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リスティング広告の1つのメリットとして自由に入札単価を設定できるという点が挙げられます。
しかし、単価を自由に設定ができる分、適切に設定ができているかがわからなかったり、クリック単価が決まる仕組みがよくわからなかったりという方も少なくないのではないでしょうか?
クリック単価が決まる仕組みを理解し適切に設定ができるようになることで、無駄な費用を減らし、より効果的に広告運用を行うことができるようになります。
そこで本章では、クリック単価が決まる仕組みから相場の調べ方について詳しく解説していきます。
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目次
リスティング広告とは?
既にご存知の方も多いかもしれないですが、リスティング広告の概要について確認していきましょう。
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果ページに表示される広告のことを指します。主な媒体としては、Google・Yahoo!・Bingなどの検索エンジンで使用されており、ユーザーが特定のキーワードで検索した際にページの上部や下部に表示される広告です。
※下記画像の赤枠がリスティング広告、青枠が自然検索になります
▼Googleの検索画面:「会計ソフト」と検索した場合
リスティング広告の場合、記事左上に「スポンサー」と表示されます。
リスティング広告の特徴
リスティング広告はクリック課金制となっており、広告がユーザーに表示されるだけでは料金は発生せず、広告をクリックした際に初めて広告費が発生します。
ディスプレイ広告やSNS広告などと比較して、リスティング広告はユーザーの能動的な検索行動に基づいているので、商品やサービス購入の見込みが高い顕在層に配信できます。その為、Web広告の中では、費用対効果が比較的高いと言われています。
▼リスティング広告のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・顕在層に配信できる(購入の見込みが最も高い層) | ・人気の高いキーワードは、クリック単価が高騰しやすい |
・即日からWebサイトに流入させることができる | ・拡大すると見込みの低いキーワードにも配信するためCPAが悪化する |
・テストマーケティングにも活用できる | ・広告費をかけ続けないと集客できない |
リスティング広告についてさらに詳しく知りたい方は下記記事から
クリック単価とは1クリックあたりにかかる費用のこと
クリック単価とは、リスティング広告において、1クリックされた時にかかった単価のことを指し、CPC(Cost Per Click)ともいいます。
クリック単価は、以下の計算式で算出することができます。
クリック単価 = コスト÷クリック数
リスティング広告の広告費 200,000円
クリック数 1,000の場合
200,000÷1,000=200円
つまり1クリックあたり200円の広告費がかかったということになります。
業界別のGoogle広告の平均クリック単価
海外企業の調査によると、Google広告の検索ネットワーク全体で最も高いクリック単価(CPC)は、法律関係のサービスです。法律業界の平均クリック単価は 6 ドル(約890円 JPY)を超えています。
※1 USD = 148 JPYで換算
すべての業界におけるGoogle広告の平均クリック単価は、検索では2.69ドル(約400円 JPY)、ディスプレイでは0.63ドル(約93.5円 JPY)です。
業界 | 平均クリック単価 (検索) | 平均クリック単価 (GDN) |
B2B | 494円($3.33) | 117円($0.79) |
教育 | 356円($2.40) | 70円($0.47) |
雇用サービス | 302円($2.04) | 303円($2.04) |
金融と保険 | 510円($3.44) | 128円($0.86) |
健康と医療 | 389円($2.62) | 93円($0.63) |
ホームグッズ | 436円($2.94) | 89円($0.60) |
不動産 | 352円($2.37) | 111円($0.75) |
法律関係 | 1,002円($6.75) | 107円($0.72) |
テクノロジー | 564円($3.80) | 76円($0.51) |
旅行とホスピタリティ |
227円($1.53) | 65円($0.44) |
※1 USD = 148 JPYで換算
参照元: Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]
BtoBや法律など商品・サービス単価の高い業界は、クリック単価の相場が高くなる傾向があります。ただし、これはあくまでも業界別の相場であり、実際はキーワード状況や広告の品質などによってクリック単価は変わります。
リスティング広告のクリック単価が高騰する要因
リスティング広告は、検索連動型の広告として多くの企業が活用していますが、クリック単価が高止まりすると広告費がかさみ、収益を圧迫する恐れがあります。そこで、クリック単価が高くなってしまう要因を理解し、適切な対策を講じることが欠かせません。
主なクリック単価の高騰要因は、競合他社との入札競争が激しいこと、広告のクリック率が低いこと、キーワードと広告の関連性が低いこと、ターゲティングが適切でないことなどが挙げられます。
