリック率

参考:
Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!] | WordStream
Google Ads Mobile Benchmarks for YOUR Industry | WordStream

このデータを見ると、不動産(1.08%)やヘアサロン(0.93%)のクリック率が高いのが分かります。逆に、B2B(0.46%)や旅行(0.47%)はクリック率が0.6%を下回っていて、低めですね。

検索連動型広告のクリック率

比較対象として、検索連動型広告のクリック率を見てみましょう。

こちらも、先ほどのWordStream社が調査した、Google広告の検索連動型広告の商材別のクリック率です。

(左)PCとモバイルを合わせた平均クリック率
(右)モバイルのみの平均クリック率

参考:
Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!] | WordStream
Google Ads Mobile Benchmarks for YOUR Industry | WordStream

悩みが明確になって自ら調べているので、ディスプレイよりも検索連動型広告の方がクリック率が高くなる傾向にあると言えます。

クリック率を高めれば成果が出るというわけではない

注意しなければいけないのが、「クリック率を高めれば成果が出る」というわけではないことです。

広告の本質は、「適切な人に対して適切なメッセージを届けられているか」ということです。それがズレている状態でクリック率だけを高めても成果には繋がりません。

ゴールが「購入させること」だとすれば、クリック率はあくまでも手段であり、目的ではありません。クリック率が高くても成果が出ないパターンは、以下のようなケースです。

ターゲティングがズレている

ディスプレイ広告では、ユーザーの興味関心や属性を指定してターゲティングをすることができます。しかし、ニーズが無く、見込みが無い層に広告を出してしまっていると、どんなにクリック率を高めても成果を出すことができません。

例えば、50~60代が対象の視力サポートサプリを、20代の女性に向けて配信していた場合、もしも興味を引くクリエイティブを作りクリック率が高くなったとしても、購入には繋がりにくいですよね。

配信面がズレている

配信面とは、広告が表示されるサイトの場所のことです。先ほどのターゲティングと考え方は似ていますが、見込み客がいない場所に広告を配信しても、コンバージョンをしてもらえません。

例えば、男性が好んで購入するような車種の自動車の広告を、主婦がよく閲覧している化粧品のECサイトに掲載されていては、コンバージョンを発生させることは難しいでしょう。

配信しているユーザーにとって魅力的なランディングページではない

ターゲティングも配信面も合っていても、見込み客にとって魅力的なランディングページになっていなければ、コンバージョン率は低くなってしまいます。

このように、「クリック率が高く、十分な流入がある」ということだけではなく、ターゲティング、配信面、ランディングページなど、全ての要素が適切でなければ、コンバージョンを最大化することはできません。

そのため、ターゲティングや配信面がズレている状態でクリック率だけを躍起になって集めてしまうと、見込みの無い無駄クリックばかりが増えてしまい、逆にCPAが高くなってしまう恐れがあります。

「クリック率さえ高ければいいんだ」という誤解をせず、他の要素も見込み客に合っているかを必ず意識するようにしましょう。

ディスプレイ広告のクリック率を上げるメリット

先ほどお伝えしたように、クリック率が高いだけでは成果を出すことはできませんが、適切なターゲティングと配信面の設定ができていて、魅力的なランディングページを用意できていれば、クリック率を上げることでさらにパフォーマンスの向上が見込めます。

クリック率を上げることで、このようなメリットがあります。

クリック単価が安くなる

ディスプレイ広告の掲載順位は、広告ランクによって決まります。
つまり、広告ランクが低ければ入札単価を高くしなければ広告を露出することができませんし、広告ランクが高ければ、安い入札単価で広告を露出することができるのです。

この広告ランクを決める要素の1つが、「推定クリック率」です。推定クリック率は過去のクリック率のデータに基づいて算出されるため、過去のクリック率が高いほど推定クリック率も高くなります。

