【プロ直伝】リスティング広告のキーワード選定手順をわかりやすく紹介

  • 2018.5.10
  • 2022.5.23
  • 12,637 Views

・リスティング広告のキーワード設定を1からやろうとしている
・リスティング広告のキーワード設定されているものを見直したい
・どのキーワードでそもそも配信したらよいのかわからない

この記事ではこのような方に向けてキーワードを選ぶ方法や選ぶ際に使えるツール情報、入稿の時のマッチタイプの説明を中心にお伝えします。

リスティング広告を行う際に必ず必要になってくるキーワード設定ですが、どうキーワードを設定したら良いのかと迷う方は多いのではないでしょうか。

キーワードを選ぶ際に最も重要なことは「検索ユーザーの気持ちになってみること」ですが、最初からそれができたら苦労しません。

そこで、リスティング広告運用のプロの視点から初心者でもできるリスティング広告のキーワードの選択方法を説明していきます。

まずはキーワードの洗い出しを行うのですが、1つの商品でもいろんな角度の入り口があるため、思いつく限り網羅していくことが大切です。

例にあげると、商品が「タイヤ」だったとしましょう。この場合、「商品名」で探す人もいれば、「症状」で探す人もいます。また、「今の悩み」の語句から探す人もいるという感じに、色々な角度からの入口があります。

この時、商品に関するリサーチがとても重要になってきます。そこでプロも行っているリサーチの方法の一例を次に紹介していきます。

商品ページを見る

キーワードを決めるために、まずは商品ページを見ていきます。
ここでは「誰が使う商品なのか」「どのようなサービスなのか」をざっくり理解しましょう。

ひとつのランディングページを例としてリサーチの手順をお見せしていきます。

この段階では「ざっくり理解する」というところがポイントとなります。

あまりにここでページの内容を読み込み、自分の中で落とし込んでしまうと商品を出したい人の思考に引っ張られすぎてしまい、本来理解しないといけない購入するユーザーの気持ちが理解できなくなってしまう可能性があるからです。
そのため、ここでは商品の概要だけを自分の中で落とすように意識していきます。

ここでは狙っているターゲットがどのような人なのかを知るということができれば大丈夫で、今回の場合だと「フリーランスでライターとして稼ぎたい人」だったり、「経験がないけどライターとしてやっていけるのか不安な人」だったり、「副業で何か稼ぐ方法を探している選択肢の中にライターが入っている人」あたりが反応してくれる層だなと考えられます。

商品、サービスについて調べてみる

ページで商品がどのような売り方をしているかや、そもそもの提供方法、メリットやデメリットが何かを確認していきます。

ここで確認するのは「価格」や商品によって「定期の有無」、「売り方に縛りがあるのかどうか」などを見ていきましょう。

今みているページが「何の訴求」が中心となっているかを見てみる。

広告を配信するページは、そもそもリサーチされた上で作られています。

その対象のページがどの悩みをターゲットにしているかなど確認していきましょう。
もし、訴求軸がよくわからないページの場合は、その商品は「何を解決できるものなのか」というところを考えてみましょう。

ここでは「営業不要な」だったり「売り込みなしで」など営業が苦手な人の悩みに対してアプローチしているのがわかります。

自分が思った軸になるキーワードを実際に検索してみる。

検索する理由① 自分の認識を確認する

ここで検索する理由としては2つあり、1つ目はその思っているワードが自分の認識しているものとあっているかどうかを調べることです。

「〇〇痛 治し方」が検索されそうなワードだと思う商材があったとしましょう。
その際まず「〇〇痛」が自分の現在の知識としてあっているかどうかを確認します。

検索する理由② 想定したニーズに間違いがないか確認する

「〇〇痛 治し方」と検索した時にでる検索画面が自分が思っているものと合っているかどうかということを確認するためです。
ここで見るポイントとしては広告面もそうですが、どちらかというとSEOの掲載枠上位部分を確認します。

SEO掲載枠の上位部分はGoogleがその検索ワードでより求められているサイトを上位表示する傾向があります。
「〇〇痛 治し方」で検索している人は、そもそも治すための方法を探しているのか、道具を探しているのか、飲み物を探しているのかなどニーズがわかれるため、よりニーズが多いのはどこかというところを確かめる必要があります。