競合他社との入札競争が激しい
需要の高いキーワードほど、クリック単価は高くなります。Google自身も入札価格が高ければ上位に広告を表示するよう設計されているためです。(Yahoo!やMicrosoftなど他の媒体も同様です)
広告のクリック率が低い
広告のクリック率が低ければ、Google広告の品質スコアが下がり、より高い入札価格を支払わなければなりません。そのため、クリック単価が高くなる要因となります。
キーワードと広告の関連性が低い
キーワードと広告、ランディングページのマッチング度が低いと、品質スコアが下がり高い入札価格を支払わなければなりません。ユーザーにとって関連性の高い広告を表示できないためです。
ターゲティングが適切でない
ユーザーのニーズと合っていない広告を出し続けると、無駄なクリックが増え、クリック単価が高止まりします。適切なターゲティングができていないと、コストがかさみます。
このように様々な要因がクリック単価高騰に関係します。これらの要因を分析し、適切な対策を打つことが、クリック単価を抑える上で重要になります。
クリック単価の相場の調べ方
クリック単価はキーワードプランナーを使い調べる
クリック単価を調べる方法はいくつかありますが、ここではGoogle広告のキーワードプランナーを使用した方法をお伝えします。
まずGoogle広告の管理画面にログインし、トップ画面の右上にある「ツールと設定」のアイコンをクリックし「プランニング」>「キーワードプランナー」を選択します。
すると「検索ボリュームと予測のデータを確認する」と出てきますので、ここにクリック単価の相場を調べたいキーワードを入力します。
ここでは例として「美容室 メンズ」と入力します。
そうすると、以下のように、検索ボリュームから掲載位置ごとの想定クリック単価の予測値が表示されます。なお、このデータは品質スコアなどが加味されていないのであくまでも予測値なので参考指標として利用ください。
また、左側のメニューから「予測」を選択すると、任意で入札単価を設定しどれぐらいのクリック数と必要予算などのシミュレーションを確認することも出来るので実際に設定をする際は活用してみるといいでしょう。
クリック単価に影響する6つの要因
クリック単価はキーワードによって、10円単位のケースもあれば、2,000円を越えることもあります。
その金額の差は、主に以下の要因が考えられます。
■業界
お金にかかわる業界、例えば独立支援系の塾・債務整理の業界などは、クリック単価が高い傾向にあります。
■商材
同じ業界でも商材が違うと、利用する場面やターゲット層によってクリック単価に影響があります。
■知名度・認知度
企業や商品の知名度・認知度が広くある場合、広告に対するクリックは集まりやすくなり、単価がおさえられ安くなります。
■時期
売れる時期や閑散期がある商材の場合は、季節によってクリック率が大きく変動します。また世間でその商品がブームになる、ブームが過ぎるなどもクリック単価に影響します。
■配信媒体
同じキーワードでも、媒体や配信方法によってクリック単価は変化します。
品質スコア(インデックス)を改善することでクリック単価を下げられる
実際に広告を出稿してみてクリック単価が相場より高い場合は、広告の品質が低くなっている可能性があります。
広告の品質の目安は管理画面の品質スコア(品質インデックス)で確認することができます。この値が1~5の場合は、広告の品質を改善することでクリック単価が下げられる可能性があります。
また、Google広告の管理画面では広告の品質に関する3つの要素(推定クリック率・広告の関連性・ランディングページの利便性)の評価を確認することができます。この評価が「平均より下」になっているものは改善余地があります。
項目ごとの改善方法
Google広告のヘルプでは品質スコアに関する3つの項目について以下のように書かれています。
お客様の広告が表示された場合にクリックされる可能性の高さを示します。
2.広告の関連性:
お客様の広告がユーザーの検索の意図と一致する度合いを示します。
3.ランディング ページの利便性:
お客様のランディング ページが、広告をクリックしたユーザーにとってどの程度的確で有用かを示します。
では、具体的にどのように改善をしていけば良いのか詳しく解説していきます。
広告文のABテストを行う
推定クリック率とは特定のキーワードに対して表示された広告がクリックされる可能性を示すものですが、ここで重要になるのが推定クリック率とクリック率との関連性です。
クリック率が高い広告は推定クリック率にも影響を与えるのです。
そのため広告のABテストをしっかりと回し、よりクリック率の高い広告文にしていくことで結果的に推定クリック率の向上にも繋がり品質の改善へと結びつくのです。
もちろん、ただABテストをすれば良いということではありません。そこで重要になるのが次に紹介する広告の関連性です。
検索されたキーワードの意図を考える
広告の関連性を上げるためにはユーザーが検索したキーワードからどのような情報を求めているか?を考えることが大切です。
そのためにコンバージョンが発生した検索語句やクリック率の高い検索語句を確認して自然検索結果や競合の広告文を見て求められている情報を調べることが有効な手段となるでしょう。
ランディングページの利便性は4つのポイントを意識する
Google広告のヘルプではランディングページの利便性については以下の4つのポイントが挙げられています。
関連性が高いオリジナルコンテンツを提供する