そのため、クリック率を高めることで広告ランクが高くなり、広告を露出するために必要な費用が安く済むため、クリック単価が安くなるのです。

また、クリック単価が安くなれば同じ費用でより多くのクリックを集めることができますので、コンバージョン率が変わらない限りは、コンバージョン単価も安くなります。

ランディングページの閲覧数が増える

先ほどお伝えしたように、クリック率が高まれば、同じ費用でより多くのクリックが発生します。クリック数が多くなれば、その分ランディングページの閲覧数が増えますよね。

ランディングページの閲覧数が増えるということは、その分買ってもらえるチャンスが増えるということです。

そのため、きちんと見込みの高い層のクリック率を高めることができれば、その分コンバージョン数も最大化できるのです。

ディスプレイ広告のクリック率を上げる方法

クリック率を上げるメリットが分かったところで、続いてはクリック率を上げる方法について見ていきましょう。

ターゲットに合ったクリエイティブにする

1つ目は、ターゲットの属性や悩みに合ったクリエイティブにするということです。

例えば、女性向けの商品であれば、女性が好みそうなクリエイティブデザインをしましょう。また、年齢によっても好まれる、目を引きやすいデザインは異なります。

自社のターゲットはどのような人なのか、ペルソナを設定した上で、クリエイティブを作成していきましょう。

ペルソナ設定の方法については、以下の記事で詳しく解説をしていますので、是非合わせてお読みください。

例えば、弊社の広告では、以下のように「美容系Web販促に悩む企業様向け」とターゲットと悩みを明確にし、化粧品などの美容系商材を取り扱う企業様にマッチしたビジュアルを使用しています。

しかし、想定されるターゲットの属性や悩みが複数存在するという場合もありますよね。

その場合は、属性や悩みごとに訴求軸・デザインのパターンを複数用意してみましょう。テストをすることで、どんな訴求やデザインが一番反応されるのかが分かり、メインターゲットが具体的になっていきます。

興味をそそられるクリエイティブにする

悩みが顕在化していて自ら解決方法を探している人に対して配信する検索連動型広告とは違い、ディスプレイ広告は別のサイトを閲覧している人に対して、ユーザーの意図とは関係なく表示される広告です。

例えるならば、検索連動広告はお客様から店員に質問されたことに答えるようなものであるのに対して、ディスプレイ広告はウィンドウショッピングをしているお客様に店員の方から話しかけるようなものです。もっと極端な例だと、街を歩いている人にキャッチのように声をかけるようなものと言ってもいいかもしれません。

そのため、ディスプレイ広告の場合は、話を聞いてもらう(クリックしてもらう)ためには、前提として「面白そうだな」「自分に当てはまるな」「なんか気になる」というように興味をそそられるようなクリエイティブが必要です。

例えば弊社で反応の良いクリエイティブの1つとして以下のようなものがあります。

ターゲットが抱えている悩みを具体的に記載することに加え、イラストも興味を引けるようなものを入れています。

ビジュアル的にも目を引くようなデザインになっていて、多くのクリックを集められていると考えられます。

ユーザーはどこで、どんな時に広告に出会うのかを考える

先ほど、「ディスプレイ広告はウィンドウショッピングをしている時や、街を歩いている時に話しかけられるようなもの」とお伝えしましたが、そういった時に、自分の状況や考えを無視して話しかけられて、イラッとしたことはありませんか?

例えば、「今急いでいるのにな」とか、「その商品には興味がないのに」など、色々な状況がありますよね。

ディスプレイ広告も同様で、「ユーザーがどんな時にどんなサイトを見ていて(広告の掲載面)、何を知りたくて、何を考えている時に広告が表示されるのだろう」という状況を想像した上でクリエイティブを作る必要があります。

クリック率が高いのに成果が出ない時の対処法

先ほど、「クリック率が高いというだけでは成果は出ない」ということをお伝えしました。それでは、クリック率を改善する以外では、どのような方法でパフォーマンスを改善したら良いのでしょうか。

今、「クリック率は低くはないのに成果が出ない」という方は、ぜひ以下のような施策を試してみてください。

掲載面を変更する

先述したように、広告を配信しているサイト自体が、ターゲットとズレているためにクリックをされてれも成果が出ないことがあります。

サーチキーワード、トピック、プレースメントなど、広告の掲載面の設定を見直して、ターゲットと合っているかを確認しましょう。成果が出ていない掲載面は停止をして、他に適切な掲載面がないか、仮説を立てた上で、新しい掲載面を追加してテストをして効果的なものを見つけましょう。

ちなみに弊社で運用していた事例では、投資の商材にて、ニュースやファイナンスなどのサイトでCVが多く獲得できていた事例がありました。株をやっている層の年代や興味関心と合致している掲載面であるため、良いパフォーマンスが出たと考えられます。

そのため弊社では、掲載面ごとに細かくパフォーマンスを追っています。先ほどの投資商材の例では、ニュースやファイナンス系のプレースメントの入札単価を強化したところ、アカウント全体のパフォーマンスを改善することができました。