掲示板などでユーザーを知る

「④」で検索したワードに大幅なずれがなかった場合は、実際にそのワードをベースにWebの掲示板やAmazonや楽天の口コミ、Yahoo知恵袋をベースに以下のポイントを見ていきましょう。

・何に悩んでその商品、サービスを検討しているのか
・使うことに対して迷うポイントとはなにか
・何と比較されているのか

実際にターゲットとなるに直接ヒアリングしてみよう

身近に購入対象となりそうな人が身近にいれば、実際にヒアリングするのもとても有効な手段です。

掲示板などでも読み解けるものはあるのですが、中には生の声以外に、高いレビュー評価を出すために業者などが書き込んでいる可能性も考えられるので鵜呑みにできないものもあります。

対して、身近な人にターゲットとなる人がいれば、「どのような気持ちのときに」「どのような悩みで」「どれくらい考えたか」、さらにはネットで探す場合「どのような検索ワードで検索するのか」まで聞ける可能性もあるため、よりリアルな情報を収集することが可能です。

商品の成分や仕組みなど専門的な要素を調べる

ここはサービスや商品にもよりますが、入っている成分の特徴や言い換え語句はなにかなどを調べていきましょう。

例えば、入っている成分はどのようなものに効くのか、短縮語のようなものはないか、別名はないか、他にどのようなものに含まれていることが多いかなどです。

このように成分を深堀することによって、どのような悩みを持った人が対象なのかということがわかり、その悩みの方だったらどのようなキーワードで検索するのだろうかというところを想定することも可能です。

主軸のキーワードが決まったら、実際にそのキーワードで検索してみよう

ここで実際に考えてきたキーワードを検索してみて以下の点を確認しましょう。

・検索サジェストでよく検索されているキーワードを確認する
・検索ページの下部にでてくる、〇〇に関連する検索キーワード一覧を確認する
・SEO掲載枠の上位部分にでてくる情報の傾向を確認する

このあたりは全て自分の意図した意味でキーワードが検索されているか確認するために使用していきましょう。

キーワードのグルーピングを実施

この段階からキーワードをグルーピング(キーワードごとに組み分け)していくこともお勧めします。
ここの整理としてはXmindというツールを使い、整理することが多いです。

例えば「タイヤ」を売りたい業者がいたとしましょう。
あくまで一例になりますが、タイヤであれば緊急性が高い、緊急性が低いの大きなグループでわけることができます。

緊急性の高いものの例をあげると「パンクした」「車検で指摘を受けた」「冬がもうすぐそこまで迫っている」などが考えられ、基本的に事実に直面したものが対象になってきます。

逆に緊急度の低いものは「雨の日など運転中に微妙な違和感を感じる」「ひび割れが目立ってきた」「溝がへってるなーというイメージ」「ガソリンスタンドでついでのように言われた」などがあり、気づきや体感に基づくものが多いです。

このように一つの商品でも、それぞれの悩みのシチュエーションを想定し、「この悩みの背景の人がどのような思考パターンを持つだろう」ということを考えたものをXmindで整理していく形です。

完成イメージ

また、その先の配下にどのような思考が生まれているのか、またその思考パターンの人がどのようなキーワードにたどり着きそうかというところを想定しながらキーワード候補を増やしていくイメージです。

また、ここで一通りキーワードを出し終わった後に以下のツールで類似などの語句がないか確認していきます。

ラッコキーワードなどでサジェストを確認する

ある1つのキーワードから派生する関連(サジェスト)キーワードを取得してくれるものとなっており、Google、Bing、Youtube等・関連Q&A・トレンド情報を一括で取得できるツールです。

Weblioなどで類語などを調べる

こちらは類語や同義語、対義語などを調べるのによく使用します。

別途参考までにカスタマージャーニーマップを作成するというのも非常に有効です。
もしあなたがマーケティング担当なら既にこちらは作ったことがあるかもしれませんが、作ったことがない方は以下の記事で詳しく紹介していますので、見てみてください。