これは先程の推定クリック率で解説した内容と似ているポイントです。
例えば商品を探しているユーザーに対しては、購入を決めるために必要な商品に関する情報を、比較を求めているユーザーに対しては比較項目一覧など比較がしやすい情報を、というようにユーザーが求めているコンテンツがしっかりと盛り込まれている必要があります。
ビジネス情報を詳しく公開しサイトの信頼性を高める
これは商品やサービスを取り扱う企業概要のコンテンツを充実させようということです。
例えば、電話番号やメールアドレスなどの連絡先情報などが挙げられます。これ以外にもユーザーの立場になり、安心して商品やサービスを利用するための情報を盛り込むよう意識すると良いでしょう。
スマホやPCでのUI(操作性)を高める
デバイスを問わずユーザーが操作しやすいページであることや知りたい情報がどこにあるのか一目見てわかるようなランディングページの構成を作成することが重要になります。
ランディングページの読み込み速度を上げる
読み込みに時間のかかるランディングページはユーザーにとって大きなストレスになってしまいます。
そのため画像ファイルの圧縮やHTMLやCSSなどのコードの無駄を省き、出来る限り読み込み速度を上げる必要があります。
Googleが無料で提供する【SiteSpeedInsights】を使うことでWebサイトの読み込みスピードのスコアと改善ポイントを詳しく知ることが出来るので是非活用してみてください。
入札単価は目標も加味して決定する
相場のクリック単価を確認したからといって、同じぐらいの金額を入札単価に設定すれば良いというわけではないので注意しましょう。
実際に入札単価を決める際には、自社の目標も加味して決定する必要があります。
計算方法はとても簡単で、目標CPAと現状のCVRから上限入札単価を割り出すことです。
例えば目標CPAが5,000円、CVRが2%だった場合以下のような計算になります。
上記の場合、計算上では100円を超える入札単価を設定した場合は目標CPAを超えてしまうということがわかります。
もちろん実際に広告を出してみてこの金額よりも入札単価を上げたほうが、パフォーマンスが良いということはザラにあるので、最終的にはデータを見て判断することが重要になりますが、参考値として必ず把握しておくようにしましょう。
クリック単価が決まる仕組み
ではクリック単価はどのように決まるのでしょうか。その仕組みについて解説します。
広告ランクが掲載順位に影響する
リスティング広告では、ユーザーが検索したキーワードの検索結果画面に広告が表示されます。
その場合、ページの上部であればあるほどユーザーの目に留まり、一般にクリック率などの反応が高くなると考えられます。
この広告の表示される順番のことを広告の掲載順位といいますが、掲載順位や掲載の有無を決定するために使用される値のことを、広告ランクと呼び、広告は広告ランクが高い順に上位から掲載されます。
広告ランクを決める2つの要素
広告ランクは以下の2つの要素から決定されます。
・入札単価(上限クリック単価 ※)
・品質スコア(クリック率・キーワードと広告の関連性・ランディングページの品質など)
※上限クリック単価とは、広告が1回クリックされるのに対して支払い可能な上限額として設定する入札単価です。
この2つを掛け合わせたものが広告ランクとなります。つまり、以下が広告ランクの計算式です。
広告ランク = 上限クリック単価 × 品質スコア
つまり広告ランクが低く広告が上位に掲載できていない場合、広告の品質を決定する何らかの評価が低い(品質スコアが低い)か、入札単価が適切でない(入札単価が低い)と考えられます。
事例をもとに見てみましょう。
表のように品質スコアが高いと、入札単価を低く抑えても広告ランクが高くなるので、広告を上位に掲載する事ができます。
したがって広告運用の際、広告ランクを上げるためには、まず入札単価を引き上げるより、品質スコアの要素を1つ1つ改善していくことが効果的な運用を行う近道になることでしょう。
・実際に支払うクリック単価
では実際に支払うクリック単価はいくらになるのでしょうか。入札単価(上限クリック単価)は支払う上限の金額なので、実際に支払う単価は競合他社との競争によって算出されます。
具体的には、広告ランクが1つ下の広告より上位に表示するために必要な最低限の金額となります。
この表で考えると、広告の表示順は広告ランクが大きい順に、A>B>Cとなります。
実際に支払う費用は、「下位の広告より表示するために必要は最低金額」なので、
競合の広告ランク÷自社の品質スコア+1=実際に支払うクリック単価
となり、
750(2位の広告ランク)÷8(A社の品質スコア)+1(少しでも多ければ広告ランクで上回れる)=95円
B社の場合:
600(3位の広告ランク)÷5(A社の品質スコア)+1(少しでも多ければ広告ランクで上回れる)=121円
と計算できます。C社のクリック単価も同じように入札単価200円を上限に計算されます。
まとめ
クリック単価が決まる仕組みや相場をあらかじめ理解しておくことで、無駄な費用を抑え最適な設定を行うことができます。
もちろん、相場より安くすることが広告運用の目的ではありませんが、仕組みを理解し、データを知っておくことで予測や改善アクションもとりやすくなります。
是非本章を参考に今後のクリック単価の設定や今の設定が最適なものかを見直しするのに役立ててくださいね。
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