このように掲載面を細かくリストに分類してテストを行い、どこで獲得ができるかを分析すると、より獲得効率を改善するためのデータを得ることができます。

ターゲットを変更する

ディスプレイ広告には、掲載面以外に、ユーザーをターゲティングする配信方法もあります。

ユーザーの興味関心を元にターゲティングできる「インタレスト」、性別、子供の有無、年齢など属性でターゲティングをかける「ユーザー」の設定が、見込み客に適しているかを見直しましょう。

例えば配信対象の年齢を全年齢にしているけれど、商材の特性を考えると、「明らかに20歳以下は購入の見込みがなく、一番ニーズのある層は40歳以上」ということがあります。

そのような場合は、20歳以下を除外し、40歳以上に多く広告の配信がされるように設定をすることができます。

このように、配信対象となっているターゲットが商材とマッチしているかを確認し、調整してみましょう。

ランディングページを改善する

いくらクリエイティブを改善してクリックが集まっても、ランディングページがイケていなければ、コンバージョンを発生させることはできません。

クリック率も高く、掲載面もターゲティングも間違っていないという場合は、ランディングページを改善していきましょう。

実は、ランディングページの改善には広告のデータが非常に役立ちます。

例えば、クリック率の高い広告クリエイティブがあれば、そのクリエイティブの訴求がターゲットに合っていると考えられます。

過去、美容液を扱うお客様で、「若く見える」訴求、「お手入れの時間が短くなる」訴求、「ハリ・つやなど具体的にあらわれる効果」訴求の3パターンのクリエイティブでテストをしたところ、「お手入れの時間が短くなる」訴求のクリエイティブのクリック率が高くなったことがありました。

そこで、ランディングページにも時短訴求を反映させたところ、コンバージョン率も改善することができました。

このように、まずは広告クリエイティブでクリック率の反応が良いパターンを見つけるテストをして、そこで得た結果をランディングページに反映させるという方法も有効です。

相対クリック率も重要な指標

ここまで、広告単体で見た時のクリック率についてお話してきましたが、成果を出すためにもう1つ重要な「クリック率」があります。

それが「相対クリック率」です。

相対クリック率は、他社と比較し自社の広告がどの程度のクリック率を得られているかを示すもので、同じサイトに表示された、同じ業界の競合における平均的なクリック率を100%としクリック率の差を表します。

例えば、同じ業界の競合における平均的なクリック率が0.2%のサイトで自社広告のクリック率が0.3%なら、相対クリック率は150%となります。
同じサイトで、自社広告のクリック率が0.1%なら相対クリック率は50%となります。

相対クリック率は同じサイトでのクリック率の差であり、プレースメントの影響を受けにくいことから、より広告の魅力度合いを反映する指標だといえます。

数値としては100%を超えていれば良いのですが、最低でも70%は欲しいところです。
それ以下だと、見込客を競合に取られてしまっている可能性があります。

このようにクリック率は管理画面の数値を改善するだけでなく、競合他社との関係や数値の改善が最終的な成果につながるのかなど、さまざまな要素を考慮しながら改善を進める必要があるのです。

まとめ

ディスプレイ広告のクリック率を高めると、クリック単価を低くしたり、サイトに多くのアクセスを集められたりといったメリットがあります。

ディスプレイ広告のクリック率を上げるには、

・ターゲットに合ったクリエイティブにする
・興味をそそるクリエイティブにする
・ターゲットの状況や心理、掲載面に合ったクリエイティブにする

という方法が有効です。

しかし、クリック率はディスプレイ広告を改善するための方法の1つでしかなく、パフォーマンスが上がらない場合は、他のところに原因がある可能性もあります。

クリック率が高いのに成果が出ないな・・・という時は、ターゲティングや掲載面、ランディングページに問題がないかどうかを確認してみましょう。

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岡野歩美

デジタルアスリート株式会社 ウェビナーマーケティング部 プロデューサー 新卒でWebコンサルタントとして入社し、約1年後に入社前からの夢だったコピーライターに転身。 現在はコピーライティング、Web制作ディレクション、コンテンツマーケティングをメインとして担当し、Webマーケティング全体を支援するプロデューサーとして活動中。 休日はひたすら漫画を読んでいるか、1人カラオケか、Twitterをやっています。 Twitterが好きすぎて、社内のTwitterイベントを企画してしまいました。 言葉の可能性を信じ、「お客様のサービスの価値が最大限伝わるライティング」を追求し続けています。

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