カスタマージャーニーマップについてはこちらから

優先順位をつけよう

最後に、上がったキーワードの中で優先順位をつけていく必要があります。
配信するための広告費が無限であればグルーピングまででも問題はないのですが、ほとんどの場合「予算」というものがあります。

その際に「どのキーワードの成約確度が高いか」を基準とし、優先順位の高いキーワードから購入していくことをおすすめします。

ここで明らかにニーズの違うキーワードは除いた上で、各キーワードのボリューム(実際に検索される量)をGoogle広告のキーワードプランナーを使用して予測ボリュームを見ていきましょう。

キーワードプランナーを使用する

以下の画像のように、Google広告内にあるツール画面の一覧の中に「キーワードプランナー」というものがあり、無料で使用することができます。

■使用手順
①Google広告にログイン後、右上のツールと設定を押します。

②その中に「キーワードプランナー」というものがあるので、こちらを押します。

キーワードプランナーはGoogleが持つ検索に関するビックデータを使用し、コンテンツ作成や配信キーワードを見つけたり、キーワードごとの月間検索数を確認したりすることができるツールです。

キーワードに対する月間ボリューム(検索されている量)を表すグラフ

検索したキーワードに対し、類似でよく検索されている語句

このように関連語句も見つけられるため有効に使うことができます。
キーワードを検索する以外にも、思いついているキーワードの月間の検索ボリュームがどれくらいなのか、またクリック単価はどれくらいなのかということも調べることができます。

あくまで過去のデータを参照としているため、絶対にそうなるわけではないのですが比較的近い数値がでていることには間違いないので、参考値として捉えて問題ありません。

ここで検索ボリュームやクリック単価を確認しつつ、手元の予算で優先度の高いキーワードから購入していった場合、どこまでのキーワードが購入できるのかをシミュレーションした上で購入目途を立てていきましょう。

優先順位をつけるときに見るポイント

最後に候補としてあげたキーワードの中で、配信の優先順位をつけましょう。
ポイントとして「成約確度の高いキーワード」と「配信ボリュームが多いキーワード」を選定します。

「成約確度の高いキーワード」とは、実際にこのキーワードで検索してきたユーザー心理的に購入するだろうという購入確度の高いもの、わかりやすい例でいうと「タイヤ 購入」などがあげられます。

その上で「配信ボリュームが多い(検索数が多い)キーワード」に高い優先順位をつけていきます。配信ボリュームにおいては上の図の「月間配信検索ボリューム」を確認するようにしましょう。

マッチタイプを踏まえて表を作ろう

キーワードのマッチタイプをご存じでしょうか?マッチタイプは4種類あり、キーワードの入稿時はこれを使い分けて使用します。

キーワードを洗い出し、いよいよ入稿と思った時に初心者の方が直面するのがこのマッチタイプの違いです。

せっかく、キーワードを洗い出しても入稿するマッチタイプ次第では狙っているキーワード以外にも広告が出る可能性がありますので、マッチタイプについてもしっかり学んでおきましょう。

部分一致

登録したキーワードに関連性が高いと判断された検索語句に対して広告が表示されます。

設定するキーワードの型男性用 靴
広告が表示される検索語句の例メンズ 靴
男性 シューズ
靴 買う
広告が表示されない検索語句の例類似語句のアルゴリズムは適宜調整されている可能性があり、関連性があると判断される検索語句も常に変動する

部分一致を使用すると登録したキーワード以外のものでもGoogleやYahoo側が関連した検索語句と判断したものに対しては広告が表示されます。

他のマッチタイプに比べて最も広告の表示回数を出すことができ、想定外のキーワードで検索しているユーザーにも広告を出すことが可能です。

近年スマートフォンユーザーが増加しており、検索語句も想定外のものが多いため、そのようなユーザーには部分一致が有効となります。

フレーズ一致

2021年7月に絞り込み部分一致と統合されたことで、今までフレーズ一致だけでは広告表示できなかったキーワードでも広告表示されるようになりました。

従来のフレーズ一致では登録したキーワードと同じ語順の検索語句とその類似パターンを含む場合に広告が表示されていましたが、

仕様変更に伴い語順が異なった場合でも意味が同じであれば広告が表示されるようになりました。

また、今までは設定したキーワードの間に別のキーワードが入った場合は広告表示されませんでしたが、こちらも仕様変更後は広告が表示されるようになりました。

2021年7月以降の仕様

2021年7月以前の仕様

絞り込み部分一致

2021年の7月に絞り込み部分一致がフレーズ一致に統合されました。

したがって、現在は新たに絞り込み部分一致のキーワード登録はできなくなっています。

2021年7月以前に設定されていた絞り込み部分一致のキーワードは新しいフレーズ一致の動作で配信がされているので

絞り込み部分一致を停止し、フレーズ一致として新しく設定し直す必要はありません。
「+男性用 靴」のように一部の語句に+記号つけていた場合も「+男性用 +靴」「”男性用 靴”」と同じ動作になります。

完全一致

登録したキーワードと完全に一致する検索語句、またはその類似パターンに該当する検索語句の場合に広告が表示されます。

完全一致は指定した登録キーワードとその類似パターンに限定して広告を表示させることができます。
予算が限られている場合や狙うキーワードが決まっている、且つそれ以外に拡張したくない場合はこちらの設定で入稿するのをお勧めします。

キーワードを整理する

上記を理解した上で、下記のように入稿する用の表を作成していきます。

GoogleとYahooで若干フォーマットが違うのですが、基本的に「キャンペーン」「広告グループ」「キーワード」の順に並べます。

こちらの型で作成しておけば、エディターで入稿する際にそのまま使用できます。

媒体が提供している広告Editorの使い方についてはこちらから


赤枠で囲った部分はマッチタイプを違ったものを入れており、部分一致、絞り込み部分一致はGoogle、Yahoo共に同じ形での入力方法ですが、完全一致、フレーズ一致については入力方法が異なるので、それぞれ使い分けていきましょう。

除外キーワードを設定する

続いて除外キーワードについてです。

Google管理画面のツールと設定画面より除外キーワードリストを作成することができます。
それ以外でもキャンペーンごと、広告グループ単位ごとに個別でのキーワード除外設定が可能です。

こちらで意図していない語句に広告がでないように設定をしていきます。

除外する場合の例

先程10章での「男性用 靴」というキーワードですが、お店側が広告主だと仮定し、靴を売りたいだけだとすると、検索語句として「靴を買いたい」人が対象となるため、「靴を売りたい」という検索語句は無駄クリックとなります。

その場合は「売りたい」や「売る」またその類似キーワードにおいては除外設定が必要となるイメージです。

こちらについて初めからわかっているもの、想像がつくものは開始前に除外を推奨しますが、初めから全て網羅することは無理がありますので、運用しながら検索語句を確認し、「これは違うな」といった検索語句があわられたら除外していく形でも問題ありません。

このようにして少しずつ出したいキーワードだけに広告が表示されるように調整していきましょう。

無駄な配信を最小限にするために

配信するキーワード+除外キーワードを設定することで効果的に広告を配信することができます。
この際に必要な視点として、「このキーワードを設定したら、こちらが想定している目的の人じゃない人も入ってこないか?」ということを設定時に疑ってみましょう。

まとめ

今回は初心者でもできるリスティング広告のキーワードの選び方を紹介しました。

全てはリサーチをどうするかでキーワードの思いつく量も圧倒的に変わってきます。
とはいえ、リスティング広告は運用型広告と言われており、基本的にはPDCAを回していくことが大前提とされている広告媒体です。

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岡田 康佑

デジタルアスリート株式会社
ウェビナーマーケティング部 課長
レジャー業界に新卒で入社し7年勤務。内後半4年は販促、広報の責任者として従事し、施設の年間集客数を昨対比125%以上の増を3年連続で達成した。
その後デジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に入社し、Web広告の運用やWeb広告を中心にWebマーケティングのコンサルティングなどを行っている。
コンサルに入り、2年で売上を6億→20億、集客数3万→10万に伸ばすなどの実績がある。
元々Webというよりオフラインの広告を扱うことが多かったためWeb広告は一つの手段として最適な案を考えるようにしている。相談に乗る、人に何かを教えるということが好き。
海鮮が好きなので車を出してでも近場の店より海沿いの店に行くことが多く、休日はよくドライブがてらどこかにいくかテニスをしている。

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